空想的プロレタリア小説  ジャック・ロンドン『ジャック・ロンドン大予言』
ロンドン大予言ジャック・ロンドン大予言
ジャック・ロンドン 辻井 栄滋
晶文社 1983-01

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 「動物小説作家」のイメージが強いジャック・ロンドンはまた、SF的・幻想小説的な作品も得意とし、かなりの数の作品を残しています。彼のこの分野での作品の特徴は、未来予測や社会改良的な問題意識が強いところにあります。
 「未来予測」といえば思い出すのは、ジュール・ヴェルヌです。しかし、ジュール・ヴェルヌの「未来予測」と、ロンドンのそれとは随分異なっています。ヴェルヌが、科学技術の発展を正確に予測する、という面にウエイトを置いているのに対して、ロンドンは、現在の社会の不合理を改善するために、風刺的に未来予想図を描き出す、といった面にウエイトを置いているのです。つまりは、現代世界に対する深い関心が、彼をして「未来小説」を描かせているといえるでしょう。
 そんなロンドンのSF的な短篇を集めたのが『ジャック・ロンドン大予言』(辻井栄滋訳 晶文社)です。以下いくつか紹介していきましょう。

 『強者の力』 舞台は先史時代、老ロング・ビアードは、孫たちを前に、かっての自分たちの歴史を語ります。ばらばらだった人間がいかに部族を作ったか。そして「金」を創造し、富の独占が起こったがために、一族が弱体化してしまった顛末を語りますが…。
 まだ文明が起こる前の人間たちを描いた作品。最初は協力し合っていた一族が、独占欲を起こしてゆく過程が、説得力豊かに描かれます。舞台が古代だけに「強者」の力の振るい方も容赦がなく、それがまたインパクトを持っています。

 『ミダスの手先』 ある日、鉄道王エベン・ヘイルのもとに届いた手紙。それは、膨大な金を要求する脅迫状でした。「ミダスの手先」と名乗る彼らは、金を払わなければ人を殺すというのです。しかし殺されるのはヘイルとは全く関係のない一般人であると。手紙を一笑に付すヘイルはしかし、実際に殺人が起こるのを見て驚きますが、彼らの要求に屈しようとはしません。その後も関係のない人間たちが殺されていくのに従って、社会からは非難の声があがり始め、ヘイルもまた良心の呵責に苦しみます…。
 まったく正体不明の団体「ミダスの手先」。彼らの目的はいったい何なのか? 資本家に対する「テロ」を空想的に描いた作品です。

 『スロットの南側』 「スロット」によって富裕層と労働者層に別れた大都会サンフランシスコ。フレディ・ドラモンド教授は、自らの研究のため、労働者階級に混じって生活を始めます。ビル・トッツを名乗るようになった彼は、労働者たちの間で絶大な人気を得るようになります。
 二重生活を続けるうち、ビル・トッツとフレディ・ドラモンドとの間で引き裂かれるようになった彼は、フレディとして婚約者を持ちながらも、ビルとして労働者階級の女性メアリに惹かれはじめますが…。
 二つの階級の間で揺れ動く男を描いた作品。結末は予定調和的ながら、エンタテインメントとしても上質の短篇です。

 『ゴリア』 正体不明の超絶的な兵器を手にした謎の人物「ゴリア」。彼はその兵器を使って世界中の不正を正し、世界を変革していきます…。
 「核」を想起させる兵器を持って、世界を良い方向に導こうとする男の物語。あまりに簡単に世界が良くなってしまうところに、今読むと、かなりナイーヴな感性を感じてしまいます。

 『デブスの夢』 「ゼネスト」によって、あらゆる職業の人々がストライキに入ってしまいます。最初は甘い考えでいた資本家たちは、いっこうに終わらない「ゼネスト」によって、食料がなくなっていくのに愕然とします。やがて社会が崩壊し、犯罪や殺人が起こり始めますが…。
 「ストライキ」がここまで社会を崩壊させるのか、という疑問はさておき、混乱した社会の描写には、すばらしくリアリティがあります。社会の崩壊、というよりも人間性の崩壊、というべきでしょうか。じつに力強い作品です。

 『全世界の敵』 幼い頃から虐げられつづけてきた男イーミル・グルック。人類全体に恨みを抱く彼は、やがて富を貯え、ある兵器の開発に成功します。グルックはその兵器を使い、無差別虐殺を始めますが、彼を逮捕する証拠はまったくつかめません…。
 虐げられた男が人類社会に復讐するという、テーマ自体は新味のないものですが、主人公グルックが受ける不幸の数々には、強烈なインパクトがあります。

 『比類なき侵略』 近未来、近代化を始めた中国は、その人口を極端に増加させることによって、世界をじわりじわりと侵略し始めます。欧米諸国は、軍を派遣するものの、あっさりと中国の人口によって飲み込まれてしまいます。一計を案じた科学者はある兵器を開発しますが…。
 中国の脅威を描いた、いわゆる「黄禍」小説。「未来予測」という点で考えると、かなり先進的な内容です。

 『背信者』 貧しい家族のために、幼い頃から働きに出されてきた少年ジョニー。有能ながら、機械的な作業を強いられつづけた彼は、やがて表情を失い、人生に対して何も感じなくなっていきます…。
 SF的・幻想的な要素のない普通小説なのですが、インパクトという点では、この短編集随一でしょう。貧しさと機械的な労働がいかに人間性を奪うか、というテーマをこれほど説得力豊かに描いた作品には出会ったことがありません。後半で、ジョニーが発する「僕はすっかり疲れちゃったんだよ」という言葉の何と重みを持っていることか!

 どの作品でも、貧困や労働者と資本家の対立などの社会矛盾が描かれます。いくつか作品を読んでいくと、作品に登場する社会が、いささか図式的に感じられてくる面もないわけではないのですが、貧しさや虐げられた人々を描くときのロンドンの筆は痛烈です。その意味で、現在でも作品の価値は失われていません。
 作品にこめられたメッセージがかなりダイレクトであるので、正直、物語として楽しむにはちょっときついな、という作品もありますが、これだけのエネルギーを持った作品は、やはり一読の価値があります。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

不思議の国のミステリ  ジェイムズ・パウエル『道化の町』
4309801080道化の町 (KAWADE MYSTERY)
ジェイムズ・パウエル 森 英俊 白須 清美
河出書房新社 2008-03

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 ジェイムズ・パウエルは、ジャンルで言えば「ミステリ作家」に分類されるであろう作家です。しかし、彼の作品集『道化の町』(森英俊編 白須清美訳 河出書房)を読めば、そのバラエティに驚かされることでしょう。ミステリ、SF、ファンタジー。ミステリ作品にしても、オーソドックスなミステリなどはありません。この作家ならではの、工夫をこらした作品が楽しめます。以下、面白かったものを紹介します。

 『最近のニュース』 ジョージは、空想癖のある妻ドロシーから、おかしな話を聞かされます。管理人は国際的なゴミ箱の蓋窃盗団の首領で、エレベーターのボーイは、マウマウ団員、そして隣人の作家ベンスンは自分に惚れており、タイプライターでメッセージを送ってきている、と。いつもの妄想癖だと考えるジョージでしたが…。
 想像力豊かな妻の妄想がじつは…という奇妙な味の作品。筋はそう珍しくもないものの、妻の妄想の突拍子のなさに面白みがあります。

 『ミスター・ニュージェントへの遺産』 猜疑心の強い老女、ミセス・ボウルズのもとに訪問を続ける青年ニュージェント。遺産目当ではないかと考えたミセス・ボウルズは、彼に遺産相続の見込みのないことを告げます。しかし、彼は態度を変えず、彼女のもとを訪問し続けるのです。彼は純粋に善意から訪問してくれるのだろうか? 疑問に思いながらも、ミセス・ボウルズはニュージェントに好意を抱くようになっていきますが…。
 孤独な老女を訪れる青年の思惑とは…? 思わぬ「善意」と「悪意」が明らかになるラストには、何とも言えない趣があります。

 『プードルの暗号』 おばのフローラが全財産をペットの犬ピーチズに遺し、家政婦のライダを後見人にしたことに対して、おいのトビーは遺言状の無効を申し立てようとします。フローラは晩年、ピーチズが暗号でメッセージを送っていると考えていたのです。しかし、ピーチズに初めて会ったトビーは、犬が自分に何かメッセージを送っているように思えてしょうがないのです…。
 犬がメッセージを伝える、これが何かのトリックなのかと思いきや、後半の展開は驚きです。犬の目的とはいったい何なのか…? ある種ホラーとしても読める無気味な作品です。

 『オランウータンの王』 何とか生計を立てることに成功しつつあった絵本作家の「わたし」は、ふと自分の成功の原因に思い当たります。動物園のオランウータン、イグナティウスが自分に成功を約束してくれたからにちがいない。動物園の彼の檻の前には、なぜか列を作って人々が並んでいました。まるで「請願者」のように。「わたし」はひそかに彼を「オランウータンの王」と呼んでいました。しかし、突如イグナティウスが死んだあと、彼の後継者ミスター・イグナッツは「わたし」のことを嫌っているようなのです…。
 成功を約束してくれる「オランウータンの王」を巡るファンタスティックなクライム・ストーリー。イグナティウスが登場するあたりから、全く予想のつかないストーリーが展開していきます。不自然な設定ながら、不自然さを感じさせないのは作者の手腕でしょうか。「わたし」がイグナティウスに寄せる親愛の情は、妙な味を出しています。

 『詩人とロバ』 ロバに言葉を教えることに成功すれば、莫大な褒美がもらえる…。まったく目算もなく、その仕事を引き受けた詩人のアブ・ネスラディンは、約束の十年間を遊んで暮らします。その間に、奇跡が起こるかもしれないし、王が死ぬかもしれない。しかし約束の期日が迫ってもロバは話す気配すらありません。詩人はなんとか王を煙に巻く手段を考えようとしますが…。
 詩人の考えた奇策とは…? 機智のあふれるファンタジー作品です。

 『時間の鍵穴』 ある日、ホガースの家を訪れた二人の男女。彼らは未来人だと名乗り、驚くべきことを告げます。ホガースが、いとこのエドガーをすぐに殺さなければ、悲惨な未来が待っている、と。二人にそそのかされて殺人を犯してしまったホガースは、やがて未来につながる「時間の鍵穴」を発見します…。
 これはなんと、タイムトラベルを扱ったSF作品。殺人によって未来の崩壊は防がれたはずが…。変質者的な主人公の行動を暗示する結末が、ひじょうに無気味な余韻を残します。

 『アルトドルフ症候群』 ヘリコプターに乗り込んだ、蒸留所の営業部長フィリップ・マグラスは、いつの間にか、同乗者がいたのに気づき驚きます。彼は突拍子もないことを話し出します。自分は1725年からずっと旅をしている、アルトドルフ城の公爵のダイヤモンドを盗んだ犯人を突き止めない限り、永遠にさまよう運命なのだ、そしてその謎を解いてくれなければ、あなたを殺す…。
 設定はファンタジーながら、作品の中身は純粋なパズラー、といった趣の作品です。謎解きそのものは、よくできているのですが、あくまで現実の論理で解決されてしまうのが、少々物足りないところではあります。「アルトドルフ症候群」のネーミングの由来は秀逸。

 『愚か者のバス』 各国のスパイ組織が、組織の役立たずの人材を一挙に始末してしまおうと考えます。任務だと偽り、バスに乗り込まされたスパイたちでしたが、なぜか次々と乗客たちが殺されてしまいます…。
 つぎつぎと、登場人物たちが殺されてしまうという設定ですが、タッチはあくまでコメディ。いちおう犯人探しがあるのですが、それがどうでもよくなってしまうほどの楽しさです。トンネルをくぐるたびことに、何人も「瞬殺」されてしまうというのが笑えます。

 『道化の町』 「道化」ばかりが住む町クラウンタウンで、殺人事件が起きます。殺されたのは、詐欺師でありギャンブラーでもあるバンコでした。彼はバイ投げで食らったパイで毒殺されたというのです。ボゾ警部はパイに毒を入れた犯人を捜しますが…。
 「道化」ばかりの町という、ファンタスティックな設定を上手く生かしています。町の描写や、被害者の殺され方などの表面的な部分のみならず、犯罪が起きた理由やその手段までもが、物語の背景と密接に結びついているという、じつによくできた作品です。
 「マイム」たちに人気を奪われつつある「道化」という設定も秀逸。この世界ならではの展開と結末といい、傑作と呼ぶに値する作品です。

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スタイルの極致  ロジャー・ゼラズニイ『伝道の書に捧げる薔薇』
伝導の
伝道の書に捧げる薔薇
ロジャー・ゼラズニイ 浅倉 久志 峯岸 久
早川書房 1976-11

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 スタイリッシュなSF作品を書く作家として、ロジャー・ゼラズニイは一般に認知されています。端的に言って、彼の作品は「かっこいい」のです。その原因は何だろうかと考えてみると、やはり文章のスタイルにあるようです。
 彼の作品の特徴として、未来の慣習やテクノロジー、他惑星などが登場する場合、その作品内では当たり前のこととして説明を加えない、というものがあります。これもやりすぎると、作品世界がなかなか理解できない、ということもあるのですが、上手くいった場合には、スピーディな印象を作品に与えることができます。コードウェイナー・スミスなども多用している手法ですね。
 さて、第一短編集である『伝道の書に捧げる薔薇』(浅倉久志、峯岸久訳 ハヤカワ文庫SF)。はっきりいってよくわからない作品もあるのですが、味わいのある佳作もいくつか含まれています。以下、いくつかご紹介しましょう。

 『悪魔の車』 近未来、車は人工知能を持つようになりますが、運転手を殺し野生化する車があらわれるようになります。車たちの首領である「悪魔の車」に兄を殺されたマードックは、悪魔の車に対抗するために、改造した愛車ジェニーとともに悪魔の車を追い続けます…。
 ストレートでわかりやすい作品。ジェニーが悪魔の車に対して同情してしまうところに哀愁を感じます。

 『この死すべき山』 登山家ジャック・サマーズは、まだだれも登攀したことのない「グレイ・シスター」と呼ばれる山に登る決心をし、仲間を集めて登山を開始します。しかし、山のところどころに異常な現象がおこり一行の邪魔をするのです。
 それでも進む彼らの前に、美しい女があらわれ、引き止めようとします。女は実体のない幻覚のようにも見えるのです。この山の頂上には一体なにがあるのだろうか? 女の正体はいったい何なのか…?
 「呪われた山」のSF的解釈とでも呼ぶべき作品です。冒険小説的要素の強い雄編。

 『超緩慢な国王たち』 動きが緩慢な国王たちが議論をしている間に、連れてきた類人猿が進化して、核戦争で絶滅してしまいます。宇宙船もさびて使えなくなってしまうのですが…。
 ロバート・シェクリイ風のユーモア短編。国王たちがなぜ緩慢なのかが最後に明かされる仕組みになっています。

 『重要美術品』 芸術に絶望した芸術家が、美術館のギリシャ彫刻の間に行き、自らが台座にのぼり彫刻となります。訓練の結果、だれも自分を人間だと思わなくなりますが、ある日若い女性がそばにやってきて、台座にのぼりはじめます。恋におちた二人は美術館を抜け出そうとしますが、まわりの彫刻に邪魔されてしまいます。まわりの彫刻も、みなもとは芸術家だったのです…。
 奇想天外なラブストーリー。ジョン・コリアかマルセル・エイメが書きそうな軽妙な作品です。

 『十二月の鍵』 極寒の惑星を開拓するために身体を改造された人間たち。しかし、惑星の消滅に伴って、生きる理由を失ってしまいます。彼らは自分たちが平安に暮らせる故郷を求めて、惑星改造に勤しみますが…。
 改造された人間たちの姿が「猫人間」というのがユニーク。とはいえ、故郷を求める彼らの姿には悲壮感さえ感じさせます。哀愁を帯びた佳作です。

 『ファイオリを愛した男』 言い伝えでは「ファイオリ」は、人間があと一月で死ぬという時にやって来て、その人間の最後の一月をいっしょに暮らし、およそ人間が知りうるありとあらゆる楽しみを与える、と言われています。「ファイオリ」に見えるのは生者だけ。死者やロボットは決して目に入らず、そして彼女達はこの全宇宙で最も美しい姿をとる、と言われているのです。死者の墓守りであるわたしは、命とひきかえにファイオリを愛するようになりますが…。
 死を引き寄せてしまう「ファイオリ」の淋しさ、彼女の涙の理由とは…? 寂寥感さえ感じさせる幻想的な名作。

 バラエティに富んだ短編集だけに、好みの別れる作品も多いと思います。よくわからないものもある一方で、もっとその世界に浸っていたいと思わせる作品もあります。とくに『十二月の鍵』『ファイオリを愛した男』あたりは、非常に名作なので、ぜひ読んでいただきたい作品ですね。
シニカルな視線  レイ・ラッセル『血の伯爵夫人』
血の伯爵夫人
血の伯爵夫人―モダン・ゴシックの真髄
レイ ラッセル 猪俣 美江子
朝日ソノラマ 1986-04

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 近年復刊された〈異色作家短編集〉にも収録されているアメリカの作家レイ・ラッセル。かって「プレイボーイ」誌の編集長をつとめたというだけあって、その作風は非常に多彩かつ技巧的です。ただ、アクの強い他の異色作家と比べてしまうと、インパクトに欠ける印象があるのは否めません。
 実際、〈異色作家短編集〉『嘲笑う男』の収録作品を読んでみても、ゴシックホラー『サルドニクス』以外は、どうもパッとしない感じです。
 しかし、邦訳されているもう一冊の短編集『血の伯爵夫人』(猪俣美江子訳 ソノラマ文庫)を読んでみると、「意外」といっては失礼ですが、なかなか味わいのある作品が並んでいました。それでは以下、収録作品について解説します。

 『彗星の美酒』 音楽に一家言ある「わたし」が手に入れたある古い書簡。それは19世紀末、イギリス人スタントン卿が、ロシアに滞在した折りに書かれたものでした。そこに登場する天才作曲家、チョロデンコに興味を抱いた「わたし」は、チョロデンコについて調べようと、方々に手をつくしますが、彼についての資料はおろか、彼が存在した証拠さえもが見つからないのです…。
 実在の作曲家が多く登場して、リアリティを高めています。ロシア音楽についての蘊蓄がたっぷりつめこまれた、知識人のラッセルらしい作品。芸術的な才能を手に入れるために、悪魔に魂を売った青年の末路とは…? テーマはオーソドックスながら、その処理の仕方がユニークです。後半、青年の末路を、オペラの台本の形で暗示するシーンは非常に技巧的。

 『ビザンチン宮殿の夜』 映画業界の大立者フリーモンドは、かって目をかけてやったにもかかわらず、自分を馬鹿にしている連中に復讐をしようと、彼らを自宅に招待します。密かに盗聴器を仕掛けたフリーモンドは、食事の席でその内容を聞かせてやろうと考えますが、そこに録音されていたのは、思いもかけない内容でした…。
 復讐に燃える傲慢な男が遭遇した、思いもかけない出来事とは…。O・ヘンリー風の哀感に満ちた展開が、最後の最後で皮肉なオチになってしまうのは、ラッセルならではでしょうか。

 『仮面の暗殺者』 南米の大統領の死を取材するために、現地を訪れた記者ストロー。大統領の死は暗殺ではないかと考えた彼は、もと女優の大統領夫人を怪しみ調査を始めますが…。
 これは意外にも「政治スリラー」でしょうか。調査が進むにしたがって明らかになる、複雑な人間関係が読みどころです。二転三転するクライマックスには驚かされます。

 『悦楽の分け前』 女性に全く相手にされず、自分の容姿にコンプレックスを抱いていた青年ソニー・グレイは、ある余興の席で行われた催眠術に興味を引かれます。素人でもすぐにマスターできると言われたソニーは、その催眠術を使って女性に迫ろうと考えます。目論みは成功しますが、たまたま女性の身辺を調べていた私立探偵に事実をつかまれてしまいます…。
 催眠術を使って女性をものにしようとする青年を描いた、願望充足的な話。なのですが、主人公の青年が、繊細で同情をさそうような人物に描かれているのがミソ。私立探偵に尻尾をつかまれた彼が気の毒になってしまうのです。結末はいささか安易なものの、題材から連想されるのとは、ちょっと違った読後感が面白いところです。

 『血の伯爵夫人』 若くして結婚したエリザベスは、最愛の夫が戦に出かけた後、その愛情を持てあましていました。そこに現れたジプシー女性ドロティアはエリザベスに快楽の味わい方を教え、またたくまに彼女の心をつかんでしまいます。やがて帰って来た夫は…。
 16世紀ハンガリーに実在した貴族、エリザベート・バートリを扱ったゴシック作品です。彼女は、つぎつぎと若い女性を殺し、吸血鬼伝説のモデルともなった女性ですが、この作品では、汚れを知らない無垢な女性として描かれます。残虐な行為に手を染めながらも、それはすべて周りの人間の言われるがままにされたことであって、彼女自身は最後まで純粋だった…とする解釈はなかなか面白いですね。

 収録作品中では、やはり『血の伯爵夫人』がいちばんの力作といえるのですが、他の作品もなかなかに捨てがたい味があります。どの作品も技巧が凝らされていますが、その表面的な部分よりも、登場人物の情緒や哀感を描く部分の方に、この作家の本領があるような気がします。この作家、もっとストレートな人情ものやラブストーリーを書いたら、かなりのものになったのではないでしょうか。
 ただ、ラッセルはいくら人情もの的な展開になったとしても、必ず最後に皮肉なオチをもってきてしまいます。場合によっては、素直に「いい話」で終わらせた方が効果的な場合でも、シニカルな終わり方をさせてしまうのは、この作家の性格なのでしょうか。
病んだ家  マーガレット・ミラー『眼の壁』
4094023518眼の壁
マーガレット ミラー Margaret Millar 船木 裕
小学館 1998-03

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 マーガレット・ミラーの作品の特徴を簡単に言うなら、人間心理を重視したサスペンス小説、といえるでしょうか。例えば、殺人や犯罪が起こり、その捜査の過程が描かれたとしても、いわゆる「本格ミステリ」のように、論理や殺人の証拠がはっきりと示されることは多くありません。あくまで、人間同士の関係から生まれる、心理的な論証が優先されます。実際、それらはミラーの筆にかかると、充分な説得力を持っているのです。
 後年の作品ほど、その重厚さが増してくる感があるのですが、初期の作品である『眼の壁』(船木裕訳 小学館文庫)においても、その特質は発揮されています。
 数年前の事故によって、盲目になってしまった女性ケルジー。彼女は、姉のアリス、兄のジョニー、そして婚約者のフィリップとともに、母親から相続した屋敷に住んでいます。資産家だった母親は、末娘のケルジーを溺愛し、遺産をケルジーだけに残したのです。
 ケルジーは、自分が盲目になったのは、事故の際、一緒に乗っていたフィリップのせいだと思い込み、結婚を遅らせ、フィリップを屋敷に閉じ込めていました。そして、他の家族もケルジーに対して愛憎半ばした気持ちを抱いているのです。そしてある日、ケルジーは自殺未遂を起こしてしまいますが…。
 障害者になってしまった若い娘が、性格を歪ませ、周りの人間を苦しめる、というのが、序盤を読みすすめて最初に抱く、作品の印象です。実際その線にしたがって殺人が起きます。ケルジーと、周りの登場人物たちの感情の軋轢がテーマなのかな、と思いきや、物語は急展開するのです。
 この急展開によって、物語の解釈がだいぶ変わってしまうのですが、それが必ずしも成功しているとはいえないところがつらいです。なにより、特異な性格のキャラクターとして登場した、ケルジーの魅力が生かしきれていないところが気になります。「急展開」が、物語の流れをそいでしまっている感があるのです。
 ところどころの心理描写、全体を通しての閉塞的な雰囲気は素晴らしく、そしてトリックもなかなかなのですが、最終的な結末にいたるまでの、クライマックスの盛り上げ方、必然性が不自然な気がするところが、非常にもったいない作品ですね。
勘違いの悲劇  アンブローズ・ビアス『修道士と絞刑人の娘』
B000J892O8修道士と絞刑人の娘 (1980年)
倉本 護
創土社 1980-04

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 アンブローズ・ビアスは、皮肉屋で知られたアメリカの作家です。毒舌に満ちた彼の作品のなかで、1892年発表の『修道士と絞刑人の娘』(倉本護訳 創土社)は、彼に似合わぬ純愛ロマン作品。というのも、この作品、かなり複雑な成立過程を持っているのです。
 ドイツの作家リヒャルト・フォスが、古い伝説に基づいて書いた『ベルヒテスガーデンの修道士』という作品がまずあり、それを、アメリカの作家アドルフ・ド・カストロが翻訳しました。さらに、カストロがビアスに翻訳に手を入れてほしいという依頼で、ビアスが書き直したものが、この作品です。つまりは、ドイツ作品の「翻案」といっていいのでしょうか。
 この辺りの成立過程は、かってわが国の芥川龍之介が行ったものと似ていますね。実際、芥川はビアスに影響を受けていたそうですし、なかなか縁浅からぬものを感じさせます。
 さて、物語のほうはかなりシンプルです。中世ドイツ、ベルヒテスガーデンにやってきた修道士アンブロシウスは、絞首人の娘ベネディクタに思いを寄せるようになります。しかし、絞首人の一族ということで、ベネディクタは、村人から差別を受けていました。彼女に関わったことで、アンブロシウスは山にこもらされることになります。
 そこで、父親を亡くしたベネディクタと再会したアンブロシウスは、ふたたび彼女に惹かれ、修道士としての義務と世俗の愛との葛藤に苦しみます。そんな折り、アンブロシウスは、村の有力者の息子ローカスがやってくることを知ります。ローカスがベネディクタを情婦にしようとしていると思い込んだアンブロシウスは、悩みますが…。
 純朴な青年が愛のために破滅するという、あまりといえばあまりに古風でストレートなストーリーです。ただ注目したいのは、全編がアンブロシウスの主観で進んでいるというところ。ベネディクタはローカスを愛している、ローカスは悪党である、と、アンブロシウスは思いこんでいるのですが、これらに対する客観的な証拠はないのです。
 さらに注目すべきは、最終章。この部分は原作に対して、ビアスが付け加えたとされているのですが、ここで、ローカスがベネディクタの異母兄であることが明かされます。これによって、物語はさらに悲劇性を増すように仕組まれています。
 社会に翻弄され引き裂かれる恋人、という単純な純愛物語が、ビアスの筆が入ることによって、深みを増しているわけです。一見、単なる純愛物語ではありますが、その効果においては、やはりビアスの作品だといっていいのではないでしょうか。
 この作品、正直に言って、ビアスの作品を全然読んだことのない方が読んでも、あまり面白くないと思います。「あのビアス」がこんな作品を…、と「構えて」読んだ方が、作品の面白みを味わえるのではないでしょうか。
不真面目な侵略  ジョー・R・ランズデール『モンスター・ドライヴイン』
4488717012モンスター・ドライヴイン
ジョー・R. ランズデール Joe R. Lansdale 尾之上 浩司
東京創元社 2003-02

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 ホラー小説というものは、ときにコメディ的な要素を帯びることがあります。作者が大真面目に書いたものが、コメディとなってしまったり、逆に、故意にコメディホラーに仕立てているものも、ときにはあります。
 ジョー・R・ランズデール『モンスター・ドライヴイン』(尾之上浩司訳 創元推理文庫)は、作者の狙いがどこにあるのかわかりにくい、という点で、微妙なラインに位置する作品です。
 ジャックは、友達のボブ、ランディ、ウィラードとともに深夜のドライヴイン・シアターに集まります。B級ホラー映画を観ている最中に、突如として謎の彗星が現れ、ドライヴイン・シアターは異空間に囲い込まれてしまいます。閉じこめられた人々はやがて理性を失い、暴力と殺人がたちまちはびこり出します。ジャックたちはここから脱出できるのでしょうか…。
 筋立ては、かなりシンプルです。何事にも情熱を持てない若者たち、閉塞状況の中ではびこる狂気。ドライヴイン・シアターに閉じ込められたのも、おそらくエイリアンの仕業であろうことが語られます。ここまでの展開は、あくまで現実的なアプローチです。
 ところがその後、怪物が登場するのですが、この怪物、通称〈ポップコーン・キング〉の存在が曲者。この怪物が、作品の中でも浮き立っているというか、あまりに現実感がないのです。実写映画の中に、突然アニメ風のキャラクターが登場してしまったかのような感じ、とでもいったらいいのでしょうか。
 この怪物の存在を受け入れられるかどうかで、この作品を楽しめるかどうかが決まる、といっても過言ではありません。それを除けば、ある種、屈折した若者たちを描く青春小説として読めることもあり、後味は悪くありません。
 設定だけを聞くと、スティーヴン・キングの『霧』(矢野浩三郎訳『骸骨乗組員』扶桑社ミステリー収録)と似ている部分もありますね。あちらが「真面目」なホラーだとすると、こちらは完全に「冗談」だといっていいかと思います。ただ「冗談」小説として読めば、なかなかに面白い作品ではあるので、いっぷう変わった作品を読んでみたい方はどうぞ。
哀しき寓話  チャールズ・ボウモント『残酷な童話』
4846007669残酷な童話 (ダーク・ファンタジー・コレクション (7))
チャールズ・ボウモント
論創社 2007-10

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 〈異色作家〉のひとりとして、また、オムニバスドラマ『ミステリー・ゾーン』の脚本家としても知られるチャールズ・ボウモント(ボーモント)。
 〈異色作家短編集〉の一冊として刊行された『夜の旅その他の旅』以来、数十年を経ての邦訳となる短編集『残酷な童話』(仁賀克雄訳 論創社) は、期待に違わない出来です。

 『残酷な童話』 精神状態のおかしくなった母親とともに暮らすロバート。男性を憎む母親の手により、ロバートは女の子として育てられます。外界との接触を断たれたロバートは成長するにつれ、違和感を抱き始めます。しかし母親は強圧的な態度で、彼を支配し続けようとします…。
 かって『ロバータ』という題で訳されていたこともある作品です。主人公の実際の性別を隠すような「仕掛け」をせずに、異常かつ残酷なシチュエーションをあくまで淡々と描写するというところに、この作品の凄みがあります。レイ・ブラッドベリの『びっくり箱』とも通底するテーマを扱った、インパクト溢れる作品。

 『消えゆくアメリカ人』 ある日突然、周りの人間から見えなくなってしまった男ミンチェル。妻子にさえ彼の姿は見えません。彼は思い当たります。自分の姿は突然消えたわけではない。いつの間にか、長い間をかけて、だんだんと薄れてきたのだ…。
 「透明」になってしまった男が、自分のアイデンティティーを取り戻そうとする、哀感あふれるファンタジー。姿が消えてなお、会社には行き続けなければならないと考える、主人公の姿が印象的です。

 『フェア・レディ』 ささいな言葉のやり取りから、バスの運転手の男に恋をしたオールドミス。毎朝、彼の運転するバスに乗り続けた彼女は、ある日彼が配置転換させられたことに気づき愕然としますが…。
 オールドミスのささやかな恋を描く、スケッチ風の小品。洗練された最後の一行が記憶に残ります。

 『ただの土』 「ただ」であることに異様に執着するミスター・エイオータは、ある看板に目を引かれます。そこには「無料の土」について書かれていました。彼はさっそくトラックで運びきれないほどの土を持ち帰ります。しかしその土は「墓地」のものだったのです…。
  「墓地の土」というホラー味のあるアイテムに、主人公の特異なキャラクターを絡ませた、非常にユニークな作品です。プロットとキャラクターが有機的に結びついた、一読忘れがたい、奇妙な味の短篇。

 『自宅参観日』 疎遠だった友人たちの訪問を受けたミスター・ピアス。喜ぶべきことなのに、彼の顔は冴えません。トイレを使いたいという友人をピアスは必死に引き止めます。バスルームには妻の死体があったからです…。
 殺人の発覚を防ぐために、ピアスのとった行動とは…? 友人を始末せざるを得なくなった男を描く、皮肉なクライム・ストーリーです。

 『ダーク・ミュージック』 女性教師ミス・メイプルは、時代錯誤なほどの潔癖症でした。性教育を徹底拒否し、男女のつきあいにも不寛容な彼女は、周りの人間から疎まれていました。しかしある夜、不思議な音楽に誘われて外に出たミス・メイプルは、妙な高揚感に囚われます…。
 「お固い」女性教師が「牧神」らしき存在に誘惑される性的ファンタジー。

 『変態者』 異性愛が禁止された近未来、異性とつきあう人間は犯罪者とみなされていました。ジェッシは、男装した恋人と逢い引きしようと考えますが…。
 同性愛の立場を逆転させた風刺SFです。題材がかなりストレートなだけに、今読むと、いささか古びている感もあります。

 『子守唄』 心に病気をかかえた老女は、自分の息子がいまだに幼児であると思い込んでいました。大人になった息子を見ても、自分の子であると認識できないのです。ある夜、犯罪を犯した息子が、かくまってくれと家に飛び来んできますが…。
 狂った母親と、その影響で犯罪に手を染めた息子。家族の歪んだ関係を描くサイコホラーです。

 『犬の毛』 異常なほど死を恐れる男ギッシングは、ある悪魔じみた男から取引を持ちかけられます。男は、不老不死を提供しようというのです。支払いの代価はなんと「髪の毛一本」! 毎月、髪の毛一本を送付する限りにおいて、永遠の命が保証されるのです。ただし髪の毛は本人のものでなければなりません。ギッシングは喜んで契約しますが、やがて自分の髪の毛が薄くなりつつあることに気づきます…。
 「悪魔との取引」を扱ったユーモラスなファンタジー。オチは脱力系ながら、発想はなかなかユニークです。

 この短編集、SFやホラーに混じって、普通小説もいくつか含まれていますが、今読むと大分古びている感は否めません。全体的に、訳文が、あまりこなれていないせいもあって、よけいそんな印象を持ってしまうのでしょうか。
 ただ、訳文の悪さを差し引いても、いくつかの作品の素晴らしさは変わりません。とくに『残酷な童話』『ただの土』は、ぜひ読んでいただきたい傑作です。 

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

次元間ストレス解消法  アーシュラ・K・ル・グィン『なつかしく謎めいて』
4309204503なつかしく謎めいて (Modern & classic)
河出書房新社 2005-11

by G-Tools

 「異世界」を扱ったファンタジーは数あれど、アーシュラ・K・ル・グィン『なつかしく謎めいて』(谷垣暁美訳 河出書房新社)ほど、不思議な手触りの作品も珍しいでしょう。
 空港で遅れた飛行機を待つとき、精神的なストレスや退屈がたまったとき、それがきっかけとなって別の次元に行くことができるようになります。それは発見者の名を取って「シータ・ドゥリープ式次元間移動法」と呼ばれました。「私」は、この方法を利用して、様々な次元を訪れます。眠らない人のいる次元、翼のある人のいる次元、不死の人がいる次元、それらは私たちとどこか似通っていて、なつかしく謎めいているのです…。
 『ガリヴァー旅行記』を彷彿とさせる、異世界めぐりの連作短編集です。とはいっても『ガリヴァー』のように現実の価値をひっくり返そうというような、激烈なものではありません。そもそも『私』は、あらゆる次元、異なる文化をすすんで学ぼうとする、寛容な人物です。それが、落ち着いた語り口とあいまって、穏やかな読み心地となっているのです。
 最初の方におさめられた作品は、どれも面白いものの、現実の価値を転倒させたようなものが多いです。例えば『渡りをする人々』『ヘーニャの王族たち』などがそれにあたります。『渡りをする人々』は、文字どおり「渡り」をする人々を描きます。『ヘーニャの王族たち』では、住民のほとんどが王族であり、少数派の平民をもてはやすという、諷刺的な世界が描かれます。
 後半になるにしたがって、ただ変わった世界を描くだけでなく、哲学的、文化的な価値観を示唆させる物語が増えてきます。眠らない人々を語りながら、人間の意識の意義にも迫る『眠らない島』、何世代もかけて巨大な宮殿を作り続けるというボルヘス的な物語『謎の建築物』などは素晴らしい出来ばえ。
 タイトルにあるように、どこか「なつかしさ」を感じさせるこの作品集、読んでいて、個人的に思い出したのが、ロード・ダンセイニの『ヤン川を下る長閑な日々』(中野善夫・中村融・安野玲・吉村満美子訳『夢見る人の物語』河出文庫 収録 )。あれほど夢幻的ではないけれど、雰囲気は共通するものがありますね。ちょっと疲れた時に読みたいような作品集です。

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プロフィール

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。雑誌に埋もれた短編を紹介する「埋もれた短編発掘!」コーナーもあり。「奇妙な味」の作品がお好きな方は必見です。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



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