2月の気になる新刊
2月6日刊 北村薫・宮部みゆき編『名短篇、さらにあり』(ちくま文庫 予価819円)
2月7日刊 ロバート・ルイス・スティーヴンスン『宝島』(光文社古典新訳文庫)
2月7日刊 式貴士『カンタン刑 式貴士怪奇小説コレクション』(光文社文庫)
2月7日刊 稲垣足穂『足穂拾遺物語』(青土社 予価3990円)
2月上旬刊 綾辻行人『深泥丘奇談』(メディアファクトリー 予価1575円)
2月中旬刊 パーシヴァル・ワイルド『検死審問 インクエスト』(創元推理文庫 予価882円)
2月中旬刊 エリザベス・ボウエン『エヴァ・トラウト』(国書刊行会 予価2625円)
2月20日刊 ジョン・スラデック『蒸気駆動の少年』〈奇想コレクション〉 (河出書房新社 予価1995円)
2月25日刊 A・M・ウィリアムスン『灰色の女』(論創社 予価2940円)
2月25日刊 ジョン・ブラックバーン『刈りたての干草の香り』(論創社 予価2100円)
2月予定   パトリック・クェンティン『グリンドルの悪夢』(原書房)

 2月は要注目本が目白押しですね。
 『名短篇、さらにあり』は、1月刊行の『名短篇、ここにあり』の続編アンソロジー。『名短篇、ここにあり』は、全編日本作家の作品だったんですが、ジャンル小説ではなく、一般文学からミステリ的な要素を持った作品を抜き出した、という感じのアンソロジーでした。ふだん海外作品ばかり読んでいる身としては、なかなか新鮮な味わいではありました。
 光文社古典新訳文庫からは『宝島』の新訳が登場です。これはこれで期待大なのですが、スティーヴンソンは入手難の作品がまだまだあるので、他の作品を出してほしかった気もします。
 光文社文庫からは、もはや伝説の作家(といっていい)式貴士の短編集が刊行。初収録の作品もいくつか含まれているようで、式貴士の著作を揃えている人でも買う価値はあり。安っぽさとグロテスクさとロマンシチズムの同居する作風は、はまる人ははまると思います。これを機会にファンが増えるといいですね。
 昔、創元から出ていた、パーシヴァル・ワイルド『検死審問 インクエスト』も待望の新訳。ワイルドの作品は、基本がユーモア小説っぽいので、これも楽しめると思います。
 〈奇想コレクション〉からは、スラデックの短編集。以前サンリオSF文庫から短編集が出ていましたが、今回の作品集は「決定版ベスト」だそうで、楽しみです。
 (論創ミステリ)来月刊行の2冊はどちらもマニアックです。ブラックバーンは以前にも1冊出ていますが、注目しているのはA・M・ウィリアムスン『灰色の女』です。この作品、なんと江戸川乱歩『幽霊塔』の原作となった作品だそうです(正確には乱歩作品の原作の黒岩涙香翻案作品の原作ですが)。乱歩作品ほどエログロじゃないんだとは思いますが、今さらながら日本語で読めるようになることを慶賀したいです。
1月の気になる新刊
1月 9 日刊 北村薫・宮部みゆき編『名短篇、ここにあり』(ちくま文庫 予価798円)
1月 9 日刊 イアン・R・マクラウド『夏の涯ての島』(早川書房 予価2310円)
1月10日刊 ミステリー文学資料館編『江戸川乱歩と13人の新青年 〈論理派〉編』(光文社文庫 予価720円)
1月15日刊 ギルバート・アデア『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』(ハヤカワ・ミステリ 予価1260円)
1月18日刊 レイ・ブラッドベリ『猫のパジャマ』(河出書房新社 予価1890円)
1月21日刊 道尾秀介『ラットマン』(光文社 予価1680円)
1月23日刊 北村薫『ミステリ十二か月』(中公文庫 予価980円)
1月24日刊 『異能の画家 伊藤若冲』(新潮社 予価1470円)
1月25日刊 フリオ・コルタサル『愛しのグレンダ』(岩波書店 予価2730円)
1月刊    鹿島茂+鹿島直(写真)『パリのパサージュ レトロ・モダンなアーケード街』(平凡社コロナ・ブックス 予価1680円)

 北村薫・宮部みゆき編のアンソロジーは、どうやら2ヶ月連続刊行のようです。収録作品は、日本作家の作品が中心になるようですが、海外ものも入るんでしょうか。
 ギルバート・アデアの新刊は、例によってミステリのパロディ的な作品のようです。ジャンル小説のファンが素直に楽しめる作品とは思えないのですが、たぶん読んでしまうでしょうね。
 このところ邦訳が続いているブラッドベリの新刊は、短編集です。近作はもういいよ、という心境なのですが、今回は、1940年代からの古い未発表作も含まれるということなので、少し期待しています。
新年おめでとうございます
 あけましておめでとうございます。2008年最初の更新になります。本年もよろしくお願いいたします。
 去年は、ちょっと気の抜けかけたところに「たら本」主催という、個人的には大きな企画があったこともあり、なかなか新鮮な一年でした。
 ところで、最近はまり出したのが、井上雅彦編の『異形コレクション』シリーズ。このシリーズ、いわゆる書き下ろしアンソロジーといわれるもので、毎回テーマを設定して、そのテーマでいろいろな作家が競作するというコンセプトのシリーズです。
 創刊当時から気になってはいたものの、どうも装丁の趣味がよろしくない…という理由で、敬遠していたのですが、最近何冊か読む機会があり、なかなか面白かったので、少し追いかけてみようかな、と思っています。古本屋でバックナンバーを集めはじめたのですが、このシリーズけっこう巻数があるんですよね。もともと手狭な部屋がさらにすごいことに…。
 というわけで、今年の目標は例年通り、積読本を減らすこと(笑)。毎年同じことを言っているような気もしますが、ご勘弁を。

 話は変わりますが、このブログ、翻訳もの専門とうたっているのですが、じつは最近読んでいるのは、日本作家のものが多かったりします。前述した『異形コレクション』などを読むにつけても、日本の作家も、いまや海外作家とそれほど遜色はないのではないか、というのが実感です。
 そういうわけで、ちょくちょく日本作家もとりあげるようにしようかな、と考えているのですが、どんなもんでしょうか。ただ、そんなにメジャーな作家はとりあげないと思うので、そのへんはご安心を(笑)。
12月の気になる新刊
12月11日刊 エドワード・リア/エドワード・ゴーリー『輝ける鼻のどんぐ』柴田元幸訳(河出書房新社 予価1050円)
12月15日刊 スカーレット・トマス『Y氏の終わり』(早川書房 2100円)
12月中旬刊  北原尚彦編『日本版 シャーロック・ホームズの災難』(論創社 予価1995円)
12月20日刊 『原典完訳 遍歴 セレンディッポの三人の王子』(角川書店 予価2400円)
12月20日刊 P・G・ウッドハウス『ジーヴスと恋の季節』(国書刊行会 予価2310円)
12月22日刊 山口雅也編『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』(角川文庫 予価683円)
12月刊   『延原謙探偵小説傑作選』(論創社)
12月刊   カレル・チャペック『クラカチット』(青土社)

 今月いちばん気になるのは、スカーレット・トマス『Y氏の終わり』。「人の心の世界に入る方法が書かれた、呪われた本」をめぐる物語らしいです。
 北原尚彦編『日本版 シャーロック・ホームズの災難』は、ホームズの贋作を集めたものですが、日本作家のみで構成されているところがユニーク。
 『原典完訳 遍歴 セレンディッポの三人の王子』は、「セレンディピティ」という言葉が生まれるもとになったという、古代ペルシアの寓話の初完訳です。
 『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』は、予告からだいぶ遅れていましたが、ようやく刊行のようです。
11月の気になる新刊
11月8日刊  アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』(光文社古典新訳文庫)
11月9日刊 『北村薫のミステリびっくり箱 探偵作家クラブの時代を語る』(角川書店 予価1470円)
11月10日刊 リチャード・マシスン『アイ・アム・レジェンド』(早川文庫NV 予価840円)
11月13日刊 エドワード・リア詩/エドワード・ゴーリー画『ジャンブリーズ』(河出書房新社 予価1050円)
11月中旬刊 ジョン・コリア『ナツメグの味』(河出書房新社 予価2100円)
11月中旬刊 シオドア・スタージョン『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』(河出書房新社 予価1995円)
11月25日刊 日下三蔵『日本SF全集・総解説』(早川書房 予価2100円)
11月28日刊 スティーヴン・キング『携帯ゾンビ 上・下』(新潮文庫 予価740円/780円)
11月刊    ディエゴ・マラーニ『通訳』(東京創元社)

 〈光文社古典新訳文庫〉の新刊は、なんとアーサー・C・クラーク。純文学には留まらないラインナップは好感が持てますね。
 リチャード・マシスン 『アイ・アム・レジェンド』は、『地球最後の男』(吸血鬼)の改訳です。映画化に合わせた刊行のようですが、三度目の刊行にして、ようやく原題通りのタイトルに( I Am Legend)。吸血鬼だらけになってしまった世界で、ひとり孤独に奮闘する男を描いたホラー・サスペンス。衝撃的な結末は、ある種の「センス・オブ・ワンダー」すら感じさせる名作です。未読の方はぜひ読まれることをお勧めします。
 『ナツメグの味』は、ユーモアとウイットで知られる奇想作家、ジョン・コリアの短編集。期待大です。
 『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』は、もはやお馴染みになったスタージョン傑作集。今回は長めの中編が集められているようです。
  日下三蔵『日本SF全集・総解説』は、『SFマガジン』で連載されていたものの単行本化。架空の「日本SF全集」を編集するというコンセプトで、各作家の名作を集めたという、面白い試みになっています。
 スティーヴン・キングの新刊は、ものすごいタイトルですね。ただ「携帯電話を通じて送られた信号で人々が凶暴化し、殺しあいが始まる」という、かなりB級っぽい話だそうなので、むしろ合っているのかもしれません。
 
 

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

10月の気になる新刊
10月10日刊 リチャード・ニーリイ『愛する者に死を』(ハヤカワ・ミステリ 1260円)
10月中旬刊 クリスチアナ・ブランド『ぶち猫 コックリル警部の事件簿』(論創社 予価2100円)
10月中旬刊 木々高太郎・海野十三・大下宇陀児『風間光枝探偵日記』(論創社 予価2960円)
10月23日刊 エドワード・リア詩/エドワード・ゴーリー画『ジャンブリーズ』(河出書房新社 予価1050円)
10月25日刊 『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』(角川文庫 予価683円)
10月25日刊 レイ・ブラッドベリ『緑の影、白い鯨』(筑摩書房 予価3675円)
10月25日刊 マシュー・ニール『英国紳士、エデンへ行く』(早川書房 予価2730円)
10月刊    レイ・ブラッドベリ『さよなら僕の夏』(晶文社 予価1680円)

 10月の予定でいちばん気になるのは、やっぱりニーリイの作品でしょう。デビュー作だそうですが、これもどんでん返しがあるんでしょうか。
 論創社からは、クリスチアナ・ブランドの短編集。この人の長編は読み通すのがなかなか大変なんですが、短篇は結構読みやすいんですよね。
 久々の邦訳になる、ゴーリーの絵本は、エドワード・リアの詩に絵をつけたもの。なんだか言葉遊び系の本ばかり、優先的に訳されているような気がするんですが、個人的には、もっと物語性の強いものを訳してほしいところです。
 ブラッドベリは来月2冊刊行です。『緑の影、白い鯨』は、ちょっとお値段が張るようですが、自伝的な作品らしいです。『さよなら僕の夏』のほうは『たんぽぽのお酒』の続編。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

9月の気になる新刊
9月4日刊  ロラン・トポール『幻の下宿人』(河出文庫 予価819円)
9月6日刊  R・L・スティーヴンスン『新アラビア夜話』(光文社古典新訳文庫)
9月6日刊  ミステリー文学資料館編『江戸川乱歩と13の宝石2』(光文社文庫)
9月7日刊  COCO『今日の早川さん』(早川書房 予価1050円)
9月7日刊  高原英理『ゴシックスピリット』(朝日新聞社 予価1890円)
9月12日刊 タニス・リー『悪魔の薔薇』〈奇想コレクション〉 (河出書房新社 予価1995円)
9月12日刊 ジャック・リッチー『ダイアルAを回せ』〈KAWADE MYSTERY〉(河出書房新社 予価2100円)
9月中旬刊 中村融編『千の脚を持つ男』(創元推理文庫)
9月中旬刊 須永朝彦『日本幻想文学史』(平凡社ライブラリー 予価1470円)
9月下旬刊 D・M・ディヴァイン『悪魔はすぐそこに』(創元推理文庫)
9月下旬刊 リチャード・マシスン『フュリー・オン・サンデー』(扶桑社ミステリ)
9月刊   P・G・ウッドハウス『ブランディングズ城の夏の稲妻』(国書刊行会 予価2200円)

東京創元社2007年復刊フェアより
G・K・チェスタトン『詩人と狂人たち』
ロバート・シェクリー『残酷な方程式』
W・H・ホジスン『夜の声』
J・G・バラード『溺れた巨人』
フレドリック・ブラウン『宇宙をぼくの手の上に』

 9月は気になる書目がたくさんありますね。まずトポール『幻の下宿人』は、かって早川書房の〈ブラック・ユーモア選集〉に収められていたもの。かなりブラックな味わいのユーモア小説です。主人公が不条理な目にあう、いたいたしい話です。
 今回の光文社古典新訳文庫からは、スティーヴンスン『新アラビア夜話』が要注目。都会を舞台にした奇談なのですが、とにかく雰囲気が素晴らしいです。アーサー・マッケンの『怪奇クラブ』に影響を与えた作品としても有名なので、怪奇小説ファンは要チェックです。
 〈奇想コレクション〉の新刊は、タニス・リー。随分意表をついたセレクションですね。ファンタジー作家の印象が強いリーなのですが、今回は異色短篇よりの作品が集められているのでしょうか。
 〈KAWADE MYSTERY〉のほうは、今やおなじみジャック・リッチーです。どの作品も安心して読める質を持っているので、これは躊躇いなく買いです。
 中村融編『千の脚を持つ男』は、「モンスター」をテーマにしたアンソロジーだそうです。SF・ホラーファンはチェックを。
 D・M・ディヴァインは、1960年代に活躍したイギリスのミステリ作家。つぶれてしまった現代教養文庫から、いくつかミステリ作品が出ていましたが、今やすべて絶版。しばらくぶりの邦訳です。この人の作品は、謎解きもさることながら、物語部分の密度が非常に濃いんですよね。心理サスペンス的な要素も強く、今でも充分読むに耐える質を持っています。
 リチャード・マシスン『フュリー・オン・サンデー』は、マシスン50年代の長編だそう。マシスンの作品の中でも、ものすごく渋いところを狙ってきた感じです。
 今年の東京創元社2007年復刊フェアからは、いくつかチェック書目がありますね。とくにシェクリー『残酷な方程式』は、久方ぶりの復活なので要注目です。
8月の気になる新刊
8月7日刊 アンドレ・ブルトン編『黒いユーモア選集1』(河出文庫 予価998円)
8月7日刊 アンドレ・ブルトン編『黒いユーモア選集2』(河出文庫 予価998円)
8月7日刊 横溝正史『山名耕作の不思議な生活』(徳間文庫 予価660円)
8月8日刊 東雅夫編 文豪怪談傑作選『柳田國男集 幽冥談』(ちくま文庫 予価924円)
8月8日刊 イタロ・カルヴィーノ『魔法の庭』(ちくま文庫 予価756円)
8月20日刊 鹿島茂『鹿島茂の書評大全 和物篇』(毎日新聞社 予価1890円)
8月20日刊 鹿島茂『鹿島茂の書評大全 洋物篇』(毎日新聞社 予価1890円)
8月24日刊 シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』(創元推理文庫)
8月24日刊 北原尚彦『SF奇書天外』(東京創元社 キイ・ライブラリー)
8月28日刊 江戸川乱歩作 ヤン・シュヴァンクマイエル画『人間椅子』(エスクァイアマガジンジャパン 予価2625円)

 アンドレ・ブルトン編の名高いアンソロジー『黒いユーモア選集』が文庫化です。これは好企画ですね。
 横溝正史『山名耕作の不思議な生活』は、初期短編集。横溝の初期作品は、後年のものと違って、明るくて軽妙なエンタテインメントが多いので、個人的には好きです。
 シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』は、以前に学研から出たものの、絶版になっていた作品。邦訳のあるものでは、間違いなく最高傑作でしょう。新訳ということなので、解説も含めて期待大です。
 北原尚彦『SF奇書天外』は、かって『SFマガジン』に連載されていたもののようです。マイナー好きにはこたえられないブックガイドになっていると思います。
近況
 ここしばらく、更新もご無沙汰しています。
仕事が忙しかったのですが、来月あたりから落ち着くと思います。そういうわけで、恒例になりますが、最近入手した本の紹介でも。


イリヤ・ワルシャフスキー『夕陽の国ドノマーガ』(大光社)

 ワルシャフスキーという作家、『SFマガジン』のオールドファンなら、ご存じかもしれません。フレドリック・ブラウンや星新一を思わせる、ショート・ショートを得意とした作家です。あまりロシア(当時はソ連)臭がなく、作者名を隠されたら英米の作家だと思うかも。ブラウンや星新一ほどの洗練さはないけれど、今読んでも十分に面白い作家だと思います。


矢野浩三郎監修『アンソロジー 恐怖と幻想』(月刊ペン社)

 全3巻の怪奇小説アンソロジーです。いまとなっては、収録作品は、他の本でも読める物が多いのですが、この本が出た当時(1971年)としては、バランスのとれた編集といい、画期的なアンソロジーだったのではないでしょうか。ブロック、マシスン、コリアなどの異色作家から、ブラックウッド、M・R・ジェイムズなどの古典ホラー、そしておそらく『ミステリマガジン』の収録作品から選んだものだと思うのですが、マイナーながら面白い作品も混じっています。どの作品も、ストーリー重視の読んで面白い作品ばかりなので、怪奇小説ファンでなくても楽しめるようになっています。


スタニスワフ・レム『すばらしきレムの世界1・2』(講談社文庫)

 いわずと知れた、SF界の巨人レムの日本オリジナル短編集。レムのすごいところは、哲学的・難解な作品に混じって、抱腹絶倒のコメディや、エンタテインメント的な作品も書けるところですね。正直レムのシリアス系統の作品は、難しくて歯が立たないのですが、『泰平ヨン』だとかのユーモア編は大好きです。
 国書刊行会から刊行中の〈スタニスワフ・レム コレクション〉も、基本的にはシリアス路線のようなので、ユーモア路線のレムの選集などを出してくれると嬉しいんですが。


鮎川哲也編『戦慄の十三楽章』(講談社文庫)

 音楽をテーマにしたミステリを集めたアンソロジー。音楽といっても、基本的にはクラシックですね。現代だと、音楽といっても、ジャンルが細分化してしまっていて難しいと思いますが、昔の探偵小説での音楽の取り扱い方は、かなりロマンチックで好みです。


●shenさんへ

 情報&メッセージありがとうございます。
〈幻想と怪奇〉は、僕もバラでは何冊か持っていますが、なかなか揃えられずにいます。創刊号とか二号は意外に見かけるんですけど、後半の号が全然見つかりませんね。〈幻想と怪奇〉は、復刊の噂もちらほらあるので、ここで無理して揃えるのもなあ、と躊躇っています。
 どこか初めての場所に行くと、古本屋を探してしまう、というのは同感ですね。思いがけない「発見」を日々期待しています。

テーマ:本とつれづれ - ジャンル:本・雑誌



プロフィール

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。雑誌に埋もれた短編を紹介する「埋もれた短編発掘!」コーナーもあり。「奇妙な味」の作品がお好きな方は必見です。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



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