FC2ブログ
新年のご挨拶と2019年度の気になる新刊
 2019年最初の更新になります。今年もよろしくお願いいたします。

 昨年は年の後半にtwitter上で「#日本怪奇幻想読者クラブ」を発足し、ネット上ながら怪奇幻想ジャンルのファン同士の交流が活発になったのが、個人的に嬉しいところでした。主宰する読書会での人との出会いもありました。
 今年も、ネットとリアル、両方を通して人との交流も増やしていく、というのを目標にしたいと思います。

 年末は積読になっていた本のなかから、長期の休みでないと読めないような本を読もう…と思っていたのですが、休みとなると、意外に本が読み進められないものですね。
 加えて、休みに入ってからすぐに読み始めた、ジェフリー・フォード『言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選』(谷垣暁美編訳 東京創元社)が大傑作で、そのインパクトが強すぎて、ちょっとすぐに他の本に手を出せなくなってしまいました。
 そんなわけで、年越しの本は、読みやすさ重視で、動物パニックものB級ホラー『人喰い猫』(バートン・ルーシェ 和田徹三訳 角川文庫)を読みました。ひねりも何もない直球のB級ホラーで、それが逆にすがすがしい感じの作品ですね。

 さて、今年の発売予定の本から、気になるタイトルを挙げておきたいと思います。

オラフ・ステープルドン『スターメイカー』(浜口稔訳 ちくま文庫)

ヒュー・ウォルポール『銀の仮面』(創元推理文庫)

『平井呈一怪談翻訳集成』(仮題)(創元推理文庫)

ピーター・ワッツ『巨星 ピーター・ワッツ傑作選』(嶋田洋一訳 創元SF文庫)

フランシス・ハーディング『カッコーの歌』(児玉敦子訳 東京創元社)

ショーニン・マグワイア『砂糖の空から落ちてきた少女』(原島文世訳 創元推理文庫)

ソフィア・サマター『翼ある歴史 図書館島異聞』(市田泉訳 創元推理文庫)

フェルディナント・フォン・シーラッハ『刑罰』(酒寄進一訳 東京創元社)

ホーカン・ネッセル『悪意』(久山葉子訳 東京創元社)

ロバート・ロプレスティ『ロプレスティよりぬき傑作短編集』(高山真由美訳)

小森収編『海外ミステリアンソロジー』(全5巻)(深町眞理子、猪俣美江子他訳)

残雪『蒼老たる浮雲』(近藤直子訳 白水Uブックス)

残雪『カッコウが鳴くあの一瞬』(近藤直子訳 白水Uブックス)

スティーヴン・ミルハウザー『われら他人』(柴田元幸訳 白水社)

ピョン・ヘヨン『モンスーン』(白水社エクス・リブリス)

サキ『ウィリアムが来た時』(深町悟訳 国書刊行会)

垂野創一郎編訳『怪奇幻想骨董翻訳箱』(国書刊行会)

ジェイムズ・ブランチ・キャベル《マニュエル伝》シリーズ(全3巻 中野善夫・安野玲・垂野創一郎訳)

森村たまき『ウッドハウスの世界』(国書刊行会)

関口英子・橋本勝雄編『21世紀イタリア短篇選集』(全1巻 国書刊行会)

浅倉久志訳『ユーモア・スケッチ大全』(国書刊行会)

ジョン・メトカーフ『死者の饗宴』(『煙をあげる脚』より改題 国書刊行会)

ステファン・テメルソン『イワシ缶の謎』(大久保譲訳 国書刊行会)

ハーラン・エリスン『愛なんてセックスの書き間違い』(柳下毅一郎訳 国書刊行会)

ガブリエル・ガルシア=マルケス『バルタサルの素晴らしい午後 ガルシア=マルケス中短篇傑作選』(野谷文昭訳 河出書房新社)

ケン・リュウ『生まれ変わり』(仮題 新☆ハヤカワ・シリーズ)

 やはり、東京創元社と国書刊行会のタイトルに気になるものが多いです。
 創元社では、ヒュー・ウォルポール『銀の仮面』『平井呈一怪談翻訳集成』(仮題)(創元推理文庫)、ホーカン・ネッセル『悪意』、小森収編『海外ミステリアンソロジー』あたりが気になりますね。
 ヒュー・ウォルポール『銀の仮面』は、国書刊行会から出た同タイトルを増補した作品集。
 『平井呈一怪談翻訳集成』は、平井呈一の現在入手困難な翻訳を集成したものだそうです。ラヴクラフト「アウトサイダー」、ブラックウッド「幽霊島」、ポリドリ「吸血鬼」、クロフォード「血こそ命なれば」、べリズフォード「のど斬り農場」などを収録。
 ホーカン・ネッセル『悪意』は、スウェーデン作家の短篇集。煽り文句がすごくて「デュ・モーリアの騙りの妙、シーラッハの奥深さ、ディーヴァーのどんでん返しを兼ね備えた必読の短編集。」とのこと。
 小森収編『海外ミステリアンソロジー』は、「Webミステリーズ!」で連載されている「短編ミステリ読みかえ史」をもとに編纂されるアンソロジーだそうです。連載エッセイでは、純ミステリだけでなく、<奇妙な味>や怪奇作品にも触れられていたので、懐の広いアンソロジーになりそうですね。楽しみです。

 国書刊行会では、垂野創一郎編訳『怪奇幻想骨董翻訳箱』は、前年から予告されていたもののタイトルが変更になったようですね。
 あと気になるのは『21世紀イタリア短篇選集』。とくに「幻想」とかの肩書きはないですが、訳者が光文社古典新訳文庫で幻想的な作品を訳しておられる方なので、そちら方面の作品も収録されるのでしょうか。
 嬉しいのは浅倉久志訳『ユーモア・スケッチ大全』。以前、早川書房から出ていたものの集成でしょうか。
 驚いたのは、ジェイムズ・ブランチ・キャベル《マニュエル伝》シリーズ。《マニュエル伝》といえば、《世界幻想文学大系》にシリーズ最終巻『夢想の秘密』だけが入っていた作品です。シリーズの他の作品は面白いのでしょうか。


※書目に関しては、twitter上にアップされていた「読んでいいとも!ガイブンの輪 オレたち外文リーガーの自信の1球と来年の隠し球vol.7」のレジュメ、東京創元社の2019年度ラインナップのご案内、藤原編集室さんのツイートを参考にさせていただきました。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

kazuouさん
今年もよろしくお願いいたします。
「銀の仮面」「ユーモア・スケッチ大全」・・なんとなく内容的には読んでいる?とおもいつつものすごく楽しみです。
「海外ミステリアンソロジー」Webミステリーズを元に→大感激です。
今年も情報発信よろしくお願いいたします。
【2019/01/01 13:46】 URL | fontanka #- [ 編集]

>fontankaさん
fontankaさん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いしますね。

『銀の仮面』は増補されるそうですし、『ユーモア・スケッチ大全』は今まで単行本未収録だった作品も入れてくれるのでは…と思います。浅倉さんの翻訳では「ユーモア・スケット」の肩書きなしで雑誌に載ったきりのユーモアものって、たぶんいっぱいあると思うんですよね。

『海外ミステリアンソロジー』は、たぶん新しい『世界短編傑作集』を作る…という感じの編集だと思います。これはミステリファンならずとも楽しみですよね。
【2019/01/01 14:14】 URL | kazuou #- [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://kimyo.blog50.fc2.com/tb.php/869-9d385758
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き、短篇好き、異色作家好き、怪奇小説好き。
ブログでは主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。twitterアカウントは@kimyonasekaiです。
怪奇幻想小説専門の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。twitter上の怪奇幻想ジャンルのファンクラブ「 #日本怪奇幻想読者クラブ 」主宰。
『ミステリーズ!vol.96』(東京創元社)に怪奇小説の翻訳概況を書きました。
同人誌『海外怪奇幻想小説アンソロジーガイド』『物語をめぐる物語ブックガイド』『迷宮と建築幻想ブックガイド』『イーディス・ネズビット・ブックガイド』『夢と眠りの物語ブックガイド』『奇妙な味の物語ブックガイド』「海外怪奇幻想作家マトリクス・クリアファイル」を刊行しました。



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する