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悪魔の証明  フランク・デ・フェリータ『ゴルゴタの呪いの教会』
ゴルゴタの呪いの教会〈上〉 (角川文庫)ゴルゴタの呪いの教会〈下〉 (角川文庫)
 かって司祭が悪魔に魅入られた後、教会からも放置され、荒廃の一途をたどる呪われた土地「ゴルゴタ・フォールズ」。超心理学の研究者であるマリオとその恋人アニタは、数十年ぶりに教会を調査しようと、ゴルゴタ・フォールズを訪れます。超常現象を科学的に解明しようというのです。
 一方、敬虔なキリスト教神父マルコムは、悪魔祓いを行い、教会を清めようと考えます。互いに協力を行うことで一致した三人は、マルコムの悪魔祓いの儀式を記録することになります。しかしその最中に起きたことのために、彼らの人生は全く変わったものになっていきます…。

 フランク・デ・フェリータ『ゴルゴタの呪いの教会』(広瀬順弘訳 角川文庫)は、悪魔の存在をめぐって展開される、宗教的な要素の強いホラー小説です。
 呪われた教会に対し、科学と宗教、二つの分野からのアプローチが併行して行われるという趣向になっています。しかし、研究者の一人マリオは宗教嫌いの無神論者、そして神父マルコムは敬虔なキリスト教者。互いに相容れない二人はことあるごとに対立を繰り返します。
 宗教嫌いのマリオも、幼年時代キリスト教に帰依していた時期もあり、またマルコムの方は宗教のために恋愛を犠牲にしてきたという過去があります。また、マリオの恋人アニタが、マルコムの宗教的な情熱に当てられ彼に惹かれ始めたこともあり、不思議な三角関係が生まれていきます。

 「呪い」や「悪魔」が本当なのかはっきりしない…というスタンスで序盤は進むのですが、やがて「悪魔」の存在は疑い得ないものになっていきます。教会周辺の土地が暗雲に覆われるなか、救世主の再来と噂される現教皇が教会を訪れます…。

 前半は、個人レベルの心理劇といった感じだったのが、後半は、世界を巻き込む災厄というスケールの大きな話になっていきます。
 基本はエンターテインメントなのですが、性的抑圧や宗教に対する姿勢などの真面目なテーマも盛り込まれており、考えさせるところもあります。そうした真面目な部分とエンタメとしての部分がほど良く混ぜ合わされており、小説として読み応えのある作品だといえます。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

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怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
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