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新入生のための海外幻想文学リスト
 ネットの一部で話題になっているらしい、J.Uchidaさんによる「新入生のための海外現代文学リスト(2018年版)」と、それに触発されたshigeyukiさんの「学生のための海外文学リスト50+4」を見させてもらいました。どちらも非常によいリストなのですが、見ている内に自分でも選びたくなってきました。

 選択の方針としては、shigeyukiさんが書かれている「読んでいてそれなりに楽しめて、なおかつ文学性を感じられるもの」という意見に同意するものです。そこからさらに「娯楽性」「エンタメ性」を高めて、しかも現在テキストの入手が容易なもの、ということで選んでみました。
 選んでいるうちに気付いたのですが、選択したタイトルがほとんど「幻想文学」に分類されるような作品ばかりになってしまいました。いっそのこと「幻想文学」で統一してしまおうということで、「新入生のための海外幻想文学リスト」を作ってみました。

 大部分は、現在でも入手が可能だと思います。あとこれは個人の趣味なのですが、短篇集の割合が非常に多いです。
 もともとの「新入生のための海外現代文学リスト」の趣旨としては「ラノベに飽きた人向け」とのことですが、「幻想性」や「ファンタジー性」が強い作品が多いので、結果的に、ラノベ好きには親和性の高いセレクションになったのではと思います。とにかく「読んで面白い物語」を集めていますので、参考にしていただければと思います。

 光文社古典新訳文庫の本がやたらと出てきますが、改めて見ると、この文庫「幻想文学」に好意的ですね。


新入生のための海外幻想文学リスト

1.H・G・ウェルズ『タイム・マシン 他九篇』(橋本槇矩訳 岩波文庫)

2.メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』(森下弓子訳 創元推理文庫)

3.E・T・A・ホフマン『砂男/クレスペル顧問官』(大島かおり訳 光文社古典新訳文庫)

4.ナサニエル・ホーソーン『ホーソーン短篇小説集』(坂下昇訳 岩波文庫)

5.ジュール・ヴェルヌ『永遠のアダム』(江口清訳 文遊社)

6.ウィルキー・コリンズ『白衣の女』(中島賢二訳 岩波文庫)

7.グスターボ・アドルフォ・ベッケル『スペイン伝説集』(山田真史訳 彩流社)

8.マルセル・エイメ『壁抜け男』(中村真一郎訳 早川書房)

9.ジュール・シュペルヴィエル『海に住む少女』 (永田千奈訳 光文社古典新訳文庫)

10.フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー『水の精(ウンディーネ)』(識名章喜訳 光文社古典新訳文庫)

11.アルジャーノン・ブラックウッド『秘書綺譚 ブラックウッド幻想怪奇傑作集』(南條竹則訳 光文社古典新訳文庫)

12.ロバート・ルイス・スティーヴンスン『新アラビア夜話』(南條竹則 光文社古典新訳文庫)

13.H・R・ハガード『ソロモン王の洞窟』(大久保康雄訳 創元推理文庫)

14.ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』(平井呈一訳 創元推理文庫)

15.ロード・ダンセイニ『最後の夢の物語』(中野善夫他訳 河出文庫)

16.キャサリン・ストー『マリアンヌの夢』(猪熊葉子訳 岩波少年文庫)

17.A・E・コッパード『天来の美酒/消えちゃった』(南條竹則訳 光文社古典新訳文庫)

18.ダフネ・デュ・モーリア『鳥』(務台夏子訳 創元推理文庫)

19.フィッツ=ジェイムズ・オブライエン『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』(南條竹則訳 光文社古典新訳文庫)

20.アーデルベルト=フォン・シャミッソー『影をなくした男』(池内紀訳 岩波文庫)

21.レイ・ブラッドベリ『十月はたそがれの国』(宇野利泰訳 創元SF文庫)

22.デイヴィッド・イーリイ『タイムアウト』(白須清美訳 河出文庫)

23.パトリシア・ハイスミス『11の物語』(小倉多加志訳 ハヤカワ・ミステリ文庫)

24.シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』(大森望訳 河出文庫)

25.デイヴィッド・ガーネット『狐になった奥様』(安藤貞雄訳 岩波文庫)

26.ジョン・ウィンダム『トリフィド時代』(井上勇訳 創元SF文庫)

27.ロバート・ウェストール『かかし』(金原瑞人訳 徳間書店)

28.ジョナサン・キャロル『死者の書』(浅羽莢子訳 創元推理文庫)

29.パトリック・レドモンド『霊応ゲーム』(広瀬順弘訳 ハヤカワ文庫NV)

30.シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』(市田泉訳 創元推理文庫)

31.エリック・マコーマック『隠し部屋を査察して』(増田まもる訳 創元推理文庫)

32.パトリック・マグラア『失われた探険家』(宮脇孝雄訳 河出書房新社)

33.マヌエル・ゴンザレス『ミニチュアの妻』(藤井光訳 白水社)

34.ワレリイ・ブリューソフ『南十字星共和国』 (草鹿外吉訳 白水Uブックス)

35.レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』(垂野創一郎訳 国書刊行会)

36.ステファン・グラビンスキ『火の書』(芝田文乃訳 国書刊行会)

37.F・S・フィッツジェラルド『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(永山篤一訳 角川文庫)

38.ブライアン・エヴンソン『ウインドアイ』(柴田元幸訳 新潮クレスト・ブックス)

39.J・S・レ・ファニュ『ドラゴン・ヴォランの部屋 レ・ファニュ傑作選』(千葉康樹訳 創元推理文庫)

40.アーサー・マッケン『白魔(びゃくま)』(南條竹則訳 光文社古典新訳文庫)

41.プリーモ・レーヴィ『天使の蝶』(関口英子訳 光文社古典新訳文庫)

42.ジェイムズ・ホッグ『悪の誘惑』(高橋和久訳 国書刊行会)

43.アヴラム・デイヴィッドスン『エステルハージ博士の事件簿』(池央耿 河出書房新社)

44.ジョー・ヒル『20世紀の幽霊たち』(白石朗訳 小学館文庫)

45.ジャック・フィニィ『ゲイルズバーグの春を愛す』(福島正実訳 ハヤカワ文庫FT)

46.ロアルド・ダール『あなたに似た人』(田口俊樹 ハヤカワ・ミステリ文庫)

47.アルベルト・モラヴィア『薔薇とハナムグリ シュルレアリスム・風刺短篇集』(関口英子訳 光文社古典新訳文庫)

48.イタロ・カルヴィーノ『まっぷたつの子爵』(河島英昭訳 岩波文庫)

49.ジェイムズ・サーバー『傍迷惑な人々 サーバー短篇集』(芹澤恵訳 光文社古典新訳文庫)

50.グレッグ・イーガン『祈りの海』(山岸真訳 ハヤカワ文庫SF)

51.R・A・ラファティ『昔には帰れない』(伊藤典夫 /浅倉久志訳 ハヤカワ文庫SF)

52.ゾラン・ジヴコヴィッチ『12人の蒐集家/ティーショップ』(山田順子訳 海外文学セレクション)

53.ロジャー・ゼラズニイ『伝道の書に捧げる薔薇』 (浅倉久志訳 ハヤカワ文庫SF)

54.ガブリエル・ガルシア=マルケス『エレンディラ』(鼓直訳 ちくま文庫)

55.フリオ・コルタサル『遊戯の終わり』(木村榮一訳 岩波文庫)

56.ショーン・タン『アライバル』(小林美幸訳 河出書房新社)

57.J・G・バラード『結晶世界』 (中村保男 創元SF文庫)

58.ケン・グリムウッド『リプレイ』 (杉山高之訳 新潮文庫)

59.フィオナ・マクラウド/ウィリアム・シャープ『夢のウラド』(中野善夫訳 国書刊行会)

60.サマンタ・シュウェブリン『口のなかの小鳥たち』(松本健二訳 東宣出版)

61.ジョン・クロウリー『古代の遺物』(浅倉久志他訳 国書刊行会)

62.ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』(平岡敦訳 光文社古典新訳文庫)

63.ヴォルテール『カンディード 他五篇』(植田祐次訳 岩波文庫)

64.パトリック・ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』(池内紀訳 文春文庫)

65.アレクサンドル・グリーン『消えた太陽』(沼野充義訳 国書刊行会)

66.カレル・チャペック『山椒魚戦争』 (栗栖継訳 岩波文庫)

67.ミハイル・ブルガーコフ『犬の心臓・運命の卵』(増本浩子・ヴァレリー・グレチュコ訳 新潮文庫)

68.ヤン・ヴァイス『迷宮1000』 (深見弾訳 創元推理文庫)

69.ミロラド・パヴィッチ『帝都最後の恋 占いのための手引き書』(三谷恵子訳 松籟社)

70.レシェク・コワコフスキ『ライロニア国物語』(沼野充義訳/芝田文乃訳 国書刊行会)

71.アドルフォ・ビオイ=カサーレス『パウリーナの思い出に』(野村竜仁/高岡麻衣訳 国書刊行会)

72.スタニスワフ・レム『泰平ヨンの航星日記〔改訳版〕』(深見弾/大野典宏訳 ハヤカワ文庫SF)

73.ジェフリー・フォード『白い果実』(山尾悠子/金原瑞人/谷垣暁美訳 国書刊行会)

74.フリードリヒ・デュレンマット『失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選』(増本浩子訳 光文社古典新訳文庫)

75.ルイジ・ピランデッロ『月を見つけたチャウラ ピランデッロ短篇集』(関口英子訳 光文社古典新訳文庫)

76.リチャード・マシスン『ある日どこかで』(尾之上浩司訳 創元推理文庫

77.ミュリエル・スパーク『バン、バン! はい死んだ ミュリエル・スパーク傑作短篇集』(木村政則訳 河出書房新社)

78.スティーヴン・ミルハウザー『イン・ザ・ペニー・アーケード』(柴田元幸訳 白水Uブックス)

79.スティーヴン・キング『呪われた町』(永井淳訳 集英社文庫)

80.柴田元幸編『どこにもない国 現代アメリカ幻想小説集』(松柏社)

81.中村融編『街角の書店 18の奇妙な物語』(創元推理文庫)

82.中村融編『夜の夢見の川 12の奇妙な物語』(創元推理文庫)

83.ディーノ・ブッツァーティ『七人の使者・神を見た犬 他十三篇』(脇功訳 岩波文庫)

84.アンドリュー・カウフマン『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』(田内志文訳 東京創元社)

85.ミュノーナ『スフィンクス・ステーキ ミュノーナ短篇集』(鈴木芳子訳 未知谷)

86.アレクサンダー・レルネット=ホレーニア『両シチリア連隊』(垂野創一郎訳 東京創元社)

87.ウイリアム・ピーター・ブラッティ『エクソシスト』(宇野利泰訳 創元推理文庫)

88.クリストファー・プリースト『魔法』(古沢嘉通訳 ハヤカワ文庫FT)

89.エッサ・デ・ケイロース『縛り首の丘』(弥永史郎訳 白水Uブックス)

90.アンナ・スタロビネツ『むずかしい年ごろ』(沼野恭子訳 河出書房新社)

91.リュドミラ・ペトルシェフスカヤ『私のいた場所』(沼野恭子訳 河出書房新社)

92.ジーン・ウルフ『デス博士の島その他の物語』(浅倉久志他訳 国書刊行会)

93.ジュディ・バドニッツ『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』(岸本佐知子訳 文藝春秋)

94.マッシモ・ボンテンペッリ『鏡の前のチェス盤』(橋本勝雄訳 光文社古典新訳文庫)

95.ジョン・コリア『炎のなかの絵』(村上啓夫訳 早川書房)

96.フィリップ・K・ディック『時は乱れて』(山田和子訳 ハヤカワ文庫SF)

97.ハーラン・エリスン『死の鳥』(伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫SF)

98.ミック・ジャクソン『10の奇妙な話』(田内志文訳 東京創元社)

99.ケヴィン・ウィルソン『地球の中心までトンネルを掘る』(芹澤恵訳 東京創元社)

100.クリフォード・D・シマック『中継ステーション〔新訳版〕』(山田順子訳 ハヤカワ文庫SF)

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

ツイッターの反響が、ずいぶんとあったようですね。
考えてみれば、最近は特に、幻想文学のこういったリストもあまり見ないかもしれないですね。
そういった意味でも、貴重なリストですね。
古典新訳文庫は、確かに幻想文学寄りの展開をしていますね。
文庫版白水Uブックスというか、そんな感じ?
ありがたいことです。
【2018/04/20 22:37】 URL | shigeyuki #- [ 編集]

>shigeyukiさん
若い人たちにも、幻想文学を読んでみたいという需要は意外とあるんじゃないでしょうか。
このジャンル「茫洋」としていて、どこから読んだらいいのかわかりにくい…というのは確かで、このリストがその手助けになればいいな、と思います。

古典新訳文庫は、幻想小説そのものも多いし、文豪の短篇集なんかでも、割合幻想的な作品に好意的なんですよね。例えば「自然主義」の代表作家とされるゾラの短篇集が出てますが、あれも幻想的なものが多かったりとか。

新書版(というかサイズだけですが)では、白水Uブックスが幻想文学に好意的ですね。マイリンクとかペルッツとかクービン、サキ、カルヴィーノ…。幻想作品が多いのは、最近の企画に藤原編集室さんが絡んでいるせいもあるんでしょうけど。

出版不況と言われますが、小部数ながらコンスタントに幻想文学作品が出ていて、ファンとしては嬉しく思っています。
【2018/04/20 23:31】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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