ナイトビジョンその9
 今週放送分の『ナイトビジョン』のレビューです。

「貨物船」
 航海中の貨物船の航海士スティーブンスは、見回りの最中、ささやき声を聞き、密航者がいるのではないかと疑う。船長にその旨を申し出るが、先輩航海士タファナーは、自分が検査をしたのだから密航者などいるわけがない、とスティーブンスに腹を立てる。
 船長命令で再検査することになるが、スティーブンスはタファナーに脅される。そのやりとりを見ていた密航者の女は、スティーブンスがいい人間だと思い、助けを求める。コンテナの中に閉じ込められた彼らは、得体の知れない怪物に次々と惨殺されているのだというのだ!
 スティーブンスは信じないが、無惨に引き裂かれた死体を見せられて納得する。隙を見て、スティーブンスはコンテナの壁を破ろうとするが、タファナーに見つかってしまう。タファナーは斧でスティーブンスを殺そうと襲いかかるが、一方コンテナ内では次々と密航者たちが殺されていた…。
 スプラッター風味が強いホラー。殺人シーンこそ映さないものの、死体の描写や結末はかなりショッキング。テレビムービーとは思えないほどの過激さです。監督の名を見て納得しました。
 トビ・フーパー監督作品だそうです。スプラッターとして見るなら及第点ですが、ストーリーにひねりがあんまりないのが物足りません。船内の誰かがグルであるという情報が示されるのですが、ストレートすぎるので、あんまり伏線の意味を果たしていません。
 殺人鬼は本当に怪物なのか?という謎で一応引っぱるのですが、本当に怪物だったので驚いてしまいました。これじゃひねりも何もありません。
 本来のこの番組のトーンから言うと、結末のショッキングなシーンは暗示にとどめるのでしょうが、この作品は、フーパー監督ならではの過激描写になっています。このシリーズの特徴であるスマートさに欠ける感が否めません。


「スイッチ」
 多重人格症のシドニーは、精神科医のルイスの催眠術療法で、人格を統合する治療を進めていた。多重人格の原因は、どうやら幼児期のトラウマであるらしい。人格を統合するごとに、心に押し込めていた嫌な記憶も甦ってくる。両親の不仲、母親の虐待など。
 次々と他の人格を統合していくシドニーだったが、その過程でいつも聞こえる子どもの泣き声のようなものに気がつく。ルイスは言う。それはシドニーに最も近い人格の声に違いない。後に残った人格ほど強い力を持っているのだ、と。
 ある時、催眠療法の最中に、スキンヘッドの男のイメージが現れる。その直後、シドニーはその男に支配され、暴力的な行為に及ぶ。なんとかその男の人格を統合することに成功したシドニーだったが、その前にとうとう謎の泣き声の主が姿を見せる。それはシドニーの幼児の象徴である少女だった。全てを受け入れ人格を統合しようとするシドニーだったが、少女が見せた記憶は恐ろしいものだった…。
 多重人格たちが、通路をはさんで、それぞれの部屋に実体化しているというイメージで表されています。シドニーがそれぞれの部屋をたずね、人格を見つけだし、うち勝つごとにその人格が統合されていくというわけです。
 人格同士の戦い、というテーマは面白いのですが、その勝ち方がどうも判然としないのがピンと来ません。催眠療法中のイメージで、部屋にいる人格を見つけたら勝ち、みたいな感じなのです。この辺をもう少し工夫したら、もっと面白くなったと思うのですが。
 結末は例によって、どんでん返しになっています。テーマで予想がつくように、人格の入れ替わりがなされるのですが、これをさらに一ひねりしています。

テーマ:海外ドラマ(欧米) - ジャンル:テレビ・ラジオ

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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
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