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怪奇幻想読書倶楽部 第11回読書会 開催しました
 12月23日の土曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第11回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め12名でした。
 テーマは、第1部「吸血鬼文学館」、第2部「年間ベストブック」です。参加してくださった方には、お礼を申し上げたいと思います。

 それでは、当日の会の詳細について、ご報告したいと思います。

 今回も、参加者全員のプロフィールをまとめた紹介チラシを作りました。チラシをPDFにしたものを、メールにて事前に配信しています。

 第1部のテーマは「吸血鬼文学館」。
 主に、欧米の吸血鬼をテーマにした作品について話しました。ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』やレ・ファニュ『吸血鬼カーミラ』などの定番作品のほか、伝統的な吸血鬼のイメージ、20世紀以降の「悩める吸血鬼像」、派生作品としての「ゾンビもの」との相違点など、いろいろな面での話が出たように思います。

 第二部は「年間ベストブック」。2017年度に読んで面白かった本について、参加者それぞれに挙げていただき、紹介していくという企画でした。あくまで今年度読んだもの、そしてジャンルの縛りはなし、ということだったので、いろいろなジャンルのタイトルが挙がりました。
 参加者のshigeyukiさんのダブリ本放出企画などもあり、年末らしい、楽しい企画になったのではないかなと思います。

 以下は話題になったトピックの一部です。

●第一部
■ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラに』ついて。
・手記や日記などで構成された作品で、ドキュメンタリー風味のリアリティがある。H・G・ウェルズ『宇宙戦争』との共通点も感じられる。
・呼ばれないと入れない、棺で寝なければいけない、倒し方に決まりがある、など、吸血鬼のルールがやたらと多いのが特徴。そういう枷がなければ、強すぎてしまう、というのも原因か。
・平井呈一訳は結構クセがある。完訳を謳った水声社版の方が読みやすい。
・ロンドンとトランシルヴァニアを往復、長距離の移動があったりエキゾチックな雰囲気が強い。
・『ジョジョの奇妙な冒険』一部の主人公ジョナサンは、『ドラキュラ』登場人物のジョナサン・ハーカーから名前を取っているのだろうか。
・当時の最新のテクノロジーや技術が出てきたりと、当時の「情報小説」的な趣もある。
・どちらかと言うと、ドラキュラ側よりヴァン・ヘルシング側の方がルールを破っている感じがする。

■J・S・レ・ファニュ「吸血鬼カーミラ」について。
・洗練された吸血鬼小説。翻訳も読みやすかった。
・カーミラについていた年配の貴婦人の正体は?
・この当時の吸血鬼作品では、一族が吸血鬼というものがよくある。
・同性愛的な雰囲気が非常に濃い作品。

■ポピー・Z・ブライト作品が代表的なものだが、LGBT的なテーマを描くために、吸血鬼テーマが使われているタイプの作品もある。

■吸血鬼と「早すぎた埋葬」について。
・「早すぎた埋葬」で仮死状態だった人間の姿を見て、吸血鬼だと勘違いした例もあるのではないか。
・「早すぎた埋葬」については、ヤン・ボンデソン『陳列棚のフリークス』で一章が割かれている。 当時の人は非常に恐れて、生き返ったときのためのベルが鳴る装置などもあったとか。
・キリスト教圏ではその教義上、肉体の破損を非常に恐れる。吸血鬼や「早すぎた埋葬」が恐れられたのは、そのせいもあるかもしれない。

■「悩める」吸血鬼について。19世紀までの作品では、吸血鬼は単なる「怪物」として描かれることが多かったが、20世紀以降の作品では、吸血鬼自身の自意識が描かれたり「悩める」吸血鬼像が描かれることが多い。

■ニューオーリンズを舞台にした吸血鬼ものについて。
・ヴードゥの伝承やフランス由来の文化など、吸血鬼作品の舞台に相応しい街なのではないか。
・この手の作品の嚆矢は、アン・ライス『夜明けのヴァンパイア』?

■ゾンビものと吸血鬼ものとの関係について。
・もともと吸血鬼とゾンビの由来は異なる。もともとゾンビは宗教的なもので、今のような「感染」のイメージを帯びるようになったのは、リチャード・マシスン『アイ・アム・レジェンド』からロメロのゾンビ映画を経てからでは。
・ゾンビもの映画では、2000年代になってから登場した「走るゾンビ」の影響で、ゾンビ映画が流行るようになったのかもしれない。
・ゾンビは現代では代表的なアイコンになってしまった。
・フィクションにおいて、吸血鬼よりもゾンビの方が「扱いやすい」のも、好まれる一因かもしれない。

■ジョン・ポリドリ『吸血鬼』について。
・吸血鬼テーマを流行らせることになった最初の作品と言われる。
・貴族的な吸血鬼像(バイロンがモデル?)の代表例。

■コリン・ウィルソン『宇宙ヴァンパイア―』について。吸血鬼テーマの、B級だが面白い作品。クトゥルーっぽさもあり。ウィルスンは『ロイガーの復活』など、他にもクトゥルー的な作品があり。

■ミルチャ・エリアーデ『令嬢クリスティナ』について。観念的な吸血鬼もの。日本で出た《エリアーデ幻想小説全集》(作品社)は世界に類を見ない良い企画だと思う。

■ロシア・スラヴ系の吸血鬼小説について。ロシアやスラヴ系の吸血鬼ものは、英米のものとは違って、かなり土俗的なタイプの吸血鬼が登場する作品が多い。ゴーゴリ『ヴィイ』、A・K・トルストイ「吸血鬼」など。

■ストーカー『ドラキュラ』とレ・ファニュ『カーミラ』のヤングアダルト向けリライト作品について。解説も充実していてわかりやすい本だった。もともと『ドラキュラ』は冗漫な部分があるので、ダイジェスト版の方が読みやすいかも。

■ギイ・ド・モーパッサン「オルラ」について。
・透明な怪物(吸血鬼)が登場する作品。新種の生物というSF的な解釈も可能。
・怪物が実在するかははっきりないように描かれている(語り手の妄想の可能性)。
・モーパッサンの怪奇作品は精神異常のあるキャラクターが多いので、怪異現象が実際に起こっているかはわからない。

■吸血鬼と耽美について。
・いつごろからか、吸血鬼のキャラクター自体が大きくなり「ヒーロー」として描かれるようになってきた。
・吸血鬼であることが「属性」であり「スキル」のように描かれる例もある。
・「年をとらない」という性質が「耽美」と結びついた作品。萩尾望都『ポーの一族』など。日本のフィクションではこの傾向が強いかもしれない。

■吸血鬼とその「パワー」について。映画『ブレイド』など、近年の作品では吸血鬼になると「力」が強くなる、というタイプの作品がよく見られる。考えたら、本家の「ドラキュラ」も怪力という設定だった。

■ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの吸血鬼小説『MORSE -モールス-』とその映画化作品について。
・小児性愛や同性愛などの雰囲気が強い小説。映画版ではそのあたりがマイルドになっている。リメイク版はさらにその傾向が強い。
・招き入れられなければ入れない、などの伝統的な吸血鬼の属性が描かれている。

■精神的な吸血鬼について。実際の血ではなく「生気」を吸い取るタイプの作品もある。コナン・ドイル「寄生体」など。

■テオフィル・ゴーチェ「死女の恋」について。「可憐」な女吸血鬼の登場する作品。19世紀にあっては、こうした「人間味」の強い作品は珍しい。

■《ダレン・シャン》シリーズについて。吸血鬼をテーマにしたヤングアダルトシリーズ。《ハリー・ポッター》と人気を二分していた時期も。

■デボラ・ハウ/ジェイムズ・ハウ『なぞのうさぎバニキュラ』について
・吸血ウサギの登場する児童向け作品。野菜の血を吸い、吸われた野菜は真っ白になるところがユニーク。
・主人公が犬と猫で、うさぎとは話が通じないという、複雑な擬人化も面白い。

■キム・ニューマンの《ドラキュラ紀元》シリーズについて。ドラキュラがイギリスを支配した後の世界を描く改変世界もの。有名人が多く登場したりなど、趣向が凝らされている。

■スティーヴン・キング『呪われた町』について。
・アメリカの町に吸血鬼が現れるという、ある種無茶なネタを力業で描ききった傑作。
・勧善懲悪ではない結末も余韻がある。

■ロバート・R・マキャモン『奴らは渇いている』について。キング『呪われた町』の影響が強い作品。ロサンジェルス全体が吸血鬼の支配下になるなどスケールが大きい。ただ結末は多少投げやりなところも。

■H・H・エーヴェルス『吸血鬼』について。サイコ・スリラー的な要素の濃い吸血鬼作品。シオドア・スタージョン『きみの血を』と似た印象。

●第二部
以下、ベストに挙げられた本のタイトルです。

J・S・レ・ファニュ『ドラゴン・ヴォランの部屋 レ・ファニュ傑作選』
中村融編『夜の夢見の川』
イジー・クラトフヴィル『約束』
マルレーン・ハウスホーファー『壁』
スティーヴン・ロイド・ジョーンズ『白夜の一族』
マリオ・レブレーロ『場所』
A・メリット『魔女を焼き殺せ!』
ステファン・グラビンスキ『火の書』
木犀あこ『奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い』
綾崎隼《君と時計》シリーズ
トマス・オルディ・フーヴェルト『魔女の棲む町』
ジェリー・ユルスマン『エリアンダー・M の犯罪』
トマス・パーマー『世界の終わりのサイエンス』
ブレイク・クラウチ『ダーク・マター』
マイクル・ビショップ『誰がスティーヴィ・クライを造ったのか?』
佐藤将『本田鹿の子の本棚 暗黒文学少女篇』
レオ・ぺルッツ『アンチクリストの誕生』
佐藤亜紀『スウィングしなけりゃ意味がない』
ウンベルト・エーコ『異世界の書』
エリアス・カネッティ『マラケシュの声』
アンディ・ウォーホル『ぼくの哲学』
エリック・ホッファー『波止場日記』
スーザン・ソンタグ『写真論』
原美紀子『These are days』(写真集)
清野賀子『至るところで 心を集めよ 立っていよ」(写真集)
エドワード・ケアリー『堆塵館』
ステファン・グラビンスキ『動きの悪魔』
ケヴィン・ウィルソン『地球の中心までトンネルを掘る」
スーザン・テリス『キルト ある少女の物語』
ロジックLogic『1 - 800 - 273 - 8255』(洋楽)
ディーノ・ブッツァーティ『世紀の地獄めぐり』
マグナス・ミルズ『フェンス』
キャンデス・フレミング『ぼくが死んだ日』
イバン・レピラ『深い穴に落ちてしまった』
アンドリュー・カウフマン『奇妙という名の五人兄妹』
ミック・ジャクソン『10の奇妙な話』
ウィル・ワイルズ『時間のないホテル』
ジョナサン・オージエ『夜の庭師』
ジャック・ヴァンス『天界の眼:切れ者キューゲルの冒険』
バリントン・J・ベイリー『ゴッド・ガン』
ダフネ・デュ・モーリア『鳥』
レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』
柞刈湯葉『横浜駅SF』
エドゥアルド メンドサ『グルブ消息不明』
阿部共実『月曜日の友達』
O・グレイ、S・モレーノ=ガルシア編『FUNGI 菌類小説選集―第Ⅰコロニー』
B・クラウチ、J・キルボーン他『殺戮病院』
三津田信三『どこの家にも怖いものはいる』
中野京子『新 怖い絵』
ファン・ガブリエル・バスケスの『密告者』
角田光代の『源氏物語』
遠田潤子の『冬雷』
唯川恵の『淳子のてっぺん』
ジーン・ウルフの『ケルベロス 第五の首』
中村融編『猫は宇宙で丸くなる』
マージェリー・アリンガム〈キャンピオン氏の事件簿〉シリーズ
『窓辺の老人』『幻の屋敷』『クリスマスの朝に』
シャーリイ・ジャクスン『野蛮人との生活』
テッド・チャン『あなたの物語』
グレッグ・イーガン『祈りの海』
グレッグ・イーガン『ディアスポラ』
飛浩隆『グラン・ヴァカンス』
真魚八重子『バッドエンドの誘惑』
ナマニク『映画と残酷』
スティーブン・ピンカー『暴力の人類史』
陳浩基『13・67』
ジョー・ネスボ『その雪と血を』
アンデシュ・ルースルンド、ステファン・トゥンベリ『熊と踊れ』
ジョルジョ・シェルバネンコ『虐殺の少年たち』
新羽精之『新羽精之探偵小説選II』
陳舜臣『炎に絵を』
笹沢左保『人喰い』
ケン・リュウ『母の記憶に』
アレクサンル・ベリャーエフ『ドウエル教授の首』
吉屋信子『鬼火・底のぬけた柄杓』
ソートン・ワイルダー『わが町』
アルフレッド・ヒッチコック『ヒッチコック映画自身』
H・G・ウェルズ『宇宙戦争』ラジオドラマCDブック
ケン・リュウ『母の記憶に』
甲田学人『霊感少女は箱の中』
木原善彦『実験する小説たち』
フランク・ミラー/ デイブ・スチュアート/ ジェフ・ダロウ『ザ・ビッグガイ& ラスティ・ザ・ボーイロボット』

●二次会・三次会

■レイ・ブラッドベリ作品について。
・ブラッドベリ作品は初期に傑作が集中している。
・晩年になってから書かれた作品はひどいものがある。たまにはっとさせられる作品があるが、創作年を見ると古かったりする。
・作品集『黒いカーニバル』と『十月はたそがれの国』は傑作揃い。
・「優しく雨ぞ降りしきる」は、素晴らしい傑作。
・短篇「誰も降りなかった町」は天才的な着想だと思う。

■スティーヴン・キング作品について。
・中篇「霧」と映画化作品『ミスト』について。映画版のオリジナルオチはどうかと思う。
・キングの傑作は初期に集中していると思う。
・キングの作品のテーマはB級のことが多いが、圧倒的な筆力があるので、それが気にならない。『呪われた町』『クージョ』など。
・短篇『ナイト・フライヤー』は、飛行機の乗って現れる異色の吸血鬼小説。

■ジェームズ・ハーバート作品について。
・登場人物の描写がかなり上手い。ただ、その直後に殺されてしまうのは、あえてやっているのだろうか。
・どの作品もけれんが強いが、徹底したエンタメ精神に貫かれているので、B級なりの面白さがある。
・オススメ作品は? 『鼠』『霧』『ザ・サバイバル』など。
・ハーバートの映画化作品はあまり聞かない。映像映えしそうだが何故だろうか。『月下の恋』など。

■角川書店の日本ホラー小説大賞の受賞作品について。最初の頃に比べ、キャラクター要素の濃い作品が多くなっている。シリーズ化を意図した作品も。澤村伊智作品は、登場人物は共通していても、内容は単発的なものが多い。

■《世界幻想文学大系》について。
・造本のレイアウト・デザインは素晴らしいが、可読性には問題がある。
・十代ではなかなか手に取りにくい価格だが、そのときには憧れの叢書だった。
・古書価がいちばん高いのは、おそらくレ・ファニュ『ワイルダーの手』、次に『サラゴサ手稿』か。ミステリファンが探している巻がとりわけ高くなっているような気がする。

■翻訳もの読者は時代小説があまり読めない、ということについて。
・舞台が現実世界と地続きな気がするから。
・江戸時代あたりが舞台だと駄目だが、思いっきり過去に行くと気にならなくなってくる。鎌倉時代あたりなど。
・過去の時代が舞台でも翻訳もの場合、あんまり気にならない。ファンタジーとして読めるからだろうか。
・宮部みゆきの時代ものについて。ファンタジー的な要素が強いので、普通の時代小説とは違った感覚で読める。

■東京創元社の翻訳ものについて。近年の作品は傑作揃い。とくにヤングアダルトものに収穫が多い。

■三津田信三作品について。
・近作は幽霊屋敷ものが多い。『わざと忌み家を建てて棲む』はその極致のような作品。
・幽霊や化け物に追いかけられる描写に迫力がある。その際の擬音語・擬態語の表現力がすごい。

■筒井康隆作品について。
・他には真似のできない独創性がある。
・しょうもないアイディアでも傑作になっている作品があるのがすごい。
・ホラー作品でも傑作が多い。「鍵」「母子像」など。
・筒井康隆編のアンソロジーは秀作揃い。とくに『異形の白昼』のレベルは高い。

■半村良作品について。
・『石の血脈』は傑作。
・晩年のシリーズものはあまり良くない。
・短篇はいいものが沢山ある。

■オススメの古本屋は?
・西荻窪の盛林堂、中野のまんだらけ、荻窪のささま書店、鶯谷の古書ドリスなど。

■B級作品について。
・小説作品において、確実に残るのはA級作品で、B級作品は確実に手に入らなくなっていく。電子書籍があると言っても、B級は電子化さえされないのではないか。
・ハヤカワ文庫《モダンホラー・セレクション》なども手に入りにくくなりつつある。図書館によっては、このあたりを揃えているところもあるとか。

■シーベリイ・クイン《ジュール・ド・グランダン》ものについて。
・B級だが面白い。毎回ミステリタッチだが、原因はほぼ必ず超自然現象である。ミステリタッチにする必要があるのだろうか。
・長篇『悪魔の花嫁』は、短篇に比べてかなりだれる。

■グレッグ・イーガン作品について。短篇の方が面白いという人と長篇の方が面白いという人が。

■エドワード・ケアリー作品について。どの作品にも巨大な館や町などが登場する。そうした「小世界」を創るのが非常に上手い作家。『アルヴァとイルヴァ』など。

■レオ・ペルッツ「アンチクリストの誕生」について。最後のオチが「びっくりする」と言われていたが、そうでもなかった。

■ジャン・レイ作品について。
・ベルギーの大衆的作家。作品の出来不出来が激しいが、時折すごい傑作がある。
・『ゴルフ奇譚集』はB級な出来だった。
・『マルペルチュイ』『新カンタベリー物語』は傑作。

■恒川光太郎作品について。面白い作品は? 『秋の牢獄』『スタープレイヤー』など。

■アガサ・クリスティの映像化作品について。ポワロのイメージがデヴィッド・スーシェで固まってしまっているので、新作の映画版は受け入れがたい。

■「イヤミス」について。最近は「イヤミス」の対象範囲が広がっているように思う。考え方によっては、ホラー作品は全て「イヤミス」では?

■ノスタルジーを扱った作品について。少年時代がモチーフになっている作品では、大抵「いじめ」や「心の傷」が描かれることが多く、そのあたりが受け入れられないことがある。

■まりのるうにいの本について。

■《妖精文庫》(月刊ペン社)について。
・今でも素晴らしいラインナップだと思う。古書価もあまり高くないので、古書でも手に入れて読んでほしい。ウォーナー『妖精たちの王国』など。
・別巻『別世界通信』(荒俣宏)の巻末のガイドは当時、非常に重宝した。著者らしい尖ったラインナップだった。

■W・H・ホジスン『ナイトランド』について。超未来で展開される冒険ロマンス。世界観が独創的で、サイドストーリーがいくらでも作れそう。英米では同じ設定を使った作品もあるらしい。

■ボルヘスのミステリ好きについて。ボルヘスは英米のミステリ作品が非常に好きだったらしい。実作にもそれが反映されている。

■マーク・Z. ダニエレブスキー『紙葉の家』について。非常に凝った本でもともと定価も高かったが、古書価が万単位に。

■太宰治「駈込み訴え」と「きりぎりす」について

■ビデオで深夜映画を録画していた時代、結末まで撮りきれず中途半端に見た映画はやたらと心に残ってしまう。

■文学全集の定期配本について。少しづつ読んでいかないと、あっという間に積読がたまってしまう。


「第12回読書会」は、1月28日(日)に開催予定です。テーマは、

第一部:迷宮と建築幻想
第二部:作家特集 エドガー・アラン・ポオ

詳細は後日あらためて公開したいと思います。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント
ありがとうございました
毎回準備に司会ありがとうございます。早速まとめられたんですね!素早すぎます(笑)。こうしてみるといろんな話題が出ましたね~。また来年もよろしくお願いします!
【2017/12/24 18:57】 URL | さあのうず(放克犬) #5KhziMII [ 編集]


今年最後の読書会、お疲れさまでした。
第一部の吸血鬼テーマ、しょっちゅうゾンビテーマに流れていましたが(まあ、むしろぼくも煽ってましたが)、おかげでいろいろと気になっていたことが分かり、楽しかったです。なるほど、アメリカ的エンターテイメントの台頭というのがその背景に強くあったのですね。
第二部の、みなさんのおすすめ本の話は、参考になりました。また読みたい本が増えました。
二次会、三次会も、とても楽しい時間がすごせました。こんな忘年会なら、大歓迎なんですけどね(笑)。
今年一年、いろいろとお世話になり、楽しい時間を過ごさせて頂いて、ありがとうございました。
来年もまた、よろしくお願いします。
【2017/12/24 18:58】 URL | shigeyuki #.pSilNQU [ 編集]

>さあのうずさん
ご参加ありがとうございました。早めにまとめないと忘れてしまう…というのもあるんですけどね(笑)。
今回は、話題がすごく多かったですね。二部のベストブックについては、膨大な量になってしまうので、タイトルだけにさせていただきました。タイトルだけ並べてみても、バラエティに富んでいて壮観だと思います。

また、来年もよろしくお願いします。
【2017/12/24 19:40】 URL | kazuou #- [ 編集]

>shigeyukiさん
今回もご参加ありがとうございます。ダブリ本もありがとうございました。皆さんにとって、いいクリマス・プレゼントになったのではないかなと思います。

考えたら、かなりゾンビの話をしていましたね。けっこうゾンビと吸血鬼は近縁な気もしてきました。

「ベストブック」はなかなか盛り上がったのではないかと。前回の「本の交換会」とほとんどかぶっていないので、2回合わせると、結構な量の本の紹介になってますね。自分が苦手なジャンルの本でも、話を聞くと興味が出てくるというのもありますし、こういう機会も面白いと思います。

まさか三次会まで行くとは思いませんでした。でも、あれだけ長時間やっても、ちっとも退屈しなかったですもんね。ある意味「理想の忘年会」ができたかもしれません。いろいろ手配してくれたシン一さんにも感謝です。

来年もよろしくお願いします。
【2017/12/24 19:47】 URL | kazuou #- [ 編集]


レポート、楽しく拝見させていただきました。それにしても充実してますねえ。
つくづく今回の不参加が残念。自分のベスト本についても語りたかったです(泣)
【2017/12/24 23:28】 URL | sugata #8Y4d93Uo [ 編集]

>sugataさん
久しぶりの参加でしたので、僕も楽しみにしていたのですが残念でした。
来年こそ、ご参加いただければな、と思います。
せっかくですので、sugataさんのベストも紹介させていただいています。

今回は人数が大目だったこともあり、なかなか盛り上がりました。ベスト本のタイトルが多かったので紹介しきれるか心配だったのですが、なんとかさばけたという感じです。前回の「本の交換会」と今回の「年間ベスト」、どちらも好評だったので、毎年やろうかな…と思っています。

二次会の方も参加人数が多かったせいもあり盛り上がっていました。ちょっとした忘年会、という感じですね。今回は話題が多すぎて、さすがに記憶しきれず、あげているトピックもほんの一部になってしまいました。
【2017/12/25 19:48】 URL | kazuou #- [ 編集]

ハーバートの映画化作品
 私の知る限り、4作あります。
『ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー』1981年(原作は『ザ・サバイバル』)
『巨大ねずみパニック』1982年(原作は『鼠』)
『フルーク』1995年(原作は『仔犬になった男』)
『月下の恋』1995年(原作は『悪夢』=『月下の恋』)
 以下は拙ブログの関係記事です。どうぞご参考に。
http://short-short.blog.so-net.ne.jp/2016-03-03
http://short-short.blog.so-net.ne.jp/2011-03-31
http://short-short.blog.so-net.ne.jp/2010-12-16
【2017/12/26 15:03】 URL | 高井 信 #nOdkmSi2 [ 編集]

>高井信さん
情報ありがとうございます。
考えたら『ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー』も『フルーク』も観てました。
『巨大ねずみパニック』は未見なので気になりますが、すごくB級っぽいですね…。
【2017/12/26 18:40】 URL | kazuou #- [ 編集]


遅ればせながら、#11読書会お疲れ様でした。
毎回の準備に詳細な報告記事の素早いUp、ありがとうございます。
こうして改めて見ると、話題が本当に多岐に渡っていたんですねぇ。
第1部の吸血鬼テーマは無論、第2部も本当に楽しかったです。
3次会も最後までいたかったのですが、中座せざるを得なかったのがつくづく残念……

1月開催の#3から参加させていただきましたが、結局今年参加できたのは9回中4回と半分以下。
来年はもう少し出席率を上げたいところです……。

今年は大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします。
【2017/12/28 02:09】 URL | るね #JpTKcPVM [ 編集]

>るねさん
二次会・三次会含め、ご参加ありがとうございました。
今回は、第一部も良かったし、第二部も、雑談・放談何でもありと言った感じで面白かったです。
二次会も楽しく話せて、時間が経つのが全然わからなかったですね。ホラー作品についてもたくさん話せてよかったです。

来年は、日曜だけでなくて、祝日とか土曜日開催も織り交ぜていきたいと思っていますので、ちょくちょくご参加いただければ嬉しいです。
来年もよろしくお願いしますね。、
【2017/12/28 16:13】 URL | kazuou #- [ 編集]

盛り上がりが伝わります
第二部の話題はタイトルのみだったりで、本題の話の分を見ただけでは伺い知れない面もあったのですが、
(他にも例えば吸血鬼の話題では、募集の文面にはあった「フィーヴァードリーム」の記述がなく、あれ、他に読んだ方がいなかったのかな、などと思ったり・・・)
2次会の話題を見ると、かなり盛り上がった感じがしますね。第二部では恐らく皆さん話をされたと思うので、その分話も進んだところもあったのでしょうか。うわぁ、皆さん楽しまれたんだなぁと、様々な話題を見て思いました。

それにしても、第二部がタイトルだけなのでほとんど中のお話は想像しようもないですが、結構多岐にわたる作品が紹介されていましたね。今年のベスト投票企画本で上位にも選ばれているような旬の作家・作品から、こちらのサイトで俎上に挙がった本、古典的な名作のほか、
有名人のエッセイかと想像されるもの、グラビンスキやクラウチなどこちらでお馴染みになりつつある作家の新作などなど・・ ソンタグの写真論なんて難しそうなものもありますね。
中にはどんな本だか想像もつかないものもあって、興味をそそられる分、参加できなくて残念だったなぁという気持にもさせられる内容でした。
特にkazuouさん的に気になったものなどはありましたでしょうか…? (もし差し支えなければ幾つかご紹介頂けたら嬉しいのですが……。)
個人的に気になった点が明白なものを幾つか挙げると・・・「スティーヴィ・クライ」を早速読んだ方がいてベストとして挙げておられるけれど、どんなご紹介だったのか(私は買いましたがまだ未読なので… あと、内容のあらましを知るほど、また著者自身によるあとがきを見るほどに、これってホラーとしては面白いの…? という不安が頭をもたげてきているところだったので、ある種勇気づけられました・・・)、あとエーコ作品を挙げた方がいますが、どのようなご紹介になるのか… というのも、私は「薔薇の名前」は素晴らしいと思ったものの、「フーコーの振り子」では躓いて読みとおすことも出来ず、以降、エーコ作品には手を出していないので…
「源氏物語」もどのようなご紹介だったんでしょうね。現代語訳者の角田さんの文章周りからのご紹介だったのか・・・ 話としては大昔に現代語訳部分を読んだきりですが、個人的には短い話数の中で三姉妹が急速に追い込まれていく "宇治十帳" の印象が強かったりします… 幻想・ホラー的な文脈では夕顔や葵など六条の御息所の生霊も結構活躍?しますが・・・

…その他いろいろ、その場にいたなら、それぞれに気になる部分を伺えたのに、とも思いますが、冊数も多かったようなのでそんな時間はなかったのかもしれないですね・・・・

2017回顧に関してもここで触れてしまいますね。
毎年同じことを言っていますが、それにしても今年は読書会のための再読・関連書読みもされていることを考えると、これだけをカバーされているというだけで驚異的だと思ってしまいますね。マンガにしても、比較的短時間で読めるとはいえ、各社の内容をカバーしておられますし・・・(私の場合、小説本と違って、どれが好きそうな作品かカバーする方法論すら持っていないです)
ご紹介のリスト中、既に買っていたので、面白かったと聞いて安堵したのが『闇夜にさまよう女』、『ハラサキ』など。『~スティーヴィ・クライ~』も面白そうで良かった。アイアンマンガーは2、3部がまだ買っただけですが、先日買った3部は分厚くなっていて驚きました。きっと内容の充実度に即しての分厚さだと思って期待しています。ペルッツ短編集も楽しみ。
(ブッツァーティ短編集は、内容的にはどうでしたでしょうか? 個人的には落ち穂拾いと思って期待せずに読むつもりではいますが・・・ 期待しすぎてつまらないと思ってしまうのも勿体ないので…)
ノーマークだった作品では『約束』、『場所』、『ペルーの鳥 死出の旅へ』、『最後の乗客』、『魔女の棲む町』、『ぼくが死んだ日』などが面白そうと感じました。ただ、詳細なご紹介があった訳ではないので、内容については別途確認が必要かもしれませんが…

吸血鬼その他についても何れコメントしたいですが、今年は取りあえずこれにて。
今年も愉しい記事の数々、有難うございました。来年もまた楽しみに拝見いたします。
(可能なら読書会も… ポオは個人的には思い入れがありますが、他の方がどの程度関心を持たれているのか若干不安というか…)

※ そういえば、読書会のベスト企画で、kazuouさんご自身はどの5冊を挙げられたんでしょうか? 差し支えなければ・・・
【2017/12/31 16:14】 URL | Green #mQop/nM. [ 編集]

>Greenさん
第一部の「吸血鬼」テーマも含め、今回はかなり盛り上がりましたね。皆さんそれぞれ楽しまれたのではないかなと思います。『フィーヴァードリーム』は一応話題にはなったのですが、読んでいた人が少ないこともあり、扱いは小さかった感じでしょうか。

「年間ベスト」は、ジャンル限定しなかったので、参加者それぞれが自分の趣味の領域の本を挙げた感じでしょうか。その意味でバラエティに富んでいました。
レオ・ペルッツとかグラビンスキとかは、読んでいる人が結構いたのですが、それ以外は皆ベスト本がばらけた感じでしょうか。ちなみに写真系の本は、シン一さんのベストですね。

僕が未読でいちばん気になったのは、柞刈湯葉『横浜駅SF』でしょうか。工事を続ける横浜駅が拡大して、日本中が横浜駅になってしまうというユーモアSFだそうです。あとは、実験小説のガイドブックである、木原善彦『実験する小説たち』。こちらは以前の読書会でも紹介されていましたが。

『スティーヴィ・クライ…』を挙げているのは僕のベストですね。読み終えた感じ、ホラーというよりは、ホラーのパロディに近い感じでした。フィクションが現実を侵食していく…というのは、例えばジョナサン・キャロルなんかにもありますが、こちらの作品の場合、登場人物たちが物語の仮構性を意識している、という感じです。すごく「人工感」のある作品でした。個人的には面白く読みました。

エーコ『異世界の書』は、小説ではなくて、異世界に関する伝説や歴史を図録入りで語った大部の本ですね。僕も出たとき、書店で拾い読みしましたが、結構なボリュームの本でした。

「源氏物語」はさらっと流してしまったので、そんなに詳細な話にはならなかったです。
とにかく、挙げられたタイトル数が多かった(参加人数も多かったので)ので、細かいところまではなかなか話せなかったかもしれません。

ブッツァーティの短編集は予想以上に高品質でした。これは全盛期のブッツァーティですね。続刊予定の2冊もこのレベルだとすると、本当に買いだと思います。
『魔女の棲む町』は、以前に単体の記事を挙げているので、そちらを参考にしていただければと思います。

僕個人のベストは、上記ベストの上から16冊までのタイトルです。
具体的には、

J・S・レ・ファニュ『ドラゴン・ヴォランの部屋 レ・ファニュ傑作選』
中村融編『夜の夢見の川』
イジー・クラトフヴィル『約束』
マルレーン・ハウスホーファー『壁』
スティーヴン・ロイド・ジョーンズ『白夜の一族』
マリオ・レブレーロ『場所』
A・メリット『魔女を焼き殺せ!』
ステファン・グラビンスキ『火の書』
木犀あこ『奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い』
綾崎隼《君と時計》シリーズ
トマス・オルディ・フーヴェルト『魔女の棲む町』
ジェリー・ユルスマン『エリアンダー・M の犯罪』
トマス・パーマー『世界の終わりのサイエンス』
ブレイク・クラウチ『ダーク・マター』
マイクル・ビショップ『誰がスティーヴィ・クライを造ったのか?』
佐藤将『本田鹿の子の本棚 暗黒文学少女篇』

になります。3~5冊といっておいて、かなり数を挙げちゃってましたが。

今年も記事の方にコメントいただいたこと、読書会へのご参加も合わせてお礼を申し上げておきたいと思います。
また、来年もよろしくお願いいたします。
【2017/12/31 19:57】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
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