8月の気になる新刊
8月7日刊 『月岡芳年 妖怪百物語』(青幻舎 予価2484円)
8月8日刊 ヴァレリー・シュール=エルメル『幻想版画 ゴヤからルドンまでの奇怪コレクション』(グラフィック社 予価3024円)
8月8日刊 コードウェイナー・スミス『三惑星の探求 人類補完機構全短篇3』(ハヤカワ文庫SF 予価1512円)
8月8日刊 アン・モーガン『わたしはヘレン』(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1361円)
8月8日刊 『日本SF傑作選1 筒井康隆 マグロマル/トラブル』(ハヤカワ文庫JA 予価1620円)
8月8日刊 澁澤龍彦『バビロンの架空園』(河出文庫 予価950円)
8月9日刊 A・メリット『魔女を焼き殺せ!』(アトリエサード 予価2484円)
8月10日刊 ロバート・ルイス・スティーヴンスン&ロイド・オズボーン『引き潮』(国書刊行会 2700円)
8月10日刊 ジュール・ヴェルヌ『蒸気で動く家』(インスクリプト 予価5940円)
8月12日刊 東雅夫編『文豪妖怪名作選』(創元推理文庫 予価929円)
8月22日刊 アンドルー・ラング『夢と幽霊の書』(作品社 予価2592円)
8月22日刊 小泉喜美子『殺さずにはいられない 小泉喜美子傑作短篇集』(中公文庫 予価886円)
8月25日刊 ステファン・グラビンスキ『火の書』(国書刊行会 予価2916円)
8月25日刊 セルジュ・ブリュソロ『闇夜にさまよう女』(国書刊行会 予価2700円)
8月31日刊 ヘレン・マクロイ『月明かりの男』(創元推理文庫 予価1080円)
8月31日刊 ジョー・ウォルトン『わたしの本当の子どもたち』(創元SF文庫 予価1404円)
8月31日刊 中村融編訳『猫SF傑作選 猫は宇宙で丸くなる』(竹書房文庫 予価1188円)
8月下旬刊 『月岡芳年 月百姿』(青幻舎 予価2484円)


 ヴァレリー・シュール=エルメル『幻想版画 ゴヤからルドンまでの奇怪コレクション』は、無気味で幻想的な版画を集めた画集。これは面白そうです。

 《ナイトランド叢書》の新刊は、エイブラム・メリットの『魔女を焼き殺せ!』。1960年代に邦訳が出たものの、稀書になっていた作品なので、新訳刊行は嬉しいですね。
 メリットは、20世紀初頭に活躍したアメリカの作家。『イシュタルの船』『蜃気楼の戦士』など、秘境や異世界を舞台にしたヒロイック・ファンタジーで名をなした作家です。
 『魔女を焼き殺せ!』は、ファンタジーではなく現代ホラー作品のようですが、名作の評価も高いので、読むのが楽しみです。

 『引き潮』は、スティーヴンソンと義理の息子ロイド・オズボーンの合作になる海洋冒険小説。この親子の合作では、過去に『箱ちがい』『難破船』が邦訳されていますが、どちらも非常に面白かったので、こちらの作品も期待大ですね。

 8月の新刊で、イチオシはやはりこれです。ステファン・グラビンスキの怪奇幻想作品集第3弾である『火の書』。〈火〉 をテーマとする短篇小説と、自伝的エッセイ、インタビューを収録とのことです。版元のページでは内容が既に紹介されていますので、転載させていただきます。

赤いマグダ
白いメガネザル
四大精霊の復讐
火事場
花火師
ゲブルたち
煉獄の魂の博物館
炎の結婚式
有毒ガス

[エッセイ]
私の仕事場から
告白

[インタビュー]
ステファン・グラビンスキとの三つの対話
一九二七年/一九三〇年/一九三一年

 セルジュ・ブリュソロは、児童向け作品がいくつか訳されている作家ですが、『闇夜にさまよう女』は、あらすじを見る限り、ちょっと面白そうな作品です。「頭に銃弾を受けた若い女は、脳の一部とともに失った記憶を取り戻そうとする。「正常な」世界に戻ったとき、自分が普通の女ではなかったのではと疑う。追跡されている連続殺人犯なのか? それとも被害者なのか? 」

 中村融編訳『猫SF傑作選 猫は宇宙で丸くなる』は、猫をテーマにしたSFアンソロジー。収録作品はまだわかりませんが、編者はアンソロジストとして定評のある中村さんなので、期待大です。ちなみに、収録作家がシオドア・スタージョン他となっているのですが、スタージョン作品は、雑誌に訳載されたきりの『ヘリックス・ザ・キャット』あたりでしょうか。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

グラビンスキはこちらのサイトにて知りましたが、三冊目、嬉しい限りですね。
マクロイもやっと!

少しさきですが、サキの(駄洒落ではない)姉エセルによる伝記が、彩流社より発売されるそうです。

http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2379-5.html

しかし220ページって(涙)。短編も付されるのに、例え二段組だとしても少ないですよねえ。
上記だけでなく短編も未訳との事。しかし白水社が……
【2017/08/06 20:51】 URL | ぽんぽこ狸 #- [ 編集]

>ぽんぽこ狸さん
グラビンスキは、こんなに出るようになるとは思わなかったですね。さらに続刊を期待したいところです。

サキの姉の伝記…。僕は買っちゃうと思いますが、薄い本みたいだし、ここまで需要があるんでしょうか。とりあえず、「サキ直筆イラスト」が気になります。
白水社の方で、全集みたいな形にしてくれるといいんですけどね。
【2017/08/06 22:36】 URL | kazuou #- [ 編集]


そうなんですよね。
昔から不思議だったのは、サキやビアスなど、表立ってなくとも人気長寿で、そこそこの数はこなしていても、全集が出ていない作家は意外に多い。しかも彼らには、多彩なテーマにおいて読ませる抜群の手腕があるのに。
ビアスも選集は持っていますが、全作品読んでみたいです。

短編と長編は、同作家でもガラリと雰囲気が変わる事が通例な気がしますが(ウールリッチは違うがそれがまた良い)、サキの長編も気になります。

個人的には、全集と名が付くものは、是が非にも単行本で!(更には函入りで)
無理に新訳である必要はないので、文字だけ直してもらえれば古くてもじゃんじゃん出版してほしいですね。
【2017/08/07 00:09】 URL | ぽんぽこ狸 #- [ 編集]


サキやビアスは全集があってもおかしくない作家ですよね。全集を出すほどの需要がないといえばそうなんでしょうが。
このところの白水社のサキとか、ちょっと前で言えばスタージョンの作品集が続けて出たりとか、そういう例もあるので、地道に新刊を出していくしかないんでしょうね。

全集はやっぱり箱入りがいいですよね。箱入りで海外作家の全集…。考えたら、今、海外作家の全集を出せる出版社が、国書刊行会の他にあるのかどうか…。
【2017/08/07 18:38】 URL | kazuou #- [ 編集]

魔女を焼き殺せ!
物騒な題名ですが面白かったです。後書きで全盛期のクーンツになぞらえていましたが、ハラハラどきどき、敵側のボスは強キャラだし、人形は不気味だし。「ドールズ」というホラー映画を思い出しました。主人公の医師より裏社会の大物リコリが魅力的。信仰心篤く、部下想いで、格好良くて。
【2017/08/14 09:59】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]

>奈良の亀母さん
もうお読みになられたんですね。僕の方は購入してとりあえず積んでいます。
メリットは基本エンタメの人なので、安心して読めるタイプの作家ですよね。
【2017/08/14 15:27】 URL | kazuou #- [ 編集]

猫は宇宙で丸くなる
おっしゃる通りヘリックス・ザ・キャットが!ライバーの影の船も嬉しい!装丁もお洒落で猫SFに相応しい。10月予定のゼラズニイ作品も楽しみです。メイドインアビスも大好きで、竹書房に足を向けて寝られません。
【2017/08/31 13:03】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]

>奈良の亀母さん
スタージョンはやっぱり『ヘリックス・ザ・キャット』でしたか。動物テーマのアンソロジーもずいぶん久しぶりですよね。猫といえば、昔出た『猫に関する恐怖小説』とか『魔法の猫』とかを思い出します。
【2017/08/31 19:10】 URL | kazuou #- [ 編集]


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Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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