《ナイトランド叢書》の続刊について
 『SFが読みたい!2017年版』(早川書房)を読みました。目当ては2017年度の各出版社の刊行予定なのですが、アトリエサードの出版予定がすごかったです。
 海外怪奇幻想小説を紹介しているシリーズ《ナイトランド叢書》の第三期の続刊が紹介されていたのですが、二期に引き続き、マニアックなタイトルばかりで驚きました。


第二期

クラーク・アシュトン・スミス『魔術師の帝国』(安田均編)
1 ゾシーク篇(発売中)
2 ハイパーボリア篇
3 アヴェロワーニュ篇

オーガスト・ダーレス『ミスター・ジョージ』(中川聖訳)

マンリー・ウェイド・ウェルマン『ジョン・サンストーンの事件簿』(尾之上浩司訳)

M・P・シール『紫の雲』(南條竹則訳)


第三期

E・ヘロン&H・ヘロン『フラックスマン・ロウの心霊探求』

A・メリット『魔女を焼き殺せ』

サックス・ローマー『魔女の血脈』

E・H・ヴィシャック『メデューサ』

エドワード・ルーカス・ホワイト『セイレーンの歌』『ルクンド』


 すでに1巻が刊行されている、C・A・スミスの短篇集は2分冊ではなく、3分冊になったようです。増補作品も入るのでしょうか。
 ヘロンの『フラックスマン・ロウの心霊探求』は、オカルト探偵ものでは有名な作品の一つですね。《シャーロック・ホームズのライヴァルたち》に分類されることもあります。
 メリット『魔女を焼き殺せ』は、50年近く前の邦訳があるものの、稀書に近い状態だったので、刊行は嬉しいところです。
 ヴィシャック『メデューサ』は、幻想小説の古典的名作と言われているものの一つ。確か《世界幻想文学大系》の幻の候補作の一つにも挙がっていました。
 個人的に一番うれしいのは、エドワード・ルーカス・ホワイトの作品。怪奇アンソロジーのマスターピースとして、作品がよく収録されるホワイトの作品ですが、個人傑作集は編まれたことがなかったので、これは快挙です。
 この感じだと、W・W・ジェイコブスとかシンシア・アスキスあたりの邦訳も夢ではなさそうですね。

 アトリエサードの刊行予定では、SF作品もいくつか挙がっていますが、中では、アルジス・バドリス『無頼の月』が気になります。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

そういえば、kazuouさん推しのクラビンスキ『狂気の巡礼』が23位に入っていましたね。SFファンの心もわしづかみにしたと。これは読まなくては。
【2017/02/13 21:07】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

>迷跡さん
グラビンスキ、評判はいいなあと思っていたら、ベストにまで顔を出すとは、快挙ですね。この感じだと、続刊も期待して良さそうです。
【2017/02/13 21:16】 URL | kazuou #- [ 編集]


ダーレスって、アンソロジーには大抵入ってて知名度もそこそこな割には、彼一人フォーカスした本は少ない様な。アーカム・ハウスの淋しい場所位しか思い出せないです。ソノラマやダーク・ファンタジー・コレクション、クトゥルーはわずかですし
【2017/02/14 12:18】 URL | ぽんぽこ狸 #- [ 編集]

>ぽんぽこ狸さん
確かに、ダーレスって、知名度はあるんですが、単体での紹介はほとんどないですね。『淋しい場所』と『ソーラー・ポンズの事件簿』ぐらいでしょうか。
『淋しい場所』は、秀作ぞろいだっただけに、今回の傑作集も期待がふくらみます。
【2017/02/14 19:56】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
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