怪奇幻想読書倶楽部 第2回読書会 開催しました
 12月11日の日曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第2回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め11名でした。
 前回は2時間ほどの開催でしたが、ちょっと物足りなかった感があり、今回は初めから4時間の設定で行いました。
 テーマは第1部として「怪奇幻想小説のアンソロジーをめぐって」、第2部として、「《異色作家短篇集》と〈奇妙な味〉の作家たち」、余った時間はテーマ不定のおしゃべりの予定です。
 それでは、当日の会の詳細について、ご報告したいと思います。

 前回同様、あらかじめメールにて、参加者の皆さんにアンケートをお願いしていました。そこから名前(ハンドルネーム)と好きな作家・作品・ジャンルを抜き出して、参加者全員のプロフィールをまとめたチラシを作りました。チラシは、PDFにして1週間ほど前にメールで配信しています。

 当日、参加者が揃ったところで、全員の紹介を行います。その際、事前に配信していたチラシの紙プリント版と、参加者の名前(ハンドルネーム)の入ったネームプレートを渡します。
 前回は、肩からかける名札を使ったのですが、遠くから見えにくくて、あまり役に立たなかったので、今回は、机に立てるタイプのプラスチック製ネームプレートを用意しました。
 チラシを見ながら、主催者が簡単に参加者を紹介していきます。前回は名前を呼び、点呼だけ行う形だったのですが、今回は簡単に紹介を添える形で行いました。

 前回作った「主要怪奇小説アンソロジーリスト」と、今回第2部テーマ用に作った「《異色作家短篇集》と〈奇妙な味〉の作家たち 参考資料」と、資料(リスト)は2種類用意しました。これらを話のとっかかりとして使いました。

 前回も多彩な話題が出たのですが、今回はそれにも増して、密度の濃い時間になったように思います。某社の現役編集者の方に参加していただけたこともあり、出版の裏事情や、刊行作品の選定などの話題についても、聞くことができました。

 ちょうど話題になった本を、参加者の方がたまたまその場に持っていて…という楽しい偶然(というか、ナイジェル・ニール『トマト・ケイン』『ザ・ベスト・オブ・ジョン・コリア』、ロバート・ブロック『トワイライトゾーン』を「ちょうど」持っているという時点で、すごい面々です。)が何度もあり、終始、和やかで、かつ楽しい雰囲気の中、進行することができました。

 4時間ほどの会もあっという間に終わってしまい、さらに、有志で二次会も行いました。本会、二次会含めて、おつきあいいただいた方、ありがとうございました。
 それでは、順不同で話題になったトピックの一部を並べてみましょう。前回と同じく、話題の数が多すぎるので、記憶に残っているものだけですが。


●第一部
『怪奇小説傑作集』1巻の作品の並べ順について。ネームバリュー順?
・ブルワー=リットン作品は今読んでも面白いのか?
・同一作品の訳題名について。『猿の手』『猿の足』は別作品?
・東京創元社《クライム・クラブ》の収集・読破の難しさ。
・ドイツとロシアの怪奇小説紹介の少なさについて。
・ドイツ語翻訳者とロシア語翻訳者の現状について。ドイツ語の人材はそれなりに多い。《ペリー・ローダン》など。
・北欧や南欧に未訳の傑作は埋もれているのか?
・英米の怪奇小説の傑作はだいたい邦訳されている。残っているのはB級作品やC級作品。
・英米ではアンソロジーや傑作集が昔から盛んで、当時の状況を概観できる資料が多い。
・ゴーゴリ『ヴィイ』とその映画化作品について。
・20世紀に近づくにつれて、怪奇小説は洗練されて、スプラッター的な作品が減ってくる。
・視覚的な表現を多用するホラー作家たち。スティーヴン・キング、クライヴ・バーカーなど。
・フランスの怪奇小説について。
・SFの祖としてのモーリス・ルナール。
《フランス幻想文学傑作選》の面白さ。
・レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『南半球の発見』の紹介とその面白さ。
・翻訳作品の翻訳権について。古い作品の方が刊行しやすい?
・H・R・ウェイクフィールドの活動時期について。最初期の〈異色作家〉?
・ウェイクフィールド作品は、誤読の余地が少ない? 誰が訳しても、割合同じようなテイストで訳せる。
・未紹介の1960~1970年代の欧米の怪奇幻想小説はどうなっていたのか?
『ヴィクトリア朝幽霊物語』(アティーナ・プレス)について。入手困難?
・ラヴクラフトを寓話として読む。『異次元の色彩』など。
・怪奇小説と怪談実話の関係。実話テイストは邪道?
・デ・ラ・メア作品の難しさ。短篇集一冊を読んでも理解が難しい。翻訳者泣かせ?
・山口年子『かぐや變生』について。偶然の傑作? 同時期の短編『誕生』との作品レベルの差についてなど。
・怪奇幻想小説の雑誌媒体の難しさ。雑誌『幻想と怪奇』など。
・突然「落とす」作風の作品について。内田百閒、現代作家では津原泰水など。
・幽霊は本当にいるのか? 参加者の体験談など。


●第二部
・〈奇妙な味〉とは何か? 乱歩が挙げた具体的な作例から考える。
・乱歩の〈奇妙な味〉はサイコ・スリラーが近い? パトリシア・ハイスミスやルース・レンデルの短篇作品など。
・〈奇妙な味〉と《異色作家短篇集》はイコールなのか?
・早川書房《フィーリング小説集》《ブラック・ユーモア選集》について。ナイジェル・ニール、ローラン・トポールなど。
《異色作家短篇集》の影響を受けたシリーズたち。《晶文社ミステリ》《ダーク・ファンタジー・コレクション》《奇想コレクション》など。
・〈異色作家〉は「変な作家」という若島正説について。
・新版で唯一復刊されなかったタイトル『壜づめの女房』について。タイトルと作家名がわかりにくい。ネームバリューがあまりない作品がけっこう入っている。当時のネームバリュー的にはゴア・ヴィダルなどが売り? ダールの名前は客寄せ?
・アンソロジー『街角の書店』(中村融編)について。アンソロジー誕生の経緯など。
・ロアルド・ダールについて。いちばん〈奇妙な味〉に近い作家? 世間的には児童文学作家。筋がわかっていても面白さが衰えない。『牧師のたのしみ』『ビクスビイ夫人と大佐のコート』
・フレドリック・ブラウンについて。短篇集ならどれがベスト? ミステリは凡作が多いが、SF作品は傑作が多い。『沈黙と叫び』のすごさ。星新一訳のサンリオSF文庫版短篇集について。
・リチャード・マシスンについて。短篇作品の素晴らしさ、『陰謀者の群れ』『種子まく男』など。映画『激突』『ヘルハウス』《ミステリーゾーン》など。トリビュートアンソロジー『ヒー・イズ・レジェンド』も傑作揃い。
・ジョルジュ・ランジュランについて。邦訳はほぼ『蠅』のみ。『彼方のどこにもいない女』など、SF味が強くて、意外に面白い。映画『ザ・フライ』のおかげで生き残った?
・シャーリイ・ジャクスンは、才能というよりは感性で書いた作家? 何気ない日常描写の方に本領がある。『魔性の恋人』の解釈について。長編『たたり』、短篇『くじ』の凄さとは。短篇集『こちらへいらっしゃい』など。
・ジョン・コリアの魅力とは? 悪魔と天使のキャラクターが楽しい。訳文はコミカルにした方が楽しい作家。翻訳はちくま文庫版(サンリオSF文庫版)がベスト。
・ロバート・ブロックについて。短篇はコンスタントに面白い。『血は冷たく流れる』は傑作揃い。『サイコ』など。切り裂きジャック好き?
・映画版『トワイライトゾーン』について。《ミステリーゾーン》→映画版『トワイライトゾーン』→ロバート・ブロックのノベライズ。ジェローム・ビクスビイ作品はやはり傑作。
・ロバート・シェクリイについて。『人間の手がまだ触れない』は日本SF黎明期に絶大な影響を与えたが、それが広く取り込まれたため、今では読んでも衝撃は少ない。後期の作品は変わったものが多く、それなりに楽しめる。
・ダフネ・デュ・モーリアについて。作家のレベルとしては、この叢書内では一、二を争う作家。
・スタンリイ・エリンについて。短篇は完璧主義。結末から考えるというその作品には隙がなさすぎて、アンソロジーなどには取りにくい。『特別料理』は世評ほど傑作なのか? 最高傑作は『伜の質問』? 長編は意外にストレートなものが多い。短篇集『九時から五時までの男』など。
・チャールズ・ボーモントについて。多彩な才能を持つ作家。普通小説でも味わい深いものが多い。『叫ぶ男』『淑女のための唄』など。
・ジャック・フィニィについて。フィニィを嫌いな読者はいない? サスペンス、ミステリ、冒険小説など長編はバラエティ豊かなのに対して、短篇はノスタルジーを中心にしたものが多い。現代の日本の読者が読んでも、フィニィには「なつかしさ」を感じる。フィニィ独特のタイムトラベル方法は非常にユニーク。
・ジェイムズ・サーバーについて。文章技術としてはトップクラス? 意外とシュールな作品が多い。『人間のはいる箱』など。犬好きで、犬関連のエッセイは絶品。
・レイ・ブラッドベリについて。原文はけっこう難しい。小笠原豊樹の翻訳は詩人らしさの出た名訳。名作はやはり初期に集中している。後期は、普通小説に近づくにつれ、いい作品が減ってくる。作家自身が素朴で純粋。歌のテーマになったりと、現代アメリカでもまだ影響力が強い?
・レイ・ラッセルについて。翻訳は少ないが、短篇は悪くない作家。長編『インキュバス』は意外に傑作。
マルセル・エイメについて。最近はあんまり読まれていない? 『壁抜け男』が飛び抜けて有名。長編『第二の顔』は、乱歩も褒めていた〈奇妙な味〉の作品。


●テーマ不定
・未紹介の異色作家たちについて。ロナルド・ファーバンク『オデット』、クリスティン・ブルック=ローズなど。
・皆川博子作品のオススメは?
・文庫の新版・新訳について。
・第3回以降の読書会で扱ってほしいテーマについて。ベスト短編企画、ヴィジュアル関連の話題についてなど。


●二次会
・ブラックウッドの最高傑作は? 『ウェンディゴ』『柳』『いにしえの魔術』など。
・ラヴクラフト作品の面白さ。創元版全集では4巻がベスト?
・ラヴクラフトのフォロワーたちの作品について。いちばん大成したのはロバート・ブロック。次にオーガスト・ダーレス。
・ロバート・ブロックの面白さについて。『サイコ2』は傑作。
・ラヴクラフトのダンセイニ風掌編について。
《世界幻想文学大系》について。
・イーディス・ウォートン『幽霊』の面白さ。
・H・H・エーヴェルス『アルラウネ』について。
・江戸川乱歩作品の面白さ。
・乱歩における『赤毛のレドメイン』の影響。
・乱歩が関わったジャンルの広さについて。
・水木しげるの翻案作品について。マシスン、エーヴェルス、ラヴクラフトなど。
・マルケス『百年の孤独』、アジェンデ『精霊たちの家』について。
・アイラ・レヴィン作品について。初期作品と後期作品とのレベルの差が激しい。『死の接吻』『硝子の塔』など。
・地方の本屋の文庫事情。ハヤカワ文庫より創元推理文庫の方が品揃えが良かった。
・論創社の刊行物について。
・アルトアーツ社のロシア幻想小説作品について。アレクサンドル・グリーン短篇集など。
《魔法の本棚》シリーズの素晴らしさ。コッパード、ヨナス・リー、ミドルトン、エイクマン、アレクサンドル・グリーンなど。
・カトリーヌ・アルレー作品について。『わらの女』ほか。
・ニコラス・ブレイク『野獣死すべし』について。
・メイ・シンクレア作品の人情味。
『ロアルド・ダールの幽霊物語』の面白さ。ローズマリー・ティンパリー作品など。
・ファンタジーの名作作品について。《ゲド戦記》《指輪物語》《ナルニア国物語》など。
・ジーン・ウルフ作品の難しさと面白さ。『ケルベロス第五の首』など。
・電子書籍でマンガを読むことについて。
・読書時間の作り方。

 第3回目の読書会は、2017年1月後半あたりに予定しています。会の詳細やテーマなど決まりましたら、また告知したいと思います。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

先日は楽しいお時間、どうもありがとうございました。
また、主催&まとめ、お疲れ様でした。

二次会含めかなりの時間でしたが、思わず時間を忘れて話し込んでしまいまして、
最後は慌ただしく帰ってしまって申しわけありません。

次回も楽しみにしております。
私もまだ隠し玉的なネタがありますゆえ(笑)
【2016/12/13 00:00】 URL | sugata #8Y4d93Uo [ 編集]

お疲れ様でした
当日はいろいろとお世話様でした。
早々にご挨拶をと思いましたが、当日中には間に合いませんでした。

最初に配布頂いた資料を見てここまでするのかと絶句しましたが、その甲斐もあってのことでしょう、結構突っ込んだ話も出た、充実した内容でしたね。
先ずはお疲れ様でした。そして名札その他、様々な参加者へのご配慮ありがとうございました。名札はお持ち帰りの際、結構嵩張っていたようでしたが・・・

読書会の席について、メンバーを一望した第一印象は、うわぁ、kazuouさんを筆頭に何か賢そうな方が集まっているなぁ・・というものでした。多分半数以上が自身のブログなどをお持ちだと推測されましたし…。
(そういえば休憩中には、kazuouさんについて、「重役みたいな人が来るかと思っていたら若い人で驚いた」みたいなことを仰っている方もいらっしゃいましたっけ)
実際にその印象は当たっていて、皆さん個々の作家や作品について、内容に基づいたはっきりした意見をお持ちで、内容や書誌などもちゃんと覚えていらっしゃるし作品構成に関して具体的な意見をお持ちだったりで、これならこちらはずっと聞き手で良いかな(というかそれしか出来ない)という感じでした。読みたい本を手にするために国会図書館を結構利用したような方もいらっしゃいましたね。
(ここでお名前を出していいのか分からないので一応Fさんと、kazuouさんとの間で何度も長いラリーがありましたよね。この辺りも聞きごたえ十分でした。)
kazuouさんは(Fさんもでしたが)かなりの時間話しておられて、さすがだなぁという感じでしたが、こちらは短い時間話すのでも何か意外に呂律が回っていないなぁという感じで参りました。

(ちょっとだけ意見があるとすれば、メンバー紹介はkazuouさんの方でさらっとそつなく進めておられましたけれど、プロフィールを見てテーマ外だけれどちょっと伺って見たい話なども出てきたりもするので、質問を差し挟める間が幾らかあったら嬉しいなと。同じ作家が好きだったりする方に、フェイバリットはどれですかくらい、聞いてみたい気持ちも出てきたりするので・・・)

さて、特に第一部はほとんどが怪奇小説傑作選についての、しかも各作品の内容にまで踏み込んだお話だったので、1巻は読んでいないわ、他の巻の内容も一部を除いて霧の中・・・という感じだった私にとっては、皆さんちゃんと読みこんでいるんだ凄いなぁ…という感じでただ聞いているだけだったような・・・
ただ、少なくとも1巻の2編ぐらいはファンでもどうかという古色蒼然とした内容だという感じだったので(私が1巻を読んでいなかったのは、そこを予期したからでもあったのですが)、歴史的意義を伝えるものとしてならともかく、興味を持った読者に扉を開いて見せる意味では、そろそろ別途傑作選を編みなおすというのもありではないかという気もしました。
とはいえ、中では1巻が好きだと仰っていたSaさんの、ミステリ読者としてはこの頃の怪奇小説が、突飛ではあっても怪異現象になんらかの法則性を持たせるところに親近感を覚えるみたいな感じの話(間違っていたら済みません・・・)をされていたのも新鮮ではありました。
個人的には各メンバーにとっての名アンソロジーとか、長編のアンソロジーとも言えるシリーズものについてとか、これはアンソロジー・ピースであってもいいんじゃない?という作品の紹介なんかもしてみたかったなぁ・・(実は「トマト・ケイン」はそういった観点から『エンバンブエの計算』をご紹介できないかという気持ちから持ってきていたものです。「ファンタジーへの誘い」も「今日は上天気」これに載ってますよ的なご紹介で終わってしまいましたが、思い入れのある話をこれで幾つも読んでいるので、他に思い入れのある方、いないのか訊いてみたかったですね)とも思いましたが・・
著作権消失の時期と翻訳紹介の時期・対象作品の話や、新訳の読みやすさと古い訳・訳語を残したい部分についての話など、作品以外の周辺の話も充実していましたね。

第二部は、異色作家短編集の各作家についての話がメインでしたね。
ジャクスンの作品について、あれだけの方が(面白いけれど)構成が変、小説作法としてはなってない、みたいなご意見を共通理解のようにお持ちだったというのは結構衝撃でした(笑)。私は異色作家方面にはジャクスンから入ったせいか、そこに違和感を持つことはなく、丸ごとそういうものなのかと受け入れてそのまま来たようなところがあるのかも(それは、エイクマンを違和感なく受け入れたこととも関係しているかも・・・)、とも。 ただ、精神的に歪められてしまった人も、小説を書く人も多数いることを考えれば、「歪すぎる感性」だけが取り柄でそれだけで作品を作ったみたいに評されるのはちょっと違和感があるなぁとも。伏線にしても、いやでもこれは本格ミステリじゃないし、日常では回収されない(あるいは単に出来なかった?)伏線なんてゴロゴロしているでしょうなどと思ったりも。 (まぁ、とはいえ一般的な意味での文章技法に特に優れているとか名文家だとはこちらも思ってはいないのですが…)
あとSaさんが、ジャクスン作品が伏線的なものに無頓着である(「普通の作家ならああいう書き方はしない」)ことを「魔性の恋人」を例に語ったり、「丘の屋敷」の "イヤミス" ぶりなどを詳細に語ったりされたのも印象的でした。
既に前回話題に上っていた、と前回書かれていたので、エイクマンやジャクスンについて今回一定時間話題に上ったのは嬉しい驚きでした。
kazuouさんの異色作家としてのサーバー作品のご紹介も面白かったですし(それで一度短編集のリストを作ってみられては?)、長編作家としてのフィニイの多様さ、オリジナリティが薄いために後年印象が薄れていったシェクリィ、ミステリ作品はつまらないが・・・のブラウン、などなど、エイメやサーバーも、エイメかぁ、サーバーかぁと言われつつそれなりに話が出ましたね。(今気付いたのですが、なんと復刊時の目玉の1つだったと思われるスタージョンの話が抜けていた・・・!)
全般にコリア、デュ・モーリア、マシスン、ボーモント、エリンなどは職人作家として評価が高かったですね。その故にむしろ「異色作家的でない」と評された作家さんも。
(エリンの話題の時、口を挟む機会を逃したのですが、「第八の地獄」がどんな話なのか、話が出たときに聞いておきたかった…)
勿論、それ以外の作家さんについても愛情をもって語られていて、映画化作品に恵まれなかったブロックと映像作品にも積極的に参加したマシスンとの対比など、いろいろな観点から語られていましたね。
ブラッドベリは名前や作品タイトルがいい、という話が出たときは、何だか瀬戸川猛資さんがウールリッチの短編について、別に傑作だとは思わないがタイトルがいいと何かに書かれていたことをふと連想しました。(「私はブラッドベリをFxxxしたい」という投稿がユーチューブにあって結構見られていたりする、の話は苦笑しつつ、まだネタ元になるほどには本国で影響のある作家なのだなとという話にはなるほどと納得しましたね)
異色作家ヘタウマ論まで出ましたが、なるほど、ジャンルなどのメインストリームに忠実で完成度の高いものを本流だとするならば、そこからはみ出る要素の多い異色作家作品はヘタウマに相当するのかもしれません。
時間の都合でダール(そもそもは児童文学畑の人では、という見方は新鮮でした)など幾人かの作家さんについては駆け足だった感があったのはちょっと残念でした。ランジュランについては時期的に映画化された作品(「ハエ男の恐怖」…でしたっけ…)を編集部が取り込もうとしたのではとhさんが言い当てていらしたのも印象的でした。
異色作家ファンと言いながら、「さぁ、きちがいになりなさい」と「嘲笑う男」は手に取ったことが無かった(「サルドニクス」は「フランケンシュタインのライバルたち」で読んだので・・・)ので、結構面白いと伺ったからには手に取ろうかなと。
本編を書いた作家の方に話が集中したので、同興の作品集といった辺りにまでは余り話が及ばなくて残念、文学方面ですがチェーヴァの「テスケレ」からの「プレスティノの方位」、面白いと思った記憶しか残っていないんですがどんな話でしたっけ・・・?とか訊いてみたいことはいろいろあったのですが・・・

余談に費やす時間もほとんどなかったので、すっかり忘れていたのですが、(面白い)本の選び方、見つけ方なんかも皆さんに伺っておきたかったところです・・・・ いつも感心させられるkazuouさんのアンテナについてあらためて伺う機会にもなったかもしれませんし。(結局は幅広く、沢山の作品に当たることという結論に至るのかもしれませんけれども。)
改訳絡みの話で(確かナルニア)、岩波少年文庫の名前が出ていましたが、どのくらいの方が子供時代にあのシリーズに(どの本で)お世話になったのかも聞いてみたかった気も。日本では外人の名前を見るだけで頭が痛いというような方も結構おられる中で、翻訳ものに親しめているのは、このシリーズを読んでいたことも大きいのかなとふと思ったりしたので。。


最後、2次会は参加出来ませんでしたが、内容的にも沢山の話ををされていたようで、これは時間も結構使われたんでしょうね。楽しそうで何よりでした。
後になってから、用事は自分都合の野暮用だったし、折角kazuouさんと直接お話しできる機会だったのだから(あと、席が遠くてほとんど会話も出来なかったS1さんやGさんらとお話しできる機会にもなりそうでしたし)、飲めなくても用事をキャンセルして参加した方が良かったかな?とも思ったのですが、電車に乗ったら急に寝不足の影響かうつらうつらしてしまったので、参加しなかったのはそれはそれで正しかったかもと・・
そんなこんなですが、次回、参加できるようでしたら2次会の可能性も念頭において参加したいです。

余談ですが、初めての環境で脳が空回りしていたのか、グラスには始め氷が入っているだけだったのに気付かず、自分の分を飲もうとして初めて水は自分で注がないといけないんだと気づいたり(親切のつもりで人にグラスを回してみたりしましたが、もしかして空のグラスを回していたかも・・・・そうだったらスミマセン・・)、紅茶の茶漉しの使い方が分からず、そのままティーカップの中に入れてお茶を注いでしまったものの、後になって底についているのは茶漉しからしずくが垂れるのを受けるもので、それを濡らしてしまっては意味がないと気づいたり・・・・結構みっともなかったかもしれません・・・

ご挨拶も兼ねて早くに、と思っていましたが結構経ってしまいました・・・
更に長文・乱文、失礼いたしました・・・
【2016/12/13 02:58】 URL | Green #mQop/nM. [ 編集]


わあ、「水木しげるの翻案作品について」(二次会)が話題になりましたか。
非難と擁護の応酬?
"大先生"になりすぎて表立っては話題にしにくいかもですね。

読書会のご報告、楽しんで読んでます!
【2016/12/13 07:18】 URL | 迷跡 #- [ 編集]


二次会楽しかったみたいですね!

>・電子書籍でマンガを読むことについて。
>・読書時間の作り方

ここは是非聞きたかったです。
【2016/12/13 10:33】 URL | くま #- [ 編集]

>sugataさん
こちらこそ、遅くまでありがとうございました。
二次会含め、あれだけ長時間話したのは、初めてかもしれません。
読書会上でも、困ったときは、sugataさんが合いの手を入れてくれる…という安心感があり(勝手な思い込みですが)、助かっています。
次回も面白い企画ができないかと思案中です。
sugataさんの「隠し玉」も、楽しみにしていますので。
【2016/12/13 20:59】 URL | kazuou #- [ 編集]

>Greenさん
こちらこそ、ご参加ありがとうございました。
かなり充実した会になったと思っています。
第1回に比べ、第2回は、それぞれの話題について、けっこう深堀りできた感じがします。

もともと自己紹介はなし…みたいな建前だったので、紹介は、僕の方でさらっとやろうと考えたのですが、もうちょっと、参加者同士の親交を深める部分を考えた方がいいのかもしれませんね。休憩の間は、少し話された方もいるようでしたが。その辺は今後の課題にしたいと思います。

第一部は、『怪奇小説傑作集』が中心になりましたが、やはりこのシリーズは、俎上に乗せやすいのですよね。個人の好き嫌いもありますし、共通項としてはやっぱり有名アンソロジーに話題が集中してしまう感はあるのですが。フランスものの話題を出しても、皆食いつきが悪かったのは残念でした…。

著作権や新訳の話は、Fさんのおかげで、普段聞けない話が聞けて良かったと思います。

第二部は、異色作家を順番に検討する…みたいな展開になりましたね。ジャクスンやエイクマンは、話題にすると、けっこう盛り上がるので取り上げやすい…というのはあると思います。『魔性の恋人』は、個人的に皆に印象を聞きたかったので、取り上げたというのはあります。

サーバーは、『サーバー怪奇小説集』のメニューを考えたりしたら、面白いかもしれませんね。スタージョンは取り上げていないのは、後で気付きました。ランジュランを取り上げて、スタージョンを忘れるというのも、なんとも迂闊でしたね。
《異色作家短篇集》収録作家以外の、〈奇妙な味〉作品については、一緒に取り上げることも考えたのですが、時間的に無理そうだったので、別の機会にゆずりたいと思います。

二次会は、居酒屋に行ったのですが、お酒が苦手な方もいると思うので(僕もそんなに酒に強いわけではないです)、別の喫茶店に移動して少し追加で話す方がいいのかもしれないですね。今考えたのですが、読書会本会の1時間ぐらいを、参加者同士のフリータイムにするというのもありかも。

グラスを回してもらったり、いろいろ気遣いありがとうございました。僕の方も緊張してしまって、そういうところまでは気が廻らなかったので、細かい気遣いはありがたいです。
【2016/12/13 21:22】 URL | kazuou #- [ 編集]

>迷跡さん
水木しげるの翻案作品は、あんまり触れる人がいないですよね。
単純なコミカライズとすれば、それなりに魅力的なんですけど。

読書会レポート、今回は密度が濃すぎて、その場の熱気が伝え切れていない感はあるのですが、興味を持っていただけたら嬉しいです。
【2016/12/13 21:25】 URL | kazuou #- [ 編集]

>くまさん
ご参加ありがとうございました。
二次会は、とくにテーマもない、本当のおしゃべりだったので、本に関する話題は何でもあり!という感じでした。
次回は、本会の方でも、そうしたちょっとゆるい話題も盛り込めたらいいな、と考えています。
くまさんとは、マンガ作品や諸星大二郎の話などもしたいですね。また、次回以降お話できたらな、と思います。
【2016/12/13 21:31】 URL | kazuou #- [ 編集]


短編(?)好きの方と語り合えて楽しかったです。
早速図書館に予約いれまくっています。

入手困難といわれる「ヴィクトリア朝幽霊物語」は、翻訳者の方が無料pdf版を公開されていますので、お知らせしておきます。

1点修正が、私が申しました。次回の「怖い話」ですが→皆さんが思う「ベスト短編」3つ?といったものをお伺いしたいなと思った次第です。

ありがとうございました。

【2016/12/14 20:10】 URL | Iku #- [ 編集]

>Ikuさん
短篇好きな人が多かったのは僕も嬉しかったです。
「ベスト短編」企画は、いずれやりたいと思っていますが、とりあえず序盤は、オーソドックスなテーマをこなしてからという感じでしょうか。

「ヴィクトリア朝幽霊物語」、情報提供ありがとうございます。相当部数が少なかったらしく、古書でも本当に全然見かけませんね。
PDF版が載っているアドレスをついでに載せておきたいと思います。
https://www.lang.nagoya-u.ac.jp/~matsuoka/v-ghost-stories.html
【2016/12/14 21:41】 URL | kazuou #- [ 編集]

(念のため)
返信への返信、をコメント欄で始めてしまうとピンポンゲームの納めどころが分からなくなって悩むこともあってやっていませんでしたが(質問へのご回答も良く頂いているのに、お礼もしていなくていつもすみません…)、今回ちょっと特例で・・・

> グラスを回してもらったり、いろいろ
あぁいえいえいえ… そういったことも主にやっていらしたのはFさんですね(・・仕事も出来る方とお見受けしました・・・)。あと多分女性陣。…で、それを見て私も、あ、やらなくてはと思って同じようにやってみたつもりでしたが… 的な、落語に出てくる熊さんみたいなお話でした。
(そういえば会の中でも、ちょっと落語の話が出ましたね… 何でしたっけ…)

これだけというのも何なので…

> サーバーは、『サーバー怪奇小説集』のメニューを考えたりしたら、面白いかもしれませんね
これは是非、今回の復習も兼ねて(笑)お願い致します。タイトルだけでも勿論結構ですが、できれば作品紹介の文言なども添えて頂いて…
ちょっと思ったのですが、新版の異色作家短編集12冊の中に(スタージョンやデュ・モーリアなどを抑えて)サーバー作品が残ったのは、ホラー、サスペンス、あとノスタルジア方面に針が振れた作品だけでなく、笑いの方面にも針が振れたような作品も残したい(コリアなんかのも愉しい作品ですけれど、ブラックユーモア的な側面は拭えないですしね)という編集部の方針があったのかもしれません。結果的にはサーバーは異色作家中の異端みたいな感じで残されてしまったような面も感じますが。

あと、これは時々思うのですが、kazuouさんはこれまで、ブログ中で紹介してこられたように単行本未収録作品などを収集・紹介していらっしゃるので、ブログ上ででも仮想の傑作選を一度編まれてみては、と思うのですが。よく書かれているような感じで紹介文と初出誌何かも記載して…
実際に作品集を作ると、やはりセールスポイントとなる物を混ぜざるを得ない、というのはお話の中にも出てきましたので、純粋にファンとしてはこんなものを欲しがっているとかベストだと感じるとかいうのを、形にして提示することには意味があるんではないかと。。。
(・・・などと手間がかかりそうなことを勝手に書き散らしておりますが、まぁもしその気が湧いたらという程度に見て頂ければ…)

> フランスものの話題を出しても、皆食いつきが悪かったのは残念でした…。
そこはやっぱり課題図書でいかないと、ではないかなぁというのが個人的な意見ですね・・・
やっぱり英米のコント形式の作品を楽しむ感覚で話していると、フランスものはその延長線上には出てこないところがありますし、楽しむ感覚自体も違うところにあるような・・・ あと、やはり作品数を読んでいないし、思い入れも少ないのでぱっと作品名とか場面とか出てこないんですよね…
具体的な作品名とかを挙げて話しこんでいけば、また反応は違うのでしょうが…
課題図書的にでも読み合わせてくれば、好悪はあれ、何とでも反応のしようはあるのかなぁと。
(個人的にあの時出て来た名前は、レオノーラ・カリントンだったのですが(個人的には悪夢の一場面を切り取ったような、ナンセンスだがシュールで不安と微妙な恐怖をたたえたあの感じが好きですね。多分長編になってしまうと話は別なんだと思いますが。)、多分あまり反応はよくないだろうなと思って発言は控えました。4館収録の作家さんではないし…と思っていたのですが、よく見たら「最初の舞踏会」の作家だった…)

欧米の怪奇系の作品をすくい上げるようなルートは既に存在していて、編集者たちはそこを経て出て来た作品集などには目を通しているので、もはや英米(あるいは近接言語)の往時の作品にはフロンティアはないだろう(B級もそこそこ、C級だったら……)というお話もありましたね(エイクマンがこれまであまり紹介されていなかったことなどを考えると、視点を変えればまだ何かあるんじゃないのという気もしてしまいますが…)。
非英語圏の翻訳となると、研究者が私家版で出すようなものがほとんどである、というお話を聞くにつけ、ホラー、怪奇作品を楽しむ側にもkazuouさんのようなアンテナ圏を持つことがますます必要となってくるのかなぁ・・・と。最近の収穫、ジヴコヴィッチも、もともと黒田藩プレスの出版でしたしね。
でも、その辺の話はもっと聞きたかったですがそこで終わってしまいましたね…
個人的には興味深かったし、南米マジックリアリズムは結構怪談の宝庫でもありましたよねとか、怪奇ものではないが一度イスラム圏の作品を読んでみましたが(白水社から出ていたヘダーヤトの作品でしたが)…的な話も出来るかななんて一瞬考えたのですが…
例えばアフリカやイスラム圏の作品、となると、幻想ものや神話、あるいは宗教話で終わってしまうのではないかとかいうことがまず思い浮かんでしまいますが(偏見?)、南米のことを考えると必ずしもそうでもなかろうということも思います。
個人的にはこの辺の話題が出て来たことは大きかったですね。

楽しい時間を共有・経験できたことが一番。そこを押さえたうえで、というお話なのですが、
読書会の内容を、時間が経ってから俯瞰して見たときに、kazuouさんが仰っていたそれぞれが何かを持ち帰れる機会に、ということからすると、今回はよく知られた作家や作品に関する話題がメインでそこを集中的にお話しした感じだったので、その中でのトリビアを得る機会にはなったけれど、新しい何かを持ち帰る機会という点では薄味でもあったのかもと。
でもやっぱり、知っている作品に対してあれこれと話を出来る機会というのは楽しいものですね。

余談のつもりがまた長くなりました。ご容赦を。
【2016/12/14 23:16】 URL | Green #mQop/nM. [ 編集]

>Greenさん
サーバーは、基本的には「ユーモア作家」だと思うんですよね。他の収録作家にもユーモアはありますが、仰るとおり、ブラックユーモアに近いので。サーバーは、ある意味《異色作家短篇集》収録作家の異色度を見極めるための中位点的な位置にあるのかもしれません。

作家個人の傑作選は、なかなか難しいと思いますが、テーマ別アンソロジーならちょっとやってみてもいいかもしれません。たまに記事にしているテーマ別の読書案内も、ある種のテーマアンソロジーみたいなものといえばいえますが。
以前ツィッター上で、『H・G・ウェルズ怪奇短篇集』のメニューを考えてみたりしたこともありますが、サーバーはそんな感じで既存の短篇集から怪奇・幻想ものを抜き出す…という感じでできるかも。でもサーバーって「幻想」はともかく「怪奇」は少ないんですよね。
作品集にはセールスポイント的作品が必要というのは、考えてみればなるほどという感じでした。ただ、アンソロジストって、これは絶対紹介したい!という核になる作品がいくつかあって、それを元に編まれるのでしょうから、そういう意味では、セールスポイントは初めから揃っていることが多い気はします。

翻訳もの好きでも、英米系から他のヨーロッパものへ、というのは、やっぱり敷居が高いんでしょうか。フランスやドイツものあたりは、好きな方が多いのかなと思ったのですが。カリントンは、コアなファンはいそうですね。

怪奇系作品に関しては、あまりいい作品が残っていない…というのは、やはりそうみたいですね。ジヴコヴィッチみたいな拾い物があったりするので、非英語圏には、マイナーながらいい作家はいるような気がします。そういう意味で、北欧や南欧に幻想作家的な人はいないんだろうか、という話を出したのですが。
今回は《異色作家短篇集》収録作家だけでもかなりの数だったので、それの検証で終わってしまった感はあって、世界文学レベルでの話は、また別の機会にやれたらなと思います。

以前に書いた「何か新しいものを持ち帰れる」というのは、僕自身も含めての意味で、知らないことや新しいことを知ることができたらいいな…という感じだったんですよね。読書歴や好みも違う人たちが集まれば、当然個々が知らないことがあるわけで、自分の知らないことを知っている人の話が聞けんじゃないかと。今回はテーマがわりと、かちっと決まっていたので、あんな風になりましたけど、その意味では第1回の方が、脱線具合が大きかったので個々の人にとっては「新味」があったかもしれませんね。
【2016/12/15 15:25】 URL | kazuou #- [ 編集]


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Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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