12月の気になる新刊と11月の新刊補遺
発売中 《ナイトランド・クォータリーvol.07 魔術師たちの饗宴》(アトリエサード 1836円)
11月30日刊 フレイザー・リー『断頭島(ギロチンアイランド)』(竹書房文庫 予価864円)
12月2日刊 稲垣足穂『ヰタ・マキニカリス 21世紀タルホスコープ』(河出文庫 予価1296円)
12月6日刊 レジナルド・ライト・カウフマン『駆け出し探偵フランシス・ベアードの冒険』(国書刊行会 予価2160円)
12月6日刊 ファーガス・ヒューム『質屋探偵ヘイガー・スタンリーの事件簿』(国書刊行会 予価2268円)
12月7日刊 エドワード・アタイヤ『細い線 新訳版』(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価864円)
12月7日刊 エゼキエル・ブーン『黒い波 破滅へのプレリュード』(ハヤカワ文庫NV 予価1145円)
12月8日刊 ドロレス・レドンド『バサジャウンの影』(ハヤカワ・ミステリ 予価2052円)
12月8日刊 チャイナ・ミエヴィル『爆発の三つの欠片(かけら)』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 予価2700円)
12月8日刊 C・S・ルイス『ナルニア国物語2 ライオンと魔女と衣装だんす』(光文社古典新訳文庫)
12月14日刊  三田順、岩本和子編『幻想の坩堝』(松籟社 予価1944円)
12月14日刊 『諸星大二郎の世界』(平凡社 予価1728円)
12月21日刊 大瀧啓裕『翻訳家の蔵書』(東京創元社 予価3240円)
12月22日刊 『新編 日本幻想文学集成 第4巻』(国書刊行会 6264円)
12月23日刊 小野俊太郎『ドラキュラの精神史』(彩流社 予価1944円)
12月25日刊 フランシスコ・ナルラ『ブラックボックス』(ハーパーBOOKS 予価819円)


 フレイザー・リー『断頭島(ギロチンアイランド)』は、ちょっと気になる作品。「家賃が払えず、アパートメントを追い出されたマーラは最高の仕事を見つけた――。億万長者が所有する島の管理人“点灯員(ランプライター)"だ。簡単な仕事に破格の給料。しかしその島は、生きて出た者はいない恐ろしい場所だった……。」

 エドワード・アタイヤ『細い線 新訳版』は、サスペンスの古典的作品。不倫相手を殺してしまった男が、罪の意識に囚われてゆく…といった感じの作品。確か乱歩も褒めていましたね。

 三田順、岩本和子編『幻想の坩堝』は、本邦初のベルギーの幻想文学アンソロジーです。収録作家は、マーテルランク、ローデンバック、ピカール、エレンス、ゲルドロード、オーウェン、ジャン・レー、ティリーなど。これは楽しみですね。
 ベルギー幻想文学といえば、ジャン・レーの未訳作品もどこかで出してくれないものでしょうか。

 『諸星大二郎の世界』は、ムック本のようですね。諸星大二郎といえば、今月の新刊で『BOX 箱の中に何かいる」(モーニング KC)という作品が出ています。それぞれ異なったパズルを手に入れた男女たちが、謎の迷宮に閉じ込められる…という作品。あらすじを見たときは、流行りの<デスゲームもの>なのかな、と思いきや、内容はしっかりと諸星節になっているところがさすがでした。ユーモアもある、不条理スリラーとしてオススメです。

 大瀧啓裕『翻訳家の蔵書』は、怪奇幻想小説の翻訳で有名な著者のエッセイ集。この方の本は、マニアックな幻想小説の話題が散りばめられていて楽しいのですよね。

 フランシスコ・ナルラ『ブラックボックス』は、あらすじが面白そうですね。
「テロか、事故か? 生存者ゼロ――。おぞましい連続殺人、ケルト神話が息づく村、一族の封印された忌まわしい秘密……」。オカルトスリラーっぽい作品のようです。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント
諸星先生
Boxを読みました。漫画だけでなく諸星先生の文章も載っていて嬉しくなりました。不気味な迷路というと、海野十三先生の「千早館の迷路」を思い出します。来年春の次巻が待ち遠しい。ムックも欲しいけど、今月本代を遣いすぎたからなあ。
【2016/11/27 10:51】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]

>奈良の亀母さん
『Box』は著者の新機軸、という感じですね。ちょっと少年漫画っぽいテイストも好感触でした。
そういえば、一緒に過去の作品の新装版も出ていました。元本は持っているので、買うかどうか迷ってしまいました。諸星先生の本は新装版がいろいろ出るので、いつも迷います。
【2016/11/27 12:01】 URL | kazuou #- [ 編集]


ヒュームの「質屋探偵ヘイガー」をまさか読める日が来るとは思いませんでした。
アタイヤの「細い線」も新訳ですか・・・名作ですよね。
昔ポケミスで読みましたが、文庫化。
ポケミスの復刊とかだと、どういうわけか図書館に入らないので、文庫化は良いことかもと最近思うようになりました。

この作品を、「幕が下りてから」(ウィンストン・グレアム)と読み比べるのも面白いんじゃないかと連想してしまいました。
【2016/12/01 22:22】 URL | fontanka #- [ 編集]

>fontankaさん
ハヤカワの『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』に、確かヒュームの作品が入ってましたよね。ミステリはクラシックがけっこう着実に訳されてきてますね。

アタイヤは確かに名作だと思います。もはや、サスペンスの古典作品でしょうか。
【2016/12/01 22:35】 URL | kazuou #- [ 編集]

ベタな印象?
「断頭島」に「ブラックボックス」、センセーショナルなタイトルと内容分を見ると、数年前にどこぞの出版社からおなじような雰囲気で、同様にベタにセンセーショナルな感じの作品が出ていたなぁと思いだすのですが、その時は結局作品そのものには触れなかったので実際のところベタな設定にありがちなそこそこのオチ、という感じだったのか(それを用心して買わなかったような…)、そこからさらに一歩進んだあるいは半歩ねじれた作品だったのか結局分からずじまいでしたが、さて、この作品はどうなんでしょうね・・・ 今、あまり読書が進んでいないので購入は控え気味がいいのかなという状態ですが、こういうものは割と早く読めるし、今度は買ってみようかな、とも。

早川の中では注目はミエヴィルですかね… たしかここ最近のSF界トップランナーの一人、という印象ですが、作品紹介を見ると、SFというより別ジャンルの作品の感じで、そこがどう処理されているのか気にはなります。でもこれポケミスと同じ版型で3000円近くするんですね・・
モダンホラー系の作品も出ていますが、何かいかにもな感じなのが、今は食指が動く方向ではなく動かない方向に反応してしまいます・・・ 今回はどうしようかと・・

ベルギーというと画家たちの方に目が行くのですが、ジャン・レイとオーウェンもベルギーの人でしたね。ただ、オーウェンの印象は強いのですが、レイはマルペルチュイを読んだだけでそこまでの印象はなく(他には「幽霊の書」、が出ていましたっけ)、ベルギーの幻想作家たちと聞いても期待してよいのかどうか、判断保留状態というのが実のところですが・・・ 魅力的な出会いがあったら、改めて是非ご紹介ください。
松籟社は私の中では、ブッツァーティの「タタール人の砂漠」を出しているところとして印象に残っている名前ではありますが・・
【2016/12/10 15:46】 URL | Green #mQop/nM. [ 編集]


ジャンルホラー的な作品はとりあえず購入はしています。当たりは少ないんですけどね。
新書サイズで2000円越えだと、ちょっと購入は迷いますよね。じつは前回出た短篇集『ジェイクをさがして』が個人的に全然ダメだったので、今回も考え中です。

個人的にはベルギー幻想作家は、職人芸的な小品を描く作家が多い、という印象です。松籟社は、ブッツァーティとかカルヴィーノなんかも出してましたね。
【2016/12/10 18:30】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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