いつかの情景  ディーノ・ブッツァーティ『絵物語』
4885880882絵物語
ディーノ ブッツァーティ Dino Buzzati
東宣出版 2016-04-15

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 イタリアの幻想文学の鬼才、ディーノ・ブッツァーティは、作家として有名ですが、イラストレーターとしての面も持っており、本人はむしろ画家を自認していたといいます。
 昨年邦訳された『モレル谷の奇蹟』(中山エツコ訳 河出書房新社)は、絵と文章が一体になった作品で、ブッツァーティのイラストレーターとしての魅力を感じさせてくれるものでした。

 今回出版が成った『絵物語』(長野徹訳 東宣出版)は、ブッツァーティの画集といっていい作品集です。ただ純粋な絵画作品ではなく、それぞれの絵に対し、短い文章が添えられているのが特色です。
 文章は、絵に描かれた情景を補完するものであることもあるし、そのイメージとは一見関係のないようなものであることもあります。このあたり、例えば、ベルギーのシュルレアリスムの画家ルネ・マグリットの作品が、作品とは直接関係のないようなタイトルを付けられているのと似たような感覚を覚えますね。
 そもそも、文章なしでも、絵そのものが、ある種の物語性を感じさせるところが魅力です。そして、添えられた文章との関連を想像しながら、絵を「読む」のも、また面白い作業なのです。

 『モレル谷の奇蹟』同様、画風も、いろいろなタッチのものが混ざっています。素朴なものもあるかと思えば、ジョルジョ・デ・キリコを思わせるシュールなものもある。果てはアメコミ風のものもあるといった具合。
 幻想的な情景を描いたものが多いのですが、動物や異形の人間、怪物などを描いたものに、ことに魅力がありますね。
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テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

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