2月の気になる新刊と1月の新刊補遺
1月刊 大瀧啓裕編『Virgil Finlay 幻想画集』(青心社 予価1728円)
2月1日刊 ガイ・ヘンリー『SF大クロニクル』(KADOKAWA 予価5940円)
2月13日刊 フェルディナント・フォン・シーラッハ『罪悪』(創元推理文庫 予価778円)
2月13日刊 ミック・ジャクソン『10の奇妙な話』(東京創元社 予価1620円)
2月17日刊 ジョイス・キャロル・オーツ『邪眼 うまくいかない愛をめぐる4つの中篇』(河出書房新社 予価2376円)
2月19日刊 松岡正剛『稲垣足穂さん』(立東舎文庫 予価864円)
2月19日刊 荒俣宏・松岡正剛『月と幻想科学』(立東舎文庫 予価864円)
2月22日刊 ジョン・ヴァーリイ『さようなら、ロビンソン・クルーソー 〈八世界〉 全短編2』(創元SF文庫 予価1296円)
2月24日刊 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『あまたの星、宝冠のごとく』(ハヤカワ文庫SF 予価1188円)
2月25日刊 岸本佐知子編訳『楽しい夜』(講談社 予価2376円)
2月27日刊 カーター・ディクスン『貴婦人として死す』(創元推理文庫 予価886円)
2月29日刊 ジョン・スラデック『ロデリック』(河出書房新社 予価2916円)
2月29日刊 ユーディット・シャランスキー『奇妙な孤島の物語 私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう50の島』(河出書房新社 予価3240円)

 『Virgil Finlay 幻想画集』は、アメリカの幻想画家ヴァージル・フィンレイの画集です。
 ヴァージル・フィンレイは、20世紀前半、パルプマガジン全盛期に、SF・ファンタジー・ホラーなどのイラストレーションで活躍した人です。ラヴクラフト作品の挿絵なども描いています。大衆雑誌に似つかわしくないほどの絵の描き込みと質で、今でもファンが多い画家ですね。
 1980年代に刊行された画集の再刊になるようですが、増補部分などはあるのでしょうか。ただ、価格的には非常にお買い得だと思います。参考に以前に挙げた記事をリンクしておきます。(「不遇な幻想画家  大瀧啓裕編『ヴァージル・フィンレイ幻想画集』」)

 ガイ・ヘンリー『SF大クロニクル』は、SFの事典。映像作品など、ヴィジュアル面重視のようですが、小説作品の割合がどの程度が気になりますね。

 ミック・ジャクソン『10の奇妙な話』は、奇妙な味の短篇を集めた作品集のようです。
 内容紹介には、「金持ち夫妻に雇われ隠者となった男や、蝶の修理屋を志し博物館の標本の蝶を蘇らせようとする少年。日常と異常の境界線を飛び越えてしまった人々を描く奇妙で愛おしい物語。」とあり、期待大です。

 立東舎文庫の2冊、『稲垣足穂さん』『月と幻想科学』は、1970年代の終わりに工作舎から出ていた《プラネタリー・ブックス》からの復刊ですね。このシリーズは、小粒ですが瀟洒なタイトルが多く含まれていました。とくに『月と幻想科学』は、「月」について科学・文化的に語った対談集で、なかなかに面白い本でした。

 『あまたの星、宝冠のごとく』は、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの短篇集。これは楽しみです。

 『楽しい夜』は、岸本佐知子さん編訳になるアンソロジー。相変わらずちょっと「変」な作品が集められているようです。

 予告は随分前からなされていましたが、ようやく刊行になるようです。ジョン・スラデック『ロデリック』は、捨てられてしまったロボットの冒険を描くコミック・ノベル。
この記事に対するコメント
2月は大豊作。
ティプトリーの未訳短編集が読めたのは嬉しかったですが、重く苦い作品にボディブローを喰らったような気分で3月に出た人類補完機構の方がロマンティックで楽しめました。十の奇妙な話は何編か映像化されているそうで、訳した方のあとがきも良かったです。一番小説として印象に残ったのは楽しい夜です。表題作含めホラー寄りの話が多いのですが、これからも読んでいきたい作家ばかりでした。岸本さんは、こうした異色作家の短編集を続けて出し、罪と罰を読まないで対談し、エッセイまで書き上げて八面六臂の活躍ですね。
【2016/04/29 14:40】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]


スミスの《人類補完機構》は、表面はきらびやかなスペオペ風だったりするんですけど、骨格はかなりロマンティックですよね。

『10の奇妙な話』は、どれもウェルメイドな好短編集でした。

岸本さんが選ぶ作品は、たしかにホラー的な作品が多いような気がしますね。とはいっても、ホラーの文法に則ったジャンル作品ではなくて、不条理な文学よりの作品がホラーに近づいている…というタイプの作品が多いので、読後感はユニークだと思います。
【2016/04/29 20:16】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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