運命を告げる家  アレハンドロ・イダルゴ監督『マザーハウス 恐怖の使者』
B014SMNQR4マザーハウス 恐怖の使者 [DVD]
アメイジングD.C. 2015-12-02

by G-Tools

 アレハンドロ・イダルゴ監督『マザーハウス 恐怖の使者』(2013 ベネズエラ)は、珍しいベネズエラ製ホラー作品です。

 主婦のドゥルセは、失業中の夫と二人の息子の四人家族で暮らしていました。ある夜、夫は殺され、長男のレオポルドが行方不明になります。
 凶器のナイフに指紋があったことから、夫と息子を殺した犯人とされたドゥルセは逮捕され、終身刑になってしまいます。
 30年後、保釈されたドゥルセは、自宅に戻ってきます。カウンセリングをすることになった神父は、母親が子供を殺すわけがないという信念から、30年前の事件の謎を調べ始めます。
 やがてドゥルセ一家が住んでいた家が、イギリス人の建築家によって100年以上前に建てられたこと、この家に住んでいた家族が皆姿を消しているという事実が判明しますが…。

 30年後のドゥルセと神父の現代パートと、30年前の家族の生活を描く過去パートが交互に展開されていきます。
 過去パートで、殺人事件が起きる前、家に何者かが侵入するという事件があったことがわかります。その際、子供二人が何者かに遭遇したことが仄めかされますが、はっきりした事実は示されません。
 この部分に限らず、何気ない日常生活描写にそれぞれ伏線が含まれており、後半になって、その意味がわかるという仕組みになっています。
 例えば、母親が息子にお守りとしてムーンストーンを渡すシーンがあります。このムーンストーンが様々な人の手に渡っていくのですが、その流れが実に見事。
 溜めに溜めた伏線が、後半30分ぐらいで一気に明かされる展開はすごいの一言です。クライマックスでは、なんと、三つの時間軸のエピソードが、同時に同じ家の中で展開されるのです。

 オカルトホラーという謳い文句から、典型的なお化け屋敷ものを想像しますが、実は少しジャンルの異なる作品です。
 序盤は明らかにお化け屋敷ものフォーマットに則った展開で、超自然的な怪物なり幽霊なりがいつ出るのか? といった興味で見る人が多いかと思います。そして、お化け屋敷ものとして観てしまうと、少々冗長なのも確かなのです。
 ただ、後半に伏線が回収されてみると、それまで冗長に感じていた前半の描写に新たな意味が与えられ、結末においても非常なカタルシスを得ることができます。
 先入観を抱かずに、まっさらの状態で観てもらうと、より楽しめる作品ですね。

テーマ:ホラー - ジャンル:映画

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://kimyo.blog50.fc2.com/tb.php/637-097186bd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する