新トワイライトゾーン開幕とその思い出
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 アシェット社から刊行中のDVDマガジン『ミステリーゾーン』。57巻より『新トワイライトゾーン』が収録されています。
 この『新トワイライトゾーン』は、旧『トワイライトゾーン』『ミステリーゾーン』)のリメイクとなる、カラーシリーズです。1980年代の半ばから後半にかけて放映されました。
 もともと、初めて観た「トワイライトゾーン」は、オリジナル版『ミステリーゾーン』ではなく、この『新トワイライトゾーン』だったため、個人的にはこの「新」のシリーズの方に思い入れがあります。

 小学生の頃に、ちょうどビデオソフトのレンタルが始まり、ビデオ店で出会ったのが、このシリーズでした。正直に言うと、当時は、ちゃんと話を理解していたのかどうかも怪しいです。
 考えないと話の結末がわからない「考えオチ」であったり、余韻を残したまま終わる作品があったりと、丁寧に説明をしてくれないストーリーが多く含まれているからです。

 例えば、このシリーズの一エピソード、レイ・ブラッドベリ原作の『バーニング・マン』(原作は『灼ける男』(小笠原豊樹訳『とうに夜半を過ぎて』集英社文庫収録)です)。
 おばとピクニックに出かけた少年が、行きの道でヒッチハイクをしていた老人を車に乗せることになります。ぼろぼろのスーツの薄汚れた老人は、奇妙な話を始めます。セミと同じように、何十年も地中で暮らし、地上に出てくる人間がいるというのです。しかもその人間は純粋な悪を体現する存在であり、やがて脱皮し若くなるのだと。
 気味悪がったおばは、老人を無理やり車から降ろします。そして、ピクニックを終えた二人が帰りの道で出会ったのは、スーツを着た少年でした…。

 これ、15分ぐらいの短いエピソードなのですが「考えないと」オチがよくわからないんですよね。実際、当時一緒にビデオを観ていた父親も、良く分からないと言っていた記憶があります。
 前半の伏線をちゃんと理解していないと、後半で出てくる少年の存在が唐突に感じられ、意味がわからなくなります。
 このシリーズ、そうした話が結構多かった印象がありますが、それでも充分に面白く、自分はこういう話が好きなんだ! と認識させてくれました。

 あまり本を読まない子どもだったのですが、ちょうどこの頃から、小説でもこういう(新トワイライトゾーンみたいな)話が読んでみたいと思い始め、本屋や古本屋で本を探し始めました。「恐怖」や「怪奇」みたいなタイトルがついている本をかたっぱしから買っていき、その中でよく出会う作家名を覚えていき、その作家の作品を集める、という流れでしょうか。
 これで出会ったのが、ロバート・ブロック、リチャード・マシスン、チャールズ・ボーモント、レイ・ブラッドベリ、ジョン・コリアなどの異色作家たち。
 こうした自分の読書嗜好のもとを形作ってくれたのが、この『新トワイライトゾーン』だったといえます。

 さて、現在発売中の第一シーズン、とりあえずDVD四枚分を視聴し終わりました。旧シリーズの熱狂的なファンからは、この新シリーズ、散々な評価をされていることもあるようですが、今でもそれなりに楽しく観れます。
 面白く観たエピソードをいくつか紹介しておきましょう。

『静かなひととき』
 騒がしい夫と子供との生活に疲れきっていた主婦が、庭で見つけたのは不思議なペンダントでした。そのペンダントを身につけていると、時を止めることができるのです。ペンダントの能力を使い、落ち着きを取り戻した矢先、敵国の核ミサイルが発射されたというニュースが…。
 前半のコメディ調の雰囲気が、後半になって暗転します。結末の余韻が素晴らしいですね。

『夢売ります』
 夫と双子の娘とともにピクニックを楽しんでいる女性。ところが、突然同じシーンが何度も繰り返されるのです…。
 仮想現実ものです。年代を考えると、映像作品としては、けっこう先駆的なのでは。

『カメレオン』
 故障した宇宙船のカメラを修理中、突然技師が消えてしまいます。封鎖された実験室内で調べていたところ、消えたはずの男が再び現れます。男は本物なのか、それとも人間に化けた未知の生物なのか。周りの人間は調査を続けますが…。
 物質にも生物にも化けられる謎の宇宙生物を扱ったサスペンスSF。フィリップ・K・ディックを思わせます。

『ドライバーへの警告』
 パーティの帰り道、事故を起こしたボブは、負傷してしまいます。近くのバーに入って気がつくと傷が消えていることに驚きますが、客たちとのやり取りで楽しい気分になったボブは気にならなくなっていました。話の流れから、店主はボブに店を譲りたいと話します。チャンスだと考えたボブは、即金で話をまとめようとしますが…。
 オチはよくあるものなのですが、そこに至るまでの演出がなかなか上手く、飽きさせずに観させます。

『帰還兵』
 嵐の晩、ダイナーへとやってきた警官は、ベトナムからの帰還兵と顔を合わせます。嵐なのだから泊まっていけという警官に対し、帰還兵は頑なにそれを拒みます。念じただけで、物を作り出せる能力があるという帰還兵の話を警官は信じませんが、男が意識を失った瞬間に、店が突然銃撃を受け始めます…。
 原作は、ロバート・R・マキャモン『夜襲部隊』(山田順子訳 J・N・ウィリアムスン編『ナイト・ソウルズ』新潮文庫収録)。緊張感のある作品です。大作のプロローグのような趣がありますね。

『試験日』
 遠い未来の世界が舞台。その世界では、子供は必ず政府の試験に通らなければならないのです。聡明な少年ディッキーは、心配する両親に、自分はかならず合格すると請合いますが…。
 原作は、ヘンリー・スレッサー『受験日』(伊藤典夫訳 小鷹信光編『夫と妻に捧げる犯罪』ハヤカワ文庫NV収録)です。短いアイデア・ストーリーですが、結末の残酷さが印象に残ります。

『時を越えたメッセージ』
 熱病にかかった18世紀の少女と現代の少年の意識がつながり、二人は友達になります。少女は、未来の情報を話しますが、友人の密告により、魔女裁判にかけられることになります。少年は少女を救おうと、歴史書を必死に調べますが…。
 原作は、ウィリアム・M・リー『チャリティのことづて』(安野玲訳 中村融編『時の娘 -ロマンティック時間SF傑作選』創元SF文庫収録)。ロマンティックなタイムトラベル・ストーリーです。

 ビデオ発売されたのは第一シーズンのみで、第二・第三シーズンはビデオ化されませんでした。地域によっては第二・第三シーズンを放映したところもあるようですが、ビデオ発売された分で完結したと思っていました。
 そもそも、第二・第三シーズンが存在したという情報を知ったのも、J・M・ストラジンスキー『新トワイライトゾーン』(尾之上浩司訳 扶桑社ミステリー 1991年刊)という本のおかげです。
 この本は、第三シーズンのメイン脚本家だったストラジンスキーが、自らの脚本を小説化したものです。この短篇集もめっぽう面白く、ストラジンスキーの脚本作品もぜひ見たいものだと思っていました。未見だった第二・第三シーズンももうすぐ観れると思うと、非常に楽しみです。

テーマ:海外ドラマ - ジャンル:映画

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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
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