11月の気になる新刊と10月の新刊補遺
10月22日刊 ウィリアム・ホープ・ホジスン『異次元を覗く家』(アトリエサード 予価2376円)
11月4日刊 岸本佐知子編訳『居心地の悪い部屋』(河出文庫 予価799円)
11月9日刊 ジーン・ウルフ『ナイト Ⅰ・Ⅱ』(国書刊行会 予価各2592円)
11月10日刊 サマセット・モーム『片隅の人生』(ちくま文庫 予価1296円)
11月11日刊 オスカー・ワイルド『カンタヴィルの幽霊/スフィンクス』(光文社古典新訳文庫 予価1058円)
11月12日刊 フェルディナント・フォン・シーラッハ『カールの降誕祭』(東京創元社 予価1620円)
11月20日刊 『ハヤカワ文庫SF総解説2000』(早川書房 予価1620円)
11月26日刊 エドワード・ゴーリー『Edward Gorey's Gorgeous Little Box』(河出書房新社 予価4104円)
11月27日刊 ミハイル・エリザーロフ『図書館大戦争』(河出書房新社 予価2808円)
11月28日刊 ミロラド・パヴィチ『ハザール事典 夢の狩人たちの物語』(男性版・女性版)(創元ライブラリ 予価1620円)
11月28日刊 ゾラン・ジフコヴィッチ『12人の蒐集家/ティーショップ』(東京創元社 予価1728円)
11月28日刊 ミハイル・A・ブルガーコフ『犬の心臓・運命の卵』(新潮文庫 予価680円)


 好調の《ナイトランド叢書》の最新刊は、ホジスンの名作怪奇小説『異次元を覗く家』。ハヤカワ文庫の荒俣宏訳の復刊という形になるようです。入手難になって久しかったので、復刊とはいえ嬉しいですね。

 創元社のシーラッハは、今回は短篇集のようです。長編も面白いことは面白いのですが、いまいちピンと来ないのですよね。

 『ハヤカワ文庫SF総解説2000』は、『SFマガジン』誌で数回に渡って特集された、SF文庫解説の単行本化です。これは好企画ですね。

 エドワード・ゴーリー『Edward Gorey's Gorgeous Little Box』は、『うろんな客』 『不幸な子供』 『蒼い時』 『華々しき鼻血』 のミニチュア版を入れた限定版ボックス。収録タイトルは全て持っているのですが、ファンとしては欲しくなってしまいます。

 ミハイル・エリザーロフ『図書館大戦争』は、「ソ連崩壊後のロシアを舞台に、特別な力を秘めた7冊の奇書をめぐり、その本を収集する「図書館」同士の戦闘が始まる。神話と中世と現代を結ぶ、ロシア・ブッカー賞受賞の傑作。」とのこと。本好きの琴線をくすぐる内容ですね。

 ミロラド・パヴィチ『ハザール事典 夢の狩人たちの物語』は、事典形式で書かれた、不思議な味わいの小説。単行本の刊行時には、一部のみが異なる、男性版と女性版が同時出版されたことでも話題になりました。

 11月のイチオシはこれです。ゾラン・ジフコヴィッチ『12人の蒐集家/ティーショップ』。ジフコヴィッチは、旧ユーゴスラビア出身の作家。
 我が国では、3つの短篇を収録した『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』(黒田藩プレス)が邦訳されています。SF・ファンタジー・ミステリなど、いろいろな要素が感じられますが、一番近いのは、いわゆる「奇妙な味」でしょうか。
 中でも『ティーショップ』の吸引力がすさまじいです。鉄道を待っていた女性がふと立ち寄った喫茶店は、「物語のお茶」を出すお店でした。お茶を飲むと、客に物語を語ってくれるのです。続けてお茶を飲めば、別の人間が物語の続きを話し出す…という、なんとも魅力的な物語です(以前に書いた『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』の紹介記事はこちら)。
 その作風からボルヘスと比較する向きもあるようですね。他にも資質の似ている作家を挙げてみると、ディーノ・ブッツァーティ、エリック・マコーマックあたりが思い浮かんできます。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント
ナイトランド叢書
不気味なくらい順調な刊行ペースですね。
ジュンク堂で見かけると買いしてると積読が溜まります。年末年始にでも読み耽りたいところ。
【2015/10/25 10:50】 URL | 迷跡 #- [ 編集]


もう、今月分の『異次元を覗く家』は店頭に並んでいました。1期シリーズは来年初頭で完結してしまいそうな感じです。
2期があるなら、以前のトライデント・ハウス版のタイトルも実現するかもしれませんね。

次回は12月に『心霊探偵エイルマー・ヴァンス』だそうです。
【2015/10/25 11:04】 URL | kazuou #- [ 編集]

十二人の蒐集家
紫と緑が印象的!幻想的でクラフトエヴィング商会のクラウドコレクターを思い出します。第一話のケーキ、食べたいけど怖いような。ティーショップの色んなお茶も試飲したい。緑のお茶は煎茶みたいな感じかしら?
【2016/01/28 14:14】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]


キーカラーが毎回出てきたりとか、連作としての趣向が楽しい短篇集ですよね。一つ一つのアイディアでもっと長く書けそうな題材を、あっさりと終わらせていくあたり、すごく贅沢な感じがします。
【2016/01/28 19:49】 URL | kazuou #- [ 編集]


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