星月夜の物語  まりの・るうにいのパステル宇宙
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 僕が「まりの・るうにい」という、不思議な名前の画家を知ったのは、前回の記事でも紹介した、ファンタジーの叢書《妖精文庫》のカバー・アートでした。パステルで描かれた、ファンタスティックで、やさしい雰囲気のカバー絵は、中身の物語を読みたい!と思わせる魅力を持っていました。それだけに、《妖精文庫》の第3期になり、カバー・アート担当の画家が変わってしまったのには、ちょっとがっかりしたものです。


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 次に「まりの・るうにい」に出会ったのは、稲垣足穂の本でした。足穂の『一千一秒物語』を絵にしたかのような、星や月をテーマにした作品は、まさに足穂の本にぴったりの装丁でした。《妖精文庫》のカバーと同じくファンタスティックな作風ですが、こちらの方はどこかとぼけたユーモアも感じさせるところが好ましいですね。
 稲垣足穂の著作の造本やブックデザインは、非常に洒落たものが多いのですが、「まりの・るうにい」が関わった足穂本はとりわけ魅力的に感じました。トランプをモチーフにした『多留保集』(潮出版社)であるとか、オブジェを散らしたようなデザインの『タルホ・クラシックス』(全3巻 読売新聞社)などは、今見ても魅力的なブックデザインです。
 独立した単行本のカバーとしては、荒俣宏編『魔法のお店』(奇想天外社)が、何といっても魅力的ですね。


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 この画家の画集が欲しいなあ、と思ったのですが、当時はインターネットもなく調べることもできません。やがて『月街星物園』(北宋社)という画文集が存在することを知り、探し始めたのですが、なかなか出会えません。新刊では既に絶版で、古書で探し出し手に入れるまでに何年もかかりました。
 この『月街星物園』、画集ではあるのですが、全ての作品がカラーページで載っているわけではなく、モノクロページが多いのですよね。
 もっと「まりの・るうにい」のカラー作品が見たいと思っていたら、古本屋で『パステル飾画―わたしのファンタジー画帖より』(美術出版社)を見つけました。こちらは、パステル画の入門書という体裁の本なので、厳密には画集とは言えないのですが、カラーページに作品が多く収録されており、画集としても楽しむことができます。技法書だけに、作品の創作過程なども載っており、そちらも興味深く読みました。

 昨年(2014年)の秋に「まりの・るうにい 「月街星物園」展」が東京の画廊で開催されたそうなのですが、知ったのが会期が終わった後で、残念ながら行くことができませんでした。
 記念として復刻版の『月街星物園』が刊行されたのですが、これが限定300部。もう入手は無理かとあきらめていましたが、念のため画廊のページで調べてみました。幸いにも、まだ在庫があり、喜んで注文したところ、著者サイン入りの画集が送られてきたのは、嬉しい驚きでした。
 復刻版の方はオールカラーで、オリジナルとは収録作品の異同もあります。ファンとしては両方所蔵しておきたいところですね。


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復刻版『月街星物園』は、まだ在庫があるようですので、入手希望の方は急いだ方がいいかと思います。
注文は以下のページで。
LIBRAIRIE6 / シス書店
http://librairie6.shop-pro.jp/?pid=85818288
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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
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