4月の気になる新刊
4月1日刊 マーク・トウェイン『それはどっちだったか』(彩流社 予価4320円)
4月2日刊 サキ『クローヴィス物語』(挿絵 エドワード・ゴーリー)(白水Uブックス 1404円)
4月3日刊 フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』(創元推理文庫 予価778円)
4月8日刊 スタニスワフ・レム『ソラリス』(ハヤカワ文庫SF 予価1080円)
4月9日刊 E・T・A・ホフマン『くるみ割り人形とねずみの王様/ブランビラ王女』(光文社古典新訳文庫)
4月15日刊 サキ『レジナルド』(風濤社 予価2592円)
4月22日刊 ケン・リュウ『紙の動物園』(早川書房 予価1836円)
4月22日刊 マシュー・グイン『解剖迷宮』(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1015円)
4月25日刊 ジェイムズ・ダシュナー『メイズ・ランナー』(角川文庫 予価907円)
4月28日刊 ディーノ・ブッツァーティ『モレル谷の奇蹟』(河出書房新社 予価2808円)
4月予定 ジーン・ウルフ『ジーン・ウルフの記念日の本』(国書刊行会 予価2592円)
4月予定 スタニスワフ・レム『短篇ベスト10』(国書刊行会 予価2700円)

 サキは、本名ヘクター・ヒュー・マンロー、20世紀前半に活躍したイギリスの作家です。ブラックで皮肉な作風で知られました。『クローヴィス物語』は、いじわるな青年クローヴィスを狂言回しにした短篇集。しばしば怪奇小説アンソロジーにも収録される名作、『トバモリー』『スレドニ・ヴァシュタール』なども収録しています。
 サキも、現役で読める本というと、新潮文庫の『サキ短篇集』ぐらいのようなので、歓迎したいと思います。創土社、新潮文庫、ちくま文庫など、日本オリジナル編集の作品集は、過去幾度か出版されていますが、オリジナル短篇集をそのまま邦訳というのは初めてではないでしょうか。しかも、挿絵はエドワード・ゴーリー! 4月の新刊予定のなかでは、イチオシにしておきたいと思います。
 なお、4月には、風濤社からもサキの短篇集『レジナルド』が予定されているようです。第一短編集の完訳のようですね。

 シーラッハの短篇集『犯罪』が文庫化です。ミステリというよりは、クライム・ストーリー、かってのパトリシア・ハイスミスやルース・レンデルの短篇に近いような作風です。文学味が強いといえばいいのでしょうか、それでもリーダビリティが非常に高く、ミステリ以外の読者にもオススメできる作品集だと思います。

 光文社古典新訳文庫は、地道にホフマンの作品を出し続けていますね。短篇単位ではなくて、できればホフマン自身の作品集単位、《カロ風幻想作品集》とか《セラーピオン朋友会員物語》とかで、訳してもらえると嬉しいんですが。
 ホフマンは、創土社の全集で、ほぼ全作品が読めると思うのですが、正直、訳文にくせがありすぎて読みにくい。個人的には、岩波文庫の池内紀訳、国書刊行会の前川道介訳がいい訳だと思います。古典新訳文庫もいい翻訳だと思うので、このままホフマン作品を出し続けてほしいです。
 
 『モレル谷の奇蹟』は、ブッツァーティの遺作になる画文集。小説作品で知られるブッツァーティですが、もともとイラストレーターとしても活躍した人です。イラスト入りの『シチリアを征服したクマ王国の物語』(福音館文庫)も、すばらしい出来だったので、期待大です。

 レムの『ソラリス』は、沼野充義訳。国書刊行会のスタニスワフ・レム・コレクションの文庫化になるのでしょうか。もともとのハヤカワ文庫版は、重訳だそうで、沼野充義訳は原語からの翻訳になります。
 早川書房の創立70周年企画で、名作の新訳・復刊・新版を行う「ハヤカワ文庫補完計画」が発表されています。『ソラリス』もその一環のようです。70点ほど刊行されるようですが、とりあえず公開されている分だけ、載せておきます。

【2015年3月13日発売】
NV『アルジャーノンに花束を〔新版〕』ダニエル・キイス著/小尾芙佐訳

【2015年4月刊行】
SF『ソラリス』スタニスワフ・レム著/沼野充義訳
【新訳】SF『死者の代弁者〔新訳版〕 (上・下)』オースン・スコット・カード著/中原尚哉訳
SF『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』フィリップ・K・ディック著/浅倉久志訳
SF『伝道の書に捧げる薔薇』ロジャー・ゼラズニイ著/浅倉久志・峯岸 久訳
SF『クローム襲撃』ウィリアム・ギブスン著/浅倉久志・他訳
HM『シャーロック・ホームズの冒険〔新版〕(上・下)』アーサー・コナン・ドイル著/大久保康雄訳
NV『ファイト・クラブ〔新版〕』チャック・パラニューク著/池田真紀子訳
NF『レナードの朝〔新版〕』オリヴァー・サックス著/春日井晶子訳

【以後刊行予定】
【新訳】SF『はだかの太陽〔新訳版〕』アイザック・アシモフ著/小尾芙佐訳
SF『タイム・シップ〔新版〕』スティーヴン・バクスター著/中原尚哉訳
【新訳】SF『デューン/砂の惑星〔新訳版〕 (上・下)』フランク・ハーバート著/酒井昭伸訳
FT『魔法がいっぱい!』ライマン・フランク・ボーム著/佐藤高子訳
HM『特別料理』スタンリイ・エリン著/田中融二訳
HM『アデスタを吹く冷たい風』トマス・フラナガン著/宇野利泰訳
【新訳】HM『九尾の猫〔新訳版〕』エラリイ・クイーン著/越前敏弥訳
【新訳】NV『レッド・ドラゴン〔新訳版〕 (上・下)』トマス・ハリス著/加賀山卓朗訳
NV『ナイト・マネジャー (上・下)』ジョン・ル・カレ著/村上博基訳
NF『24人のビリー・ミリガン〔新版〕 (上・下)』ダニエル・キイス著/堀内静子訳
NF『大日本帝国の興亡〔新版〕(全5巻)』ジョン・トーランド著/毎日新聞社

 SFでは、ゼラズニイ『伝道の書に捧げる薔薇』、ミステリでは、トマス・フラナガン『アデスタを吹く冷たい風』あたりがキキメでしょうか。エリンの『特別料理』も何気に初文庫化ですね。 
この記事に対するコメント

「クローヴィス物語」ちょっと期待しています。
【2015/03/26 23:21】 URL | fontanka #- [ 編集]

>fontankaさん
『クローヴィス物語』、楽しみにしているのですが、突然他の出版社からも、サキの短篇集の刊行予告が挙がっていてびっくりしました。これ、がんばれば全集が出せるんじゃないでしょうか。
 
【2015/03/28 07:57】 URL | kazuou #- [ 編集]


八月舎でもサキですね。偶然でしょうか?
【2015/03/28 12:17】 URL | 竜 #F0tuz/CU [ 編集]

>竜さん
ほんとですね。偶然なのかもしれませんが。
タイアップして、サキ・フェアなんかやるといいかもしれないですね。
【2015/03/28 13:51】 URL | kazuou #- [ 編集]

紙の動物園
ケン・リュウの新刊、図書館にありました。
斬新なのに昭和のSF少年漫画の雰囲気もあって懐かしい読後感。
ラストの「良い狩りを」はボーイミーツガールでスチームパンクで
チャイニーズゴーストストーリーで最高でした。
【2015/05/18 09:56】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]

ケン・リュウ
読みました。アジアンテイストだけれども、骨格はオーソドックスなSFのそれですね。『良い狩りを』もジャンルミックスの仕方が面白かったです。
【2015/05/20 19:09】 URL | kazuou #- [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://kimyo.blog50.fc2.com/tb.php/594-6cefb997
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する