8月の気になる新刊と7月の新刊補遺
7月30日刊 ジュール・ヴェルヌ『緑の光線』(文遊社 予価2916円)
8月2日刊 ダンセイニ卿『賢女の呪い』(盛林堂ミステリアス文庫 1500円)
8月21日刊 ヘレン・マクロイ『逃げる幻』(創元推理文庫 予価994円)
8月22日刊 太陽の地図帖編集部編『諸星大二郎『暗黒神話』を旅する』(平凡社 予価1296円)
8月24日刊 B・J・ホラーズ『モンスターズ 現代アメリカ傑作短編集』(白水社 予価2592円)
8月28日刊 ポール・コリンズ『バンヴァードの阿房宮 世界を変えなかった十三人』(白水社 予価3888円)
8月28日刊 柴田元幸訳『マーク・トウェイン短編集』(新潮文庫)
8月29日刊 荒俣宏編『怪奇文学大山脈2 西洋近代名作選 20世紀革新篇』(東京創元社 予価2484円)
8月29日刊 マーガレット・ミラー 『悪意の糸』(創元推理文庫 予価972円)

 ジュール・ヴェルヌの入手困難な作品を復刊してきた文遊社。今回は『緑の光線』が刊行です。『緑の光線』と初期短編 『メキシコの悲劇』 が収録されるようです。
 ヴェルヌは昔から翻訳の数は多いのですが、絶版の数も多いです。入手の難しさで言うと≪ヴェルヌ全集≫(集英社)と≪海と空の大ロマン≫(パシフィカ)の2つのシリーズがとくに難しい。≪海と空の大ロマン≫に至っては、古書価が1冊数万円とか、とんでもない値がついていて、驚かされます。
 文遊社のヴェルヌ作品も、この2つのシリーズから復刊しているようなので、続刊も期待できそうですね

 ダンセイニ卿『賢女の呪い』は、盛林堂ミステリアス文庫の新刊。盛林堂ミステリアス文庫は、西荻窪の古書店、盛林堂書房さんが刊行している、ミステリ・幻想文学中心の叢書です。
 『賢女の呪い』は、ダンセイニの未訳の自伝的長編だということです。完全部数限定(200部)なので、気になった方は、早めにご予約することをオススメしておきます。

 ポール・コリンズ『バンヴァードの阿房宮 世界を変えなかった十三人』は、風変わりな人物のポートレイト集といった感じの本ですが、地球空洞説の提唱者ジョン・クリーヴズ・シムズとか、でたらめの台湾語を創作したサルマナザールなども取り上げられており、ひじょうに面白そうです。

 荒俣宏編『怪奇文学大山脈』の2巻は、20世紀革新篇ということで、ウェイクフィールド、メトカーフ、デ・ラ・メア、F・マリオン・クロフォードなど17篇収録。怪奇小説の巨匠の名前が多く挙がっていて楽しみです。
 1巻のクオリティがとても素晴らしかったので、全3巻というのが短く感じられてしまいます。好評だった場合、続刊などあるのでしょうか。

 <追記>創元社の近刊案内で、『怪奇文学大山脈〈Ⅱ〉西洋近代名作選 20世紀革新篇』の収録作品が公開されていましたので、紹介しておきたいと思います。

ロバート・ヒチェンズ『未亡人と物乞い』
F・マリオン・クロフォード『甲板の男』
E・L・ホワイト『鼻面』
H・H・エーヴェルス『白の乙女』
マッシモ・ボンテンペッリ『私の民事死について』
J・D・ベリズフォード『ストリックランドの息子の生涯』
A・E・コッパード『シルヴァ・サアカス』
L・P・ハートリー『島』
アーサー・マッケン『紙片』
ウォルター・デ・ラ・メア『遅参の客』
オリバー・オニオンズ『ふたつのたあいない話』
W・F・ハーヴェイ『アンカーダイン家の信徒席』
ジョン・メトカーフ『ブレナー提督の息子』
ヒュー・ウォルポール『海辺の恐怖──一瞬の経験』
H・R・ウエイクフィールド『釣りの話』
シルヴィア・タウンゼンド・ウォーナー『不死鳥』
ベネット・サーフ『近頃蒐めたゴースト・ストーリー』

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

マクロイに期待してしまいます。あの入手困難だった時代がウソのようです。
過去の作品の後書きで紹介されて読みたいと思った作品ならいいんですが・・
【2014/08/05 20:37】 URL | fontanka #- [ 編集]


今月は、マクロイだけでなくて、マーガレット・ミラーも出るようで楽しみです。創元はこういうセミクラシックをコンスタントに出してくれるところがいいですよね。
【2014/08/05 21:07】 URL | kazuou #- [ 編集]

怪奇文学大山脈Ⅱ
今回は発売前に収録作品を掲載してくれて有難い。
ハートリーの「島」は有名な「ポドロ島」なんでしょうか。
怪奇小説の世界で必ず名前の挙がる著名な作家が多く
楽しみです。
諸星大二郎先生の本も欲しい。
【2014/08/13 11:15】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]

>奈良の亀母さん
ボンテンペッリとかシルヴィア・タウンゼンド・ウォーナーなんかの名前が見えるあたり、荒俣さんの好みが出ていて、にやりとしてしまいます。
ハートリーは、以前に出た『ポドロ島』(河出書房新社)に、『ポドロ島』のほかに『島』という作品が収録されていて、そちらの作品かもしれませんね。
【2014/08/14 00:15】 URL | kazuou #- [ 編集]

大好物ばかりの詰め合わせ。
怪奇文学大山脈Ⅱを読みました。ハートリーの「島」は河出書房の本にも載っていました。
エイクマン作品を訳しておられる今本渉先生の訳と、今回の西崎憲先生の訳を読み比べる
という稀有の幸せを味わうことに。どちらの訳も甲乙つけがたく、何かが起こりそうな重苦しい島の空気が迫ってきます。マイリンクの「紫色の死」が一番面白くSF作品としても一級だと思いました。妖艶な美女とかが出てこないのも潔くて良いですね。
【2014/09/29 11:30】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]


 ドイツ作品やフランス作品もはさんだりと、バラエティに富んだ編集ですよね。単純なゴーストストーリー一本槍にならないところが素晴らしいと思います。
 『紫色の死』は、正直「トンデモSF」だと思いますが、こんなのも入れてくれるあたり、編者の余裕が感じられますね。
【2014/09/29 19:01】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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