2014年の気になる新刊と《ナイトランド叢書》
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 
 新年早々、嬉しいニュースがありました。ホラー専門誌『ナイトランド』を刊行している出版社トライデント・ハウスより、《ナイトランド叢書》創刊のアナウンスがあったのです。
 非常にマニアックなホラー小説を集めたシリーズのようです。内容は以下のもの。

《ナイトランド叢書》第一期(タイトルは仮題です)

ジョー・R・ランズデール『死者の町』友成 純一・訳
ロバート・E・ハワード『失われた者たちの谷 ハワード怪奇幻想傑作選』中村 融・編訳
デニス・エチスン『ダーク・カントリー(自選版)』植草 昌実・訳

(続刊予定)(タイトルは仮題です)

ウィリアム・ミークル『幽霊狩人カーナッキの帰還』(連作短篇集)
グリン・バーラス&ロン・シフレット『ウェストという男』(連作短篇集)
サイモン・ストランザス『黒いモスリンの小さな穴』(短篇集)

 いちばん気になるのは、デニス・エチスンの短編集ですね。あとは、ハワード短編集とサイモン・ストランザス短編集でしょうか。
 ただ、マニアックなラインナップゆえか、予約が集まらないと刊行できないそうで、以下がその条件です。

 ・出版社直販、完全予約制
 ・予約は各タイトルのページから。
 ・限定2,000部
 ・予約が1,000部に達した時点で企画成立。

 ランズデールやハワードは余裕で予約が集まるでしょうが、エチスンあたりは微妙ですね。以前、雑誌の記事で、幻想文学のコアなファンは、日本で1000人ぐらいと言っていたような覚えがあります。その意味では、予約1000部は厳しい条件のような気がします。
 このシリーズ、将来的に入手困難になるのは、ほぼ確実ですので、ファンの方は今のうちに予約しておくことをオススメします。
 とにかく、予約が集まらないと始まらないので、ホラーファンの方は応援お願いします!
 紹介ページはこちらから → 《ナイトランド叢書》創刊!


 さて、2014年2月以降に刊行が予定されている本の中から、気になるタイトルを挙げておきます。

2月刊
メイ・シンクレア『胸の火は消えず』(南篠竹則編訳 創元推理文庫)
ブライアン・エヴンソン『遁走状態』(柴田元幸訳 新潮社)

3月刊
グスタフ・マイリンク『ゴーレム』(今村孝訳 白水Uブックス 海外小説永遠の本棚)

4月刊
カレン・ラッセル『狼少女たちの聖ルーシー寮』(松田青子訳 河出書房新社)


マイクル・コーニイ『ブロントメク!』(遠山峻征訳 河出文庫)
ジョン・スラデック『ロデリック』(柳下毅一郎訳 河出書房新社)
マリー・ポムピュイ原案、ファピアン・ヴェルマン作、ケラスコエット画『かわいい闇』(原正人訳 河出書房新社)
セス・フリード『大いなる不満』(藤井光訳 新潮社)

8月
B・ホラーズ編『モンスターズ』(古屋美登里訳 白水社)


ショーン・タン『夏の約束』(岸本佐知子訳 河出書房新社)
岸本佐知子編訳『コドモノセカイ』(河出書房新社)
エドワード・ゴーリー『患の神』(柴田元幸訳 河出書房新社)

未定
●横山茂雄・若島正責任編集 海外文学シリーズ(国書刊行会)
アイリス・オーウェンズ『After Claude』(1973)
L.P.デイヴィス『The Artificial Man』(1965)
シャーリイ・ジャクスン『TheBird's Nest』(1954)
ドナルド・ウェストレイク『Adios,Scheherazade』(1970)
ステファン・テメルソン『The Mystery of the Sardine』(1986)
ロバート・エイクマン『The Attemped Rescue」(1966)
チャールズ・ウイリアムズ『The Place of the Lion』(1933)
ジョン・メトカーフ短篇集
サーバン『The Doll Maker and Other Tales of the Uncanny』(1953)
マイクル・ビショップ『Who Made Stevie Crye?』(1984)

『マルセル・シュオッブ全集』(国書刊行会)


 怪奇小説ファンとしては、やはりメイ・シンクレア怪談集が楽しみです。
 国書刊行会の、横山茂雄・若島正責任編集のシリーズはとんでもなくマニアックなタイトルを出してきてますね。 この中ではL.P.デイヴイスとジョン・メトカーフ短篇集が気になります。ただ、刊行はずいぶん先になりそうな気がしますが…。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント
2014の楽しみ
エチスンは、「闇の展覧会」の『遅番』が良かったので、私も期待大です。本棚を整理した際、幾つかアンソロジーの短編を漁ってみましたが、他作品も特に外れだった印象もないですし。ランズデールは大御所のイメージもあるので、ここから出るのかというのにちょっと別の驚きもありましたが、最初期の長編作品なんですね・・・
続刊の方々は名前すら知らず、どこのどなたでしょうかという感じでしたが、ストラザンスは(どういう意味合いなのか、単に"怪談書き"以上の意味はないのかもしれませんが)エイクマンの後継者とも言われるそうなので、何か新しい風を感じさせてくれそうでちょっと期待します (これらの続刊で紹介される予定の作家たち、ナイトランド所収作品を見た限りどのような感じだったのでしょう?)。
「モダンホラー」最盛期に紹介された作家の中からいえば、ラズニック・テムだとか、キャンベル辺りも紹介されないかなとも思いますが、単独の作品集を日本で売るのは難しいのかも…… あとジフコヴィッチさんはもう出ないのかなぁ・・・

他社では、私は素直に(?)有名どころのシャーリー・ジャクスンやエイクマン、あと久々のゴーリーなんかもちょっと楽しみです(C・ウィリアムズも、「万霊節の夜」が好きだったので気になります)。
kazuouさんの挙げられた方々については、名前だけは聞き覚えあるんだが・・・という状態で、調べてみてあぁこのアンソロジーとこのアンソロジーに載ってた人なのかという感じでした。面白かったらぜひ改めてご紹介ください。。
フリオ・コルタサル『対岸』というのもあるそうですが、処女短編集とのことで実は『動物寓意譚』のこと?大半は『遠い女』などの中で訳されているのでは?という感じで静観モード…
【2014/01/05 19:16】 URL | Green #- [ 編集]

《ナイトランド叢書》
《ナイトランド叢書》は、予約が集まらないと出版されないということなんですが、正直全タイトル刊行は難しいんじゃないかと思ってます。エチスンは特に楽しみにしているんですが。
確かにモダンホラー最盛期の作家って、もはや紹介が止まってますよね。スプラッターパンクの人とか。キャンベルは、アンソロジーに短編が載ったりしてますし、紹介は多少進むと思いますよ。
ストランザスは『黒いモスリンの小さな穴』一編しか読んでいませんが、新しいものを感じさせる作風ではありました。
ジフコヴィッチは、もっと紹介してほしいですね。
【2014/01/05 20:01】 URL | kazuou #- [ 編集]

謹賀新年
v-457あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
ちょっとおそいご挨拶でした。
【2014/01/07 18:43】 URL | kenn #NV6rn1uo [ 編集]


メイ・シンクレアは楽しみです。
国書は、シリーズの終わりが刊行されているのに初期が絶版ということがないことをいのります。
【2014/01/07 20:26】 URL | fontanka #- [ 編集]

>kennさん
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
【2014/01/07 23:03】 URL | kazuou #- [ 編集]

> fontankaさん
国書刊行会は、シリーズを何十年もかけて出したりしますが、在庫もそのぐらい持ってたりするんですよね。20年以上前の本が在庫ありだったりして、びっくりすることがあります。
【2014/01/07 23:05】 URL | kazuou #- [ 編集]

謹賀新年
ハワードはともかく、ここまでマニアックなものを読みたいか? という気もしますが、
ホラーというジャンルの隆盛のためには支えなきゃいけないかな、という思いもするし、
新年早々、迷います、ナイトランド叢書。
【2014/01/08 07:13】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

>迷跡さん
うーん、少しマニアックすぎな気もしますが、ファンとしては応援しないと。
とりあえず、全冊予約はしました。
日本の出版物って「怪奇と幻想」で言うと「幻想」的な作品が多い気がするので、ここまで「怪奇」を押し出してきた出版社って、今までなかったですよね。そういう意味でも応援したいと思います。
【2014/01/08 22:44】 URL | kazuou #- [ 編集]

エヴンソンに期待
(kazuouさん的にはあまり興味の持てない話かもしれませんが) 国書刊行会刊行予定の海外文学シリーズ、エイクマン作品が何なのか確認してみたら、何と自叙伝でした。
それはそれで面白い可能性はありそうですが、こちらの選集も相当マニアックなのではという気もしてきました・・・
(まぁ、そもそもまだ出るかどうかもわからなそうなシリーズですが…)

エヴンソンは検索してみると、掘り出し物になりそうな予感のする作品でした… ピックアップしてくださって感謝!です(でもなければ気付かなかったかもしれないので)。
シンクレアは・・個人的に今まであまり引っかかりがなかったので購入に若干の迷いがあります
【2014/02/02 07:22】 URL | Green #- [ 編集]

自叙伝だったとは…
エイクマン作品、自叙伝だったんですか。知りませんでした。そういえば、横山茂雄氏がエッセイで褒めていたような覚えがありますね。これはこれで気になりますが…。
国書で、これだけマニアックなラインナップだと、10年越しでも出るかどうか怪しいですしね。

エヴンソンは、1年前ぐらいから出るという話があったので、気になってました。
【2014/02/02 08:04】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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