最近読んだ本(日本作家を中心に)

4488010075銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件
アンドリュー・カウフマン 田内 志文
東京創元社 2013-09-11

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 その銀行強盗は、金ではなく奇妙なものを奪っていきました。それは各人の「もっとも思い入れのあるもの」。居合わせた人たちの身に、次々と不思議な事件が起こり始めます。そして妻の身に起こったのは、身長がどんどん縮んでしまうという現象でした…。
 身長が縮む妻を始め、ライオンに追いかけられる女性や、夫が雪だるまになってしまった女性など、奇天烈な事件が繰り広げられます。はっきりとした説明はなされないのですが、それぞれが人生の寓意になっているのでしょう。魅力的なファンタジーです。



4087451100もしもし、還る。 (集英社文庫)
白河 三兎
集英社 2013-08-21

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 主人公の青年が目を覚ますと、そこは砂漠でした。しかもそこに突如電話ボックスが降ってきます。電話で助けを求めようとしますが、つながるのは特定の相手のみ。やがて、電話ボックスの外に出した体の一部が消えてしまい、外に出れば死んでしまうことに気づきます…。
 冒頭から、ものすごいシチュエーションで驚かされます。不条理なことが続くので、この手の話を読みなれた読者は、だいたいの予想はつくと思いますが、それを差し引いても非常に面白い作品です。



4061828851セカンドタウン (講談社ノベルス)
嶋戸 悠祐
講談社 2013-08-07

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 街全体が塀に囲まれた「セカンドタウン」。郊外の穴の底で発見された教師は、信じられないような体験談を語ります。疑念を抱いた主人公の少年は、親友に相談しますが、やがて親友は姿を消します。時を置かずに「探偵」を名乗る男が現れますが…。
 序盤のリーダビリティは抜群です。後半、唐突に世界観の説明が始まるなど、作品バランスが良いとはいえないのですが、ホラー好きなら面白く読めるのではないでしょうか。



4061828959紙の眼 (講談社ノベルス)
大山 尚利
講談社 2013-09-05

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 5編が収められた短編集です。
 眼が描かれただけの奇妙な貼り紙を見つけた主人公が騒動に巻き込まれる『紙の眼』、現在の夫と結婚しなかった並行世界に紛れ込んだ主婦を描く『キューピッド』、同窓会に招かれたものの、十数年前の記憶が全くない男が、過去の記憶に向き合う『濡れた喪服』など。
 どれも面白いのですが、とくに巻末に収められた『鉄柱』が力作です。ある日、空き地に鉄柱が忽然と現れます。どうやっても引き抜くことのできない鉄柱のそばに、さらに裸の男が現れ、鉄柱にもたれかかり立ち続けます。やがて男は「神」なのではないかという噂がたち、男を見ようと、行列ができはじめます…。
 「異色短編」や「奇妙な味」がお好きな人にはオススメの短編集です。



4043805020おやすみ、ロビン (角川ホラー文庫)
大山 尚利
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-03-25

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 小学生の主人公は、ある日親友と遊んでいる最中に、小屋に置き去りにされた赤ん坊を見つけます。大人に知らせれば、赤ん坊は不幸になると信じ込んだ二人は、自分たちだけで赤ん坊を世話し始めます。やがて親友が引っ越してしまいますが…。
 赤ん坊を育てていく過程が非常にリアルに描かれます。知識も経験もない少年たちが、試行錯誤する描写は上手いの一言。結末は賛否両論分かれるでしょうが、少年小説の傑作だと思います。
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Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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