5月の気になる新刊と4月の新刊補遺
4月22日刊 『空想の建築』(エクスナレッジ 予価2940円)
5月9日刊 ロアルド・ダール『あなたに似た人 新訳版 1・2』(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価各798円)
5月14日刊 アルジャノン・ブラックウッド『人間和声』(光文社古典新訳文庫)
5月17日刊 ディーノ・ブッツァーティ『七人の使者・神を見た犬 他13篇』(岩波文庫 予価756円)
5月18日刊 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(復刊ドットコム 予価1050円)
5月21日刊 サックス・ローマー『骨董屋探偵の事件簿』(創元推理文庫 予価903円)
5月22日刊 シギスムンド・クルジジェノフスキィ『神童のための童話集』(河出書房新社 予価2625円)
5月22日刊 マルク=アントワーヌ・マチュー『神様降臨』(河出書房新社 予価2625円)
5月22日刊 フランセス・F・バーネット『白い人びと』(みすず書房 2940円)
5月24日刊 南條竹則『怪奇三昧 英国恐怖小説の世界』(小学館クリエイティブ 予価1890円)
5月25日刊 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(河出書房新社 予価1995円)
5月31日刊 ポール・ボウルズ編『モロッコ幻想物語』(岩波書店 2520円)
5月31日刊 コリン・ウィルソン『クトゥルフへの招待』(仮題)(扶桑社ミステリー)
5月刊 ロジェ・カイヨワ『カイヨワ幻想物語集 ポンス・ピラトほか』(景文館書店 予価1260円)

 5月は、怪奇幻想系の出版物がいつになく充実してますね。
 ダールの短編集は、名作『あなたに似た人』の新訳版。単行本未収録作も追加されるようです。
 ブラックウッド『人間和声』の出版には驚きました。かって『人間弦』の仮題で翻訳の予定もあった、幻の作品です。
 ブラックウッドに劣らず驚いたのが、サックス・ローマー『骨董屋探偵の事件簿』です。これ、「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」に分類されることもあるようですが、どちらかというと≪ジョン・サイレンス≫とか≪カーナッキ≫と同類の、オカルト探偵ものに近い傾向の作品です。事件現場を訪れた探偵が眠り込み、夢を見て事件を解決するという変り種。幻想文学ファンは要チェックですね。
 『ビブリア古書堂』効果というべきか、何年も刊行予定のままだった『たんぽぽ娘』がついに刊行です。同時に、同名のコバルト文庫のアンソロジーも復刊!だと思ったら、こちらは『たんぽぽ娘』単品のみの復刊のようです。翻訳権の問題でしょうか。
 南條竹則『怪奇三昧 英国恐怖小説の世界』は、かって集英社新書で出版されて絶版になっていた怪奇小説ガイドの増補新版です。とくにクラシック怪奇小説に関しては、類書の中で抜きん出た本ですので、怪奇小説ファンはこの機会にぜひ。
 コリン・ウィルソン『クトゥルフへの招待』は、コリン・ウィルソンの単著なのか、アンソロジーなのかまだはっきりしないのですが、以前出た『クトゥルフ神話への招待』が面白いアンソロジーだったので、期待しています。

この記事に対するコメント

はじめまして。いつも更新を楽しみにしています。

光文社からはブラックウッド第二弾ですか。
楽しみですね。
光文社古典新約文庫は、出版される作品が中々予想できませんね。
以前、シュペルヴィエルやマッケンが出た時なども驚きましたけど・・・。
幻想怪奇系には、割と力をいれてくれているのかな?
この分だといずれ、レ・ファニュもお目にかかれそう。

ところで、以前紹介なさっていたコマツシンヤさんの新作、
『8月のソーダ水』も発売されるようですね。予約しなきゃ
【2013/04/20 18:16】 URL | ryu #gX8OzRaA [ 編集]

>ryuさん
ryuさん、はじめまして。
古典新訳文庫は、突然マイナー作家の作品を出してくれたりするので、びっくりしますね。
確かに、レ・ファニュあたりも期待できるかも。個人的には、マルセル・エーメなんか出してくれると嬉しいですね。

コマツシンヤさんの新作は知りませんでした。情報ありがとうございます。
もちろん購入予定です。
【2013/04/20 19:13】 URL | kazuou #- [ 編集]


ダールが何故に新訳と思いきや、未訳作品があったのですね。楽しみ。
【2013/04/23 22:12】 URL | fontanka #- [ 編集]

>fontankaさん
未訳作品、といっても数編のようですね。
買うべきかどうか、悩みます…。
【2013/04/24 19:42】 URL | kazuou #- [ 編集]


こんにちは。毎月、拝見させていただいています。
『クトゥルフ神話への招待2 古きものたちの墓』は6月30日発売になりました。コリン・ウィルソン、ブライアン・ラムレイ、ラムジー・キャンベルの未訳作品ばかりをまとめた3人集で、450ページくらいあります(1000円前後)。お楽しみに!
【2013/05/22 10:03】 URL | 尾之上浩司 #0TYzzyMo [ 編集]

>尾之上浩司さん
翻訳家の尾之上浩司さんですか!
わざわざ、情報ありがとうございます。
ページ数もずいぶん多いですね。ラムレイやキャンベルは短編が訳される機会も少ないので、楽しみにしています。

【2013/05/22 22:00】 URL | kazuou #- [ 編集]


ご無沙汰しております。
ダールの新訳版2のラストの一編「廃墟にて」
たった2ページなのに、頭から離れません。
何と言う切れ味の良さ。
白い人々の作者は「秘密の花園」の作家さまだったのですね。
装丁も真っ白で美しい。それよりも驚いたのが訳者の中村妙子
先生が1923年生まれだということ。90歳ですよね。なのに
あとがきの文章も本当に文学への愛に溢れた素晴らしいもので
現役バリバリの翻訳者なんですね。
【2013/05/27 00:27】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]

>奈良の亀母さん
『廃墟にて』は、『ミステリマガジン』のバックナンバーで読んだのですが、確かに名作だと思います。ブラック・ユーモア作品としては、よく名の挙がる作品ですね。

中村妙子さんは、アガサ・クリスティーの翻訳などで有名な方ですね。その御年でまだ現役だったとは驚きです。
【2013/05/27 21:10】 URL | kazuou #- [ 編集]


再レスすみません。
コマツシンヤ先生は睡沌気候を描かれた漫画家さんですね。
あの中の女の子がお母さんと海へ行く話が大好きで。
今度の本も夏らしい装丁で絶対欲しい。
太田出版のコミックスは田舎では店頭に並ばないし
すぐ品切れになってしまいます。
【2013/05/31 11:40】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]

>奈良の亀母さん
『8月のソーダ水』、さっそく読んだのですが、とても良かったですよ。
一般向けの媒体に掲載されたせいか、前作と比べて「さわやかさ」が格段に違います。
相変わらず、稲垣足穂的な感性が素敵でした。
【2013/06/01 18:51】 URL | kazuou #- [ 編集]


こんなにも美しい本を手にする喜び!
オールカラーでページをめくる毎に夏の風物がキラキラと。
「まぼろしの街」が特に好きです。

イアン・バンクス氏が亡くなったんですね。
ご冥福をお祈りいたします。
蜂工場を大阪でゲットして奈良に帰る電車の中で
一気に読んでしまいラストで呆然として乗り過ごす
ところでした。
【2013/06/10 18:57】 URL | 奈良の亀母 #- [ 編集]


『8月のソーダ水』、『まぼろしの街』もよかったですが、個人的には最終話、海水に覆われた街で、月に水が引き寄せられていくシーンが、印象に残ってます。

イアン・バンクス、亡くなったんですか。
知りませんでした。
『蜂工場』の結末は唖然としますよね。
【2013/06/15 20:48】 URL | kazuou #- [ 編集]


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Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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