あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます。
今年もよい年でありますように。

 昨年を振り返ってみますと、いちばん嬉しかったトピックは、やはりホラー専門誌『ナイトランド』の創刊でしょうか。年末に無事4号も出て、継続して発刊されるようです。ラヴクラフト色というか、クトゥルー趣味が強いのが気になりますが、全体にホラー愛があふれていて、怪奇小説ファンには嬉しい雑誌です。長く続いて欲しいですね。
 読んだ本では、何といっても、ブノワ・ペータース/フランソワ・スクイテンの『闇の国々』のインパクトが強いです。硬質な世界観、幻想的なストーリーと、追いかけていきたいシリーズでした。
 気になった作家としては、まず、アドルフォ・ビオイ=カサレス。『モレルの発明』『脱獄計画』を読みましたが、どちらも読者の積極的な読みを必要とするような本で、刺激的な作品でした。国書刊行会から短編集『パウリーナの思い出に』の出版が予定されていますが、楽しみですね。
 日本の作家としては、米澤穂信にはまりました。『ボトルネック』『儚い羊たちの祝宴』『追想五断章』など、苦味の強さがまた魅力です。アニメの『氷菓』も楽しく視聴しました。最近読んだ『さよなら妖精』『犬はどこだ』も面白かったですね。この作家も追いかけていきたいです。

 ついでに、2013年出版予定で気になる本を挙げておきます。

2月
澁澤龍彦訳『幻想怪奇短篇集』(河出文庫)
澁澤龍彦が訳したフランスものの幻想短編集。トロワイヤの『共同墓地』を全篇収録するそうです。

文藝春秋編集部編『厭な物語』(文春文庫)
後味の悪い作品を集めたアンソロジー。

ミハイル・アイヴァス『もうひとつの街』(河出書房新社)

D・M・ディヴァイン『跡形なく沈む』(創元推理文庫)


2月以降
会津信吾・藤元直樹編『怪樹の腕 〈ウィアード・テールズ〉 戦前邦訳傑作選』 (東京創元社)
これはマニアック! 戦前に翻訳・翻案されたホラー短編を、そのまま収録しているそうです。

ジーン・ウルフ『ピース』(国書刊行会)

ジーン・ウルフ『ウィザード・ナイト』(国書刊行会)

中野善夫訳『ヴァーノン・リー幻想短編集』(国書刊行会)

マルク=アントワーヌ・マチュー『神様降臨』(河出書房新社)

メイ・シンクレア『胸の火は消えず』

メアリー・エリザベス・ブラッドン『レディ・オードリーの秘密』(国書刊行会)

 実際に今年中に出版されるかどうかはわかりませんが、楽しみに待ちましょう。

この記事に対するコメント
ナイトランド4
「ナイトランド」、年末に出ていたんですね。本日、地元のジュンク堂で入手。残2冊。もしかすると、入荷も2冊なのかもしれません。
編集後記からは、継続発行の目処がついた安堵感と、今後の攻めの編集の決意が読み取れて、ホラー小説ファンにとって心強い限りです。
本年も、ホラー主体になるかと思いますが、よろしくお願いします。
【2013/01/06 17:32】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

>迷跡さん
迷跡さん、今年もよろしくお願いします。

「ナイトランド」、季刊はペースが遅いなあと思ってましたが、考えたら、このぐらいのペースのほうがちょうどいいのかもしれません。長く続いてほしい雑誌ですね。
【2013/01/06 18:08】 URL | kazuou #- [ 編集]

今年もよろしくお願いします
ナイトランド、期待以上に冒険心が感じられて楽しいですね。順調な刊行何よりです。     ウルフも楽しみですが、ウィアード・テールズ傑作選とはまた思いきった企画ですねえ。
【2013/01/06 19:59】 URL | さあのうず #- [ 編集]

>さあのうずさん
さあのうずさん、今年もよろしくお願いします。

ウィアード・テールズ系の作品も邦訳がしばらく途絶えていたので、嬉しい企画ですね。ただ戦前の訳のようなので(それがウリなんでしょうけど)、正直新たにアンソロジーを出してほしかったです。
【2013/01/06 20:38】 URL | kazuou #- [ 編集]

今年もよろしくお願いします
今年も面白い小説をたくさん教えてください。

東雅夫さんの、ちくま文庫のアンソロジーを買おうかどうか悩み中です。
幻想文学初心者にはちょうどいいかなあと。
買っておかないと、すぐ手に入らなくなってしまうような気がしますし。
最近、本は一瞬で店頭から消えてしまうような気がしています。
【2013/01/06 23:37】 URL | タナカ #- [ 編集]

>タナカさん
タナカさん、今年もよろしくお願いします。

東雅夫編のアンソロジーは、入手しておくことをオススメします。
ちくまは絶版になるのが早いので、あとからだと入手困難になりそうな気がします。
【2013/01/07 20:15】 URL | kazuou #- [ 編集]

今更おめでとうございますは遅すぎる感じですが・・・
諸事情で出遅れましたが、本年も楽しみに拝見させていただきます。。

何か書けるといいのですが、せっかく紹介していただいた短編漫画も米澤穂信さんも
まだ買ってもいなかったりして、あまり話題に載りきれない状態です。
大掃除のときに古本を売った際に、思い立って米澤本を探してみましたが、
1冊しかなくて当てが外れました。この地域ではさほど人気がないのか、売らないほど大切に読まれているのか・・・
ま、新刊書店での出会いを楽しみに・・・
『闇の国々』は正月に来た親戚に、こんな本があるけど売ってしまう予定だと見せたら、遠方から着たにもかかわらず、持ち帰ってくれました。
やっぱり人を引き付ける力があるんですね。

「モレルの発明」は、高校から大学の頃、異色作家短編と同時にラテンアメリカ作家にも結構入れあげていた時期に
(それを言うならミステリの大御所やホラーなどいろいろ入れあげましたが・・)
そのころに買って読んでまだ手元にありますが、記憶は今一つ薄い感じなので再読してみようかなと思います
(「百年の孤独」やら「夜のみだらな鳥」やら強烈なものを同じころに読んでしまった分、印象がうすくなってしまった気がします)

「夜毎に石の橋の下で」は薔薇とローズマリーのイメージが心に残り、ヨーロッパの"庶民"の日常世界の描写が良い雰囲気だったかと。楽しめました。
「ブリッジ」はもうだめかなぁ・・・
【2013/01/15 02:37】 URL | Green #- [ 編集]

>Greenさん
Greenさん、今年もよろしくお願いします。

ビオイ=カサレスは、派手さはないけれど、じっくり読むとすごい作品を書きますね。僕も二十年前ぐらいに一度読みかけたときは、さっぱり面白くなかったのですが、今読むと面白く読めたので。

ペルッツは、もっと邦訳を出してほしい作家ですね。
【2013/01/19 08:26】 URL | kazuou #- [ 編集]

オードリー夫人の秘密
こんにちは。
翻訳をしているものですが、このたび「オードリー夫人の秘密」をアマゾンから出しましたのでご連絡します。
ご笑覧いただければ幸いです。

【2013/10/09 20:07】 URL | hayashi kiyotoshi #- [ 編集]

>hayashi kiyotoshiさん
はじめまして。
コメントありがとうございます。
『オードリー夫人』だけでなく、ずいぶん珍しい作品を翻訳されているのですね。
面白そうな作品があるので、ぜひ読んでみたいと思います。
【2013/10/12 07:11】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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