10月の気になる新刊と9月の新刊補遺
9月22日刊 ヴィンシュルス『ピノキオ』(小学館集英社プロダクション 予価3150円)
9月24日刊 メビウス『エデナの世界』(ティー・オーエンタテインメント 予価5040円)
9月下旬 ジョン・ウィンダム『時間の種』(創元SF文庫 復刊)
10月1日刊 レーモン・クノー・コレクション10『地下鉄のザジ』(水声社 予価2310円)
10月1日刊 レーモン・クノー・コレクション11『サリー・マーラ全集』(水声社 予価3675円)
10月4日刊 ロバート・カークマン『ウォーキング・デッド』(飛鳥新社 予価3570円)
10月12日刊 ジャンニ・ロダーリ『羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳』(関口英子訳 光文社古典新訳文庫 予価800円)
10月12日刊 ショーン・タン『遠い町から来た話』(河出書房新社 予価1890円)
10月20日刊 リチャード・マシスン『リアル・スティール』(ハヤカワ文庫NV 予価840円)
10月21日刊 紀田順一郎『幻想怪奇譚の世界』(松籟社 予価1995円)
10月24日刊 チャールズ・アダムス『アダムス・ファミリー全集』(河出書房新社 予価2310円)
10月28日刊 D・M・ディヴァイン『三本の緑の小壜』(創元推理文庫 予価1155円)
10月刊 アンソニー・ドーア『メモリー・ウォール』(新潮社 予価2100円)

 今月下旬から10月にかけて、コミックや絵本など、ヴィジュアル関係の新刊が目を引きますね。ピノキオをテーマにしたダーク・ファンタジー、ヴィンシュルス『ピノキオ』。ゾンビをテーマにしたアメリカン・コミック、ロバート・カークマン『ウォーキング・デッド』。フランスの大物作家メビウスの『エデナの世界』
 中でも、期待しているのが次の二冊です。ショーン・タン『遠い町から来た話』とチャールズ・アダムス『アダムス・ファミリー全集』『遠い町から来た話』は、『アライバル』で素晴らしい想像力を見せてくれたショーン・タンの作品、『アダムス・ファミリー全集』は、映画化作品で知られた同名作品の「全集」です。映画化のときではなく、なぜ今ごろ?という感はありますが、とりあえず出版企画自体を喜びましょう。
 翻訳が難しいといわれていたレーモン・クノーの作品をこれだけまとめて紹介するとは…と驚かされたのが、水声社の≪レーモン・クノー・コレクション≫。有名な『地下鉄のザジ』と一緒に初邦訳の『サリー・マーラ全集』が登場です。
 ジャンニ・ロダーリ『羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳』は、かって筑摩書房から出ていた『物語あそび ―開かれた物語―』の新訳のようですね。この作品は、ロダーリが考えたお話を子供たちに聞かせ、子供たちが考えた続きを何種類か載せるという、面白い趣向の短篇集です。サブタイトルの「開かれた物語」があらわすように、読んでいて自分も話の続きを考えたくなってくるような楽しい作品集です。
 怪奇幻想ファンには、マシスンの短篇集『リアル・スティール』、紀田順一郎『幻想怪奇譚の世界』もオススメしておきたいと思います。
この記事に対するコメント

お久しぶりです。
マシスンと紀田順一郎に期待です。
あと、一応ミステリファンとしては、ディヴァインもでしょうか。
ディヴァインはミステリボックスのシリーズが良かったです・・・
【2011/09/21 22:00】 URL | fontanka #- [ 編集]

>fontankaさん
マシスンは、ついこないだ短編集が出たばかりだったので、うれしい驚きでした。
紀田順一郎は、以前でたエッセイ集もよかったので、期待大ですね。今回の本は、あとがきや解説を中心にした本のようですが、これも楽しみです。

ディヴァインは、ハイペースではないですけど、わりとコンスタントに邦訳が出るようになりましたね。
【2011/09/22 12:25】 URL | kazuou #- [ 編集]

邦訳!
いつも変わらず楽しみに拝見しているのですが、
コメント欄ではご無沙汰しております。
お忙しくてもちゃんとコラムを書ける kazuou さんは偉いなぁと・・・・
(コメントを寄せておられる方々もですが)
ものを考えて書くのは気力が要りますし、しばらくしていないとハードルも高くなってしまうと感じています。

ショーン・タン『遠い町から来た話』! 言葉つき作品も遂に読めるようになったんですね・・
でもこれ、もしかすると買ってしまった「Tales from outer suburbia」のことでしょうか。
購入予定ですが、何か読めずにいるうちに(時間がないというより面倒に感じてしまっていただけですが…)邦訳に先をこされたのなら微妙に悔しいような…

『アダムス・ファミリー全集』はコミック原作ということでしょうか?「ウォーキング・デッド」もコミックなんですね。
映画自体も実は見ていないのですが、多分、ブラックなキャラクターが楽しい(?)騒動を繰り広げる…ものですよね、きっと。
『リアル・スティール』、も楽しみですが、公式の紹介文を見ても近作ということなのか、実は採録ものなのかよく分からないですね。
メビウスはアニメーション周辺で名前だけ聞いたことがあるのですが(有名そうな雰囲気)、一度は触れる価値があるのかなぁ…
【2011/09/25 18:26】 URL | Green #- [ 編集]

>Greenさん
そうですね。『遠い町から来た話』の原題は「Tales from outer suburbia」です。この本も、ネットで見る限り、すごく評判がよさそうだったんですけど、やはり原語だし…と思っていた矢先なので、刊行はすごく嬉しいですね。

『アダムス・ファミリー全集』は、原作マンガの「全集」だと思います。「ウォーキング・デッド」は、僕も映像化作品は未見ですが、わりとシリアスな内容っぽいですね。

メビウスは、邦訳作品自体が少ないんですけど、ぜひ。「絵」の魅力だけでも、素晴らしい作家だと思います。
【2011/09/25 19:09】 URL | kazuou #- [ 編集]

取り急ぎ・・・
別の記事についても感想その他、いろいろあるのですが、取り急ぎ・・・・

twitter にてこんな記事紹介が・・・
> 『アライバル』のショーン・タン先生の来日講演会、大阪はすでに定員で締め切られちゃった見たいベデね。東京では今月22日でまだ募集してるみたいベデ。ご予約お忘れなくベデ~。 bit.ly/qfZxyW

(最後のは記事への短縮URLです)

興味のある方は・・・
 (・・どうしよう・・・・)
【2011/10/13 02:33】 URL | Green #- [ 編集]

>Greenさん
ショーン・タンの来日講演会があるんですか。
気になりますが…。
【2011/10/16 08:48】 URL | kazuou #- [ 編集]

これも傑作
ショーン・タン「遠い町から来た話」、読みました!
Arrival (邦題、馴染みのない「アライバル」より日本語で「到着」でも良かったのかなぁという気も)
みたいに、これぞ傑作!みたいな強い印象こそないものの、良さが何だかじわじわとしみてくる感じの作品だなぁと。
大変期待して読んだのですが、それにも負けず存分に楽しめました。

タン氏は文章も達者だなぁと(岸本さんの翻訳の腕もあるでしょうが)思いましたが、
その雰囲気にはどこか既視感も感じました。昔の(60'sくらい?)ファンタジータイプのアメリカSF的というか・・
テヴィスの「ふるさと遠く」とか「ジョナサンと宇宙クジラ」とかブラッドベリとか…その辺りに近いものを感じました。
(ジュゴンの話があったせい?)

載っている作品の大半を気に入って、「水牛」「棒人間」「遠くに降る雨」「葬送」「カメ救出作戦の夜」「名前のない祝日」
などなど、強い印象が残ったものも挙げればきりがないほどですが、
中でもコミュニケーションの不可能性をテーマに含みながら、温かな読後感を残してくれた「エリック」は殊にお気に入りです。
( "cultural thing" を「お国柄ね」としたのは、物語の雰囲気を壊さない良い訳だなぁと個人的に思います )

(薄い本ですが、話数は結構多かったですね。文字も以外に多くて、やはり英語力のない自分が自力で訳して読むのはきつかったかも)

買ってしまった原著と邦訳を見比べる楽しみもありましたが、凝った本だけに翻訳の苦労がしのばれました・・・
【2011/11/23 07:50】 URL | Green #- [ 編集]

傑作ですね
僕もヤングとかブラッドベリ風の印象が強かったです。「郷愁」というか「哀愁」というか。
それでもべったりとした甘さではないところに、魅力を感じますね。
特に「エリック」はとてもよい作品でした。
【2011/11/23 18:44】 URL | kazuou #- [ 編集]


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Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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