8月の気になる新刊と7月の新刊補遺
7月下旬刊 須永朝彦『天使』(国書刊行会 1575円)
8月10日刊 デイヴィッド・ベニオフ『卵をめぐる祖父の戦争』(ハヤカワ・ミステリ 予価1470円)
8月10日刊 クレール・カスティヨン『だから、ひとりだけって言ったのに』(早川書房 予価1575円)
8月12日刊 カレル・チャペック『絶対製造工場』(平凡社ライブラリー 予価1260円)
8月20日刊 『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』(集英社文庫)
8月25日刊 マーク・トウェイン『不思議な少年44号』(角川文庫 予価525円)
8月26日刊 ニール・ゲイマン『グレイヴヤード・ブック』(角川書店 予価1785円)
8月刊   スタニスワフ・レム『短篇ベスト10』(国書刊行会 予価2940円)

 須永朝彦の小説は、ほとんどがごく短い掌編。独特の耽美性を持った作風にはまる人もいるかと思います。小説全集が同じ国書刊行会から刊行されていますが、今回は単体の短編集としての刊行です。考えたら、『小説全集』以外に、入手しやすい彼の作品集って、今現在ないんですよね。その意味では歓迎すべきでしょう。
 まだ邦訳のない作家ですが、今回気になるのはクレール・カスティヨン『だから、ひとりだけって言ったのに』です。「失敗だらけの母娘模様を描く」ブラックユーモアの強い短編集、だということですが、シャーリィ・ジャクスンみたいな感じなんでしょうか。
 チャペック『絶対製造工場』は、SF仕立てながら寓異の強い作品です。「神」のとらえ方が非常にユニークな作品。
 マーク・トウェイン『不思議な少年44号』は、トウェイン晩年の作品『不思議な少年』が編集者のつぎはぎによる作品だとして、新たに著者の正統的な作品として刊行された作品。少しバージョンが違うとかいうレベルの作品ではなく、ほぼ全く別の作品です。ペシミスティックという点では、どちらも共通しますが、想像力にあふれた展開といい、娯楽性といい、やはり『不思議な少年44号』に軍配が上がります。
この記事に対するコメント

暑中お見舞い申しあげます。

暑いですねぇ。
冷夏かも、なんて長期予報をきいた覚えがあるんですが・・・

ベニオフは、だいぶ前に『25時』を読みました。
ラストでは驚きました。
あの文章のままで、映画のラストシーンができると思ったんですが、
スパイク・リーでしたっけ、映画化したの? 
どんなふうにしたんでしょうね。
考えようによっては、すごく寂しい感じです。

こんどのは、ミステリなんでしょうか? 
期待できますね。
【2010/07/25 18:20】 URL | kenn #NV6rn1uo [ 編集]

>kennさん
本当に暑いです。夏はじめからこれだと、後がきついですね…。

ベニオフの作品は気になりつつも、未読です。今回出るのは、歴史エンターテインメントということなので、挑戦してみようかなと。ポケミス作品なので、娯楽性も高そうですし。
【2010/07/25 21:34】 URL | kazuou #- [ 編集]


岩波文庫で読んだかと思いますが、『不思議な少年』は好きな小説なので、『不思議な少年44号』の話題は興味深いですね。
出版の経緯もおもしろそうです。
【2010/07/27 09:15】 URL | 迷跡 #8Vfzr.cc [ 編集]

>迷跡さん
『不思議な少年44号』は、トウェイン作品の中でも傑作、だと思ってます。晩年の作品でも、これほどの想像力があったんだと驚かされます。作品の由来も含めて、とても興味深い作品ですので、機会があったらぜひ。
【2010/07/27 20:00】 URL | kazuou #- [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://kimyo.blog50.fc2.com/tb.php/425-20234b31
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する