12月の気になる新刊と11月の新刊補遺 
11月24日刊 『瀬下耽探偵小説選』(論創社 2940円)
11月26日刊 H・P・ラヴクラフト 宮崎陽介画『邪神伝説 クトゥルフの呼び声』(PHP研究所 1050円)
11月26日刊 チャールズ・ディケンズ 坂田靖子画 『クリスマス・キャロル』〈古典新訳コミック〉(光文社 予価1260円)
11月下旬刊 北島明弘『映画・TVで見るエドガー・アラン・ポー』(仮題)(近代映画社 予価945円)
12月10日刊 A・E・コッパード『天来の美酒/消えちゃった』(光文社古典新訳文庫)
12月10日刊 スチュアート・M・カミンスキー編『ポーに捧げる20の物語』(ハヤカワ・ミステリ 予価1680円)
12月11日刊 ギルバート・アデア『閉じた本』(創元推理文庫 予価882円)
12月14日刊 長山靖生『日本SF精神史 幕末・明治から現代まで』(河出ブックス 予価1260円)
12月15日刊 中井英夫『新装版 トランプ譚 幻想博物館』(講談社文庫)
12月16日刊 M・A・アストゥリアス『グアテマラ伝説集』(岩波文庫)
12月19日刊 ヘレン・マクロイ『殺す者と殺される者』(創元推理文庫 予価903円)
12月25日刊 ローレンス・ブロック『やさしい小さな手』(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価924円)

 論創社はマイナーな探偵作家の作品集を続々と刊行していますが、今回はなんと瀬下耽の作品集。彼の作品は、怪奇小説の名作『柘榴病』の他、数編がアンソロジーで読める程度でした。作品数も少ない関係で、今回の作品集はほぼ「全集」になるようです。怪奇探偵小説のファンなら買いでしょう。
 対照的なコミカライズが2作出ます。ラヴクラフトの漫画化『邪神伝説 クトゥルフの呼び声』は、タイトルからして、ちょっとB級っぽいですね。坂田靖子の 『クリスマス・キャロル』は、なかなかセンスのいいセレクションかも。この〈古典新訳コミック〉、継続的にシリーズ化するのだとすると、楽しみですね。
 来月のいちばん気になる新刊はこれ。A・E・コッパード『天来の美酒/消えちゃった』。幻想短篇の名手コッパードの短編集が、まさか古典新訳文庫から出るとは。本当に侮れない叢書ですね。
 以前に国書刊行会から出た作品集『郵便局と蛇』では、文学臭の強い作品が多かったのですが、今回は文庫ということもありますし、もう少しとっつきやすい作品が集められているのかもしれません。ちなみに、表題作の『消えちゃった』は、平井呈一の翻訳もある、ユーモアあふれる幻想譚です。お勧め。
 前回の『幽霊の2/3』に続いて、ヘレン・マクロイの『殺す者と殺される者』がついに刊行。こちらはサスペンス風味が強そうなので、期待しています。
この記事に対するコメント
やはり・・・
一番の期待は「殺す者と殺される者」(新訳)、旧訳には最初の引用が「お経」、かなり前のページで後の伏線になることが強調されていたのですが、そこらへんがどうなっているのかが楽しみです。

もちろん他の短編集も楽しみです。

【2009/11/22 09:26】 URL | fontanka #- [ 編集]

>fontankaさん
ブログのコメント設定が変更されていたようです。失礼しました。

マクロイの『殺す者と殺される者』は楽しみですね。ホラー系統のブックガイドにもよく紹介されていたので、以前から気になっている作品でした。
とりあえずこれで、とんでもない古書価も落ち着くんでしょうか。
【2009/11/22 14:13】 URL | kazuou #- [ 編集]

おやおや、古典新訳コミック!
今度は古典新訳コミックときましたか!
なるほど、坂田靖子の『クリスマス・キャロル』は読みたくなります。
もっとも、翻訳家はともかく漫画家には一家言ある読者が多い今の時代、
今後、どれだけ納得いく組み合わせができるか?
けっこうシビアかも、光文社!
【2009/11/22 16:41】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

>迷跡さん
光文社、面白い企画を出してきますね。古典新訳文庫も、最初は「名作」だけだったのが、ブッツァーティやシュペルヴィエルなんて、マニアックな作家が登場し出してから、眼が離せなくなりました。
コミック版の方でも、そのうちマイナー作家の原作ものが出てくるのかもしれません。
【2009/11/22 19:48】 URL | kazuou #- [ 編集]

ローレンス・ブロックって・・・
久しぶりの新作じゃないですか?
と思っていたらこれって「現代短篇の名手たち」シリーズの1つなんですね^^

「現代短篇の名手たち」シリーズはなかなか選りすぐりの作家たちが
揃ってるという噂なのでちょっと手を出そうかなと思ってたんです。
(ウェストレイクだけは読みました)
このシリーズでおススメ作家はありますか?
【2009/11/24 19:51】 URL | TKAT #- [ 編集]

>TKATさん
このシリーズ、全部購入はしてるんですけど、まだ全然読んでないので、単純にお勧めしかねるのですが、やっぱり要注目はランズデールでしょうか。あとは、ローラ・リップマンかな。

ローレンス・ブロックとかラヴゼイとか、すでに短編集がいくつも出ている作家が入っていたりと、正直セレクションに疑問があるシリーズではあるんですよね。もっと、思いきってマニアックな作家を入れてほしかったです。

【2009/11/24 22:20】 URL | kazuou #- [ 編集]

やはりコッパードですかね
いつも情報ありがとうございます。以前からコッパードは気になってたんですが、たしかに文庫だと手に取りやすいですね。古典新訳文庫からというのも意外性があっていいです。kazuouさんの「現代短篇の名手たち」の感想も参考になります。
【2009/11/25 23:56】 URL | さあのうず #- [ 編集]

>さあのうずさん
コッパードはお勧めですよ。未訳の短編がまだまだありそうなので、もっと紹介してもらいたい作家ですね。
古典新訳文庫は、本当に思いがけない作家や作品が出てくるので、目が離せないシリーズになってます。
【2009/11/26 12:19】 URL | kazuou #- [ 編集]


「現代短篇の名手たち」→夫が読みたいというので、イアン・ランキンを図書館で借りてきたのですが、ポケミス版を割愛しているということを発見。
・どうせなら、そのまま文庫化してほしかったとか
・出てないものを出してほしかったと、ランキンファンではないのに思ってしまいました。
これは、わがまま何でしょうか?
【2009/11/26 22:32】 URL | fontanka #- [ 編集]

同感ですね
せっかくの好企画なんだから、ただの文庫化(しかも割愛)というのは、やめてほしいですよね。
【2009/11/29 07:42】 URL | kazuou #- [ 編集]


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Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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