4月の気になる新刊と3月の新刊補遺
3月25日刊 ジョン・ブラックバーン『壊れた偶像』(論創社 予価2100円)
3月25日刊 エラリー・クイーン『死せる案山子の冒険 聴取者への挑戦2』(論創社 予価2625円)
3月下旬刊 『宮野村子探偵小説選1』(論創社 予価3150円)
3月25日刊 ジェイムズ・サーバー『サーバーおじさんの犬がいっぱい』(筑摩書房 予価2310円)
3月27日刊 東雅夫『怪談文芸ハンドブック』(メディアファクトリー 予価1565円)
4月1日刊 アンディ・ライリー『うざい発明』(青山出版社 予価945円)
4月17日刊 小泉喜美子『弁護側の証人』(集英社文庫)
4月下旬刊 ネヴィル・シュート『渚にて』(創元SF文庫 予価1050円)
4月刊 P・G・ウッドハウス『P・G・ウッドハウスの笑うゴルファー』(集英社 予価1680円)

 ブラックバーンの作品が続けて訳されますね。いい作家だと思うので、どんどん訳していただきたいものです。同じ論創社の日本ものとしては『宮野村子探偵小説選』が出ます。この人、今ではあまり知られていませんが、木々高太郎の弟子筋の作家で、いわゆる〈文学派〉の探偵小説作家として活躍した人。女性らしい繊細な情緒もあって、かなり筆力のある作家だと思います。
 筑摩書房から出版予定の『サーバーおじさんの犬がいっぱい』は、たぶん、早川書房から出た『サーバーのイヌ・いぬ・犬』の新訳でしょう。犬に関する短編やエッセイを集めた本で、犬好きはもちろん、ユーモア小説集としても上質の本なので是非。
 東雅夫『怪談文芸ハンドブック』は、怪奇小説ファンとしてははずせない本でしょう。「怪奇小説」や「ホラー」ではなくて「怪談」と銘打っているところがポイントですね。
 4月の新刊で、いちばんの要注目本は間違いなくこれ! アンディ・ライリーの『うざい発明』。あの『自殺うさぎ』で話題を呼んだ著者の新作漫画集です。「うざったい発明品」を描いた漫画集だそうですが、これは楽しみ。
 小泉喜美子『弁護側の証人』は復刊ですが、今読んでも充分楽しめるミステリです。どこか童話めいた雰囲気が魅力です。
 ネヴィル・シュート『渚にて』は、創元社の記念企画の一冊。これは購入するかどうか悩むところです。
 ここに来て、集英社からもウッドハウスの訳書が出ます。タイトルからして、かって創土社から出ていた『ゴルきちの心情』と同じシリーズなのだと思いますが、国書刊行会や文芸春秋のシリーズよりも、お値段がリーズナブルなところがいいですね。
 

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント
『怪談文芸ハンドブック』!
アンソロジーの手法で、怪談という切り口から近現代日本文学史の興味深い異相を提示してきた著者の、ひとまずの総括になりそうですね。
実作の参考にもなりそうで楽しみです。

【2009/03/15 20:07】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

>迷跡さん
とりあえず買いですね。
どうやら、欧米の怪談にもふれられているようなので、その点でも楽しみにしています。
【2009/03/15 21:15】 URL | kazuou #- [ 編集]

『宮野村子探偵小説選1』
個人的には圧倒的にこれがイチ押しですが、できれば版元が残りも全部出してみようかと思うくらい売れてほしいですね。まあ、無理でしょうけど(笑)。
小泉喜美子の『弁護側の証人』は確かに名作ですが、●ックオフとかではまだまだ普通に見るんですけどね。集英社も最近は復刻に熱心ですが、セレクトがいまいちリサーチ不足というか、そもそもPR不足という感じもいたします。
【2009/03/15 22:25】 URL | sugata #8Y4d93Uo [ 編集]

朗報をありがとうございます!
うわっ!!
kazuouさんに教えていただいた私のお気に入りに入っている『自殺うさぎ』の著者の新作ですか!こりゃ楽しみ~。偶然にも最近、『自殺うさぎ』と続編の2冊を読み直したんです。なんか嬉しいなぁ。

そ・し・て!私にとって忘れてならないのはウッドハウス。えっ?集英社ですか??国書刊行会や文芸春秋を見習って「今がブームだ!」と考えたんでしょうか(笑)。ゴルフシリーズは絶版が多いのでかなり楽しみにしております。
【2009/03/15 22:35】 URL | TKAT #- [ 編集]

>sugataさん
宮野村子は、アンソロジーで短篇をいくつか読んだだけなんですけど、かなり良い印象があります。なんというか、無理に作った感じがなくて、作品が自然なんですよね。
それにしても、論創社の日本ミステリシリーズはとんでもなくマニアックな作家を出してきますよね。個人的には瀬下耽の巻を楽しみにしています。
【2009/03/16 12:18】 URL | kazuou #- [ 編集]

>TKATさん
アンディ・ライリーの新作、とても楽しみです。タイトルからして「ナンセンスな機械」を描いたものなんでしょうが、これだけで期待が高まります。

今回のウッドハウスは集英社からですが、徐々にブームになりつつあるんでしょうか。他の出版社からもウッドハウスが出るようになればうれしいです。
そういえば、ジーヴスものの漫画化作品『プリーズ、ジーヴス』(勝田文 白泉社)の1巻が出たので、読んでみたのですが、なかなか上手く出来てました。機会があったらぜひ。
【2009/03/16 12:22】 URL | kazuou #- [ 編集]


サーバーの「犬」の話は、文庫で持ってますが、新たに話が追加されているのかが、気になるところです。
ウッドハウスのゴルフものは2冊ほど図書館で読みました。ゴルフには全然興味なくても、楽しめる本ですした。
「弁護側の証人」は、大昔(たぶん)NHKの銀河TV小説でやった気がするんです。
後に本を読んでそれだったと知りました。
話としては好きではないのですが、名作だと思います。
【2009/03/17 19:11】 URL | fontanka #- [ 編集]

>fontankaさん
特に犬好きというわけではないんですけど、サーバーの作品集は楽しく読めました。もともとエッセイと小説との境目が曖昧な作風なので、エッセイも小説みたいに読めますよね。

『弁護側の証人』は、ストーリー的にはかなりぬるいところがあるような気はしますが、雰囲気が捨てがたいですね。
【2009/03/17 21:28】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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