浮遊と幻想  マイケル・パークス
4594058019エンジン・サマー (扶桑社ミステリー)
John Crowley 大森 望
扶桑社 2008-11

by G-Tools
9071867137The World of Michael Parkes
John Russell Taylor
Steltman Editions 1998-10-01

by G-Tools

 先日再刊された、ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』(大森望訳 扶桑社ミステリー)を入手しました。カバー画に何か見覚えがあるなあと思って、見返しに書かれた名前を見てみると、絵の作者はマイケル・パークス(Michael Parkes)でした。
 じつは、このマイケル・パークスという画家、最近個人的に興味を持っている人です。
 もとはといえば、かって福武書店から出ていたウィリアム・コツウィンクル『ファタ・モルガーナ』という本。この本のカバー画に、このパークスの絵が使われていたのです。リアルなタッチで描かれた、謎めいた道化の絵。この幻想的な絵が、また作品の内容ととてもマッチしていたこともあって、強いインパクトを残しました。
 このパークスの画集が出ていないものかと思って、調べてみたのですが、どうやら日本語では出ていないようです。それではと、洋書で調べて購入したのが『The World of Michael Parkes』という画集です。
 パラパラとめくると、ありました。『ファタ・モルガーナ』で使われていた絵が。そして、『エンジン・サマー』のカバー画に使われた『Magician's Daughter』も載っています。道理で見覚えがあったわけです。
 まだ現役の画家らしく、画像を直接載せるのは問題がありそうなので、とりあえず彼の作品が載せられているページをリンクしておきます。
http://www.theworldofmichaelparkes.com/html/artists.asp) 
 さて、彼の絵の魅力はいくつかありますが、一番にあげられるのは、たおやかな女性像でしょう。神話的なイメージを帯びた女性像にはとても魅力があります。そしてもうひとつの特徴としては、絵の背景。たいていが澄んだ空、高いところにある建物が舞台になっています。
 登場人物は、翼を持っていたり、空に浮かんでいたりします。また鳥や動物などが飛翔していることもあります。背景となる美しい空とあいまって、ふしぎな浮遊感を感じさせてくれるのです。例えば、この『Juggler』という作品や『Falcon Games』などを見てもらえば、その感じがわかっていただけるかと思います。
 そして女性の他に、パークスの絵に頻出するモチーフとして、白鳥、豹といった動物、道化師などが挙げられます。非日常的な背景を舞台に、非日常的な人物やモチーフがあらわれる、という意味では、徹頭徹尾、幻想的なファンタジーなのですが、そこに充分なリアリティを感じさせるのは、画家の非凡な画力のゆえでしょう。
 わが国での知名度はあまりないようなのが残念ですが、ファンタジー好き、幻想小説好きの方の琴線にふれる画家だと思うので、日本でももっと紹介してもらいたいものです。
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怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
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