12月の気になる新刊と11月の新刊補遺
11月22日刊 ハリー・ベイツ他『地球の静止する日』(角川文庫 予価620円)
12月3日刊 グレッグ・イーガン『TAP』(河出書房新社 予価1995円)
12月10日刊 早川書房編集部編『天外消失 世界短篇傑作集』(ハヤカワ・ミステリ 予価1470円)
12月上旬刊 P・G・ウッドハウス 『ユークリッジの商売道』(文藝春秋 予価2600円)
12月16日刊 広瀬正『タイムマシンのつくり方』(集英社文庫)
12月17日刊 キャロル・エムシュウィラー『カルメン・ドッグ』(河出書房新社 予価1680円)
12月中旬刊 フィッツ=ジェイムズ・オブライエン『金剛石のレンズ』(創元推理文庫 予価987円)
12月25日刊 ライオネル・デヴィッドスン『大統領の遺産』(扶桑社ミステリー)
12月刊 大森望・日下三蔵編『虚構機関 年刊日本SF傑作選』(創元SF文庫)

 ハリー・ベイツ他『地球の静止する日』は、どうやら、R・ワイズのSF映画『地球が静止する日』のリメイク版の公開に合わせた刊行のようです。ベイツの作品自体は、以前に出た中村融編のアンソロジーでも収録されていたので、他の収録作品に期待ですね。
 現代SFの最高峰、グレッグ・イーガンの最新の邦訳短編集は、河出書房《奇想コレクション》から登場です。これは無条件で買いでしょう。
 『天外消失 世界短篇傑作集』は、なんとかっての名アンソロジー『37の短篇』(早川書房)の復刊。37全ての作品が収録されるのかは不明ですが、アンソロジーとしては非常に高品質なのは間違いありません。狭義のミステリだけでなく、SF・ファンタジー・ホラーなどの作品も収録されたアンソロジーの最高峰です。先日出た小鷹信光『〈新パパイラスの舟〉と21の短篇』とあわせて読むと、より楽しめるでしょう。
 エムシュウィラーの作品『カルメン・ドッグ』は、あらすじがなかなか魅力的です。「若い娘に変身中のセッター犬・プーチが、オペラ歌手になる夢を抱き、主人の元から家出する…」という、幻想的なストーリー。
 12月の新刊でいちばんの要注目本は、間違いなくこれ、フィッツ=ジェイムズ・オブライエン『金剛石のレンズ』です。かってサンリオSF文庫から出ていたオブライエン短編集『失われた部屋』の増補版のようです。小宇宙テーマの先駆的傑作『金剛石のレンズ』、人形をめぐる傑作ファンタジー『ワンダースミス』、シュールなイメージの頻出する奇怪な幻想小説『手から口へ』など、超のつく傑作揃いなので、これは絶対のオススメです。
 大森望・日下三蔵編『虚構機関 年刊日本SF傑作選』は、日本SFの傑作選。他社から日本SFの年代別アンソロジーの企画が挙がっていましたが、これは最新の作品を収録するアンソロジーのようです。
 

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

『金剛石のレンズ』とはまた、なつかしいというかなんというか。
この短篇集は読んだのかどうかさえ覚えてないんです。
標題作は読んだはずですが、記憶はあやしい。
とにかく、でたら必ず手にはとるでしょうね。
【2008/11/20 03:30】 URL | kenn #NV6rn1uo [ 編集]

12月はSFの月?
これは迷います。
というか、全部買いかも。
『〈新パパイラスの舟〉と21の短篇』は先日地元の書店で見つけて購入しました。なるほど一家に一冊、机上に常備ですね。
【2008/11/20 19:31】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

フィッツ=ジェイムズ・オブライエン
以前ファッション・イラストレーターの故・長沢節氏の翻訳による『墓を愛した少年』を
はじめて読んだ時、どこかもの悲しい、哀愁を帯びたストーリーが印象に残ったのを
憶えています。

サンリオ文庫版の『失われた部屋』の増補版であれば、これは間違いなく「買い」で
しょう。

オブライエンの作品集をふたたび世に出す英断を下した良識ある創元の担当者の
方には、個人的には拍手をおくりたいと思います。

【2008/11/20 19:33】 URL | newt #- [ 編集]

>kennさん
ふたたびオブライエンの作品集を手に取れる日がくるとは思いませんでした。
楽しみに待ちたいと思います。
【2008/11/20 20:08】 URL | kazuou #- [ 編集]

>迷跡さん
確かにSF系は充実してます。年末商戦というわけでもないでしょうが、楽しみな新刊が多いです。なかでも、イーガン、エムシュウィラー、オブライエンは買いですね。

入手されましたか、『〈新パパイラスの舟〉と21の短篇』。あれだけの短篇ガイドは後にも先にもないんじゃないかと思うので、できるだけ多くの人に読んでもらいたいですね。

【2008/11/20 20:12】 URL | kazuou #- [ 編集]

>newtさん
『墓を愛した少年』は名作ですね。『金剛石のレンズ』や『ワンダースミス』にも見られる叙情性、そして物語性、オブライエンは再評価されてしかるべき作家だと思います。
いままたオブライエンの作品集を出してくれる創元社には感謝です。
【2008/11/20 20:16】 URL | kazuou #- [ 編集]

オブライエン「金塊」を公開しています
こんばんは。豹悟郎と申します。

わたしは自分のウェブサイトにぽこ書房というささやかなライブラリを設けているんですが、本日オブライエンの「金塊」という短編を公開しましたのでよかったらご高覧ください。

【2008/11/26 22:04】 URL | 豹悟郎 #- [ 編集]

>豹悟郎さん
豹悟郎さん、はじめまして。コメントありがとうございます。

さっそく、オブライエンの「金塊」を拝読させていただきました。O・ヘンリーを思わすような、哀愁のあるいい作品ですね。未訳作品に、こうした作品がまだあるなら、ぜひ読んでみたいですね。
【2008/11/27 18:34】 URL | kazuou #- [ 編集]


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Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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