9月の気になる新刊
9月5日刊 ジョー・ヒル『20世紀の幽霊たち』(小学館文庫)
9月9日刊 ミステリー文学資料館編『江戸川乱歩の推理教室』(光文社文庫)
9月10日刊 東雅夫編『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』(ちくま文庫 予価1050円)
9月10日刊 アンドリュー・ガーヴ『ヒルダよ眠れ』(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価840円)
9月10日刊 フレドリック・ブラウン『天の光はすべて星』(ハヤカワ文庫SF 予価735円)
9月10日刊 スタニスワフ・レム『宇宙飛行士ピルクス物語 上・下』(ハヤカワ文庫SF 予価各840円)
9月10日刊 アーサー・ポージス『八一三号車室にて』(論創社 予価2310円)
9月17日刊 行方昭夫編訳『モーム短篇選 上』(岩波文庫)
9月17日刊 阿部公彦訳『フランク・オコナー短篇集』(岩波文庫)
9月19日刊 広瀬 正『エロス』(集英社文庫)
9月25日刊 コニー・ウィリス『マーブル・アーチの風』(早川書房 予価1890円)
9月25日刊 リン・ディン『血液と石鹸』(早川書房 予価1680円)
9月25日刊 『エドガー賞全集 [1990~2007]』(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価840円)
9月25日刊 小林信彦編『横溝正史読本』(角川文庫 予価540円)
9月下旬刊 ジェラルド・カーシュ『犯罪王カームジン』(角川書店)
9月下旬刊 アルベルト・マングェル『図書館 愛書家の楽園』(白水社 予価3570円)
9月下旬刊 P・G・ウッドハウス『ジーヴスと封建精神』(国書刊行会 予価2310円)
9月刊 アンドルー・クルミー『ミスター・ミー』(東京創元社)

 ジョー・ヒル『20世紀の幽霊たち』は、キングの息子ということでも話題になったジョー・ヒルの短編集。
 ガーヴ『ヒルダよ眠れ』は、新訳で登場です。おそらく、この作者のいちばん有名な作品ですが、ガーヴの最良の部分が出た作品とは言い切れないんですよね。個人的には、『メグストン計画』『ギャラウエイ事件』あたりの方が良かったような気はします。
 それにしても、早川の9月の新刊は、復刊ものといい新刊といい、異様に充実してます。ブラウン『天の光はすべて星』はともかく、スタニスワフ・レム『宇宙飛行士ピルクス物語』には驚きです。
 新刊としては、コニー・ウィリス『マーブル・アーチの風』『エドガー賞全集 [1990~2007]』は買いでしょう。とくに『エドガー賞全集 [1990~2007]』の方は、以前に『エドガー賞全集』『新エドガー賞全集』という、この賞の受賞作品を集めたアンソロジーが出ていて、それの続編という形になるようですね。
 小林信彦編『横溝正史読本』は、角川文庫の横溝正史シリーズの中でも、もっとも入手困難で知られた希少本。まさか復刊されるとは思いませんでした。
 カーシュ『犯罪王カームジン』は、シリーズ・キャラクター「カームジン」の登場作品を集めたミステリ作品集です。
 論創社からは、アーサー・ポージス短編集『八一三号車室にて』が出ます。アンソロジーやショート・ショートが好きな人にはお馴染みの職人作家ですが、本が一冊にまとまるのは初めて。これはいい仕事ですね。
 さて、小説作品以外で、来月いちばん気になるのは、アルベルト・マングェル『図書館 愛書家の楽園』でしょうか。「今東西の実在・架空の図書館を通して、書物と人の物語を縦横無尽に語る」本だそうですが、ボルヘスの友人だったというこの著者、以前に出た『読書の歴史』もなかなか面白いものだったので、期待大です。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント
残暑お見舞い申し上げます。
ウッドハウスの『ジーヴスと封建精神』、9月下旬に出るんですね。
『エッグ氏、ビーン氏、クランペット氏』 も刊行後すぐ購入したのにまだ読んでません(><)。読もう読もうと思っていたらオリンピックが始まってしまい、テレビにかぶりついてる毎日です^^

『エドガー賞全集』ってなんか懐かしいなーと思っていたら[1990~2007]バージョンなんですね。『新エドガー賞全集』ではまえがきにウェストレイクの名前があり購入したのですが、まえがきのみで肝心の小説が載ってなかったという思い出が…。
『エドガー賞全集』『新エドガー賞全集』から時代はガラリと変わり、[1990~2007]ではおそらく知らない作家さんばかりかも^^;でも興味あるので読んでみたいですね。
【2008/08/16 09:51】 URL | TKAT #- [ 編集]

>TKAT さん
「読書の秋」というわけでもないんでしょうが、来月の新刊はなかなか充実してます。
ウッドハウスは、順調に刊行されてますね。僕も最初の二、三冊しか読んでないので、シリーズが積読になっちゃってるんですが。ウッドハウスは面白いのがわかっているので、後の楽しみにとっておくということで(笑)。

以前に出た『エドガー賞全集』は、さすが!と思わせるほどの傑作揃いのアンソロジーでした。『新』の方は、それほど感銘を受けるものがなかったんですけど、『旧』の方は、今読んでも素晴らしい傑作集だと思ってます。コリア、ダール、エリン、カーシュ、ジャクスン。考えたら、ほとんど「異色作家短編集」みたいなラインナップですね。
[1990~2007]も楽しみにしているんですが、この際旧版の二冊もぜひ合わせて復刊してほしいです。
【2008/08/16 13:56】 URL | kazuou #- [ 編集]

レム!
レム、『泰平ヨンの航星日誌』は読みましたが、『宇宙飛行士ピルクス物語 上・下』は未読。嬉しいですね(シリアスなレムはちょっと苦手)。
ちくま文庫の文豪怪談傑作選シリーズは表紙が一番楽しみだったりします。
【2008/08/16 22:20】 URL | 迷跡 #8Vfzr.cc [ 編集]

>迷跡さん
レムの本は、絶版になったものは、どれも高値がついちゃってるんですよね。『宇宙飛行士ピルクス物語』は、万単位の値がつくこともあるようで、手が出なかったので、今回の復刊は嬉しい限りです。
レムって、『ソラリス』とか、どっちかというとシリアス系の作品の評価が高いようですけど、『泰平ヨン』とか『宇宙創世記ロボットの旅』なんかの、ユーモア系作品の方もすごいレベルが高いので、こちら方面の作品も復刊してほしいですね。

文豪怪談傑作選シリーズの表紙は、ものすごく洗練されてますね。出たばかりの『小川未明集』のカバーもすばらしいものでした。
【2008/08/16 22:58】 URL | kazuou #- [ 編集]


なかなか豪華なラインナップですね。
「ヒルダよ眠れ」はkazuouさんに同感です。
もともと「ヒルダ・・・」ってそんなに名作だろうか?というのが、ミステリ好きの女性陣の意見です。
「横溝正史読本」は持っているので個人的には、そんなに入手困難だったのか?という驚きがあります。
「犯罪王カームジン」はとても楽しみです。
【2008/08/18 11:54】 URL | fontanka #- [ 編集]

宇宙飛行士ピルクス物語
kazuouさんの新刊案内には毎月お世話になっています。
「宇宙飛行士ピルクス物語」にはびっくり。
もっていて、読みはじめたこともあるんですが、途中でほったらかしです。
そんなに高値がついているとは。
頑張って読み通そうと思いました。

9月の新刊は充実してますね。
『天の光はすべて星』と『犯罪王カームジン』が楽しみです。
【2008/08/18 16:27】 URL | タナカ #- [ 編集]

>fontankaさん
「ヒルダよ眠れ」は、へんに文学趣味みたいなところがあるので、受けるのかもしれません。これはこれで面白いんですけど、この作品を読んでから、他のガーヴの作品を読むと、ぜんぜん色合いが違うので、びっくりするんですよね。

「横溝正史読本」お持ちなんですか。僕は見たこともないです。これも古本で万単位の値がついてたりしますね。
【2008/08/18 18:38】 URL | kazuou #- [ 編集]

>タナカさん
「宇宙飛行士ピルクス物語」に限らないんですけど、このごろレムの本って、古本でもめっきり見かけなくなって。10年ぐらい前までは、わりとよく見かけたんですけどね。そういう意味で、復刊は大歓迎です。

ここにきて、『天の光はすべて星』が復刊というのもびっくりしました。定番だったSF系の短編集も品切れ状態のものが、ちらほらあるみたいですね。ブラウンの本がこんなに読めなくなる時代が来るとは思いませんでしたよ。

『犯罪王カームジン』は、ためらいなく買いですね。
【2008/08/18 18:44】 URL | kazuou #- [ 編集]

レム!
レムの復刊は驚き!の一言です。
いっそのこと、ちまちま復刊なんかせずにレム・コレクション第二期・・・と称してまとめて出して
くれると有難いですよね。
早川にはストルガツキー・コレクションを出して頂くとか。

『横溝正史読本』は文庫版よりハードカバー版の方が「昭和40年の日記」があって面白いかも
しれません。(文庫版ではぬけている)

楽しみなのは『図書館 愛書家の楽園』です。
題名からして妄想が膨らみそうな一冊のようですね。ちょっと値が張るのが難点ですが。
【2008/08/18 23:07】 URL | shen #SgmGMb7Y [ 編集]

>shenさん
レムは驚きです。でも早川のこのところの復刊って、国書のラインナップに影響されている感じがするのがたまにきずですよね。
ストルガツキーもカルトなファンがいるけれど、こちらはちょっと無理でしょうか。

『図書館 愛書家の楽園』は期待大です! 「実在」の図書館や書斎を語った本はままあったけれど、「架空」というところがポイントですね。
【2008/08/19 19:55】 URL | kazuou #- [ 編集]


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Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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