3月の気になる新刊
3月5日刊 南條竹則編訳『地獄 英国中篇怪談集』(メディア・ファクトリー 予価2415円)
3月上旬刊 岡本綺堂『飛騨の怪談 新編・綺堂怪奇小説選』(メディアファクトリー 予価1890円)
3月上旬刊 メルヴィル・ディヴィスン・ポースト『ランドルフ・メイスンと7つの判決』(長崎出版)
3月18日刊 ジェイムズ・パウエル『道化の町』(河出書房新社)
3月中旬刊 フィリップ・マクドナルド『ライノクス殺人事件』(創元推理文庫)
3月27日刊 山口雅也『モンスターズ』(講談社 予価2625円)
3月27日刊 ウィリアム・トレヴァー『密会』(新潮社 予価1995円)
3月下旬刊 W・H・ホジスン『幽霊狩人カーナッキの事件簿』(創元推理文庫)
3月下旬予定 クリストファー・プリースト『限りなき夏』(国書刊行会 予価2520円)

 メディア・ファクトリーから出る2冊は、怪奇小説ファンは要チェック。南條竹則編のアンソロジーは、「中編」であるところが売りのようです。収録作品は、デラメア 『シートンのおばさん』、メイ・シンクレア『水晶の瑕』、ブラックウッド『地獄』だそうです。うーん、『シートンのおばさん』は既訳があるので、別の作品にしてほしかったですね。
 岡本綺堂のほうは、怪奇長編『飛騨の怪談』をはじめ、単行本未収録作品が多数収録される様子です。
 長崎出版からは『アンクル・アブナー』で知られるポーストのピカレスクものの『ランドルフ・メイスン』が登場。訳された短篇を読む限りでは、『ランドルフ・メイスン』の方がずっと面白いと思います。
  〈KAWADE MYSTERY〉の新刊は、お待ちかねジェイムズ・パウエル。個人的にはトゥーイに次いで楽しみにしていた短編集です。
 ウィリアム・トレヴァーは、二冊目の邦訳短編集が 〈新潮クレスト・ブックス〉 から刊行です。
 ホジスン『幽霊狩人カーナッキの事件簿』は、以前に邦訳がありますが、今回は新訳で、本邦初訳1篇が追加されるそうです。
 国書刊行会 〈未来の文学〉からは、クリストファー・プリーストの短編集『限りなき夏』。「ドリーム・アーキペラゴ」シリーズの短篇が中心だとのこと。SFマガジンなどに訳載されたものを読む限り、正直このシリーズ、あんまり面白いとは思えないんですが。ノンシリーズの短篇に期待しましょう。
この記事に対するコメント
なかなか充実
『地獄 英国中篇怪談集』については同感。この編訳者には未訳の英国ゴーストストーリーをどんどん紹介してほしいという期待は強いですね。
『飛騨の怪談 新編・綺堂怪奇小説選』は東雅夫さん気合入りまくりのUMA小説ということで楽しみにしています。
『幽霊狩人カーナッキの事件簿』は角川ホラー文庫版をもっていますが、買うかどうかは解説次第でしょうか。
【2008/02/23 15:30】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

>迷跡さん
『地獄 英国中篇怪談集』は、好企画だとは思いますが、もうちょっと収録作品を増やしてほしかったな、という感じです。
綺堂の怪談作品は、文庫からもいろいろ出ているので、どれが未読か分からなくなってるんですけど、今回の作品集は未収録を集めたものということで、購入しようと思ってます。
『カーナッキ』に関しては、僕も迷ってるんですよね。でも創元なので解説は充実してそうだし、買ってしまいそうです。
【2008/02/23 19:12】 URL | kazuou #- [ 編集]


「ライノクス」は楽しみしています。
たぶん読んでないはず・・・
この勢いで、創元も昔の絶版をだしてもらいたいと思ってますが。


アンクル・アブナーは説教されているようで面白くなかったですが、同じ作家が、あの悪党(?)弁護士(でしたって)シリーズを書いてたのは、すごく、びっくりしました。1編くらいしかメイスンものは読んでいないのですが、あまり後味はよくないものを読んでしまったので、苦手ですが、当然読みたいと思っています。
【2008/02/24 21:02】 URL | fontanka #- [ 編集]


私も『ライノクス~』と『ランドルフ~』に1票です。
ただ、fontankaさんも書いていらっしゃいますが、
創元はまず自社の絶版を何とかしてほしいですけどね。
もったいないかぎりです。
【2008/02/25 21:46】 URL | sugata #8Y4d93Uo [ 編集]

>fontankaさん
「ライノクス…」は名前は有名ですね。でもフィリップ・マクドナルドって、仕掛けは面白いんだけど、読んでみるとたいていガッカリすることが多いんですよね。短篇だとけっこう面白いのに。

そうそう、「アンクル・アブナー」って説教くさいというか、宗教臭が強いので、よくできた作品だとは思うけど、あんまり楽しめないです。その点、以前読んだ『ランドルフ・メイスン』は面白かったので、楽しみにしています。
【2008/02/25 21:49】 URL | kazuou #- [ 編集]

>sugataさん
たしかに、創元の絶版は手強いものもありますよね。
毎年復刊フェアをやってくれるのはいいんですけど、このごろラインナップが決まっているというか、そんなに手に入りにくくもないものを復刊するのは、ちょっと遠慮してほしいです。
逆に、毎年復刊のラインナップを見て、こんなメジャー作品が絶版だったの?と驚かされることもしばしばですね。
【2008/02/25 23:16】 URL | kazuou #- [ 編集]


復刊は版権(著作権)がからむから難しいものがあるのかもしれませんね。
最近は作家もエージェント(or弁護士)などと契約して版権をまかせているから翻訳するために
契約しようとするとたとえ新人でも”バカ高い”ことになる、と何かで読みました。
あと、古いものほど”禁止用語”があるので苦労するそうです。

綺堂は青蛙書房の選集で「一冊だけどうしても探し出せない本があって・・・」と解説にかかれていた
本があったのでその本の”復刊”でしょうか。渋い表紙を期待したいのですがムリでしょうね。
あと『ランドルフ・メイスン』は楽しみ。上旬に出ることを期待しています。
【2008/02/26 17:31】 URL | shen #SgmGMb7Y [ 編集]

>shenさん
著作権が切れてる古典はともかく、版権問題はなかなか難しいですよね。
欧米のベストセラー作家の翻訳料とか前払金の話を聞くと、頭がクラクラしてしまいます。

shenさんは、青蛙書房版の綺堂選集お読みなんですね。僕は怪談編だけ手に入れました。綺堂の怪奇作品の全集なんか出してくれるといいんですけどね。
【2008/02/26 21:41】 URL | kazuou #- [ 編集]

版権問題・・・
アンソロジーなどは、関係者が多いんで復刊は大変なのかもしれないと思います。
マクロイの「絶版三部作」(と勝手に命名していますが)が復刊されないのは(マクロイの作品自体は翻訳されているので)、もしかして、当時の夫:ブレット・ハリディと一緒につくった出版社の頃の契約だったのか?
などと、勝手に考えたりしてます。
ポケミスの復刊の「アデスタに吹く風」もたしか、やっとエージェントと連絡がとれて無事に出版された云々って記事があったきがします。

でも。shenさんが指摘されている「禁止用語」はまったく思いいたってませんでした。
古い本ばかり読んでいるせいでしょうか。(「当時のまま」云々ではいけないんでしょうかね)
【2008/02/26 22:14】 URL | fontanka #- [ 編集]


> kazuouさん

青蛙房の綺堂選集は第六巻の解説目当てで随分と探しまわりました。
怪談系は原書房から『怪かしの鬼談集 』『 異妖の怪談集』と’99に出ていますが、青蛙房の方が
すっきりまとまっているようで私は好みです。もっとも装丁に魅かれているせいかもしれませんが。

>fontankaさん

”禁止用語”は新たに追加されたりしますから確認も大変なようです。
某国の人は”畸形”を好んで使ったりするので特に気を使うでしょうね。
復刊・重版について、あと”作家本人が嫌がる”というケースもありました。(作風が変わったとか)

マクロイに限らず創元など表紙がない頃の文庫は古本屋さんの市のなかでも、”価値なし”で破棄
されることがあったようです。なんとももったいないことです。
【2008/02/27 02:18】 URL | shen #SgmGMb7Y [ 編集]

>fontankaさん
マクロイの「絶版三部作」は、ぜんぜん復刊の兆しもないですね。マクロイの邦訳がいくつか出たので、もしかして復刊されるかも、と思いましたが。

大正や昭和初期の雑誌なんかで、翻訳者が自分で好きな作品を訳して、持ち込んでいた、という話がありますが、権利づくめの現代に比べると、ずいぶんおおらかな時代だったんだなあ、と思いますね。
【2008/02/27 20:55】 URL | kazuou #- [ 編集]

>shenさん
青蛙房の綺堂選集は、怪談系の巻って、なかなか見かけないんですよね。僕も「異妖編」の下巻がぜんぜん見つからなくて苦労しました。
あと、原書房から出た選集も、けっこういい企画だったとは思います。個人的にはもっと、かちっとした装釘が好みなんですけど。
【2008/02/27 21:00】 URL | kazuou #- [ 編集]

シートンのおばさん
kazuouさん、お久しぶりです。

『地獄 英国中篇怪談集』ですが、あとがきを読むと『シートンのおばさん』は「何度読んでも
さっぱりわからないという怪奇小説好き」のために訳し直したとのことでした。
『怪奇小説傑作集』所収の既訳は、そんなにわかりにくかったでしょうか。

前半で館の主のエキセントリックな雰囲気を描きつつ、語り手の友人であるシートンの死亡
が語られる場面あたりから、ジワリジワリと恐怖が増していきます。
「朦朧法」を用いた作品はこんなものだと言ってしまえば、それまでなのですが・・・。

他の2作品も編者の著作『恐怖の黄金時代』であらすじが紹介されている位ですので、ど
の作品にも思い入れはあるのでしょうけどね。

河出から出版予定の別の訳者によるL.P.ハートレーの選集も、『ポドロ島』『W.S』『動く棺桶』
等の既訳作品が複数かぶるようです。怪奇小説は結末がわかってしまうと妙味が半減する
だけに、もったいない気もします。。。

【2008/03/10 18:02】 URL | newt #- [ 編集]

>newtさん
もう『地獄 英国中篇怪談集』お読みになられましたか。
僕は購入はしたんですが、まだ積読です。

『シートンのおばさん』、既訳がわかりにくい、というよりは、原文自体があんな感じなんだろうな、とは思います。正直、僕もよくわからない作品ではありました。とりあえず、新訳も読んでみようと思います。
そういえば、デ・ラ・メアは、国書からも短編集の刊行が予定されてますね。

ハートレーの選集も楽しみにしてるんですが、やっぱり既訳作品がかぶるのは残念ですね。
【2008/03/10 20:17】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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