ナイトビジョン
 たぶん関東限定だと思うんですが、日本テレビで木曜の深夜に放送されているオムニバスドラマシリーズ『ナイトビジョン』という番組がすごく面白いです。この番組の存在はネット上のあるページで知ったんですが、この前、初めて見てみました。そこで軽く紹介などしてみたいと思います。30分ものドラマの二話同時放送です。

「あいつがここにやってくる」
 患者に完全に同調する能力を持つ精神科医が主人公。彼は患者の妄想を取り出し、自分の中に取り込むことによって治療をしている。体調を悪くした彼は、休養を取ることになるが、休暇先で、妄想にとらわれた少年を治療することになる。
 少年は「あいつがここにやってくる」という言葉を一日中繰り返し続けていた。かって母親が車で男をはねて死なせた際に、同乗していた少年がフロントを突き破った男の顔をまともに見たことから、その妄想は始まったという。精神科医は少年の心からその妄想を取り込む。治療は成功したかに見えたが、突然少年は再び「あいつがくる」と叫び出す。精神科医は窓から庭を覗くが、そこには死んだはずの男が…。
 妄想を信じ込んだために、それが現実化する…という風に見せかけて、さらにたたみかけるようなどんでん返しが待っています。ロバート・ブロック風のサイコ・スリラーです。

「中古車」
 主人公の女性は、富裕な医者の妻。彼女は新車を買いにきた際に、ふとある中古車に気をひかれ購入する。車に乗った彼女は、時折血まみれの女の霊らしきものを見る。妊娠した彼女は、車を返品しにいこうとするが、車の内部に置き去りにされた妊娠検査薬とそれに記された名前を見て、運命的なものを感じ、その名前をもとに調査を始める。
 車の前の持ち主は、妊娠して男に捨てられたために自殺したストリッパーだったことがわかる。その結果主人公は自分にも関係する恐ろしい事実を知るが…。
 因果が報いるというオーソドックスな幽霊話ですが、テンポがいいので飽きさせません。

 「トワイライト・ゾーン」などを彷彿とさせるこの番組、どうやらホラー味が強いシリーズのようです。異色短編が好きな方にはお勧めです。
公式ホームページはこちら。http://www.ntv.co.jp/ushimitsu/nightvisions/

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この記事に対するコメント

「中古車」はヒッチコック劇場の「黄金のセダン」(NO.115 "The Canary Sedan" DVD「ヒッチコック劇場第三集」収録 「新ヒッチコック劇場」でも「死霊の復活」のタイトルでリメイク)に展開が似ていますね。TV Tomeなどでストーリーを見てみると、オチはかなりホラー色が強いみたいですけれど。
スカパーのミステリチャンネルでも放送していたみたいなので、再放送時にはチェックしてみたいと思います。
【2006/02/26 22:07】 URL | げし #ItxbjV56 [ 編集]


ほうじょうです。このあいだも原作の話題が出ましたし、げしさんもコメントされていますが、このシリーズ、どうもリメイクやオマージュの傾向が強いようですね。第4話の「改装」なんて、単なる幽霊屋敷話かと思ってみてましたら、キングの『シャイニング』を彷彿とさせる道具立てでした。今回の「あいつがここにやってくる」もどこかで観たような気が……(そこが往年のSFファン、ホラーファンの郷愁をくすぐるのかも知れませんが)。そうそう、幽霊屋敷といえば、このあいだヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』の新訳を読みました。主人公の内面の真理を追究する作風で、マシスンの『ヘルハウス』と比べてみると、時代的な重みを感じますね。
【2006/02/26 23:24】 URL | ほうじょう #- [ 編集]


「ヒッチコック…」にも似たような話があるんですね。死霊に憑かれた車というテーマは、かなり前例があるんじゃないかと思います。僕も読んだことがあるような気がしますし。今思いつくのは、ちょっと毛色が違うけどヨセフ・ネズヴァドバ「吸血鬼株式会社」ぐらいなんですけど。
この番組、ホラー寄りの『トワイライトゾーン』という感じです。まだ二話しか見ていませんが、かなりひねりの効いたストーリー展開が売りのようです。
【2006/02/26 23:41】 URL | kazuou #- [ 編集]


ほうじょうさん、どうも。この番組の存在を教えていただいて感謝しております。まさに僕好みのシリーズでした。制作者はかなりこの手の小説やら番組やらを意識している節がうかがえますね。
テーマ的には目新しさはあんまりなくて、どこかで聞いたような話なんですが、ほうじょうさんの言われる通り、アレンジがうまいので、かなり楽しめます。
『ねじの回転』は、ずいぶん昔に読んだんですが、難しくて理解できたかどうか。幽霊屋敷ものも、それこそ19世紀の作品だったら、ただ外的な脅威として幽霊が扱われていたと思うんですが、『ねじの回転』以来、登場人物の内面とシンクロする心理小説風になってきてますよね。シャーリィ・ジャクスンの『山荘奇談』とか、マシスンの『地獄の家』もその流れだと思うんですけど。新訳にも挑戦してみますね。
【2006/02/26 23:57】 URL | kazuou #- [ 編集]


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うしみつショー(笑)

いや…『笑』は余計かな…(爆)一ヶ月くらい前に友達(北海道在住)に、『今すごい面白いテレビやってるんさぁ』って夜中の2時だか3時にメールが来て…私は寝てましたが{/z1/}次の日に聞いてみると『ナイトビジョン』という番組で、友達が「物凄い面白かった!!!」って興奮 日々前進☆★【2006/03/24 01:38】

プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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