近況
 ここしばらく、更新もご無沙汰しています。
仕事が忙しかったのですが、来月あたりから落ち着くと思います。そういうわけで、恒例になりますが、最近入手した本の紹介でも。


イリヤ・ワルシャフスキー『夕陽の国ドノマーガ』(大光社)

 ワルシャフスキーという作家、『SFマガジン』のオールドファンなら、ご存じかもしれません。フレドリック・ブラウンや星新一を思わせる、ショート・ショートを得意とした作家です。あまりロシア(当時はソ連)臭がなく、作者名を隠されたら英米の作家だと思うかも。ブラウンや星新一ほどの洗練さはないけれど、今読んでも十分に面白い作家だと思います。


矢野浩三郎監修『アンソロジー 恐怖と幻想』(月刊ペン社)

 全3巻の怪奇小説アンソロジーです。いまとなっては、収録作品は、他の本でも読める物が多いのですが、この本が出た当時(1971年)としては、バランスのとれた編集といい、画期的なアンソロジーだったのではないでしょうか。ブロック、マシスン、コリアなどの異色作家から、ブラックウッド、M・R・ジェイムズなどの古典ホラー、そしておそらく『ミステリマガジン』の収録作品から選んだものだと思うのですが、マイナーながら面白い作品も混じっています。どの作品も、ストーリー重視の読んで面白い作品ばかりなので、怪奇小説ファンでなくても楽しめるようになっています。


スタニスワフ・レム『すばらしきレムの世界1・2』(講談社文庫)

 いわずと知れた、SF界の巨人レムの日本オリジナル短編集。レムのすごいところは、哲学的・難解な作品に混じって、抱腹絶倒のコメディや、エンタテインメント的な作品も書けるところですね。正直レムのシリアス系統の作品は、難しくて歯が立たないのですが、『泰平ヨン』だとかのユーモア編は大好きです。
 国書刊行会から刊行中の〈スタニスワフ・レム コレクション〉も、基本的にはシリアス路線のようなので、ユーモア路線のレムの選集などを出してくれると嬉しいんですが。


鮎川哲也編『戦慄の十三楽章』(講談社文庫)

 音楽をテーマにしたミステリを集めたアンソロジー。音楽といっても、基本的にはクラシックですね。現代だと、音楽といっても、ジャンルが細分化してしまっていて難しいと思いますが、昔の探偵小説での音楽の取り扱い方は、かなりロマンチックで好みです。


●shenさんへ

 情報&メッセージありがとうございます。
〈幻想と怪奇〉は、僕もバラでは何冊か持っていますが、なかなか揃えられずにいます。創刊号とか二号は意外に見かけるんですけど、後半の号が全然見つかりませんね。〈幻想と怪奇〉は、復刊の噂もちらほらあるので、ここで無理して揃えるのもなあ、と躊躇っています。
 どこか初めての場所に行くと、古本屋を探してしまう、というのは同感ですね。思いがけない「発見」を日々期待しています。

テーマ:本とつれづれ - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント
〈幻想と怪奇〉
雑誌〈幻想と怪奇〉復刊(復刻?)のうわさは私も2年ほど前に聞きました。
解説付きなら値段しだいでは買うかもしれません。雑誌は創刊号と最終号の厚さがものすごく
違うのが”受け入れられなかった”という時代を感じさせます。装丁も最終号は同人誌のような
具合になっていますが、逆に”熱い想い”が伝わってきます。

『戦慄の十三楽章』は丘美丈二郎さんの『ワルトシュタインの呪い』がとても印象に残りました。
トリックが「え?!」だったので思わずモノを引っ張り出してチェックしました。全体的に”浪漫”と
いううか雰囲気のいいアンソロジーですよね。

『泰平ヨン』のシリーズは中々見かけないですね、特に『未来学会議』(集英社)
他2冊はもしかしたら再刊・・・という可能性もありそうだけれど、『未来学会議』はどうでしょう?
出来れば出版社をまたがず、一社でシリーズを再販して欲しいです。
【2007/07/18 20:50】 URL | shen #SgmGMb7Y [ 編集]

>shenさん
〈幻想と怪奇〉、後半の号になるにしたがって、どんどん薄くなっていくのが哀しいところですね。でも、内容はかなり濃いところは流石!という感じです。
復刊の可能性はけっこう高そうなので、期待したいです。オリジナルの方は、それはそれで集めておきたいところですが。

『戦慄の十三楽章』は、まだ全部読んでいないのですが、これは好アンソロジーですね。とくに妹尾アキ夫の作品がよいですね。この人の作品、数は少ないようですが、どれも幻想的でロマンチックなところがたまりません。

『泰平ヨン』はすごく面白いので、ぜひシリーズを通して復刊してほしいです。『宇宙創世記ロボットの旅』とか、レムのユーモア系作品集ももっと再評価してもいいと思うんですけどね。
【2007/07/18 22:02】 URL | kazuou #- [ 編集]


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Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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