5月の気になる新刊
5月1日刊 デイヴィッド・マレル『真夜中に捨てられる靴』(ランダムハウス講談社文庫 893円)
5月2日刊 パトリック・マグラア『失われた探険家』(河出書房新社 予価1995円)
5月9日刊 西崎憲編訳『エドガー・アラン・ポー短篇集』(ちくま文庫 予価672円)
5月10日刊 ミステリー文学資料館編『江戸川乱歩と13の宝石』(光文社文庫)
5月10日刊 シャーウッド・キング『上海から来た女』(ハヤカワミステリ 予価1260円)
5月11日刊  北原尚彦・西崎憲編『クルンバーの謎 ドイル傑作集3』(創元推理文庫 予価756円)
5月11日刊 トーマス・オーウェン『青い蛇』(創元推理文庫 予価693円)
5月23日刊 フィリップ・K・ディック『最後から二番目の真実』(創元SF文庫 予価1008円)
5月25日刊 ヘンリー・スレッサー『最期の言葉』〈ダーク・ファンタジー・コレクション〉(論創社 予価2100円)
5月30日刊 ジャック・ウィリアムスン『エデンの黒い牙』(創元推理文庫 予価1113円)
5月刊   キャロル・エムシュウィラー『すべての終わりの始まり』〈短篇小説の快楽〉 (国書刊行会)

 デイヴィッド・マレル『真夜中に捨てられる靴』は、短編集。以前出たマレルの短編集『苦悩のオレンジ、狂気のブルー』が素晴らしい出来だっただけに、期待大です。
 西崎憲編訳『エドガー・アラン・ポー短篇集』は、ポーの新訳短編集。この訳者は文章には定評があるので、気になりますね。
 トーマス・オーウェン『青い蛇』は、『黒い玉』の続編の短編集。
 ヘンリー・スレッサー『最期の言葉』は、〈快盗ルビイ・マーチンスン〉ものを含む短編集。スレッサーは、何冊か邦訳短編集が出ていますが、〈快盗ルビイ・マーチンスン〉ものの翻訳は長いこと途切れていたので、楽しみです。
 キャロル・エムシュウィラー『すべての終わりの始まり』は、たぶん刊行が遅れるような気がしますが、この作家の作品集を出してくれるというだけで感涙もの。

テーマ:新刊・予約 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント
早起きですね
忘れたころに『ドイル傑作集3』ですね。これは2(北極星号の船長他)が面白かったからちょっと期待しちゃいます。創元推理文庫の傑作集といえば、ウェルズSF傑作集の3巻目の刊行を30年以上待ち続けているんですが(笑)
『黒い玉』の続編ということで、『青い蛇』は当然買いと。
キャロル・エムシュウィラーと聞いても"Who?"という感じですが、奇想系?
【2007/04/28 09:39】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

間があきましたね
『ドイル傑作集』は、たぶん2年半ぶりぐらいじゃないでしょうか。すぐ完結するかと思ってたけど、ずいぶん時間がかかりますね。『クルンバーの謎』は、昔の創元の推理小説全集に入っていたものを読んだことがありますが、かなりオーソドックスな怪奇小説で、好みでした。ドイルはやっぱりアタリハズレが少ないです。

「ウェルズSF傑作集の3巻目」なんて、予定があったんでしたっけ?
ちなみに、僕も初ウェルズは、この傑作集でした。たしか、ウェルズは岩波文庫からも2冊ほど短編集が出ましたよね。

キャロル・エムシュウィラーは、いちおうSF系の作家ですね。SFイラストレーターとして有名なエド・エムシュウィラーの夫人ですが、夫ほどは知名度がないかも。1950年代にデビューして、いまだに現役だとか。たぶん現行の本で読めるのは、「浜辺に行った日」(ジュディス・メリル編『SFベスト・オブ・ザ・ベスト』収録)ぐらいでしょうか。
【2007/04/28 09:58】 URL | kazuou #- [ 編集]


西崎さんがポーの作品を手がけられるのには驚きました。
氏の訳文は定評があるのはもちろんですが、『怪奇小説の世紀』では作品ごとの解題もとても味わい深く、読み手を作品世界に誘うには十二分の役割を果たしていたように思います。
個人的には、氏にはロルト、ベンスン、ウェイクフィールドらの未訳の傑作をもっともっと紹介してほしい気がしますが・・・。

まだ先ですが、7月には作品社から傑作『あとになって』のイーディス・ウォートンの怪奇小説集も予定されているようで、久しぶりの女流作家の短編集ですし、ファンとしてはそちらも期待したいところです。
【2007/04/28 10:23】 URL | newt #- [ 編集]

名訳者
『怪奇小説の世紀』をはじめとする怪奇小説アンソロジーのころから、西崎憲の翻訳は素晴らしい出来だと思っていました。のちに翻訳の比重が、普通文学の方面にシフトしていった節がありますが、そういう意味では、今回のポーは怪奇小説方面への回帰というこになるんでしょうか。これを機に、再びゴースト・ストーリーの翻訳を出していただきたいものです。

「イーディス・ウォートンの怪奇小説集」は、驚きですね。以前出た『鼻のある男』もそうでしたが、クラシックな怪奇小説ファンは、少数ながらもちゃんと存在しているんでしょうか。
そういえば、先日手に入れたアンソロジードラマのビデオで、『あとになって』の映像化作品が収められていて、驚きました。もともと派手な展開のない作品ですが、なかなか雰囲気のある作品でした。
【2007/04/28 19:15】 URL | kazuou #- [ 編集]

>kazuouさん
私の投稿も間があいてしまい、ご無沙汰いたしました。。(笑)。。

イーディス・ウォートンの怪奇小説集、驚きでしたか。
タイトルは『幽霊物語の旅』で、収録作品は「カーフォル」「祈りの公爵夫人」「ジョーンズ氏」「小間使いを呼ぶベル」「ザクロの種」「ホルバインにならって」「万霊節」となっています。
この中で「万霊節」については既に邦訳があったように思います。

『怪奇小説傑作集第3巻』所収の「あとになって」を初めて読んだ時、アメリカのホームドラマによくありそうな引っ越し話が、少しずつミステリーじみた展開に変わりはじめて、真実が明らかになるのと同じタイミングでこの上ない恐怖を感じたものです。

話は前後しますが『ドイル傑作集』、これは訳者の顔ぶれからして翔泳社の『ドイル傑作選』の焼き直しの感は否めませんが、もし続巻の予定があるのなら、以前中央公論社からでていた「コナン・ドイル未紹介作品集」所収の作品も新訳で紹介してほしいものですね。
版権等のハードルがあるにせよ、「決勝の一発」等の傑作をこのまま埋もらせてしまうのは、惜しい気がします。。。
【2007/04/28 20:49】 URL | newt #- [ 編集]

思い出しました
キャロル・エムシュウィラーは「浜辺に行った日」の作者でしたか!
核戦争が勃発して人類の滅びの予感の中で浜辺にピクニックに行く切ない話でしたね。忘れ難い短編です。と共に、その後の翻訳小説で”浜辺へのピクニック”なる場面にけっこう出会って、これが欧米の「平和で幸福な生活」の一つの記号であると思いました。
この作者、このような雰囲気の作品が多いのでしょうか。

【2007/04/28 21:40】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

>newtさん
ウォートン、本邦初訳が多いようで、大いに期待できそうです。
先日読んだメイ・シンクレアもそうでしたが、ゴースト・ストーリーは、女流作家のものに良い物が多いですね。個人的に好きなのはシンシア・アスキスとかローズマリー・ティンパリーとかでしょうか。

そうなんですよね、『ドイル傑作集』って、以前の翔泳社版の増補版みたいな形なのが、ちょっと物足りないなあ、という感じです。でも今回の巻には『クルンバーの謎』、続刊の収録作品には 『ラッフルズ・ホーの魔法館』なんかも挙げられているので楽しみにはしています。
ああ、そういえば中央公論社からも、ドイルの短編集が出てましたね。これ僕も持ってないんですよ。復刊を望みたいところです。
【2007/04/28 22:34】 URL | kazuou #- [ 編集]

>迷跡さん
メリルの傑作集は、あまり「SFらしくない」作品を収録したことでも話題になったようですが、その中でもキャロル・エムシュウィラーは、異色の味わいを持った作品でした。
邦訳自体がすごく少ないんですが、短編をいくつか読んだ感じでは、「浜辺に行った日」に近いテイストが持ち味のようですね。
ちなみに、エムシュウィラーほか、マイナーなSF・ファンタジー作家のファンサイト『キットとキャロルとマーガレット』なんてページもあります。ご参考までに。

http://rad.clin.med.tokushima-u.ac.jp/RAD/RAD5/index2.html
【2007/04/28 22:42】 URL | kazuou #- [ 編集]


今日、『怪盗ニックの事件簿』を読んで〈快盗ルビイ・マーチンスン〉ものを懐かしく想っていたところでした。ホックよりスレッサーのほうが一枚上手のような気がします。スレッサーの短編集なんて久しぶりで楽しみです。
【2007/04/28 23:59】 URL | てん一 #- [ 編集]

洗練されてますよね
ホックは、アイディアは超一流なんだけれど、小説自体がちょっとぎこちないことがあるんですよね。その点、スレッサーの方がスマートだと思います。
なかでも、〈快盗ルビイ・マーチンスン〉は、スレッサーの美点がほどよく出た、良質のシリーズだと思います。以前ハヤカワ文庫で復刊されたときに、未収録作品が全く加わっていなかったので残念に思っていただけに、今回の短編集は楽しみです。
【2007/04/29 07:47】 URL | kazuou #- [ 編集]


 遅ればせながら。
 いよいよスレッサーの短編集が発売ですか。表題作はこれ↓
(http://blog.livedoor.jp/geshicchi/archives/27635110.html)
のことだと思うんですが、そうなるとますます「ダークファンタジー」という言葉からはかけ離れていくような……(笑)。
また表題作から推測するとスレッサーが1986年に出した「Murders Most Macabre」(http://www.amazon.com/Murders-Most-Macabre-Henry-Slesar/dp/0380899752)という短編集を底本としているみたいですね(「Murders~」に収録されている作品が全部わからなかったので確証はないですが)
【2007/05/06 22:26】 URL | げし #ItxbjV56 [ 編集]

>げしさん
もともとスレッサーを、「ダークファンタジー」でくくるのは無理がありますよね。完全に編者の趣味というところでしょうか。
「ダークファンタジー」だけに、SFとかファンタジー系統の作品も収録しているんでしょうか。

とりあえず作品集が出るだけでも、よしとしたいところです。
【2007/05/07 20:26】 URL | kazuou #- [ 編集]

キャロル・エムシュウィラー
kazuouさん、こんばんは。
キャロル・エムシュウィラー、読みました~。
というわけで、トラバもさせていただきました。
私はなかなか面白く読んだのですが、男性の意見も聞いてみたいところだなぁ、と思う作風でした。
あと、別の本で<怪盗ルビイ・マーチンスン>のことを知って、気になっているところだったんですが、スレッサーの新刊も出ているのですね!
なんて、5月の新刊情報に今頃コメントごめんなさい。笑
後になって、kazuouさんのブログを読むと、あー!ここにも書いてある!、と思うことが多くって。

さて、ここに書いちゃいますが、メールありがとうございました。
気づくのが遅くなってしまったのですが、先ほど返信させていただきました。
ご確認お願いします(って、メールに気づかないのは私だけ?涙)。
【2007/11/09 20:28】 URL | つな #nfSBC3WQ [ 編集]

じつは
じつは、買ってから積読です。
読むのがもったいなくて、積んでありました。ネットの感想などを見ると、けっこう賛否がわかれているみたいですね。
つなさんの感想を見たら、読みたくなってきました。

スレッサーはどれもハズレがないので、オススメですよ。

メールの件に関しては、お気になさらずに。もう少したったら「たら本」の記事をアップする予定なので、つなさんも、ぜひ御参加ください。
【2007/11/09 20:58】 URL | kazuou #- [ 編集]


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「すべての終わりの始まり」/異種との交わり、異世界との交わり

キャロル・エムシュウィラー, 畔柳 和代「すべての終わりの始まり (短篇小説の快楽) 」ネットで新刊情報を見ていて、この表紙とタイトルに一目ぼれ。例によって図書館から借りてきたわけです。ちなみに、この表紙は南桂子さんという方の「しだの中の鳥」という絵らし 日常&読んだ本log【2007/11/09 20:11】

プロフィール

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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