2月の気になる新刊と1月の新刊補遺
1月25日刊 岸本佐知子『ねにもつタイプ』(筑摩書房 予価1470円)
1月25日刊 『シャーロック・ホームズの栄冠』(論創社)
2月14日刊 ロバート・トゥーイ『物しか書けなかった物書き』《KAWADE MYSTERY》(河出書房新社 予価2520円)
2月16日刊 トマス・ド・クインシー『阿片常用者の告白』(岩波文庫 予価630円)
2月16日刊  J・B・プリーストリー『夜の来訪者』(岩波文庫 予価588円)
2月16日刊 サマセット・モーム『サミング・アップ』(岩波文庫 予価903円)
2月20日刊 牧眞司『世界文学ワンダーランド』(本の雑誌社 予価2100円)
2月25日刊 レイ・ブラッドベリ『瞬きよりも速く』(ハヤカワ文庫NV 予価903円)
2月25日刊 ジェフリー・フォード『ガラスのなかの少女』(ハヤカワミステリ文庫 予価840円)
2月25日刊 ロバート・J・ランディージ編『殺しのグレイテスト・ヒッツ』(ハヤカワミステリ文庫 予価1029円)
2月刊    鹿島茂『悪党が行く 悪党小説を読む』(角川書店 予価1680円)
2月?   『西尾正探偵小説選1』〈論創ミステリ叢書23〉(論創社 予価2650円)

 『ねにもつタイプ』は、岸本佐知子のエッセイ集第二弾。第一エッセイ集『気になる部分』(白水社)が、めちゃくちゃ面白かったので期待大です。この人の書くエッセイは、ただの「随想」というよりは、「小話」とか「ユーモア・スケッチ」に近いもので、ショート・ショートとしても鑑賞に堪えますね。
 『シャーロック・ホームズの栄冠』は、例によって、シャーロック・ホームズもののパスティーシュ・パロディ作品集なのですが、主にクラシック方面からの収録が多いのが特徴のようです。アントニー・バークリー、A・A・ミルン、E・C・ベントリーなど。E・F・ベンスンやロバート・ブロックなどの怪奇作家の名前も見えます。
  『物しか書けなかった物書き』は、ロバート・トゥーイの本邦初の短編集。間違いなく2月の新刊でイチオシです。出る前から言うのもなんですが、傑作間違いなしなので、短編集第二弾も期待したいです。
 2月は岩波文庫が注目作品目白押し!(個人的にですが)『阿片常用者の告白』は、有名な芸術的エッセイ。J・B・プリーストリー『夜の来訪者』は、ミステリとしても評価されることのある、サスペンス戯曲。サマセット・モーム『サミング・アップ』は、自伝的エッセイ『要約すると』の新訳ヴァージョン。
 牧眞司『世界文学ワンダーランド』は、かってSFマガジンで連載されていたものの単行本化のようです。SFや幻想小説に隣接する文学作品を紹介する評論。幻想文学ファンには外せない本でしょう。
 ロバート・J・ランディージ編『殺しのグレイテスト・ヒッツ』は、「殺し屋」をテーマにしたオリジナル・アンソロジー。ちょっと気になりますね。
  鹿島茂『悪党が行く 悪党小説を読む』は、「悪党小説」「ピカレスクロマン」に関しての本のようです。
 『西尾正探偵小説選1』は、戦前の幻の怪奇作家、西尾正の作品集。アンソロジーでいくつか短編を読んだことがありますが、怪奇味濃厚な、いかにも「怪奇小説!」という感じの作風でした。しかも「1」って(笑)、すでにシリーズを出そうとしているところが、論創社らしくていいですね。

テーマ:紹介したい本 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント
佳作ぞろいのよう
まずは『サミング・アップ』。モームは以前、新潮文庫版をすべて読みましたが、再読したい作品ばかりです。新訳はそのきっかけになりますね。
次に『悪党が行く 悪党小説を読む』。鹿島茂のエッセイにはずれなしです。
そして『阿片常用者の告白』。よく言及されるので、見栄で読んでみようかなと(退屈な予感)。
ブラッドベリはハードボイルドですか? 
『物しか書けなかった物書き』の原題をあれこれ推理するのもおもしろいですね。思い切った意訳なんでしょうけれど。
【2007/01/25 08:30】 URL | 迷跡 #- [ 編集]


モームは、ハズレのほとんどない作家で、どれも面白く読めますね(短編しか読んでないんですが(笑)。)
鹿島茂『悪党が行く 悪党小説を読む』は、たぶん著者の専門のフランス文学が中心になるとは思うんですが、楽しみにしています。
ブラッドベリの本は、短編集ですね。以前出たものの文庫化です。はっきり言って気の抜けたような話が多いんですが、ごくたまに佳作がまじってます。
『物しか書けなかった物書き』は、待ちに待った作品集です。トゥーイは、職業作家ではなかったそうですが、たしかにファンがつきにくそうな作風ではあります。
【2007/01/25 20:47】 URL | kazuou #- [ 編集]

ホームズ!
kazuouさん、こんばんはー。
「シャーロック・ホームズの栄冠」、どなたか読まれている方はいないかしら?と検索していたら、kazuouさんのところに辿り着きました。
その後、読まれましたか?
ミルンのは、ちょっと期待外れでしたが(そして、私が名前を分からなかった人たちも、kazuouさんは、ご存じでしたのね)、おおむねホームズへの愛が溢れていて、楽しく読みました。
一番楽しかったのは、ちょっとドタバタしてる、パロディものだったのですが、クラシック方面のパスティーシュというのも、なかなか楽しいものですね。
【2007/07/12 23:25】 URL | つな #nfSBC3WQ [ 編集]

>つなさん
コメント&トラックバックありがとうございます。

この本、買ったのはいいんですが、まだ未読です。
ホームズものアンソロジーは今までたくさん読みましたが、やっぱり玉石混淆なものが多いですよね。ホームズというキャラクターに対するリスペクト自体が優先で、作品自体のレベルが物足りないものが多かったです。
ちなみに、今まで読んだホームズものアンソロジーでは、各務三郎編『ホームズ贋作展覧会』(河出文庫)がいちばん面白かったです。
【2007/07/14 09:08】 URL | kazuou #- [ 編集]


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「シャーロック・ホームズの栄冠」/シャーロック・ホームズはお好き?

A.A.ミルン, 北原 尚彦, A.A. Milne 「シャーロック・ホームズの栄冠 」論創社子供のころ読んだものでいえば、シャーロック・ホームズよりも、ルパンの方が好きだったし、探偵としてもホームズよりもポアロの方が好き。でも、この本を借りてきたのは、「プー」のA 日常&読んだ本log【2007/07/12 23:12】

プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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