12月の気になる新刊と11月の新刊補遺
11月下旬刊  ピーター・ディキンスン『キングとジョーカー』(扶桑社ミステリー 予価880円)
11月刊    柴田元幸編『紙の空から』(晶文社 予価2730円)
12月上旬刊  梅田正彦編訳 ローダ・ブロートン他『鼻のある男 イギリス女流作家怪奇小説選』(鳥影社 予価1680円)
12月上旬刊  マイケル・イネス『証拠は語る』(長崎出版 予価2310円)
12月7日刊  ワイルド『ドリアン・グレイ』 仁木めぐみ訳(光文社 古典新訳文庫)
12月7日刊  宮部みゆき編『贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き』(光文社文庫)
12月中旬刊  R・A・ラファティ『子供たちの午後』(青心社 予価1680円)
12月15日刊 テリイ・サザーン『ブルー・ムーヴィー』(早川書房 予価1995円)
12月15日刊 グレッグ・イーガン『ひとりっ子』(ハヤカワ文庫 予価882円)
12月22日刊 横溝正史『喘ぎ泣く死美人』(角川文庫 予価567円)
12月下旬刊 『横溝正史翻訳コレクション』(扶桑社文庫)
12月刊    ロバート・E・ハワード『魔女誕生』《新訂版コナン全集2》(創元推理文庫)
12月刊    平野嘉彦『ホフマンと乱歩』〈理想の教室〉(みすず書房 予価1575円)
12月刊    マイクル・イネス『アララテのアプルビイ』(河出書房新社)
12月刊?   ウィリアム・トレヴァー『聖母の贈り物』(国書刊行会 予価2400円)
12月予定?  ジェフリー・フォード『メモランダ』(国書刊行会)

12月8日発売 『シーラ号の謎』(DVD)(予価690円)

 12月は、いろいろ面白そうな本が出ますね。
 『キングとジョーカー』は、かってサンリオSF文庫で出たものの復刊。古本では、万単位のとんでもない値段がついていたりする本ですね。面白いかどうかはともかく、気になる怪作のようです。
 『紙の空から』は柴田元幸編のアンソロジー。テーマがどんなものなのかは、わからないのですが、気になっています。
 今回一番注目しているのはこの本、『鼻のある男 イギリス女流作家怪奇小説選』。女流作家の怪奇小説アンソロジーだそうです。この編者の人は、数年前に突然、20世紀初頭のイギリスの作家バーナード・ケイプスの怪奇小説集『床に舞う渦』を出した人ですね。『床に舞う渦』は、マニアックにも程があるという感じの作品集でしたが、作品の面白さもさることながら、編者の怪奇小説に対する愛が感じられるという点で、良質の本でした(装丁のセンスは最悪でしたが)。そういうわけで、このアンソロジーも期待できそう。
 マイケル・イネスはもしかして来月2冊刊行ということになるんでしょうか。『アララテのアプルビイ』の方は購入即決定ですが、『証拠は語る』の方は実物を見てから。あんまり聞いたことのない出版社ですし。
 ラファティ『子供たちの午後』は、〈青心社SF〉の一冊。実はシリーズ中、これ一冊だけ持ってるので、購入するか迷ってます。
 『ひとりっ子』は、グレッグ・イーガン待望の短篇集。河出の〈奇想コレクション〉にも予定があがっていましたが、中身はかぶらないんでしょうか。
 横溝正史『喘ぎ泣く死美人』は、単行本未収録の短篇を集めたもの。これはともかく気になるのは、扶桑社から刊行予定の『横溝正史翻訳コレクション』。たぶん〈新青年〉などに翻訳した横溝正史初期の翻訳を収めたものでしょうが、マイナーなスリラーなどが収録されそうなので、期待しています。
 タイトルで、かなり気になっているのが『ホフマンと乱歩』。ホフマンと乱歩、どちらも好きな作家なのですが、どうやら二人の作家の共通するテーマを語った本みたいです。
 ウィリアム・トレヴァー『聖母の贈り物』は、期待の新シリーズ〈短篇小説の快楽〉第一弾。
 ジェフリー・フォード『メモランダ』は、あの傑作『白い果実』の続編。たぶん刊行が遅れると思いますが、一応。
 あと、これはDVDなのですが、『シーラ号の謎』が出ます。ミステリ映画の隠れた傑作!という評判を聞いているので、ぜひ見てみたかった作品なのです。値段も非常にリーズナブルなので、買いですね。
 

テーマ:**本の紹介** - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

サンリオのディキンスン本は『緑色遺伝子』と『キングとジョーカー』が面白かったですね。
『キングとジョーカー』は”謎解きのなぞ解きの謎とき”と言葉遊びのような感覚のミステリィ(?)です。
ディキンスンのミステリィのなかでも「一押し!」という人もいるくらいのお薦め作品。復刊は嬉しいですよね。

G.イーガンの『ひとりっ子』はうち2作が本邦初翻訳。(「ふたりの距離」「オラクル」)
今回の短編集はハードSFが中心のようなので、どちらも日本編纂の短編集とはいえ河出とは微妙に
セレクトが違うことになりそうです。

【2006/11/18 11:12】 URL | shen #- [ 編集]

ディキンスン
『キングとジョーカー』は、ディキンスン作品の中では一押しなんですか。それは楽しみです。とはいえ、考えたら、ディキンスンは読んだことないんですよね。本が全然見つからないし、唯一買った『エヴァが目ざめるとき』は積読中…。『キングとジョーカー』がディキンスン初読になりそうな感じです。
それにしても以前の『パヴァーヌ』といい、扶桑社は突然渋い本を復刊してくれますね。
イーガンはハードSF中心ですか。うーん、ちょっとつらいかもしれません。とりあえず、情報ありがとうございます。
【2006/11/18 11:47】 URL | kazuou #- [ 編集]

12月もなかなか
おや、ハードSF中心なるイーガン情報にひいていますね(笑)
イーガンを”短編作家”としてのみ注目しているのはkazuouさんの面目躍如というところでしょうか。『幸せの理由』(ずいぶん評価が高いようですね)を積読中なので、これを読んでから『ひとりっ子』にも手を出してみましょう。
『鼻のある男 イギリス女流作家怪奇小説選』はタイトルだけで惹かれますが、編訳者がよくわからない。ご紹介のような方であれば、安心して読めそうです。
あとは『贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き』でしょうか。ホラー・ジャパネスクのアンソロジィは大好きですし、絶好調の光文社文庫ときては。
【2006/11/18 21:07】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

期待できそうですよ
イーガンのハードSFはきついですからね(笑)。とりあえず、一般人にもついていけるような作品であることを祈ってます。
『しあわせの理由』も面白いですよ。個人的には『祈りの海』の方が好きですが(ハード風味が少ないので)。
『鼻のある男 イギリス女流作家怪奇小説選』は、たぶん大丈夫だと思います。この編者の人、大の怪奇小説好きで、以前に出版された『床に舞う渦』も自分で持ち込んだ企画だとか。創元の『淑やかな悪夢』とテーマがかぶりますが、この人相当マニアックなので、たぶん内容はかぶらないと思います。ちなみにケイプスの『床に舞う渦』も面白い怪奇小説集ですよ。伝統的な怪談とSFとの過渡期にある作家、という位置づけにある人のようで、ちょっと変わった味の作品集でした。
あと、残念ですが、『贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き』は、これたぶん全部欧米系の作家だと思います。
【2006/11/18 23:31】 URL | kazuou #- [ 編集]


kazuou様、
イーガンの短編集、ひかせてしまってすみません。
全部がハードではなく、「真実」「ふたりの距離」はアイデンティティものだそうです。イーガンの本は翻訳者の
”愛”を感じてしまいますね。確かに現役SF作家の最高峰の一人だと思います。
どれもハズレがないですし。

DVDではなのですが、クリストファー・プリーストの『奇術師』の映画が各国で上映中。
日本では来年の公開だそうです。元々ジャンルわけの難しい作品ですが映画の分類は”クライム&サスペンス”。
ミステリィ色の強い感じになっていそうですね。ラストがどうなっているか注目です。
【2006/11/19 12:54】 URL | shen #SgmGMb7Y [ 編集]

とうとう公開ですか
いえいえ、大丈夫です。わざわざありがとうございます。
イーガンの作品はたしかにハズレがないですね(短編だけしか読んでないのですが)。ハードSF風の衣がときにひっかかることがあるけれど、一貫して「アイデンティティー」の問題を扱っているところに魅力を感じます。最初に読んだのは、たしか『貸金庫』だったでしょうか。これには、ものすごい衝撃を受けました。アイディアの斬新さだけでなく、その問題意識のあり方にも感銘を受けましたね。以来、イーガンの短篇は追いかけるようにしています(やっぱり長編は苦手です(笑))。

おお! とうとう『奇術師』の映画が完成ですか。たしかクリストファー・ノーランが監督といっていたものですね。原作の素晴らしさを、どこまで再現できているか楽しみです。
【2006/11/19 14:23】 URL | kazuou #- [ 編集]


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Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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