うさぎの怪  アンディ・ライリー『自殺うさぎの本』
4899980612自殺うさぎの本
アンディ ライリー Andy Riley
青山出版社 2005-12

by G-Tools

 たまには目先を変えて、ヴィジュアル系の本を取り上げたいと思います。一番のおすすめは間違いなくこれです! アンディ・ライリー『自殺うさぎの本』(青山出版社)。タイトル通り、自殺するうさぎを描いた、ブラックユーモアあふれる一コママンガ集です。
 何で自殺しちゃうの? とか、何でうさぎなの? という疑問は湧くのですが、それはそれとして、このうさぎたちの自殺の手段がことごとく、まわりくどいのが特徴です。虫眼鏡で焼け死のうとしたり、時計の針で首つりをしたりします。それらがすべて時間がかかったり、効率が悪すぎる方法なのが、ユーモアを醸し出します。
 イラストの描線は単純で、うさぎの顔の表情も一向に変わらないのですが、それがまた妙なおかしさを増しています。
 考えオチというものも多く、ノアの方舟に乗り込まない、とか磁石店と刃物店の間に立つ、などにいたっては抱腹絶倒です。とにかく一度見てもらえば、その面白さがわかると思います。画像をいくつかアップしてみたので、ご覧ください。
 イギリスでベストセラーになったそうなのですが、それを考えるとイギリス人のユーモア感覚というのもすごいですね。平然とした顔をしてギャグをかます、といった趣の作品です。けっこうブラックな味わいなので、人によっては眉をひそめるかも。うさぎ好きの人にはすすめられません。

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テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

『自殺うさぎの本』注文してしまいました。
罪作りなkazuouさん、おはようございます。
先日はご来園ありがとうございました。
四十年以上前の星新一の『進化した猿たち』、あるいは植草甚一の『ぼくの好きな外国の漫画家たち』を思い出しました。
【2006/02/18 09:49】 URL | みて太 #- [ 編集]


みて太さん、こんにちは。
確かに星新一や植草甚一が生きてたら、喜んだでしょうね。やっぱりイギリス人のユーモア感覚はすばらしい! と感心しました。
【2006/02/18 11:08】 URL | kazuou #- [ 編集]

>あひるさん
>あひるさん
トラックバックありがとうございます。あひるさんのページにコメントしようとしたのですが、エラーが出てしまい、書き込めなかったのでこちらに書きます。
この本、本当にブラックですよね。しかも考えオチが多いので、子どもにはちょっと難しいかも。
本国では続編も出てるらしいので、邦訳版も期待しています。
【2006/04/20 09:48】 URL | kazuou #- [ 編集]

こんばんは
考えオチが多いブラックユーモア的作品は好きなので
是非見てみたいです♪
一コママンガというのも見やすくていいですね~。
kazuouさんのおかげで、私の見たい本リストの数が
どんどん増えていってます(笑。

早速ですが、私もkazuouさんのブログをリンクさせていただいても
よろしいでしょうか(と言いつつもうリンクしてしまいましたが・・・)。

【2006/04/28 21:38】 URL | TKAT #- [ 編集]

>TKATさん
どうぞどうぞ、リンク大歓迎です。
『自殺うさぎ』は一押しの作品です。こういう知的な一コママンガを書かせると、イギリス人というのはすごい才能を発揮しますねえ。
この本の考えオチはすごいですよ。瞬間移動装置に体を半分だけ入れる、とか遠回しなユーモアが最高です。
【2006/04/28 23:28】 URL | kazuou #- [ 編集]

見ました♪
さっそく購入して見ました。
本当にブラックユーモアがきいてて面白かったです♪
パートⅡもあるとのことなので、これも早く見たいもんです。

P.S この記事へのリンクとトラックバックさせてもらいました。
【2006/05/14 10:45】 URL | TKAT #- [ 編集]


考えたら、けっこう残酷なネタもあるのですが、表現が非常に洗練されているので、気にならないですよね。早く続編を出して欲しいものです(出るかどうかはわかりませんが)。
【2006/05/14 10:53】 URL | kazuou #- [ 編集]

有害図書ウォッチャー
私も'みて太'さんと同じくかつて楽しんだ『進化した猿たち』を連想したくちです。
ところで、先日S県の青少年健全育成条例の改正文をみてのけぞってしまいました。
有害図書に「自殺を助長するもの」を追加しているのです。早速S県の自殺率を調べてみたところ全国3位。なんとかしなければという行政の気持ちなんでしょうね。
かつて問題となった自殺マニュアル本なんかを想定しているのでしょうが、いわゆる純文学や哲学書の多くが指定されてもおかしくない。『自殺うさぎの本』もあぶない?
問題解決の方法があまりにも安易かつ危険な方に向かっているような気がしてなりません。
【2006/05/14 16:39】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

たしかに
タイトルから考えてまっさきに槍玉に挙げられそうな本ではあります。
そもそも、ゲーテの『ウェルテル』の昔から、文学自体が自殺の原因になりうるといってもいいぐらいですしね。
『自殺うさぎ』は、たしかに不謹慎なテーマは否定できませんが「自殺を助長するもの」とはいえないでしょう。有害図書に関しては、本当に読んでから決めてるの?という例がやたらと多いので、もはや人々もあんまり信用していないんじゃないでしょうか。
人間が見たくないもの、暗黒面をソフィスティケートして描き出す「ブラック・ユーモア」という表現技法の存在価値が脅かされているように思えてなりませんね。
【2006/05/14 18:07】 URL | kazuou #- [ 編集]


TKATさんのところでも紹介されてましたし、この本もおもしろそう!
虫メガネで焼け死のうとしてる絵など最高です。白ウサギなのが、回りくどさ倍増ですね。私ならとりあえず黒ウサギになってからやります。実はあまり自殺する気がないとか?
【2006/05/15 22:14】 URL | 加納ソルト #- [ 編集]


いやいや、自殺する気まんまんですよ。
記事で紹介してるイラストは、あんまり残酷じゃないのから選んでるんですが、実際には、うさぎがバラバラになってたりして、けっこう残酷なネタもあります。一冊読み終わったときには、ある種、充実感さえ覚えますよ。
ブラックなユーモアに抵抗がなければ、かなりオススメです。
【2006/05/15 22:34】 URL | kazuou #- [ 編集]


初TBさせていただきました。
続いて、「またまた自殺うさぎの本」を読みたいと思います!
「また自殺うさぎの本」はないですよね?
【2007/01/12 20:08】 URL | 加納ソルト #- [ 編集]

>加納ソルトさん
初TBでしたか。ありがとうございます(笑)。

いえいえ、「また自殺うさぎの本」はないです。二作目のタイトルは『またまた自殺うさぎの本』なので勘違いしちゃいますよね。もし三作目が出たらどうするつもりなんでしょうか。
いやあ、これこんなに人気が出るとは思いませんでした。二作目も訳されるなら、わざわざ原書を買わなかったのになあ。
【2007/01/12 22:04】 URL | kazuou #- [ 編集]


私は動物好きなので、この本と続編は、恐怖とユーモア半々の気持ちで読んでました。
特に好きなのは「またまた自殺うさぎの本」の、殺し屋に狙われている一人暮らしのお嬢さんの家に忍び込んで(殺し屋が簡単に入り込めたり、お嬢さんが帰ってきた時に「誰かいるの?」と言っているところからして合鍵使って入ったんでしょうか)、
その女の子だということを示して殺し屋に自分を撃たせるシーンです(もちろんずっと後になって帰ってきたお嬢さんは訳が分からずびっくり)。
何も知らずに引き揚げて行く殺し屋に「オマヌケ」という言葉が浮かんできてしまいました(^ω^)。
【2007/05/15 03:11】 URL | ミハイル #- [ 編集]

>ミハイルさん
ミハイルさん、はじめまして。

そうですね。ちょっと残酷なシーンもあるので、動物好きの方にはきついところもあるかもしれません。でも絵柄がわりとかわいいこともあって、からっとしたブラックユーモアを出すことに成功している作品だと思います。
「殺し屋に殺させる」という作品もなかなかでした。これに限らず、他の作品でも、読者に一瞬考えさせてから笑わせる…というところがあって、その辺も押し付けがましいところのない要因になっているんでしょうか。
【2007/05/15 07:13】 URL | kazuou #- [ 編集]

はじめまして。
極度のうさぎ好きですが、この本面白いと思います。

動物好きで、実際にうさぎを飼っている作家の末永直海さんが、
うさぎ専門誌「うさぎと暮らす」に連載しているエッセイでこの本を紹介してましたよ。
眉をひそめるどころか、「作者はうさぎのことをよく解ってる」と絶賛しておりました。
彼女の飼っているうさぎの「ぶうちゃん」も、木製の踏み台の下にもぐり脚の部分を齧って、いつか踏み台が壊れr踏み潰されるのを待っているような行動をとるそうです。

上海で、青少年の自殺を促し実行方法を示唆するとして販売自粛されてしまうようです。
「子供がまねしたら困る」って、、どうやって真似すりゃいいんでしょう…w
【2008/09/23 14:39】 URL | gyuwave #- [ 編集]

>gyuwaveさん
gyuwaveさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

「作者はうさぎのことをよく解ってる」というのは、なるほどと思いました。
「子供がまねしたら困る」というのも笑えますね。実際に「自殺を示唆する」というより、ほとんど実行不可能なファンタジーに近い作品なので、うさぎ好きの方にも楽しめるのだと思います。正直、主人公が「うさぎ」である必然性もとくにないような気がしますし。
【2008/09/23 18:47】 URL | kazuou #- [ 編集]


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自殺うさぎの本/アンディ・ライリー/青山出版社

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Author:kazuou
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怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
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