最近買った本
 積読本はたまっていく一方なのですが、相変わらず、新本・古本問わず買っています。その中から、最近手に入れた本をいくつかご紹介。

マーク・Z・ダニエレブスキー『紙葉の家』(ソニー・マガジンズ)

 以前から懸案だった本ですが、とうとう手に入れました。さすがに重い。5000円近くするだけあって、装丁・造本・組版どれも凝っていますね。眺めているだけで愉しくなってくる本です。


ロバート・シルヴァーバーグ『我ら死者とともに生まれる』(早川書房)

 短篇集。シルヴァーバーグの長編に関してはどうも波長が合わないものが多かったのですが、短篇に関してはどれも面白かったので。


岩田託子・川端有子『英国レディになる方法』(河出書房新社)

 19世紀イギリスにおける女性が「レディ」になるまでの、生活や文化についての本。小道具やファッションなど、図版が多く、ビジュアル要素の強い本。


樺山紘一『肖像画は歴史を語る』(新潮社)

 いくつかの絵をとりあげ、それに関連した画家やモデル、時代や文化について触れるエッセイ集。著者が美術専門でないだけに、視点がなかなか面白そうですね。


鈴木一誌『ページと力』(青土社)

 グラフィック・デザイナーである著者が、本作りやデザインについて語った評論。文字についてのこだわりが半端でないようです。


アントニー・ギルバート『つきまとう死』(論創社)

 『薪小屋の秘密』が面白かったので購入。


小鷹信光編『ブロードウェイの探偵犬』(大和書房)
小鷹信光編『ラヴレターにご用心』(大和書房)

 20年近く前に出版された、小鷹信光編纂のテーマ別アンソロジーシリーズの2冊。全5巻のうち、3冊は河出文庫で再刊されていますが、この2冊は文庫化されていない貴重な作品集。『ブロードウェイの探偵犬』は、「犬ミステリ」、『ラヴレターにご用心』は「手紙ミステリ」をテーマにしています。


ティム・クラベー『洞窟』(アーティストハウス)

 衝撃的な作品『失踪』を書いた、オランダの作家クラベー(クラベ)のサスペンス小説。ちなみに、カバーの作者紹介によると、人口の少ないオランダでは5~20万部でベストセラーなんだとか。


白尾元理『月のきほん』(誠文堂新光社)

 新刊書店で気になって、思わず購入してしまった本。「月」に関するいろいろなデータや情報をわかりやすく解説したもの。「きほん」というだけあって、科学的な部分に関しても、かなりわかりやすく書かれているようです。


道尾秀介『背の眼』(幻冬舎)
道尾秀介『向日葵の咲かない夏』(新潮社)
道尾秀介『シャドウ』(東京創元社)

 この三冊に関しては既に読んだのですが、この作家なかなかの曲者ですね。『背の眼』は水準作でしたが、『向日葵の咲かない夏』には驚かされました。自殺した友人の死の謎を追う少年の物語、というと、みずみずしい物語を想像しがちですが、案に相違して、ひたすら暗く陰鬱な話。なのですが、読みやすさは抜群で、ミステリとしての結構も秀逸。「歪んだ」作品がお好きな人にはオススメです。『シャドウ』『向日葵…』ほどではないにせよ、かなり面白い作品。ロバート・ブロック風のサイコ・ミステリです。

テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント
積読自慢
小鷹信光さんつながりで少しだけ自慢コメントさせていただきます(笑)。アメリカ探偵作家協会編(主な編集者はプロンジーニとゴアズ!)の『現代アメリカ推理小説傑作選』(ただし、約三十年前に出版されていますが)立風書房、を積んでおります(苦)。主な収録作家は、ジョン・D・マクドナルド、ハーラン・エリスン、エドワード・D・ホッグ、D・E・ウェストレイク、スタンリー・エリン、スレッサー、バウチャー、クイーンなどなど豪華です。kazuouさんが既読だったらショック…。
【2006/11/08 22:34】 URL | てん一 #- [ 編集]


シルヴァーバーグは初期の頃の長編はわりとバラつきがありますね。
『時の仮面』はいい作品だと思います。後期だと「ヴァレンタイン」シリーズはSF水戸黄門みたいで
ちょっと笑えました。

> てん様
『現代アメリカ推理小説傑作選』は2巻(E・D・ホック篇)が私は気に入っています。
このシーリーズ(?)は1巻が年代では一番新しくて2巻の方が古いんですよね、確か。
【2006/11/09 01:42】 URL | shen #SgmGMb7Y [ 編集]

>てん一さん
『現代アメリカ推理小説傑作選』って、全三巻のものですよね?
申し訳ないんですが、実は既読(笑)。
でも、どれも面白いものばかりの傑作アンソロジーでしたよ。数あるミステリ・アンソロジーの中でも、かなりのレベルだと思います。とくに一巻と三巻。
一巻の最後に収められているジャック・リッチーの『デヴロー家の化け物』が、めちゃくちゃ面白かったです。傑作揃いのリッチー作品の中でも、ひときわ気のきいている作品。近年出たリッチーの短篇集『クライム・マシン』にも収録されていたので、再読してみましたが、やっぱり面白かったですね。
【2006/11/09 06:57】 URL | kazuou #- [ 編集]

>shenさん
シルヴァーバーグは、「傑作」と言われている作品も、どうも肌が合わなかったんですよね。『夜の翼』なんかも、あんまり入り込めなかったり。シルヴァーバーグって、ときどき、とんでもなく粗雑だったり通俗的だったりするところがどうも。だけど、アンソロジーや雑誌で読んだ短篇は、面白いものが多かったです。

『現代アメリカ推理小説傑作選』の二巻は、歴史ミステリを集めたものでしたよね。ヘレン・マクロイとかミリアム・アレン・ディフォードといった、小説巧者の作家の作品が気に入ってます。ちなみに、このミリアム・アレン・ディフォードって、大好きな作家なんですよね。短編しか読んだことないんですが、どれもすごくレベルが高くて、「短篇の名手」と言える人だと思います。
【2006/11/09 07:06】 URL | kazuou #- [ 編集]


kazuou様、shen様、
わたくし、しばらく滝に打たれて修行し直して参ります。ちょっと、お二人にはかないません。
【2006/11/09 22:31】 URL | てん一 #- [ 編集]


いえいえ、これにめげずに(笑)。
【2006/11/10 07:19】 URL | kazuou #- [ 編集]


「ラヴレターにご用心」は収録作にスレッサーや「ヒッチコック劇場」で放送された作品の原作が多数掲載されていたのでずっと探していたのですが、最近図書館で発見して読んだばかりです。メジャー/マイナー玉石混合といった感じでしたが、表題作やローレンス・ブロックの作品が面白かったです。「現代アメリカ推理小説傑作選」は以前にやはり図書館で借りて読んだのですが……やべえ、ほとんど覚えていない(笑)。
それはそうと、kazuouさんの本棚や書庫を一度見てみたいと思っているのは、私だけではないと思うのですが(笑)。
【2006/11/11 08:15】 URL | げし #ItxbjV56 [ 編集]

>げしさん
『ブロードウェイの探偵犬』の方は、大したものでもない感じでしたが、『ラヴレターにご用心』は、かなり面白かったですね。「手紙」とか「書簡体」とかを使うと、ちょっと技巧的なことができたりするせいもあるんでしょうか。「ヒッチコック劇場」の原作も入っていたんですね。
このアンソロジーシリーズは、かって小鷹信光が『ミステリマガジン』に連載していたテーマ別短篇エッセイ『新・パパイラスの舟』の実践編、といった趣なんでしょうが、5冊で止まってしまったのが非常に残念ですね。実際に刊行された5冊のテーマも、わりと普通のものなのも、一般読者に考慮したせいなんでしょうか。『新・パパイラスの舟』でとりあげられたテーマはもっと面白そうなのがいっぱいあったんですけどね。「旅人ファンタジー」とか「墓場読本」「ドリーム・ファンタジー」とか(ミステリのジャンルに限らないところがいいですね)。
『現代アメリカ推理小説傑作選』は傑作揃いのシリーズだと思いますよ。娯楽に徹した作品が並ぶのが嬉しいところです。

いやあ、本棚の整理とかしていないので、部屋の中は乱雑ですよ(笑)。そのうち本棚の画像でも紹介してみたいと思っています。
【2006/11/11 08:37】 URL | kazuou #- [ 編集]


笑「紙葉の家」は凄いですよね… 通勤電車車内でも読みましたが、本の上下を逆さまにしたり、逆戻りに読んだり、さすがに鏡は使いませんでしたが、それでも相当変な人でした。
【2006/11/11 09:13】 URL | ハスヨス #/hWQoaK6 [ 編集]

紙葉の家
ハスヨスさんは、あの本を電車内で読んだんですか! さすがにあの重さで持ち歩きはきついですね。
僕は、まだ読んではいないんですが、パラパラとめくるだけで、もうすごさがわかりますね。原稿の校正とか、造本とか、制作側も非常に大変だったろうと思います。
しばらく懸案の本だったので、とりあえず買っただけで安心してしまいました。正月あたりに、集中して読みたいところです。
【2006/11/11 10:16】 URL | kazuou #- [ 編集]

こんにちは
こんにちは。遊びにきましたー。
kazuouさんはすごい読書量、知識量ですね。
「薪小屋の秘密」、面白いですか。じつは積読中です。
読んでない本はごんごん増えていってしまいますね。
人生は短く、本は多し、です。
【2006/11/14 13:38】 URL | タナカ #- [ 編集]

>タナカさん
タナカさん、こちらでは、はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
そうそう「買った本」ばかりで「読んだ本」とはいえないのが、つらいところです。
『薪小屋の秘密』は面白かったですよ。僕はトリックとか推理とか、全然気にしない不純なミステリ読者なのですが、『薪小屋の秘密』はその点、単純にストーリーだけでも楽しめる作品でした。なんか、アガサ・クリスティーっぽい感じの作品でしたね。
【2006/11/14 16:14】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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