11月の気になる新刊と10月の新刊補遺
10月25日刊 ジョン・ブラックバーン『闇に葬れ』(論創社 予価2100円)
10月25日刊 アントニー・バウチャー『タイムマシンの殺人』(論創社 予価2100円)
10月30日刊 ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』(新潮文庫 予価940円)
10月下旬刊 『書物の宇宙誌 澁澤龍彦蔵書目録』(国書刊行会 予価9975円)
11月9日刊  瀬名秀明編『贈る物語 Wonder すこしふしぎが大好きなあなたへ』(光文社文庫)
11月16日刊 テオフィル・ゴーチエ『モーパン嬢(下)』(岩波文庫)
11月22日刊 ドゥニ・ディドロ 『ダランベールの夢 他4篇』〈復刊〉(岩波文庫 予価630円)
11月25日刊 小鷹信光『私のハードボイルド』(早川書房 予価2835円)
11月25日刊 早川書房編集部編『ミステリの名書き出し100選』(早川書房 予価1260円)
11月25日刊 ジェラルド・カーシュ『壜の中の手記』(角川文庫)
11月刊    シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア(上・下)』 《光文社 古典新訳文庫》小尾芙佐訳
11月刊    ゴーゴリ『鼻/外套/査察官』《光文社 古典新訳文庫》 浦雅春訳
11月中旬   ロバート・F・ヤング『ピーナツバター作戦』(青心社 予価1680円)
11月予定   P・G・ウッドハウス『サンキュー、ジーヴス』(国書刊行会 予価2310円)

 『闇に葬れ』は、『小人たちが怖いので』などで知られる英国のスリラー作家ジョン・ブラックバーンの作品。もう何十年も邦訳がとぎれていましたが、久々の邦訳。怪奇小説風味が濃厚で、今でいうとディーン・R・クーンツを少し端正にしたような作風が持ち味です。この本もたぶんその系統の作品だと思いますが…。
 『タイムマシンの殺人』は、アントニー・バウチャー初の邦訳短編集。評論が有名なバウチャーですが、雑誌に訳載された短編を見る限り「奇妙な味」の要素が強いので楽しみです。
 『書物の宇宙誌 澁澤龍彦蔵書目録』は、澁澤龍彦の蔵書目録と部屋の図版を収めるという大冊。値段もそれなりなのですが、気になるところ。
 『贈る物語 Wonder すこしふしぎが大好きなあなたへ』は、前回のミステリ編に引き続き、SF編のアンソロジー。手堅いエレクションのようです。
 小鷹信光『私のハードボイルド』は、著者のハードボイルド関連のエッセイ集。ハードボイルドにあまり興味はないのですが、過去に出た評論集には、ミステリ短編に関する文章なども収録されていたので、これは中身を確認してからですね。
 『ミステリの名書き出し100選』は、タイトル通り、ミステリの名書き出しを集めたもののようです。ただそれだけでは、たぶん退屈になってしまうので、解説などをつけると思いますが、そのあたりをどのように処理しているか、気になりますね。
 11月の《光文社 古典新訳文庫》で気になるのは、この二冊。『ジェイン・エア (上・下)』 は、訳者を考えると、かなりエンタテインメントとしての要素が強い訳だと思われます。もともと娯楽要素の強い作品なので、かなり読みやすくなっているのではないかと。『鼻/外套/査察官』は、宣伝文句では「滑稽味」を強く出しているそうです。ユーモア小説的な味の濃い翻訳なんでしょうか。
 『ピーナツバター作戦』は、SFファン垂涎のカルトシリーズ〈青心社SF〉の復刊。このシリーズ、1980年代の前半に出された短篇集中心のシリーズですが、現在では、古本屋でもめったに見かけません。デーモン・ナイト、ヘンリー・カットナー、R・A・ラファティなど、マニアックなSF短篇集が多く含まれています。とりあえず、ヤングの次は、ラファティの短篇集の復刊が予定されているようです。残りのシリーズも復刊するのかは、まだ不明のようですね。
 
 

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この記事に対するコメント
ディドロなど
ディドロはあらゆる小説の手法(ジョイスもプルーストも!)を試みているという文を最近目にしたので、 『ダランベールの夢 他4篇』は読んでみたいですね。
『書物の宇宙誌 澁澤龍彦蔵書目録』はたぶん澁澤ファンの妻が買うでしょう。
『鼻/外套/査察官』は未読なので、これを機会に読んでみようかな。古典新訳、そんな気にさせるものがけっこうあります。


【2006/10/21 20:14】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

ディドロ
『ダランベールの夢』は、荒俣宏の本で紹介されていたので、ちょっと気になっています。「怪物」をめぐる空想的議論、といった感じの本のようですが、広義の幻想文学として読めそうですね。ディドロは『盲人書簡』とか『ブーガンヴィル航海記補遺』などを読んだことがあるのですが、けっこう面白く読めましたよ。
ヴォルテールなんかもそうですが、この時代(18世紀)の作家が書いた作品って、思いの外、わかりやすく書かれてますね。というか、19世紀以降の作家が難しく書きすぎ!というのもあるとは思いますが。
『書物の宇宙誌 澁澤龍彦蔵書目録』は欲しいんですが、値段がちょっと…。そんなに熱狂的な澁澤ファンでもないしなあ。
『鼻/外套/査察官』は、楽しみにしています。ゴーゴリって実のところ「ユーモア作家」だと思ってるのですが、いままでの翻訳はいかにも「文豪風」になっているのが多かったので、今回の訳には期待しています。
【2006/10/21 22:15】 URL | kazuou #- [ 編集]


ゴーゴリ『査察官』が読めるのですね。楽しみです。
>ユーモア作家
だと思います。確かに。特に『鼻』は読んでいる時何度も笑いました。
『死せる魂』を積読しているので、それを読んで『査察官』が出るのを待ちます。
他に気になったのは、ゴーティエの『モーパン嬢』下巻とカーシュの『壜の中の手記』ですね。

【2006/10/21 22:45】 URL | イーゲル #- [ 編集]

ゴーゴリは
ゴーゴリは、やっぱり「ユーモア作家」ですよね。『鼻』なんかユーモア小説以外の何物でもないと思います。小学校、いや中学校だったかな、の教科書に『鼻』がのっていたことがあって、よくこんなふざけた話をのせられるもんだ、とか思ったものです。
『ヴィイ』なんかも、ものすごくグロテスクだけど笑えるシーンがあって、ゴーゴリの本領はこういうところにあるのかも、と感じました。どこかホフマンなんかと共通する資質を感じますね。
ゴーティエ『モーパン嬢』は、今日入手しました。パラっとめくっただけですが、序文が長い! 解説を見ると、なんか内容と関係ないことばっかり書いてあるみたいですね。
カーシュの『壜の中の手記』はオススメです。ものすごい奇想の人なので、初読だと驚くと思いますよ。
【2006/10/21 23:24】 URL | kazuou #- [ 編集]


 「ピーナツバター作戦」!
 なんと,これが復刊とは,kazuouさんもいわれるように,ほんまかいなという感じです。
 最近,SF系の短編集が続々と刊行され,まことに結構なことであります。
 青心社シリーズの中でも興味あるのは,デーモン・ナイトの「ディオ」。
 全く売れなかったという評判の一冊ですが,ナイトを好きな私としては,ぜひとも復刊してくれることを願っております。
【2006/10/22 22:04】 URL | おおぎょるたこ #- [ 編集]

ちゃんと出してほしいですね
そろそろSF・異色系の短篇集ラッシュも終わりかな、というところでの、〈青心社SF〉の復刊は、嬉しいニュースです。
問題は、シリーズ全部復刊してくれるのか、ということろですね。エドモンド・ハミルトンは、新刊でいくつか短篇集が出たので、そんなでもないですが、カットナーとデーモン・ナイトはぜひ出してほしいものです。デーモン・ナイトは、SFマガジンやアンソロジーでいくつか短篇を読んだだけですが、どれも面白かった覚えがありますね。
【2006/10/23 06:57】 URL | kazuou #- [ 編集]

やはり気なる新刊は・・・
私が一番気になるのはやっぱり『サンキュー、ジーヴス』ですね。刊行日も12月から11月へと早くなったようで嬉しい限り。といってもまだ『でかした、ジーヴス!』読んでないんですが(笑)。

以前、kazuouさんに教えていだたいた『マラマッド短編集』をやっと読み終えました!とても面白く読めたのですが、どうしてもわからない箇所が・・・。感想をブログにアップしてるので、お時間がある時にでも教えていただけたら嬉しいです♪
【2006/10/29 22:38】 URL | TKAT #- [ 編集]

どんどん積読…
〈ジーヴス〉シリーズ、国書版はとくに刊行スペースが早くなってますね。といっても買うだけで、どんどん積読になっているんですけど。でも、ウッドハウスは読めば面白いのがわかっているので、安心して積んでおけます(笑)。
マラマッド、お読みになりましたか。表面上はサクサクと読めるし、ストーリーも面白いんですが、けっこう難解なところもあるんですよね。『魔法の樽』については、TKATさんのブログの方にも書きましたが、解釈の難しい作品ですね。一種の幻想小説としてとらえていいんじゃないかとは思うんですが、厳密に考えると、つじつまのあわないところも…。うーん、難しい。
【2006/10/30 20:10】 URL | kazuou #- [ 編集]


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男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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