カエルの降る夜  デヴィッド・ウィーズナー『かようびのよる』
4198611912かようびのよる
デヴィッド ウィーズナー David Wiesner 当麻 ゆか
徳間書店 2000-05

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20060830201732.jpg アメリカの絵本画家、デヴィッド・ウィーズナーの『かようびのよる』(当麻ゆか訳 徳間書店)は、実にユニークな絵本。
 ストーリーはごく単純です。ある火曜日の夜に、葉っぱにのったカエルが空から何千何万と飛んでくる、というだけの話。
 ストーリーを要約してしまえば、それでお終いなのですが、実際の絵は、カエルたちが空から降りてきて、町のさまざまな部分に入り込む過程をディテール豊かに描いていて飽きさせません。とくに、集団をなしたカエルが、町に襲来するシーンは、かなりインパクトがあります。
20060830201721.jpg 画風はけっこうリアリスティックなので、当然、描かれるカエルもリアルです。見る人によっては、ちょっとグロテスクに感じるかも。ただこれらのカエルの表情や動作が非常にユーモラスなので、あんまり気にはならないでしょう。 窓越しに手をふったり、家に入り込んでテレビをつけたりと、一匹一匹のカエルたちの存在感を強烈に感じさせます。
 文章は、数えるほどしかありません。さらに、それらの文章も物語を直接語るわけではありません。それゆえ、絵だけでストーリーを語らせているわけですが、これが上手い。ただ一枚の絵を並べるだけでなく、画面を分割したり、コマ割したりと、漫画的な表現を多用しています。
 従来の絵本とは一線を画した表現技法が新鮮な一冊です。

テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

どこかで観たようなお話ですね(笑)。それはさておき、海外の絵本って趣向を凝らした作品が結構あるんですね。「自殺うさぎ」を始め、かなり興味が沸いてきました。
【2006/09/08 23:06】 URL | 加納ソルト #- [ 編集]

海外びいき?
やっぱり、海外の絵本のレベルは相対的に高いと思います。まあ、もっぱら僕が目をつけるのは、変わった絵本ばかりなんですが(笑)。最近は、当初から大人向けに描かれているような作品も多くて、今回とりあげたウィーズナーもその一人ですね。この人の作品は、ほかにも面白いものがあるので、いずれご紹介したいと思います。
【2006/09/09 00:05】 URL | kazuou #- [ 編集]


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子供に見せたい絵本

子供に見せたい絵本~子供達にきちんと読ませてあげたい絵本を厳選してご紹介します。~ 子供に見せたい絵本【2006/10/24 00:42】

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Author:kazuou
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怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
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