9月の気になる新刊と8月の新刊補遺
8月25日刊 仁賀克雄訳 リチャード・マシスン『不思議の森のアリス』(論創社 2000円)
8月25日刊 仁賀克雄訳 フィリップ・K・ディック『人間狩り』(論創社 2000円)
9月 6 日刊 マイク・レズニック&マーティン・H・グリーンバーグ編『短篇集 シャーロック・ホームズのSF大冒険(上・下)』(河出文庫 予価各924円)
9月 7 日刊 ロダーリ『猫とともに去りぬ』《光文社古典新訳文庫》
9月 7 日刊 東雅夫編『吉屋信子集 生霊』(ちくま文庫 予価998円)
9月10日刊 アイリーン・ガン『遺す言葉、その他の短篇』(早川書房 予価各1575円)
9月25日刊 ビル・S・バリンジャー『美しき罠』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ 予価各1050円)
9月刊    ガブリエル・ガルシア=マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』(新潮社)
9月刊    若島正『殺しの時間 乱視読者のミステリ散歩』(basilico)

 『不思議の森のアリス』『人間狩り』は、論創社の新シリーズ〈ダーク・ファンタジーコレクション〉の初回配本。いわゆる異色作家の短編集のシリーズですが、怪奇小説への比重が強い感じです。ディックは以前ちくま文庫で出ていたものの復刊のようなので、買うかどうか微妙ですが、マシスンは買い。このシリーズ、他にも、アントニー・バウチャー、ヘンリー・スレッサー、シーベリー・クイン、チャールズ・ボーモント、C・L・ムーアなど、異色作家が目白押しで楽しみなシリーズです。
 『短篇集 シャーロック・ホームズのSF大冒険(上・下)』は、タイトル通りホームズのパスティーシュものアンソロジーなんですが、珍しいのは、SFやファンタジー風味の作品を集めたものらしいところ。
 『猫とともに去りぬ』は、古典を新訳するという《光文社古典新訳文庫》の1冊。シェイクスピアとかツゥルゲーネフなどの名作に混じって、このタイトルがあるんですが、これって有名な作品なんでしょうか? 作者のロダーリって、イタリアの児童文学作家のジャンニ・ロダーリですよね? もしそうなら買いです。
 『吉屋信子集 生霊』は、〈文豪怪談傑作選〉の真打ち。他の作家セレクションは森鴎外だの川端康成だのと、珍しくもないのですが、この巻は楽しみにしています。
 『遺す言葉、その他の短篇』は、新人SF作家(?)の短編集。初邦訳が短編集というのも珍しいのですが、とりあえず短編好きとしては、気になるところです。
 『美しき罠』は、バリンジャーの未訳の作品。とりあえずサスペンスの名手バリンジャーの作品と言うことで。
 『わが悲しき娼婦たちの思い出』は、ガルシア=マルケスの新作らしいのですが、川端康成の作品『眠れる美女』に啓発されて書かれた作品だとか…。
 『殺しの時間 乱視読者のミステリ散歩』は、『ミステリマガジン』に連載されていたエッセイをまとめたもの。著者好みの未訳の作品を紹介した本です。連載終了後、いくつか邦訳されたものはあるものの、基本的には一般には見向きもされないような、変わった作品を多くとりあげているのが目を引きます。

テーマ:読みたいor欲しい本 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

ご無沙汰しております。
「ダーク・ファンタジーコレクション」について、教えていただきましてありがとうございました。でも他の作家の巻と比べると、スレッサーの「ルビイ・マーチンスン」ものってちょっと浮いている気がしないでもないですが(笑)。あと私が気になるのはボーモント/マシスンの「(旧)ミステリー・ゾーン」系の二人ですかね。
【2006/08/26 21:21】 URL | げし #ItxbjV56 [ 編集]

>げしさん
日記の更新も途絶えていたので、心配しておりました。とりえあず復活、おめでとうございます。
〈ダーク・ファンタジーコレクション〉初回配本のマシスンとディックは、店頭で確認しました。ディックはやっぱり復刊ものだったので、とりあえずマシスンだけ購入しました。でも内容を見てみると、マシスンも既訳ものと再録ものが多いのが、ちょっと気になりましたが。
そうですよね、スレッサーは「ダーク・ファンタジー」ではないですしね。ちょっと浮いている気がします。監修の仁賀克雄の好きな短編作家を放り込んだ、という感じが強いシリーズだと思います。まあどの作家も好きなので構いませんけど(笑)。
【2006/08/26 21:59】 URL | kazuou #- [ 編集]

タイトル買い?
『猫とともに去りぬ』はなんだかわかりませんが、タイトルだけでとりあえず買いですね。これはサイズも文庫なんでしょうか。
光文社文庫は最近では岡本綺堂の怪談集の復刊やら、以前からの異形コレクションシリーズやらで、なかなかやりますね。あ、カドフェル・シリーズも。
【2006/08/26 22:13】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

やっぱり気になりますか
『猫とともに去りぬ』って、インパクトあるタイトルですよね。もうこれだけで欲しくなってしまいます。上にも書いたんですが、たぶん著者はジャンニ・ロダーリだと思うんですよ。この人の作品は何冊か読んでいて、かなり面白かったので、期待大です。
昨今の光文社は、さりげなくいい企画を出していますね。この前のピーター・トレメインの短編集とか、突然気になる本を出すので、あなどれません。
【2006/08/26 22:27】 URL | kazuou #- [ 編集]

http://tkat.blog55.fc2.com/
『短篇集 シャーロック・ホームズのSF大冒険(上・下)』は私も気になります。SFだけでなくファンタジーやホラーの要素も含まれてると出版社HPに紹介されており、ますます興味が。
そういやグリーンバーグはハヤカワ文庫の『シャーロック・ホームズの新冒険』でも編者をしてましたね。気になるのは収録されてる作家たち。どんな顔ぶれなのかはわかりませんが(原書を調べたらわかるはずだけど原書名がわからない・・・)、とりあえず出版されたら買うなり図書館で借りるなりして読むつもりです。
【2006/08/28 21:19】 URL | TKAT #- [ 編集]

ちょっと新味が
シャーロック・ホームズのパスティーシュというか、贋作集というか、その類の作品集は、山ほどありますが、今回のものは、SFやファンタジー風味というのが気になりますね。個人的には別にシャーロック・ホームズものでなくても、ふつうのSFやファンタジーのアンソロジーでもいいと思うのですが(笑)。
ちなみに、ホームズもののアンソロジーで一番気に入っているのは、河出文庫から出ている『ホームズ贋作展覧会』でしょうか。「ユーモア」の要素が強く出ているところが、なかなかです。
あと、グリーンバーグはミステリに限らず山ほどアンソロジーを編んでますからね。そう考えると、やっぱり「ふつう」のアンソロジーの方がいいなあ。
【2006/08/28 21:53】 URL | kazuou #- [ 編集]

またやっちゃった
すみません、SUBJECTにまたURLを入れちゃってましたね(いずれまたしそうな予感・・・)。
『ホームズ贋作展覧会』は私も気にはなってるホームズものです。マーク・トウェインが特に気になるんですよね。
<「ユーモア」の要素が強く出ているところが、なかなかです。
そうなんですか?!ますます読みたい気持ちが倍増してきた(笑)。
確かにホームズものはパロディやパスティーシュは山ほどあり驚くばかり。それだけコナン・ドイルのホームズを読んでる人が多いって事なんでしょうが、今後も工夫をこらしたホームズものはまだ出そうですね。っていうかSFやファンタジー風まで出しちゃってまだネタがあるのかな。来年はホームズ生誕120年記念出版があったりして。
【2006/08/28 22:41】 URL | TKAT #- [ 編集]

トウェイン
いえいえ、別にかまいませんよ。
『ホームズ贋作展覧会』は、すっごくいいですよ。TKATさんの挙げておられるマーク・トウェインの作品が、やっぱり一番面白いです。もう抱腹絶倒のユーモア小説で、他の収録作品がかすむぐらいです。はっきり言ってシャーロック・ホームズものより面白いです。
マーク・トウェインの作品は、僕も邦訳をもっと読みたくて集めているんですが、なかなか集まりません。彩流社から〈マーク・トウェイン・コレクション〉が出ていますが、これ一冊がやけに高いんですよね。古本屋でこつこつ集めていますが、まだまだ。で、このシリーズのなかに入っている『まぬけのウィルソン』が、ミステリ史でもよくとりあげられる作品なんですが、これがまた面白い! 機会があったら一読をオススメしておきます。
【2006/08/29 07:14】 URL | kazuou #- [ 編集]


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 己が友達のシヤーロツク・ホームズ君を訪ねたのは、去年の秋の或る日のことである 翻訳blog【2007/07/18 18:29】

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kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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