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2020年を振り返って
 2020年ももうすぐ終わります。毎年恒例ではありますが、今年のまとめ記事を書いておきたいと思います。
 今年は、年初からのコロナ禍により、いろいろな面で世界の活動が制限された年になってしまいましたが、個人的な活動面ではそれなりに収穫のあった年でもありました。

 昨年に引き続き、同人誌の作成活動は続けていました。5月の文学フリマ東京が中止になってしまったこともあり、前半は活動が滞ってしまいましたが、6月にはイギリス・ファンタジー中興の祖と言うべき作家イーディス・ネズビットの邦訳レビューをまとめた『イーディス・ネズビット・ブックガイド』、10月には夢や眠りテーマの作品を紹介した『夢と眠りの物語ブックガイド』、11月には<奇妙な味>の海外作家短篇集を紹介した『奇妙な味の物語ブックガイド』を刊行することができました。

 開催が危ぶまれていた11月の文学フリマ東京は開催されることになり、僕も友人のshigeyukiさんと共同で出店しました。先に通販してはいたものの、新刊として出した『奇妙な味の物語ブックガイド』は好評で、会場分は完売しました。既刊に関しても、それなりに売れたのは良かったです。

 主宰を務めている読書会「怪奇幻想読書倶楽部」については、今年は2回ほどしか開催できませんでした。内容は以下の通りです。

第27回読書会 アーサー・マッケンと怪奇小説の巨匠たち(2月)
課題書
ブラックウッド他『怪奇小説傑作集1英米編1』(平井呈一訳 創元推理文庫)
アーサー・マッケン『白魔』(南條竹則訳 光文社古典新訳文庫)

第27回読書会(12月)
第一部:課題書
ダフネ・デュ・モーリア『鳥 デュ・モーリア傑作集』(務台夏子訳 創元推理文庫)
第二部:本の交換会

 現状の状況下では、人が集まりにくいこともあり、以前のような頻度は難しいかもしれませんが、地道に続けていきたいとは考えています。

 結成から二周年を迎えたtwitter上のファンクラブ「#日本怪奇幻想読者クラブ」に関しては、少数ながら日常的にタグを使っていただいている方のおかげもあり、このジャンルの話題も多くなってきています。少しでも怪奇幻想ファンが増えてほしいなと思います。

 今年は、新刊があまり読めなかった代わりに、児童文学・ファンタジーにはまった年でした。嫌いではなかったものの、あまり読めていなかった児童文学やファンタジー系統の本をある程度まとめて読めたのは収穫だったと思います。
 邦訳をほとんど集めて読むまでにはまったイーディス・ネズビット、『月のケーキ』をきっかけに短篇集を集めたジョーン・エイキン、奇想天外なアイディアで水準の高い作品の多いジャンニ・ロダーリ、子供の繊細な心理描写が美しいペネロピ・ファーマー、他にもジョージ・マクドナルド、メアリ・ド・モーガン、フィイパ・ピアス、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、ジェイン・ヨーレン、ピエール・グリパリ、リチャード・ヒューズ、ロバート・ウェストールなど。
 シリーズものでは、クリス・プリーストリーによる<怖い話>シリーズ、R・L・スタイン監修の年少読者向けアンソロジー『Scream! 絶叫コレクション』(全3巻 三辺律子監訳 理論社)、R・L・スタインによるホラー小説のシリーズ<グースバンプス>(全10巻 岩崎書店)などを面白く読みました。
 あと、ホラー系作品もかなり読んだように思います。モダンホラー系統の名作とされるもののうち、読み残していた作品をいくらか読めたのは収穫でした。

 以下、今年読んで印象に残ったタイトルを挙げておきますね。

矢野浩三郎編『世界怪奇ミステリ傑作選』(番町書房イフ・ノベルズ)
矢野浩三郎編『続・世界怪奇ミステリ傑作選』(番町書房イフ・ノベルズ)
フィリパ・ピアス『幽霊を見た10の話』(高杉一郎訳 岩波書店)
フィリパ・ピアス『こわがってるのはだれ?』(高杉一郎訳 岩波書店)
ヴィクター・ラヴァル『ブラック・トムのバラード』(藤井光訳 東宣出版)
ロビン・モーム『十一月の珊瑚礁』(田中睦夫訳 新潮社)
ディーノ・ブッツァーティ『怪物 ブッツァーティ短篇集Ⅲ』(長野徹訳 東宣出版)
マルセル・エーメ『エーメ ショートセレクション 壁抜け男』(平岡敦訳 理論社)
アルト・タピオ・パーシリンナの長篇小説『魅惑の集団自殺』(篠原敏武訳 新樹社
ウィリアム・メイクピース・サッカレイ『バラとゆびわ』(刈田元司訳 岩波少年文庫)
デイヴィッド・ガーネット『イナゴの大移動』(池央耿訳 河出書房新)
デイヴィッド・ガーネット『水夫の帰郷』(池央耿訳 河出書房新社)
ダン・シモンズ『うつろな男』(内田昌之訳 扶桑社)
ペネロピ・ライヴリィ『トーマス・ケンプの幽霊』(田中明子訳 評論社)
アントニア・バーバ『幽霊』(倉本護訳 評論社 1969年発表)
ヒルダ・ルイス『とぶ船』(石井桃子訳 岩波少年文庫)
スーザン・プライス『24の怖い話』(安藤紀子ほか訳  ロクリン社)
J・ロバート・レノン『左手のための小作品集 100のエピソード』(李春喜訳 関西大学出版部)
アンリ・ボスコ『ズボンをはいたロバ』(多田智満子訳 晶文社)
メガン・シェパード作、リーヴァイ・ピンフォールド絵『ブライアーヒルの秘密の馬』(原田勝、澤田亜沙美訳 小峰書店)
ジョン・コリア『モンキー・ワイフ 或いはチンパンジーとの結婚』(海野厚志訳 講談社)
メアリー・ダウニング・ハーン『深く、暗く、冷たい場所』(せなあいこ訳 評論社)
エリザベス・グージ『まぼろしの白馬』(石井桃子訳 福武文庫)
アリソン・アトリー『時の旅人』(松野正子訳 岩波少年文庫)
アラン・ガーナー『ふくろう模様の皿』(神宮輝夫訳 評論社)
ロイス・ダンカン『とざされた時間のかなた』(佐藤見果夢訳 評論社)
レオポルド・ルゴーネス『アラバスターの壺/女王の瞳 ルゴーネス幻想短編集』(大西亮訳 光文社古典新訳文庫)
ロバート・R・マキャモン『少年時代』(二宮馨訳 文春文庫)
ロバート・R・マキャモン『マイン』(二宮磬訳 文藝春秋)
ハーバート・リーバーマン『地下道』(大門一男訳 角川文庫)
W・デ・ラ・メア『デ・ラ・メア幻想短篇集』(柿崎亮訳 国書刊行会)
ヒュー・ウォルポール『銀の仮面』(倉阪鬼一郎編訳 創元推理文庫)
ハリー・アダム・ナイト『恐竜クライシス』(尾之上浩司訳 創元推理文庫)
ブレイク・クラウチ、ジャック・キルボーン、ジェフ・ストランド、F・ポール・ウィルスン『殺戮病院』(荻窪やよい訳 マグノリアブックス)
ジェイ・R・ボナンジンガ『シック』(山下義之訳 学習研究社)
ルイス・フェルナンド・ヴェリッシモ『ボルヘスと不死のオランウータン』(栗原百代訳 扶桑社ミステリー)
デヴィッド・コープ『深層地下4階』(伊賀由宇介訳 ハーパーBOOKS)
ドナルド・E・ウェストレイク『聖なる怪物』(木村二郎訳 文春文庫)
ドナルド・E・ウェストレイク『斧』(木村二郎訳 文春文庫)
ドナルド・E・ウェストレイク『鉤』(木村二郎訳 文春文庫)
ダグラス・ケネディ『どんづまり』(玉木亨訳 講談社文庫)
バリ・ウッド『エイミー』(倉本護訳 扶桑社ミステリー)
バリ・ウッド『地下室の亡霊』(青塚英子訳 扶桑社ミステリー)
ジャック・ウィリアムスン『エデンの黒い牙』(野村芳夫訳 創元推理文庫)
トム・ホランド『真紅の呪縛 ヴァンパイア奇譚』(松下祥子訳 ハヤカワ文庫NV)
トム・ホランド『渇きの女王 ヴァンパイア奇譚』(奥村章子訳 ハヤカワ文庫NV)。
マーティン・シェンク『小さな暗い場所』(近藤純夫訳 扶桑社ミステリー)
ジョン・スティークレー『ヴァンパイア・バスターズ』(加藤洋子訳 集英社文庫)
ローレンス・ブロック『魔性の落とし子』(町田康子訳 二見文庫)
ウィリアム・ヒョーツバーグ『堕ちる天使』(佐和誠訳 ハヤカワ文庫NV)
トマス・トライオン『悪を呼ぶ少年』(深町真理子訳 角川文庫)
ルーパート・トムソン『終わりなき闇』(斉藤伯好訳 講談社文庫)
イーディス・ネズビット『怪奇短編小説 翻訳選集』(井上舞訳)
滝川さり『お孵り』(角川ホラー文庫)
乙一『シライサン』(角川文庫)
法月綸太郎『赤い部屋異聞』(KADOKAWA)
岩城裕明『事故物件7日間監視リポート』(角川ホラー文庫)
日向奈くらら『私のクラスの生徒が、一晩で24人死にました。』(角川ホラー文庫)
阿川せんり『パライゾ』(光文社)
北見崇史『出航』(KADOKAWA)
三津田信三『そこに無い家に呼ばれる』(中央公論新社)
三津田信三『逢魔宿り(あまやどり)』(角川書店)
星月渉『ヴンダーカンマー』(竹書房)
織江邑、剣先あおり『地蔵の背/埃家』(メディアファクトリー)
三田村信行『オオカミの時間 今そこにある不思議集』(理論社)
三田村信行『ゆめのなかの殺人者 ポプラ怪談倶楽部6』(ポプラ社)
杉本苑子『夜叉神堂の男』(集英社文庫)
島崎町『ぐるりと』(ロクリン社)


 最後に、今年一年、ブログを読んでくださった方、ありがとうございます。
 これから、新型コロナの状況がどうなっていくのかは分からないところではありますが、来年もできうる限り変わらず活動していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
 また、新年度には挨拶をかねて、記事を更新したいと思っています。


テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

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kazuou

Author:kazuou
男性。本好き、短篇好き、異色作家好き、怪奇小説好き。
ブログでは主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。twitterアカウントは@kimyonasekaiです。
怪奇幻想小説専門の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。twitter上の怪奇幻想ジャンルのファンクラブ「 #日本怪奇幻想読者クラブ 」主宰。
『ミステリーズ!vol.96』(東京創元社)に怪奇小説の翻訳概況を書きました。
同人誌『海外怪奇幻想小説アンソロジーガイド』『物語をめぐる物語ブックガイド』『迷宮と建築幻想ブックガイド』『イーディス・ネズビット・ブックガイド』『夢と眠りの物語ブックガイド』『奇妙な味の物語ブックガイド』「海外怪奇幻想作家マトリクス・クリアファイル」を刊行しました。



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