迷わずに行こう -迷宮文学への招待-
廃墟ホテル ジャクリーン・エス MAZE(めいず) おとうさんがいっぱい 伝奇集 夢見る人の物語 アジアの岸辺

 〈迷路〉や〈迷宮〉には、いわく言い難い魅力があります。人を迷わせる場であるにもかかわらず。いやそれだからこそでしょうか。世界には〈迷宮〉があふれています。生きる目的や意味を見失った現代社会、さらには、人生そのものもまた〈迷宮〉なのです…。今回はそんな〈迷宮〉をテーマにした作品を集めてみました。
 まずは、文字通りの物理的な〈迷宮〉を扱った作品から。
 ヤン・ヴァイス『迷宮1000』(深見弾訳 創元推理文庫)。近未来、神にも等しい権力を持つ独裁者ミューラーは、1000階建てのビルを建設します。館のなかで記憶を失ったまま、主人公の男は目覚めます。持ち物からわかることは、自分が探偵らしいということ。ミューラーを目指して男はビルをのぼり続けるのですが…。
 チェコの作家ヴァイスが戦前に書いた、悪夢のようなイメージのあふれる怪作。人々を虐殺する場面などは、ナチスのホロコーストを予見したものと評価されているようです。ストーリーは、けっこうあっけない展開なのですが、その独創的なイメージだけでも一読の価値があります。
 デイヴィッド・マレル『廃墟ホテル』(山本光伸訳 ランダムハウス講談社文庫)。都市探検者のグループに同行することになった新聞記者バレンジャー。今回の目的地は閉鎖された高級ホテル、そこは変わり者として知られていた大富豪カーライルの建てたものでした。一行はホテルの内部の保存状態の良さに驚きますが、さらに彼らを驚かせたのは、各部屋で起きた殺人や虐待の痕跡がそのまま保存されていることでした…。
 前半の、無気味なホテル内部の探検と、それに伴うサスペンスは比類がありません。後半は少しジャンルがシフトしていってしまうのが残念ですが、リーダビリティは非常に高い作品。
 恩田陸『MAZE』(双葉文庫)。アジアの果て、切り立った山脈のふところに建つ謎の白い建造物。そこに入った人間の何割かは決して戻ってこない。人間消失の謎を解くことを依頼された四人の男たちは、建物の謎を探るのですが…。
 舞台に使うのではなく、メインテーマに迷路を持ってきたという珍しい作品。結末の処理には疑問が残るのですが、迷路を扱ったエンタテインメントとしては、かなりの力作です。
 つぎは〈迷宮〉に閉じ込められた人間を描く作品を。
 クルト・クーゼンベルク『壜(ラ・ボテリヤ)』(前川道介他訳『壜の中の世界』所収 国書刊行会)。老船長が空にした壜の中のボトルシップの話が、いつの間にか南国のスクーナー船の話になってしまいます。その船が海にでれない原因とは…? イメージがうまくループする技巧的な名品。
 ロバート・A・ハインライン『歪んだ家』(矢野徹他訳『輪廻の蛇』所収 ハヤカワ文庫SF)。その家は、三次元と同時に四次元的に建てられた家でした。地震のせいで四次元空間がたわんでしまったために、その家からは人が出られなくなってしまうのですが…。脱出の顛末をコミカルに描くSF作品。
 テオドール・シュトルム『ブーレマンの家』(矢川澄子訳『たるの中から生まれた話 』所収 福武文庫)。金に執着する強欲な男が、病気の幼児に冷たくあたったために、永劫に家の中に閉じ込められてしまうという、すさまじく陰鬱な怪奇小説。
 三田村信行『ぼくは五階で』(『おとうさんがいっぱい』所収 フォア文庫)。ある日少年は、遊びに出かけようとドアを開けて外に出ようとしますが、気がつくと、そこはなんと同じ部屋の中! 何度くり返しても外には出られないのです。ベランダを越えて、となりの部屋に行っても、そこはまた同じ部屋! 下の階に降りるとそこには少年の両親が食事をしています。あわてて、ガラスを破って飛び込むと、また誰もいない同じ部屋に…。永久に外に出られない少年を描く、悪夢のような作品。
 同じく三田村信行『どこへも行けない道』(『おとうさんがいっぱい』所収 フォア文庫)。ある日ふと思い立って、違う道を通って家に帰ろうとした少年が体験する不条理を描く作品。自分の家が消えていたり、ようやく見つけた家には奇怪な怪物がいたりと、怪奇現象が異様なリアリティを持って迫る傑作。
 クライヴ・バーカー『腐肉の晩餐』(大久保寛訳『ジャクリーン・エス』所収 集英社文庫)。人間の「恐怖」の研究をすすめる青年は、実験と称して、菜食主義者の女子学生を監禁します。やがて飢えた女子学生によって「腐肉の晩餐」が始まるのですが…。生理的な気色悪さの横溢する、おぞましいホラー作品。
 リュイス・シャイナー『輪廻』(アイザック・アシモフ編『恐怖のハロウィーン』所収 徳間文庫)。若者たちが集って怪談の会を催している晩に、かっての仲間からひとつの作品が送られてきます。そのタイトルは「輪廻」。 作品を読んでいるうちに彼らは、おかしなことに気づき始めます。小説で語られているのは、怪談会を催している若者たちの話なのです。これは自分たちのことを描いているのかと気づいたときには、すでに小説の通りに奇怪な現象が起こり始めていました。その作品は、彼らに恨みを抱く青年が書いた、呪いの小説だったのです。彼らは呪いを解く方法を必死で探すのですが…。タイトル通り「輪廻」する小説に閉じ込められた人間たちを描く技巧的な作品。
 マイケル・マクドウェル『ミス・マック』(アイザック・アシモフ編『戦慄のハロウィーン』所収 徳間文庫)。善良で気丈な女教師ミス・マックは、黒魔術によってハロウィーンの夜の森の中に永遠に閉じ込められてしまいます。救いのないブラックな作品です。
 フリオ・コルタサル『続いている公園』(木村栄一訳『悪魔の涎・追い求める男』所収 岩波文庫)。ミステリーを読みふけっている男は、いつの間にか本の中の被害者となってしまう…。現実と虚構が交錯する超絶技巧的な小品。
 ウォルター・テヴィス『幽明界に座して』(伊藤典夫他訳『ふるさと遠く』所収 ハヤカワ文庫SF)。主人公の男は、不思議な空間にいることに気がつきます。そこは「幽明界(リンボ)」。死んだ人間が生まれ変わる前におかれる場所でした。しかし生まれ変わるためには、生前の妄執を断ち切ることが必要なのです。少年時代の母親への性的執着を断ち切れない彼はいつまでも「幽明界」から出られないのですが…。ごく軽い語り口ながら、妙にノスタルジックな味わいのする佳作。
 アルフレッド・ノイズ『深夜特急』(各務三郎編『世界ショート・ショート傑作選1』所収 講談社文庫)。それは赤いバックラム装丁の痛んだ古本、タイトルは「深夜特急」。少年は、幼いころ見つけたその本に引き込まれますが、50ページ目にある挿絵に理由のない恐怖を覚え、それ以上、読み進むことができません。成人した少年は、再びその本に出会い、幼い頃読めなかった続きを読もうとするのですが…。まさに〈迷宮〉を小説化したような、めくるめくイメージが溢れる幻想譚。
 リチャード・R・スミス『倦怠の檻』(ジュディス・メリル編「宇宙の妖怪たち」所収 ハヤカワ・SF・シリーズ)。男は、火星人との戦争のさなか略奪した装飾品を地球に持ち帰ります。ホテルのテーブルの前で、台座から宝石をえぐり出した後、バスルームに入っていた男が気づくと、ふたたびテーブルの前にいるのです。それが何回も繰り返された後、男はようやく気づきます。あの宝石は火星人の兵器だ。 作動させた人間を時間に閉じ込める装置なのだ! しかもその制限時間はたったの10分間! 10分経つとまたもとの時間に戻ってしまうのです。装置を壊すことは不可能。男は倦怠をまぎらわすため、いろいろなことを試しますが、10分間で出来る行動は限られていました…。時間による牢獄というユニークな着想の作品です。結末のオチも、なかなかひねっていて印象的。
 物理的なものではなく、象徴的な〈迷宮〉を扱った作品というのもあります。
 ホルヘ・ルイヘ・ボルヘス『バベルの図書館』(鼓直訳『伝奇集』所収 岩波文庫)。人類の全叡智が、全て本になって収められているという「バベルの図書館」。そこは、上下左右に無限に広がり、出口も見あたらないのです。壮大なイメージが素晴らしい作品。
 同じくボルヘスの『二人の王と二つの迷宮』(木村栄一訳『エル・アレフ』所収 平凡社ライブラリー)。バビロニアの王は、自分の作らせた複雑きわまりない迷宮に、アラビアの王を誘い込み、からかいます。復讐を誓ったアラビアの王は、自分の持っているさらに巨大な迷宮に、いずれあなたを案内したいと言い残します。やがて戦争でバビロニア王をとらえたアラビア王が、バビロニア王を放り込んだ究極の迷宮とは…。掌編ながら、機知にあふれた作品です。
 ボルヘス的な〈迷宮〉を宇宙に置き換えたのが、J・G・バラード『未確認宇宙ステーションに関する報告』(飯田隆昭訳『ウォー・フィーバー』所収 福武書店)です。事故を起こした宇宙船が、運良く無人らしい宇宙ステーションに不時着します。しかし内部探索に出た人間はいつまで経っても戻りません。残りの船員たちはステーション内部を探し始めますが、最初はごく小さなものだと思っていた内部が無限にも思える広さであることに気がつきます。このステーションは太陽系や銀河系をも包含する無限の世界だったのです…。
 最初は、推定1マイルの大きさだとされるステーションが、だんだんと大きくなり、最後には1500万光年にまだ至るという壮大なスケールの作品。ここでは宇宙ステーションが宇宙そのものになぞらえられています。
 レオン・ブロワ『ロンジュモーの囚人たち』(田辺保訳『薄気味悪い話』所収 国書刊行会)。ロンジュモーの町に住む旅行好きの夫妻。しかし彼らは町の外に出たことはなく、地図を見ては旅行気分を味わうだけでした。なぜなら町の外に出ようとすると必ず何かが起こり、旅行は取りやめになるからです。ようやく夫妻が町の外に出ることに成功したとき起こったこととは…。得体の知れない無気味な短編。
 不条理な状況そのものが〈迷宮〉と化すという作品としては、
 カリンティ・フェレンツ『エペペ』(池田雅之訳 恒文社)。学会に出席するため飛行機で出かけた言語学者が、降りたのは見知らぬ都市。そこはあらゆる言語が通じない町でした…。コミュニケーションを断たれた主人公の苦境が圧倒的なリアリティを持つ幻想小説。
 トマス・M・ディッシュ『降りる』(若島正、浅倉久志他訳『アジアの岸辺』所収 国書刊行会)。デパートで買い物をした主人公は下りのエスカレータに乗りますが、いつまで経っても一階にたどり着きません。意地になった彼はひたすら降り続けますが、エスカレーターは延々と続いているのです…。馬鹿らしい設定ながら、妙なリアリティのある不条理作品。
 同じくトマス・M・ディッシュ『リスの檻』(若島正、浅倉久志他訳『アジアの岸辺』所収 国書刊行会)。主人公の男は、もう何年も同じ部屋に閉じ込められていました。椅子とタイプライター、そして毎朝「タイムズ」が届くだけの毎日。自分を閉じ込めているのは誰なのか? 何の目的があるのか? 全てが明かされず謎のままに終わる奇怪な作品です。
 ロード・ダンセイニ『カルカソンヌ』(中野善夫他訳『夢見る人の物語』所収 河出文庫)。占い師に伝説の都カルカソンヌに行き着くことはないとあり得ないと予言された若き王は、臣下を引き連れ、カルカソンヌに向かいます。しかしいつまで経っても都は見えず、臣下はひとりまたひとりと倒れてゆきます…。永遠にたどり着けない都、という寓話的な短編。
 ダンセイニの作品と非常によく似ているのが、ディーノ・ブッツァーティ『七人の使者』(脇功訳『七人の使者』所収 河出書房)。支配している王国の広さを調査するため、国境に向かった王子。城との間で往復させている使者との間隔はだんだんと長くなってゆきます。しかも国境は未だ見えないのです…。
 同じくディーノ・ブッツァーティ『七階』(脇功訳『七人の使者』所収 河出書房)。とある病院に入院することになった男。その病院では症状の重さによって階が分けられていました。一番症状の軽い患者は七階、重くなるに従って下の階に移されていくのです。何かの手違いから七階にいた男は、どんどんと下の階に移されてゆくのですが…。エスカレートする不条理な展開が魅力的。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント
行けばわかるさ!
これはなかなかの力業ですね。よくぞ並べられたと(フォア文庫が入っているのが楽しい)。
象徴的・寓意的な迷宮は文学の一つのテーマといってもいいと思いますが、現実の迷宮・迷路を扱った作品となると意外と少ないような気がします。
ご紹介中読んでいるのは、『歪んだ家』と『二人の王と二つの迷宮』の2作品のみ。今確認したら『エル・アレフ』の『二人の‥』の直前の作品も『アベンハカン・エル・ボハリー、自らの迷宮に死す』ですね。軽く迷宮論も展開されてたりして。
コリン・ウィルスン『迷宮の神』は、題名こそ迷宮ですが、内容はそれほど迷宮でもなかったような(ずいぶん前に読んだのですっかり忘れています)。
クライブ・バーカーの血の本シリーズは古書店で見かけると買っているのですが、これは持ってません。
すぐにも読んでみたいのは『七人の使者』に『七階』でしょうか。
【2006/06/13 22:21】 URL | 迷跡 #- [ 編集]

意外とないんですよね
象徴的なものなら、けっこうあるんですけど、物理的な〈迷宮〉というのは、なかなかないんですね、これが。すぐ思い浮かぶのはボルヘスですが、ボルヘスも物理的なものってあんまりなかったりして。『アベンハカン・エル・ボハリー…』も〈迷宮〉テーマですが、これもちょっと象徴っぽい感じがしたので抜いてあります。
江戸川乱歩の『幽霊塔』とかデュマの『モンテ・クリスト伯』なんかも含めようと思えば含められたでしょうか。
ブッツァーティの作品は、不条理な設定ながら物語として読ませるものが多いのでオススメですよ。マコーマックの『隠し部屋を査察して』なんかに近い感じでしょうか。
【2006/06/14 06:54】 URL | kazuou #- [ 編集]


三田村信行は子供向けの作品なのにトラウマになりそうな話ばかり書いているんですよねえ。私は結構好きですよこういう話。
ミステリだと綾辻行人の「迷路館の殺人」や泡坂妻夫の「乱れからくり」とかあるんですが、個人の邸宅にそんなもん作るなよとつっこみを入れたくもなるので物理的な迷宮ってのは使いどころが難しい気もします。
鍾乳洞や洞窟が迷宮代わりってのはあるんですが、どちらかといえばこういうのは冒険小説よりになってしまいますよね。
個人的に迷宮っていうと「ゴーメンガースト」を真っ先に思い出すんですが、読もう読もうと思いながらずっと積読のままです。
【2006/06/14 13:44】 URL | Takeman #- [ 編集]

三田村信行
三田村信行の作品は、やっぱりすごいですよね。子供が読んだら絶対眠れませんよ。本当に救いのないところが素晴らしい(笑)。
そうか!ミステリの〈館もの〉でもよかったんですよね。でも〈館もの〉を含めると、きりがなさそうなので。
『ゴーメンガースト』は僕も積読になってます。荒俣宏の本で詳しいあらすじが紹介されていたので、読んだ気になってしまっております。
【2006/06/14 18:37】 URL | kazuou #- [ 編集]


とりあえず、読んだことがあるのは、ブッツァーティ「七階」だけでした(笑)。これは北村薫の「謎のギャラリー こわい部屋」(新潮文庫)に収録されていますね。「お見舞いの時にもっていってはいけない本のナンバーワン」というコメントも頷けます。
「迷宮」ものって、ラストはそこから抜け出ることが出来ずに、永遠にさまよいつづけるイメージが強いです。この「永遠」っていうのが、非常に重く感じられます。
【2006/06/14 21:44】 URL | げし #ItxbjV56 [ 編集]

救いのなさ
ブッツァーティ『七階』って、あらすじを聞くとめちゃくちゃ読みたくなる話ですよねえ。僕も風間賢二(だったかな?)の文章でこの『七階』のあらすじを読んで、探して読んだのがブッツァーティ読み始めでした。ブッツァーティの作品自体、お見舞いに持っていってはいけないでしょう(笑)。
そうなんですよね! 抜け出られたら〈迷宮〉じゃない!というわけで、出口のみつからない、救いのない話の方が〈迷宮〉ものとしてはスジじゃないかと思います。
【2006/06/14 22:46】 URL | kazuou #- [ 編集]


なかなかの圧巻ですなあ。
 「歪んだ家」は,頭の体操になるような。
 クライヴ・バーカーの「血の本」シリーズは,たいていこの世のものとは思えぬ世界ということで迷宮のような。
 「未確認宇宙ステーションに関する報告」これはアホらしくも面白い傑作だと思います。バラードはいったい何を言いたかったのだろう。
 「降りる」も好きな作品。できれば,降りっぱなしの展開としてほしかったのですが。
 
 ほかに思いつくところでは,ウィリアム・テンの「13階」も,ありえない階に閉じ込められる,ちょいと怖いファンタジー。
 カルヴィーノの「モンテ・クリスト伯爵」も,上下左右さっぱりわからん迷宮的監獄。
 スイッチを押すたびに,この世のものが次第に消えてしまうライバーの「マリアーナ」。

 こうして並べると,不条理ものというよりも,“バカSF”ものに分類されそうな気がしてきました。 
【2006/06/15 00:24】 URL | おおぎょるたこ #- [ 編集]

バカSF
そういえば、ウィリアム・テン『13階』なんてのもありましたね。タイトルのよく似たフランク・グルーバー『13階の女』なんてのもありましたが。
『未確認宇宙ステーションに関する報告』は、バラードにしてはものすごくバカSFですよね。発想が馬鹿らしいのに、やけにシリアスに書いてしまっているのがすごいです。
【2006/06/15 07:07】 URL | kazuou #- [ 編集]

迷宮ラブ
おおっ、迷宮小説、大好きです!
マーヴィン・ピークの『ゴーメンガースト』三部作は、広大な城の中だけで物語が進む二作が圧倒的に面白く、
最終巻『タイタス・アローン』には物足りなさを感じました。

ブッツアーティの『七階』ですが、
それを自分の物語の中に入れ子として取り入れ、
しかも、語り手に「その時、三階の病室にいたのは私」と言わせてしまう面白い趣向のミステリがありました。
ギジェルモ・マルティネスの『オックスフォード連続殺人』(扶桑社ミステリー文庫)。
このミステリそのものは、苦笑いをするしかない出来栄えなのに、
この『七階』へのオマージュには大笑い。
確かに、オックスフォードでの出来事なんだよなぁ、と小膝を叩いてしまうほど。

ディヴィッド・マレルの『廃墟ホテル』に食指が動きます!
これならすぐに見つけられそうだし(笑)。
【2006/06/15 17:50】 URL | ねこでら #17ClnxRY [ 編集]

オマージュ・ミステリ?
おお、ねこでらさんは『ゴーメンガースト』読破されていましたか。僕は、あの厚さに恐れをなして、ずうっと積読状態です(笑)。
ギジェルモ・マルティネスの『オックスフォード連続殺人』!これは初耳です。ブッツァーティへのオマージュ・ミステリですか。気になりますね、ちょっと探してみます。
マレルの『廃墟ホテル』は、後半から話の方向が違ってきちゃうんですけど、前半の廃墟体験のくだりは、ものすごくハラハラドキドキしますよ。あらすじから想像するのとはちょっと違いますが、エンタテインメントとしては、かなり上出来の作品です。
【2006/06/15 19:41】 URL | kazuou #- [ 編集]


私もこの中では「廃墟ホテル」が気になります。
>>各部屋で起きた殺人や虐待の痕跡がそのまま保存されていることでした…。
マリーセレスト号的雰囲気漂わせる作品にワクワクします。

実はこの作品はこないだ立ち寄ったブックオフで出会ったんですよね。その時私はというと隣にあった同じランダムハウスから出ているマークース・スーザック「メッセージ」を購入してしまいました。もう少し紹介が早ければ確実「廃墟ホテル」にしてたところです。とりあえずまた探しに行ってみます。
【2006/06/15 23:09】 URL | 加納ソルト #- [ 編集]

オススメですよ
『廃墟ホテル』は、もうちょっと超自然的なホラーにしてくれてもよかったんですけど、これはこれで、ものすごく面白い作品です。まあタイトルにある通り「廃墟」のはずの場所になぜか人の痕跡が…、という謎で引っぱっていくんですが、舞台になる「廃墟ホテル」の雰囲気がとても魅力的でした。
【2006/06/16 07:11】 URL | kazuou #- [ 編集]


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「廃墟ホテル」デイヴィッド・マレル ランダムハウス講談社

☆☆☆☆忍びこむ者――廃墟のもつ魅力に取り憑かれた彼らと共に、新聞記者バレンジャーはかつての豪華ホテルに潜入した。畸形のネズミ、5本足のネコが棲まう建物を探索するうち、秘密の通路を発見!オーナーの大富豪、 本みしゅらん【2007/03/29 22:32】

プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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