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怪奇幻想読書倶楽部 第19回読書会 開催しました
吸血鬼カーミラ (創元推理文庫 506-1) 南十字星共和国 (白水Uブックス)
 1月27日の日曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第19回読書会」を開催しました。

 第1部のテーマは、課題図書として、J・S・レ・ファニュ『吸血鬼カーミラ』(平井呈一訳 創元推理文庫)を取り上げました。
 ゴシック小説が近代的な怪奇小説に生まれ変わる過渡期の作家であり、最初の怪奇小説分野の巨匠といっていいレ・ファニュ作品。ゴシックの残滓を引きずるオーソドックスな作品があるかと思えば、近代的なサイコ・スリラー作品もあり、果てはシュールな味わいの作品もありと、一つの作品集内にも多彩な作品があり、当時としてもかなり先進的な作家だったのではないか、ということを感じさせる作品集でした。

 第2部のテーマは、課題図書として、ロシア象徴派の作家ワレリイ・ブリューソフの短編集『南十字星共和国』(草鹿外吉訳 白水Uブックス)を取り上げました。
 邦訳で入手できる本がほぼこの作品集のみだったこともあり、初めて読むという参加者の方が多かったようです。「夢」や「眠り」のテーマが度々出てくることや、表題作に見られるSF的な設定、恋愛要素における「捻り」など、読みどころの多い作品集だったように思います。

 また後半では、参加者の何人かに、処分してもいい本を持ち寄ってもらいました。交換会は前回も行いましたが、今回は小規模だったため「ミニ本の交換会」という感じでしょうか。以前から読んでみたかった本を入手された方もいたようです。

 今回も、参加者全員のプロフィールをまとめた紹介チラシを作りました。チラシをPDFにしたものを、メールにて事前に配信しています。
 それでは、以下話題になったトピックの一部を紹介していきます。


第一部 J・S・レ・ファニュ『吸血鬼カーミラ』(平井呈一訳 創元推理文庫)

・「カーミラ」を題材にした映画『血とバラ』について。熱狂的なファンがいる作品。日本では未DVD化。

・「パンタポルタ」の企画「読んでいない名作についてラノベ作家と語る読書会!『吸血鬼カーミラ』」について。

・作品集『ドラゴン・ヴォランの部屋』について。新訳であることもあって『吸血鬼カーミラ』よりこちらの方が読みやすかった。

・平井呈一の翻訳について。独特の言い回しがあって味のある翻訳。登場人物が関西や九州の方言を話すのが面白い。また、恐ろしい状況なのに、訳文では「わくわく」という表現が使われたりする。

・『カーミラ』の新訳について。翻訳によって、カーミラや主人公の年格好のイメージが異なるのが面白い。

・フレデリック・マリヤットの長篇『幽霊船』について。「さまよえるユダヤ人」がテーマの作品。

・レ・ファニュ作品には、最後に悪魔や幽霊に連れ去られてしまう…というパターンの作品が多い。

・『ゴールデン・フライヤーズ奇談』(福武文庫)について。邦訳のあるレ・ファニュ作品では、最も面白いと思う。

・レ・ファニュ作品の古書価の高騰はすごい。『アンクル・サイラス』と『ワイルダーの手』は特に高い。

・レ・ファニュ作品では、女性が主役、かつ魔性のものに惹かれていく…というパターンが多い。

・19世紀の作品だが、今読んでも「怖い」。映像的な描写が多い。

・ヘッセリウス博士ものは、博士本人ではなく、博士の残した書類であったり、第三者が聞いた症例などで語られることが多く、真実がぼかされる効果が出ている。

・当時のミステリ、幻想小説、科学など、ジャンルがまだ未分化であった時代の混沌さを感じる。

・ブロンテ『ジェイン・エア』には、レ・ファニュ「ティローン州のある名家の物語」の影響が強い。

・レ・ファニュの長篇について。『ワイルダーの手』は微妙だが、『アンクル・サイラス』は面白い。遺産相続をめぐるスリラーで迫力がある。

・『ワイルダーの手』の古書価の高騰は、瀬戸川猛資『夜明けの睡魔』で紹介された影響?

・短篇「ドラゴン・ヴォランの部屋」について。主人公が馬鹿っぽいと思っていたら、本当にそうでびっくりした。

・短篇「妖精にさらわれた子供」について。レ・ファニュには、妖精にさらわれてしまう…というタイプの話も多い。


●「白い手の怪」について

・長篇『墓地に建つ館』の一エピソード。本体の長篇はわりとユーモア要素が濃いらしい。

・どこかとぼけた味がある。現れる手が中年男性のもので「ぶよぶよ」しているのが面白い。

・幽霊出現の因果関係ははっきりしない。

・「動く手」テーマの作品について。
モーパッサンの「手」、W・F・ハーヴィー「五本指の怪物」、クライヴ・バーカー「手」、キラー=クーチ「一対の手」など。「オトラント城」でも手のモチーフは登場している。

・シオドア・ドライサー「復讐の手指」について。
平井呈一の訳者解説で言及される作品。手の幽霊がモチーフになったサイコ・スリラー風の作品だが、最後に戯曲形式になってしまうという前衛的な作品。

・幽霊の一部は他の部分よりも「手」である方が怖い?
ヴィクトリア朝のジュエリーなどでは、手のモチーフはわりと一般的。
「足」の幽霊があまり無いのは、当時の道徳意識では足を見られるのはタブーであったため?


●「墓堀りクルックの死」について

・クリスマス・ストーリーとして書かれたということだが、子供などに対する教訓話としても読まれたのだろうか。

・最後行方がわからない…という結末は怖い。

・十数年真面目に働いていた男が突然変心したのは何故なのか? もともと細かい悪事は働いていたのか、それとも実際改心していたのが悪魔にそそのかされたのだろうか。

・レ・ファニュ作品では、悪いやつは結局悔い改めないパターンが多い。

・悪人に取り憑く…というのは『ゴールデン・フライヤーズ奇談』でも重要なモチーフになっている。

・スティーヴンソン「ねじけジャネット」について。どこか通底するテーマを持つ作品。


●「シャルケン画伯」について

・実在の画家シャルケンの絵画作品の紹介。

・タイトルにもなっているシャルケン自体があまり活躍しない。そもそも、物語というよりはシーンの連続で構成されているような印象を受ける。

・「緑茶」にもシャルケン作品の言及がある。レ・ファニュは好きだったのだろうか。

・当時としては、有名人が体験した…という都市伝説的な感じで読まれたのかもしれない。

・シャルケンの婚約者をさらってしまう男は悪魔なのだろうか。悪魔にさらわれる…というパターンがレ・ファニュには多い。

・最終のシーンが印象的。どこかラヴクラフトを思わせる。

・「墓堀りクルックの死」と異なり、因果ではなく何の理由もなく連れていかれてしまう…という点で、当時の人は怖い作品だと思ったのではないだろうか。

・視点人物がシャルケンになっているところが上手いと思う。この場合、師匠視点であれば、自分の罪の因果応報という感じになるのではないか。


●「大地主トビーの遺言」について

・死んだ父親が犬になってくる…というのがすごい。憑依などのパターンはあるが、生まれ変わってくるというのは珍しい。登場する犬がブルドックというのも独特。

・犬の姿が伸びるシーンなど、幻覚チック・サイケデリックな要素がある。「緑茶」なども。

・序盤の館の描写が印象的。デュ・モーリア『レベッカ』を思い出した。

・執事の言葉の訳し方が独特の方言で印象的。


●「仇魔」について

・最初は隠されている秘密がだんだんと明かされていくという、ミステリ形式の作品。

・M・R・ジェイムズがレ・ファニュの最高傑作としているのが「仇魔」。構成もM・R・ジェイムズの作品に似ている。

・幽霊が主人公の妄想かと思いきや、最後の方で、幽霊が第三者にも目撃されているところが面白い。

・主人公が途中で死を受け入れてしまっているのが印象的。レ・ファニュ作品では、運命に抗わず受け入れてしまうパターンが多い。「ロバート・アーダ卿の運命」など。


●「判事ハーボットル氏」について

・妙なユーモアのある作品。

・家政婦(死刑になった男の妻)のキャラクターが印象的。他の登場人物も厚みがある。
・裁判の幻影シーンが印象的。夢に入る過程も視覚的でシュールでモダンなイメージ。

・裁く側と裁かれる側が反転してしまう…というのも道徳的な要素があって面白い。映画『トワイライトゾーン』のエピソードを思い出した。

・別世界が現れるシーンは、映画『ヘル・レイザー』を思い起こさせる。

・この当時の作品として、夢の世界とはいえ「別世界」が登場するのはすごくユニークでは。

・不条理感が強い。

・死刑になった男の兄弟がいたかも…という設定が出てきたが、これは伏線ではなかったのだろうか? 序盤の展開はちょっと江戸川乱歩を思い出した。

・理屈がつかないところが多々あるが、そこがまた魅力的に感じる。


●「吸血鬼カーミラ」について

・集中でも一番現代的な作品だと思う。

・馬車の事故のシーンはすごく刺激的。

・カーミラの「母親」の正体がはっきりせず気になる。

・カーミラは近い場所で事件を起こしすぎのような気がする。故郷から離れられない…という吸血鬼の特性ゆえ?

・当時の常識を考えると、令嬢をお付きの者もつけずに置いていく…というのはすごく不自然。ただ、カーミラ自身に人を惑わす力があると考えると納得がいく。

・同性愛ではないかと糾弾されたときに、吸血鬼には性別がないから違うと、レ・ファニュが答えたというエピソードは興味深い。

・「密室もの」の趣もある。そのあたりの描写は細かい。

・舞台がオーストリアで、スラヴ系の吸血鬼伝承から来ている作品。

・主人公が小さい頃にカーミラに手を出さなかったのはなぜなのか。

・他の犠牲者はすぐ殺しているのに、主人公の令嬢がすぐ殺されないところは、レスビアン小説の趣が強い。

・『ガラスの仮面』を始め、「カーミラ」は少女漫画とも相性がいい。

・吸血鬼を倒すルールがまだ固まっていない時代だけに、作品に広がりがある。

・カーミラが滅ぼされた後の部分も余韻があって味わいがある。

・カーミラは怖いだけでなく、甘美な部分があるのが魅力。

・『カーミラ』以後の有名な女性吸血鬼はある? 現代作品では珍しくないが、有名なキャラクターと言われると少ないのでは。エリアーデ『令嬢クリスティナ』、アンソロジー『死の姉妹』など。

・邦訳には原題にない「吸血鬼」がついているのは、初訳当時わかりにくかったからだろうか。「女吸血鬼」というタイトルのバージョンもあった。

・集中では「カーミラ」が飛び抜けてリーダビリティが高い。大人になってから読むと他の作品も面白いが、子供のころ読んだときは他の作品の印象は薄かった。

・原文で読んだ人の感想。19世紀の作品なので、古い単語はやはり多い。

・初めから最後まで語りが淡々としているのは、語り手が若い少女であるがゆえだろうか。

・カーミラの正体がばれた後にも、主人公はカーミラに惹かれている…というところも余韻がある。書かれていないが、主人公は後半生も幸せではなかったのではないか。

・カーミラの外見について。主人公とほぼ同年齢? 姿は10代から20歳前後だと思う。主人公よりは少し年上?(外見は)

・ジョン・ポリドリ「吸血鬼」について。カーミラ以前で有名な吸血鬼小説。この作品が読める現役本は今はないのでは。


第二部 ワレリイ・ブリューソフ『南十字星共和国』(草鹿外吉訳 白水Uブックス)

・ブリューソフの旧刊本について。白水Uブックスで復刊される前は古書価も高騰していた。

・全体に残酷趣味が強い。

・コリン・ウィルソンの評では、ブリューソフは資質としてモーパッサンに近いのではないかと書かれている。全体に評価は芳しくないようだ。

・ロシアの怪奇作品はわりと土俗的なイメージが強い。その点ブリューソフは、ロシアの作品としては、かなり特殊な位置にいるような人だと思う。


●「地下牢」について

・集中でも一番物語性が強い作品。

・女側が利己的で一方的かと思いきや、男もその事情を汲んで振る舞っている…という感じがする。

・異常な状況での恋愛は日常に戻ると成り立たない…という話?

・第二次大戦時に捕虜が頭の中で空想の恋人を作って正気を保ったというエピソードから、最初は女性側が男性を空想していた…という話かと思った。短篇集のカラーからすると、こういう話でもおかしくない。

・最後に女性が男性を追放するのは優しさゆえ?

・お互いに極限状況で恥辱を加えられるという状況がすごい。


●「鏡の中」について

・ドッペルゲンガーテーマの作品。かなり怪奇小説らしい作品だと思う。

・鏡によって写る自分がそれぞれ異なる…というのが面白い。主人公が乗っ取られる鏡は中でも性質の悪い鏡?

・ボンテンペッリ『鏡の前のチェス盤』の紹介。鏡をテーマにした作品。


●「いま,わたしが目ざめたとき…」について

・現実世界では妻を愛していながら、夢の中では残虐な行為をしたいという、サディスティックなテーマ。

・明晰夢を見る人の感想。夢を見るときにいつも夢だと認識している。そういう視点から見ると非常に怖い作品。


●「塔の上」について

・別の時代の夢を見る…という話ではなく、過去の経験によって未来が変わる…という話かと思った。

・フィリッパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』の紹介。過去を改変してしまう話。

・舞台がスラヴっぽいところに味がある。英米作品とはちょっと異なる感触。


●「ベモーリ」について

・主人公自体がちょっと変わっている。

・最初の店の文房具だけに愛着がわくのはなぜ? オーナーが良い人ではなかったり、環境が良くなかったゆえに、文房具に愛情が向かったのでは。

・短篇集の中ではこれだけ毛色が違う。

・コリン・ウィルソンの評では、評価が低かった作品。


●「大理石の首」について

・恋人との思い出が夢であったのか、そうでなかったのかわからなくなる話。夢でないとすると語り手が耄碌していることになり、それはそれで怖い。

・作品集全体に夢テーマの作品が多いこともあって深読みしてしまう。


●「初恋」について

・「初恋」を演じる少年の話で、妙にひねくれている。照れ隠しの韜晦なのか、本当に演じているのかわからないところが面白い。

・ロシアの作品は「人妻との恋」の話が多い気がする。

・人妻の方も本気ではない様子が見えるが、互いに演じているのだろうか。


●「防衛」について

・誰が誰を「防衛」したのか? かなり意味深なタイトル。

・時代的に、トルコ戦役とかけてタイトルが「防衛」なのかもしれない。

・未亡人の身持ちが非常に固い。

・亡き夫の幽霊が出てくるが、幽霊ではなく未亡人が夫を思うあまりに生まれた「思念体」みたいなものかもしれないと思った。


●「南十字星共和国」について

・タイトルはロマンティックだが、内容は血みどろでびっくりする。

・ドキュメンタリー調で書かれているのが面白い。

・短い作品だが非常にいろんな要素が詰め込まれていて密度が濃い。

・政治的な背景を感じさせながら、出来上がったものが想像力豊かでハチャメチャなのが面白い。

・ソローキンに似たものを感じる。

・破滅SFの先駆的な作品。

・死体が置き去りという描写があるが、そこから病気が感染したりしないのだろうか? 科学的な考証は結構いいかげん。現代人が読むとそのあたりも気になってしまう。

・革命後のソ連でも上手く生き延びた作家ということで、政治的な立ち回りが上手い人だったのだろうか。作風からすると意外に感じる。

・次々と情勢が変わっていく様子が面白い。ドキュメンタリータッチもあって迫真性がある。現代で言うところのシュミレーション小説? ウェルズ『宇宙戦争』、マックス・ブルックス『WORLD WAR Z』などとの共通点も感じる。

・舞台となる南極都市の人口が5000万ということで、かなり巨大な都市である。当時の南極に対する期待などもあったのだろうか。


●「姉妹」について

・非常に真相がわかりにくい幻覚小説。どこからどこまでが妄想なのか。

・男と姉妹との交情は本当なのか。妄想なのか。殺人もあったのかなかったのか。考えるほどわからなくなる。

・三姉妹の性格がそれぞれ特徴的なのが面白い。女性のそれぞれの側面を描いたのだろうか。

・三姉妹の「類型」というのは昔からあるのだろうか。

・男ではなくその妻(次女)の妄想の可能性、旦那が出かける前に死んでいる可能性、そもそも全員がすでに死んでいるなど、様々な解釈の可能性があって面白い。

・芥川「藪の中」のような、リドル・ストーリー的な味わいのある作品。


●「最後の殉教者たち」について

・宗教的な法悦を求める団体が登場するということで、アーサー・マッケンの作品を思い出した。

・「南十字星共和国」の後の「新世界の始まり」を描いた作品とも取れる。

・サド・マゾ的な要素が強い。


・メアリ・シェリーの伝記映画『メアリーの総て』について。一部事実を改変しているが、わりと伝記的な事実に忠実に描かれている。

・ミハイル・ブルガーコフ作品について。不条理性・SF性が強い文学作品。

・雑誌『幻想文学』について。特集はどれも面白いが、ゴースト・ストーリーを特集した号と各国の幻想文学を紹介した号は特に面白い。

・『ナイトランド叢書』はどれが面白い? エドワード・ルーカス・ホワイト『ルクンドオ』、ベンスンの短篇集など。


次回「第20回読書会」は、2019年3月24日(日)開催予定です。
テーマは

 「ダンセイニの幻想と奇想」
  課題図書
  ロード・ダンセイニ『ペガーナの神々』(荒俣宏訳 ハヤカワ文庫FT)
  ロード・ダンセイニ『二壜の調味料』(小林晋訳 ハヤカワ・ミステリ文庫)


の予定です。

詳細は後日告知いたします。


テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

変り種のアンソロジー  カービー・マッコーリー編『恐怖の心理サスペンス』
恐怖の心理サスペンス―ゾクッ!とする楽しみをあなたに (ワニ文庫)
 カービー・マッコーリー編『恐怖の心理サスペンス』(矢野浩三郎訳 ワニ文庫)は、モダンホラーの名作アンソロジー『闇の展覧会』の編者として知られるマッコーリーのホラー小説アンソロジーの邦訳です。ただ、出版元の意向なのか、無理やり怪奇実話テイストのレイアウトで出版されたという、変り種の本です。

 目次を見ると完全に怪談実話のようで、どう見ても小説のアンソロジーだとは思えない作りになっています。それぞれの短篇の扉部分も、当然のごとく作者名は入っておらず、小説作品という感じではありません。原題名が英語で入っているので、かろうじて翻訳と分かる程度です。
 一応、巻末に収録作品の作者名・作家名と解説が入っているので、最後まで目を通すと邦訳アンソロジーだとわかるようにはなっています。
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 肝心の収録作品ですが、結構いい作品が入っていて、普通に面白いアンソロジーだと思います。全体に、同じ編者の『闇の展覧会』と比べても怪奇味が強いですね。

マクナイト・マーマー「嵐の夜」
 予定より早く自宅に帰ってきた人妻が、地下室で死体を発見しますが…。
 殺人犯が潜んでいるのか、それとも不在の夫の仕業なのか…? 女性の焦燥感あふれる語りのサスペンスホラー。

ポール・アンダースン&カレン・アンダースン「白い子猫」
 実業家の夫がエジプト学者の妻に出ていかれてしまい、その直後から白い子猫が周りに現れ始めます…。
 猫は実在しているのか、それとも夫の幻覚なのか…? 魔術を扱ったオカルト・ホラー作品。

ブライアン・ラムレイ「不気味な囁き」
 電車のコンパートメントで異臭を放つ小男が車掌に囁いた言葉で、ベントンは追い出されてしまいます。ことある毎に出会う小男の囁きは、人間を従わせる力があるようなのですが…。
 不気味な小男の恐怖を描くホラー。エスカレートする小男の行動が不気味です。

ラムゼイ・キャンベル「恐怖の遊園地」
 あるカーニバルを訪れたストーンは、メリー・ゴー・ラウンドに乗るうちに子供時代の記憶に囚われ始めますが…。
 象徴性の強い作品です。語り手の男を誘うものは何なのか…? 雰囲気のある作品。

デニス・エチソン「真夜中のハイウェイ」
 妻を後部座席に乗せて車でモハーベ砂漠のハイウェイを走っていたマックレイは、いつまでも目的地に着かないのに不審の念を抱きます。ようやくたどり着いたパーキングエリアには、なぜか人が見当たらないのですが…。
 起こっている事態が現実なのか、それとも超自然的なものなのかもはっきりしません。様々な解釈が可能な作品で、不気味さは集中でも一番です。

ロバート・ブロック「スカラブの呪い」
 エジプトでの研究から帰還したハートレーは、憔悴して老け込んでいました。ミイラを持ち出した彼は呪いにかかっているというのですが…。
 シンプルかつショッキングな結末が印象的な作品です。ブロックらしい怪奇味の効いたショッカー作品。

ウイリアム・F・ノーラン「死者からの電話」
 真夜中の電話に出たフランクは、相手が死んだばかりの親友レンだと名乗るのを聞いて驚きます。レンはフランクの陥っている苦境について話し、いい解決法があると提案してきますが…。
 ショート・ショートといってい短さの作品。切れ味鮮やかな作品です。

デイヴィス・グラッブ「ヒトラーを撃った男」
 「ぼく」の祖父ゲイリー・フラワーズは妙な信念を持っていました。その信念とは、世界はすべてウェスト・バーニジアの8つの郡の中にあるというもの。彼にとってヨーロッパなどという場所はありえないのです。
 親友ソルの家族が、ヒトラーによって収容所に入れられているという話を聞いたゲイリーは、ヒトラーを殺しに行くと出かけていきますが…。
 妄想癖のある祖父は実は…というファンタジー作品。これは面白いですね。ユニークな発想の作品。

ゲイアン・ウィルソン「アーネス博士の遺書」
 天才科学者アーネス博士は、不老不死の研究を進め、ついにそれを完成させます。しかしその研究には副作用がありました。時間の感覚が何倍にもなってしまうのです…。
 お話の展開の仕方が実にユニークで楽しい作品。ブラック・ユーモアにあふれた一篇です


 他の本でも読めるのは、ロバート・ブロックとゲイアン・ウィルソンの作品ぐらいでしょうか。収録作はどれも面白く、怪奇アンソロジーとしては水準以上のものだと思います。挿入されている余計な文章を除けば、訳文も普通に読みやすいです。
 『別冊幻想文学 モダンホラースペシャル』(アトリエOCTA)に、矢野浩三郎さんのインタビューが載っていて、ここに『心理サスペンス』についての記述がありました。ちょっと引用しますね。

 これはカービー・マッコーリー編纂の『Frights』の版権をとって、それを翻訳するつもりだったんです。
 あれは新しいものがかなり入っていたわけで、当時はモダンホラーという明確な括り方があったわけではないけれども、SF的なものも入れて、その新しい感じを出そうとしていたんです。ところが出版社が、読んでいて作品の内容が分からないって言うんです。
 「何が書いてあるのかわからんから書き直してくれ」と。翻訳というのは、原文そのままではなくて書き換えるのだという考え方はあるけれども、そういう翻訳論的なことではなくて、基本的に翻訳というものを理解していなかったわけですよ。仕方がないので、最初に企画していたものをバラバラにして、わかりやすいものをと入れ換えていったら、古いものが入って来ちゃった(笑)。だからかなり中途半端で、出さなきゃ良かったと思っているようなものです。カービー・マッコーリー編のものを再現するつもりが、もとのものとは違うアンソロジーになってしまったわけですから。


 矢野さんの文章を読むと、わかりやすい作品を残したということでしょうか。それでも、ラムゼイ・キャンベルやデニス・エチソンらの作品が入っているあたり、意欲的な部分も残したアンソロジーではありました。
 ちなみに、序文はフリッツ・ライバーが書いています。

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2月の気になる新刊と1月の新刊補遺
1月24日刊 横溝正史『仮面劇場 由利・三津木探偵小説集成3』(柏書房 予価2916円)
1月24日刊 E・H・ヴィシャック『メドゥーサ』(アトリエサード 予価2484円)
1月25日刊 フラン・オブライエン『ドーキー古文書』(白水Uブックス 予価1944円)
1月31日刊 ラヴィ・ティドハー『黒き微睡みの囚人』(竹書房文庫 予価1080円)
2月6日刊 ホルヘ・ルイス・ボルヘス『夢の本』(河出文庫 予価1512円)
2月10日刊 泡坂妻夫『妖女のねむり』 (創元推理文庫)(丸善ジュンク堂限定復刊)
2月10日刊 コリン・ウィルスン『賢者の石』 (創元推理文庫)(丸善ジュンク堂限定復刊)
2月10日刊 コーネル・ウールリッチ『黒衣の花嫁』 (ハヤカワミステリ)(丸善ジュンク堂限定復刊)
2月12日刊 江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集4』(創元推理文庫 予価1037円)
2月20日刊 F・W・クロフツ『クロイドン発12時30分 新訳版』(創元推理文庫 予価1080円)
2月20刊 ホーカン・ネッセル『悪意』(東京創元社 予価2808円)
2月20日刊 ケン・リュウ『生まれ変わり』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 予価2484円)
2月23日刊 ニール・ゲイマン『墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活』(角川文庫 予価994円)
2月26日刊 萩尾望都『ポーの一族 プレミアムエディション 上・下』(小学館 予価各2808円)


 《ナイトランド叢書》の新刊は、E・H・ヴィシャック『メドゥーサ』。M・P・シールの『紫の雲』と並び、幻想文学の古典として以前から邦訳が待望されてきた作品です。これは楽しみ。

 ラヴィ・ティドハー『黒き微睡みの囚人』は、ドイツで総統になるはずだった男がロンドンに逃れ、私立探偵をしている…という設定の歴史改変ノワールだそうで、これは面白そうですね。

 ホルヘ・ルイス・ボルヘス『夢の本』は、ボルヘスが編んだ夢テーマのアンソロジーの文庫化。同テーマの中では最高峰に位置するアンソロジーだと思います。
 ボルヘスのアンソロジーの面白いところは、長編作品の抜粋や、小説作品でもない書物からの引用など、セレクションが多彩なところ。しかも、選ばれた作品がボルヘスらしい味わいにあふれているところが魅力ですね。

 丸善150周年記念企画として、丸善ジュンク堂から何か月かにわたって限定復刊がされるようです。3月には、河出文庫の怪談集シリーズから『日本怪談集』『中国怪談集』『イギリス怪談集』の復刊、3月以降のラインナップとしては、『スキズマトリックス』『故郷から10000光年』のタイトルも挙がっていますね。

 ホーカン・ネッセル『悪意』は、現代スウェーデン作家による5篇を収録した短篇集。「デュ・モーリアの騙りの妙、シーラッハの奥深さ、ディーヴァーのどんでん返しを兼ね備えた傑作短編集」という謳い文句は期待させてくれますね。

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魔性の物語  ミルチャ・エリアーデ『令嬢クリスティナ』
令嬢クリスティナ
 ルーマニアの作家ミルチャ・エリアーデの長篇小説『令嬢クリスティナ』(住谷春也訳 作品社)は、レ・ファニュの「カーミラ」を思わせる、怪奇幻想味の濃厚な幻想小説です。

 モスク夫人の屋敷に滞在している画家のエゴールは、その家の姉娘サンダに恋をします。サンダが原因不明の病に襲われるのと同時に、エゴールは夢の中で謎の美女から求愛されます。考古学者ナザリエは、美女の正体は数十年前に死んだモスク夫人の姉クリスティナではないかと考えます。
 幼い妹娘シミナは年齢に似合わぬ発言だけでなく、しきりにクリスティナが生きているかのように振舞います。彼女が会っているのはクリスティナなのか? サンダの命を助けるため、エゴールはクリスティナの誘惑を振り切ろうとしますが…。

 吸血鬼テーマを扱った作品です。この作品の「吸血鬼」クリスティナは、人の生気を吸い取るだけでなく、夢の中に現れたり、果ては現実世界に実体となって現れもします。「吸血鬼」であり「夢魔」であり「幽霊」でもあるという、まさに変幻自在の存在です。主人公エゴールも彼女が生者ではないと知りながら、誘惑されてしまうのです。
 クリスティナと並んで、存在感を放っているのが妹娘のシミナ。おそらくクリスティナに憑かれているのですが、幼いながら妖艶で、エゴールを翻弄します。発表当時、このシミナの描写が仇となってエリアーデは非難を受けたとか。

 前半では噂や伝説で、クリスティナが魔性の女だったというような描写がなされるのですが、後半頻繁に姿を現すようになった段階では「人間味」が強くなってくるのも特徴です。単純な「怪物」として描かれないところは、中国や日本の幽霊譚を思わせるところがありますね。

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光彩ある物語  ジェフリー・フォード『言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選』
言葉人形 (ジェフリー・フォード短篇傑作選) (海外文学セレクション)
 ジェフリー・フォード『言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選』(谷垣暁美編訳 東京創元社)は、現代アメリカの幻想作家フォードによる13篇を収める傑作選です。どの短篇も非常に密度が濃く、短篇ひとつだけでも、まるで長編を読んだような満足感が得られます。

 儀式によって「人間」を創造してしまった少年の物語「創造」、著名なファンタジー作家の小説世界にその助手が入り込むという「ファンタジー作家の助手」、呪われたチェスセットをめぐる奇談「〈熱帯〉の一夜」、光を操る巨匠ラーチクロフトをインタビューに訪れるという「光の巨匠」、湖底の下の洞窟を訪れた少年少女の物語「湖底の下で」、分身だけでなく分身の分身が現れるという「私の分身の分身は私の分身ではありません」、農作業に従事する子供のために作られたという人形をめぐる「言葉人形」、星々と光の謎を解き明かそうとする科学者を描く「理性の夢」、当てられると現実が変容してしまうという風をめぐるファンタジー「夢見る風」、切った相手を珊瑚に変えてしまう魔剣を持つ男を描くヒロイック・ファンタジー「珊瑚の心臓」、怪物マンティコアの魔力と人間の物語「マンティコアの魔法」、ある日巨人にさらわれた女性の冒険を描く「巨人国」、王妃の死により憂鬱に陥った王を救おうとする臣民たちを描く「レパラータ宮殿にて」を収録しています。

 正直どれも傑作といってもいいぐらいの、恐ろしくレベルの高い短編集です。個人的に面白く読んだのは、「創造」「〈熱帯〉の一夜」「光の巨匠」「私の分身の分身は私の分身ではありません」「言葉人形」「夢見る風」「巨人国」「レパラータ宮殿にて」などでしょうか。

「創造」
 儀式によって人間もどきの「人間」を創造してしまった少年。彼は「人間」にキャヴァノーという名前をつけますが、姿を消してしまったキャヴァノーに対し罪の意識を抱きます…。
 神を信じないながら愛情あふれる少年の父親がとてもいいキャラクターで、「キャヴァノー」をめぐって父子間の関係性も描かれていくという、繊細かつ情感あふれる作品です。

「〈熱帯〉の一夜」
 語り手はふと出会った少年時代の知り合いレニンから話を聞きます。ごろつきだったレニンは仲間とともに、ある老人の家に盗みに入ります。老人は純金製の高価なチェスセットを持っており、それを盗もうというのです。しかしその盗難事件は彼らに不幸をもたらしていきます…。
 語り手が間接的に話を聞く…というフォーマットにしてから怪しげな雰囲気です。レニンたちの不幸が、本当にチェスセットのせいなのかも明確には描かれないところが特徴。レニンが最後にどうなったのかも含めて、リドル・ストーリー的な味わいが強いです。

「光の巨匠」
 光を操る巨匠ラーチクロフトの元を訪れた記者オーガスト。屋敷を訪れたオーガストは、現れた首だけのラーチクロフトの姿を見て驚愕しますが…。
 序盤のラーチクロフトの屋敷や魔術的な演出の描写も非常に魅力的ですが、ラーチクロフトが思念で創造したという若い男「使者」のエピソードが出てきてからは、想像もつかない展開になっていきます。まるでボルヘスを思わせるモチーフで、しかも物語が入れ子になり絡み合っていくという複雑な構成です。

「私の分身の分身は私の分身ではありません」
 「私」はしばらく前から、自分の分身が存在し、別の場所で生活していることを認識していました。ある日現れた分身は、分身にも更に分身が生まれており、その男は「私」のせいで生み出されたと言います。
 しかもその男は邪悪であり、早々に始末する必要があるとも…。
 異色の分身小説。「分身」が当たり前のように存在する世界を舞台にした、ブラック・ユーモアあふれる作品です。分身は本体と全く同じでなく、性格までも異なっているというのがユニーク。分身同士でシェアハウスをしているという設定もおかしいです。

「言葉人形」
 ある日「私」は通りがかった「言葉人形博物館」という看板を見つけ、関心を惹かれます。館長である老婦人は「言葉人形」について語り始めます。それは農作業に従事する子供たちが仕事中の慰めとして、頭の中で遊ぶための人形でした。
 人形には名前や職業、経歴さえあるのです。想像の中で成長した言葉人形はその人が大人になっても消えないというのです。牧師の妻は、不良少年として知られるエヴロンに罰の意味を込めて「刈り取り人」の言葉人形を与えてしまいますが…。
 民俗学的なモチーフを持つ幻想小説です。非常に想像力を刺激する物語で「罰を与えられた」少年の境遇が恐怖感を持って迫ってきます。ホラー味も強く、集中でも完成度の高い作品ですね。

「夢見る風」
 リパラの町の住民たちは毎年訪れる<夢見る風>を恐れていました。その<風>は、人間、動物、植物まであらゆる物を変容させてしまうのです。<風>が去れば、物事は元に戻るのが常でしたが、たまに元に戻らないものもあったのです。
 しかしその年、<風>は町を訪れませんでした。住民たちはどこか淋しさを感じるようになりますが…。
 突拍子もない被害を起こす<夢見る風>、しかし<風>が人々に与えるものは被害だけではなかった…という物語。ファンタジー的なモチーフを扱いながらも、主眼はそこにないという面白い作品です。どこかブラッドベリを想起させますね。

「巨人国」
 高速道路から巨人につかまえられ、鳥籠に入れられてしまった二人の男と一人の女。男たちは、女を説得して巨人の妻にしてやる代わりに自分たちを助けろと、巨人との交渉を始めますが…。
 おとぎ話風に始まり、その世界観で進むのかと思いきや「現実世界」を往還したりと、融通無碍に展開する物語です。読んでいる最中は、唐突な急展開があったりと、まとまりがないように思えるのですが、それらがいろんな伏線になっています。一度読んだだけでは把握が難しい複雑な構成の作品ですね。

 「レパラータ宮殿にて」
 レパラータは特異な王国でした。王のインゲスは、世間のはみだし者たちを集め、それぞれに役職を与えて宮廷を作っていたのです。ジョゼット王妃の逝去により沈み込む王を心配した家臣たちは、王を慰めようとしますが…。
 物乞いや泥棒、娼婦などのはみだし者たちが幸せに暮らす夢のような王国、しかし夢は長くは続かなかった…という物語。ハッピーエンドではなくても、登場人物たちにある種の救済が訪れる結末も好印象です。夢のような王国の崩壊と癒しをテーマとしたファンタジーです。

 魔剣を持つ男を描く「珊瑚の心臓」や、怪物マンティコアをモチーフとした「マンティコアの魔法」などは、いわゆる「ハイ・ファンタジー」的な要素が濃く、ダンセイニ作品を思わせます。ただフォードの作品はダンセイニよりも細部の設定に凝っており、いわば「濃口のダンセイニ」といった感じですね。

 とにかく短篇一つ一つが濃厚です。一篇に長篇級の要素が複数盛り込まれた作品もあり、物語世界に没入させてくれます。それだけに短篇を連続して読むのが難しいほどで、少しづつ読んでいくのが、この本の楽しみ方としては良いのではないでしょうか。

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レーモン・ルーセルの奇想世界
 フランスの作家レイモン・ルーセル(1877-1933)は、奇想と実験精神にあふれた作品を残した作家です。「人間を描く」こととは全く無縁、過度に人工的なその作品は、今読むと逆に「幻想的」です。そんなルーセルの代表作をいくつか見ていきたいと思います。


アフリカの印象 (平凡社ライブラリー)
『アフリカの印象』(岡谷公二訳 平凡社ライブラリー)

 乗船していたリュンケウス号が難破し、「私」たちは、アフリカのポニュケレ国の王タルー七世に捕らえられてしまいます。莫大な身代金と引き替えに帰還することを約束された「私」たちは、身代金が届くまでの時間つぶしに〈無比クラブ〉を設立し、芸を競い合うことになりますが…。

  前半は〈無比クラブ〉の面々の芸事が紹介されていき、後半はそれらの登場人物の紹介と前半の芸事の説明に費やされるという作品です。
 後半のエピソードはそれぞれ面白いのですが、前半はとりとめのないイメージが続きます。
 そのため、最初から読んでいくと、ついていけない読者もいるのではないでしょうか。著者が語っているように、後半から読んで前半に戻るという読み方もありかもしれません。
 作品を貫く「思想」などはありません。また、全体を通して重要な主人公がいるわけでもありません。あるのは奇想に溢れたイメージ群とファンタスティックなエピソードだけ。そしてそのエピソードも、道徳的なテーマがあるとか、人間の成長を描くとか、そういうこととは全く無縁です。
 しかし逆にそのおかげで、時代色や風俗色を全く感じさせない、奇妙な「新しさ」を獲得することに成功しています。ジュール・ヴェルヌやデュマを愛読したという、著者の趣味が純粋なエッセンスとなってばらまかれているのです。ある意味、これは好きな人にはたまらない作品でしょう。

 独自の言語遊戯から生み出されたという前半部分はあまりに人工的で、続けて読んでいると退屈してしまうのですが、有名な「チターを弾くみみず」などを始め、今まで読んだことのないイメージに出会うことができます。
 普通の文学作品の概念では全く捉えきれない作品です。普通の意味の「文学」ではないですが、これはやはり「幻想文学」といっていいのでは。



ロクス・ソルス (平凡社ライブラリー)

『ロクス・ソルス』(岡谷公二訳 平凡社ライブラリー)

 パリ郊外、モンモランシーに住む科学者マルシャル・カントレルが、客たちに自分の発明品とその由来を語るというだけの物語です。発明品が詳細に描写され、そのエピソードが語られていき、その繰り返しが終始するという、人を喰ったような作品です。

 『アフリカの印象』同様、その発明品や機械は奇想天外です。人間の歯のモザイクであるとか、息のできる水中で踊り子が奏でる音楽、死者の脳をよみがえらせて生前の行動をとらせる薬品など、その奇矯さは枚挙に暇がありません。
 人間が登場するエピソード部分はともかく、機械や発明の描写のパートは、それぞれ非常に長いため、読者によってはマニュアルを読まされているような感覚を覚える人もいるかも。
 物によっては、あまりに詳細にわたって描かれ、かつ現実にはあり得ないような形状や作りであったりするので、読者はそれをうまくイメージすることができないほどです。死者を蘇らせる薬品を例にとれば、その薬品の効き目だけをとりあげてエピソードにつなげれば読者の注意をそらすことなく作品を続けることができそうなのですが、ルーセルはそういうことはしません。あくまで懇切丁寧に発明品の描写を延々と続けていくのです。ルーセルは「人間を描くこと」に全く興味がないので、このあたり食傷してしまう人もいるかもしれませんね。

 前半いっぱいずっと芸事の描写に割かれるという構成の『アフリカの印象』に比べれば格段に読みやすいのですが、それでもけっこうしつこいものがあります。それぞれのエピソードは単独でも魅力のあるものなので、その魅力で読めてしまうのですが、これを小説といっていいかどうかも悩んでしまいます。
 非常に説明がしにくいのですが、何ともいいようのない魅力のある作品です。



レーモン・ルーセルの謎―彼はいかにして或る種の本を書いたか
岡谷公二『レーモン・ルーセルの謎 彼はいかにして或る種の本を書いたか』(国書刊行会)

 レーモン・ルーセルに関して書かれた文章を集めた本です。『アフリカの印象』『ロクス・ソルス』の翻訳者だけあって、ルーセルに対する理解に関してはまさに第一人者。
 金持ちで教養があり、プロはだしのピアニストであるルーセル。規則マニアであり、日常生活においても規則に従わなければならなかった奇人ルーセル。知れば知るほど興味深い人物です。
 ルーセルの文学的立場は、文学史から孤絶しており、それは反現実に貫かれている、と著者は言います。ヴェルヌやデュマなどの小説、児童劇や妖精物語などを好み、同時代の文学には全く興味を示さなかったのです。何度も旅行に出かけながら、それを作品に生かそうとは全くしませんでした。
 自分を賞賛するアンドレ・ブルトンたちとも距離を置き、あくまで世間的な栄光を求めてやまなかったのです。一番驚かされるのは、「方法」と呼ばれる独自の創作法です。それは現実とは全く関わりを持たない、完璧に人工的な創作法でした。こんな方法で小説が書けるとは誰も思いもしなかったでしょう。
 実際、当時のシュルレアリストたちは、ルーセルは夢を題材にしているのではないかと考えていたらしいのです。しかし、ルーセルの独創性はその人工的な創作法に尽きるわけではありません。むしろそうして得たイメージやエピソードが、人間的な興味、現実に対する関心に欠けているという点です。

 ルーセルのような方法によってイメージを得るというのは、創作法としてはありでしょう。しかし普通の作家であれば、あくまで得たイメージをもとに、人間を描いた作品に発展させるかと思います。しかしルーセルにおいては、現実とのとっかかりを持たない、物語のための物語、にしかなり得ないのです。

 レーモン・ルーセルの作品を読む際には非常に参考になる副読本であり、またこの風変わりな人物を知るためのノンフィクションとしても面白い一冊です。

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ブラッドベリの昼と夜
たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)
 レイ・ブラッドベリ『たんぽぽのお酒』(北山克彦訳 晶文社)は、1928年のアメリカ、イリノイ州のグリーン・タウンを舞台に、12歳の少年ダグラスとその弟トムのスポールディング兄弟を中心にした、連作短篇風の小説です。
 少年のひと夏の成長を描く作品といっていいのでしょうが、全体にそれほど劇的な事件はなく、どちらかと言うと穏やかな日常を描いたエピソードが多いです。ただ、その何気ない日常の描写にも、比喩やイメージが乱舞しており、とても煌びやかな印象を受けます。

 「たんぽぽのお酒」「テニス・シューズ」「幸福マシン」「びん入りの空気」…、登場するアイテムがことごとくノスタルジーを掻き立てます。主人公含め、登場する人々の感性もまた素晴らしい。例えば、過去を回想する老齢のフリーリー大佐を「タイム・マシン」と呼んだりするのは、そのよい例でしょう。
 また、連続殺人犯を「孤独の人」と形容したり、人を幸せにする「幸福マシン」を開発する男性の話があったり。いろいろ魅力的なエピソードが入っています。
 特に印象に残るのは、「大人は子供だったことはない」とする子供たちとベントレー夫人とのやりとりを描くエピソードと、31歳の男性ビルと95歳の老婦人ヘレンとのほのかな心の触れあいを描くエピソードでしょうか。

 主人公ダグラスは、日々の生活を通して「生」の喜びを知るのと同時に「死」をも知ります。実際、明るく煌びやかなエピソードだけでなく、「夜」や「闇」の恐ろしさをテーマとしたエピソードも含まれています。
 兄弟の帰りを待ち続ける心細さを語った「夜」のエピソードや、連続殺人犯を描いた「孤独の人」のエピソードなどは、そうしたテーマに属するものですね。
 児童文学扱いになっている作品ですが、詩的な文体といい、ちりばめられた比喩といい、子供向けとしては非常にレベルの高い作品だと思います。むしろ大人の読者の方が、その魅力を十全に感じることができるのではないでしょうか。



ミステリマガジン 2012年 10月号 [雑誌] 二人がここにいる不思議 (新潮文庫)
 ちなみに、作中に登場する<孤独の人>のエピソードの原型になった短篇があります。「町みなが眠ったなかで」がそれなのですが、こちらの短篇にはさらに続編「ときは6月、ある真夜中」があります。こちらも読んでみました。

 「町みなが眠ったなかで」に関しては、『たんぽぽのお酒』版と細部が少し変わっているだけで、ストーリーはほぼ同じです。改めてあらすじを紹介しておきますね。

 町に<孤独の人>と呼ばれる殺人鬼が出没し、すでに何人もの女性が殺されていました。ある夜ラヴィニアは友人たちとともに映画館に向かいますが、その途中で死体を発見します。その死体はラヴィニアの友人のものでした。気分を落ち着かせるためにラヴィニアたちはあえて、その夜映画館に向かいます…。

 殺人鬼におびえる小さな町の風景、映画帰りの淋しい夜道の雰囲気が素晴らしい作品です。あえて危険を侵すような態度を取るヒロインの気丈さと、一人になったとたんに浮かんでくる心の戦き、このあたりの心理描写が繊細で心に残りますね。

 さて、この作品の続編が「ときは6月、ある真夜中」です。「町みなが眠ったなかで」が1950年発表なのですが、1954年にエラリイ・クイーンの要請によって続編が書かれています。続編では、殺人鬼の視点で物語が綴られています。

 ヒロインの家で待ち構えていた殺人鬼が、闇の中から自分の心情を吐露します。ラヴィニアはどうなるのか…? という物語。前篇では犯人の正体を明かさない「リドル・ストーリー」の形を取っているのですが、続編では犯人の正体はわかるようになっています。
 ただ続編でも、ヒロインが殺されてしまったかどうかは、はっきりわからないようになっています。さらに言うと『たんぽぽのお酒』では、最終的に犯人である<孤独の人>は死んだことになっているのですが、作中で描写される犯人の人物像が、「ときは6月、ある真夜中」の犯人と違っているようなのです。
 実際、『たんぽぽのお酒』の作中で主人公の兄弟が<孤独の人>について話すシーンがあり、彼は死んでいないのではないか、という疑問を口にする箇所があります。『たんぽぽのお酒』の発表は1957年、「ときは6月、ある真夜中」よりも後です。
 とすると、ブラッドベリは『たんぽぽのお酒』作中で死んだ<孤独の人>は真犯人でないとしていることになりますね。そう考えると『たんぽぽのお酒』は、随分不穏な作品といってもいいのかもしれません。

 ちなみに、短篇「町みなが眠ったなかで」は、都筑道夫訳が『日本版EQMM1959年6月号』に掲載された後、 『ミステリマガジン2012年10月号』に再録されています。
 続編「ときは6月、ある真夜中」は、同じく都筑訳が『日本版EQMM1959年7月号』に掲載、『ミステリマガジン2013年5月号』に再録されているほか、伊藤典夫訳が『二人がここにいる不思議』(新潮文庫)に収録されています。

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怪奇幻想読書倶楽部 第19回読書会 参加者募集です
吸血鬼カーミラ (創元推理文庫 506-1) 南十字星共和国 (白水Uブックス)
 2019年1月27日(日曜日)に「怪奇幻想読書倶楽部 第19回読書会」を開催いたします。
 若干名の参加メンバーを募集しますので、参加してみたい方は、以下のメールアドレスまで参加希望の旨をご連絡ください。タイトルは「怪奇幻想読書倶楽部●回読書会 参加希望」などにしていただければと思います。
 その際、お名前とハンドルネーム(ある場合)を書いていただくと助かります。
 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp


開催日:2019年1月27日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:2000円(予定)
テーマ
第1部
課題図書 レ・ファニュ『吸血鬼カーミラ』(平井呈一訳 創元推理文庫)
第2部
課題図書 ワレリイ・ブリューソフ『南十字星共和国』(草鹿外吉訳 白水Uブックス)」

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。
※オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも安心して参加できると思います。
※「怪奇幻想読書倶楽部」のよくある質問については、こちらを参考にしてください。

 第1部は、19世紀怪奇小説の巨匠レ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』を取り上げたいと思います。レ・ファニュは、ゴシック小説が近代的な怪奇小説に移り変わっていく時代のちょうど只中に活動した作家です。英米の近代的な怪奇小説の原型を作ったといってもよいレ・ファニュ作品について話していきたいと思います。

 第2部は、ロシアの作家ワレリイ・ブリューソフの『南十字星共和国』を取り上げたいと思います。SFや幻想的な要素の強い象徴主義的作品ですが、物語自体の魅力も充分です。長年、稀覯書となっていましたが、白水Uブックスでの復刊で手に入りやすくなりました。この機会に、この魅力的な作品を読んでみたいと思います。

※1月5日追記 定員に達しましたので、募集は締め切りとさせていただきたいと思います。

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新年のご挨拶と2019年度の気になる新刊
 2019年最初の更新になります。今年もよろしくお願いいたします。

 昨年は年の後半にtwitter上で「#日本怪奇幻想読者クラブ」を発足し、ネット上ながら怪奇幻想ジャンルのファン同士の交流が活発になったのが、個人的に嬉しいところでした。主宰する読書会での人との出会いもありました。
 今年も、ネットとリアル、両方を通して人との交流も増やしていく、というのを目標にしたいと思います。

 年末は積読になっていた本のなかから、長期の休みでないと読めないような本を読もう…と思っていたのですが、休みとなると、意外に本が読み進められないものですね。
 加えて、休みに入ってからすぐに読み始めた、ジェフリー・フォード『言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選』(谷垣暁美編訳 東京創元社)が大傑作で、そのインパクトが強すぎて、ちょっとすぐに他の本に手を出せなくなってしまいました。
 そんなわけで、年越しの本は、読みやすさ重視で、動物パニックものB級ホラー『人喰い猫』(バートン・ルーシェ 和田徹三訳 角川文庫)を読みました。ひねりも何もない直球のB級ホラーで、それが逆にすがすがしい感じの作品ですね。

 さて、今年の発売予定の本から、気になるタイトルを挙げておきたいと思います。

オラフ・ステープルドン『スターメイカー』(浜口稔訳 ちくま文庫)

ヒュー・ウォルポール『銀の仮面』(創元推理文庫)

『平井呈一怪談翻訳集成』(仮題)(創元推理文庫)

ピーター・ワッツ『巨星 ピーター・ワッツ傑作選』(嶋田洋一訳 創元SF文庫)

フランシス・ハーディング『カッコーの歌』(児玉敦子訳 東京創元社)

ショーニン・マグワイア『砂糖の空から落ちてきた少女』(原島文世訳 創元推理文庫)

ソフィア・サマター『翼ある歴史 図書館島異聞』(市田泉訳 創元推理文庫)

フェルディナント・フォン・シーラッハ『刑罰』(酒寄進一訳 東京創元社)

ホーカン・ネッセル『悪意』(久山葉子訳 東京創元社)

ロバート・ロプレスティ『ロプレスティよりぬき傑作短編集』(高山真由美訳)

小森収編『海外ミステリアンソロジー』(全5巻)(深町眞理子、猪俣美江子他訳)

残雪『蒼老たる浮雲』(近藤直子訳 白水Uブックス)

残雪『カッコウが鳴くあの一瞬』(近藤直子訳 白水Uブックス)

スティーヴン・ミルハウザー『われら他人』(柴田元幸訳 白水社)

ピョン・ヘヨン『モンスーン』(白水社エクス・リブリス)

サキ『ウィリアムが来た時』(深町悟訳 国書刊行会)

垂野創一郎編訳『怪奇幻想骨董翻訳箱』(国書刊行会)

ジェイムズ・ブランチ・キャベル《マニュエル伝》シリーズ(全3巻 中野善夫・安野玲・垂野創一郎訳)

森村たまき『ウッドハウスの世界』(国書刊行会)

関口英子・橋本勝雄編『21世紀イタリア短篇選集』(全1巻 国書刊行会)

浅倉久志訳『ユーモア・スケッチ大全』(国書刊行会)

ジョン・メトカーフ『死者の饗宴』(『煙をあげる脚』より改題 国書刊行会)

ステファン・テメルソン『イワシ缶の謎』(大久保譲訳 国書刊行会)

ハーラン・エリスン『愛なんてセックスの書き間違い』(柳下毅一郎訳 国書刊行会)

ガブリエル・ガルシア=マルケス『バルタサルの素晴らしい午後 ガルシア=マルケス中短篇傑作選』(野谷文昭訳 河出書房新社)

ケン・リュウ『生まれ変わり』(仮題 新☆ハヤカワ・シリーズ)

 やはり、東京創元社と国書刊行会のタイトルに気になるものが多いです。
 創元社では、ヒュー・ウォルポール『銀の仮面』『平井呈一怪談翻訳集成』(仮題)(創元推理文庫)、ホーカン・ネッセル『悪意』、小森収編『海外ミステリアンソロジー』あたりが気になりますね。
 ヒュー・ウォルポール『銀の仮面』は、国書刊行会から出た同タイトルを増補した作品集。
 『平井呈一怪談翻訳集成』は、平井呈一の現在入手困難な翻訳を集成したものだそうです。ラヴクラフト「アウトサイダー」、ブラックウッド「幽霊島」、ポリドリ「吸血鬼」、クロフォード「血こそ命なれば」、べリズフォード「のど斬り農場」などを収録。
 ホーカン・ネッセル『悪意』は、スウェーデン作家の短篇集。煽り文句がすごくて「デュ・モーリアの騙りの妙、シーラッハの奥深さ、ディーヴァーのどんでん返しを兼ね備えた必読の短編集。」とのこと。
 小森収編『海外ミステリアンソロジー』は、「Webミステリーズ!」で連載されている「短編ミステリ読みかえ史」をもとに編纂されるアンソロジーだそうです。連載エッセイでは、純ミステリだけでなく、<奇妙な味>や怪奇作品にも触れられていたので、懐の広いアンソロジーになりそうですね。楽しみです。

 国書刊行会では、垂野創一郎編訳『怪奇幻想骨董翻訳箱』は、前年から予告されていたもののタイトルが変更になったようですね。
 あと気になるのは『21世紀イタリア短篇選集』。とくに「幻想」とかの肩書きはないですが、訳者が光文社古典新訳文庫で幻想的な作品を訳しておられる方なので、そちら方面の作品も収録されるのでしょうか。
 嬉しいのは浅倉久志訳『ユーモア・スケッチ大全』。以前、早川書房から出ていたものの集成でしょうか。
 驚いたのは、ジェイムズ・ブランチ・キャベル《マニュエル伝》シリーズ。《マニュエル伝》といえば、《世界幻想文学大系》にシリーズ最終巻『夢想の秘密』だけが入っていた作品です。シリーズの他の作品は面白いのでしょうか。


※書目に関しては、twitter上にアップされていた「読んでいいとも!ガイブンの輪 オレたち外文リーガーの自信の1球と来年の隠し球vol.7」のレジュメ、東京創元社の2019年度ラインナップのご案内、藤原編集室さんのツイートを参考にさせていただきました。

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プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。
twitterアカウントは@kimyonasekai



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