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怪奇幻想読書倶楽部 第15回読書会 開催しました
4150200262ゲイルズバーグの春を愛す (ハヤカワ文庫 FT 26)
ジャック・フィニイ 福島 正実
早川書房 1980-11-01

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 7月29日の日曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第15回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め14名でした。
 テーマは、第1部「課題図書 ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』(福島正実訳 ハヤカワ文庫FT)」、第2部「参加者が選ぶ!自分だけのベスト10」です。参加してくださった方には、お礼を申し上げたいと思います。

 それでは、当日の会の詳細について、ご報告したいと思います。

 今回も、参加者全員のプロフィールをまとめた紹介チラシを作りました。チラシをPDFにしたものを、メールにて事前に配信しています。

 第1部は、課題図書として、ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』(福島正実訳 ハヤカワ文庫FT)」をとり上げました。フィニィを初めて読むという人もいましたが、思っていたほどロマンティック一辺倒ではなく、現実的な要素やほろ苦さもある作品集だという意見が多かったように思います。
 一番人気があったのは、やはり「愛の手紙」。他に「大胆不敵な気球乗り」や「独房ファンタジア」なども人気がありました。

 第2部は「参加者が選ぶ!自分だけのベスト10」。それぞれ事前に参加者にベストを挙げていただき、それについて話していこうという企画です。テーマは自由で、ジャンル、ベストの数、海外作品か日本作品か、などについてもそれぞれの裁量に任せていたので、本当に様々なベストが集まった感じです。

 それでは、以下話題になったトピックの一部を紹介していきます。


●第1部「課題図書 ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』(福島正実訳 ハヤカワ文庫FT)」

・フィニィへのオマージュも入った時間SF小説、新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー』の紹介。作中で紹介される、時間SFの分類軸が非常にユニーク。表紙絵の浴衣がハヤカワ文庫版の『ゲイルズバーグの春を愛す』になっているなど、小ネタも楽しい。

・『ゲイルズバーグの春を愛す』の表紙絵、内田善美のイラストの影響は非常に強いと思う。

・藤子不二雄A『憂夢』の紹介。フィニィへのオマージュがある。

・『盗まれた街』は、身近なものがすり替わる恐怖が感じられる。子供のころ、親が本物の親ではないのではないか、などと考えたことにも通じるものがある。

・『ふり出しに戻る』の前半の過去の街の描写は非常に細かい。作者が調べた資料が反映されているのだろうが、偏執的なほど。

・『時の旅人』について。『ふりだしに戻る』の続編だが、つじつまが合わないところがあったりと、完成度はそんなに高くない。

・長篇『マリオンの壁』について。女優の幽霊が夫婦の妻に憑依する話。フィニィにしては珍しく、過去より未来へのベクトルが強い?

・フィニィの本質は「第二のチャンス」。やり直したいという欲望が原動力ではないか。

・スティーヴン・キング「刑務所のリタ・ヘイワース」について。特定の箇所にずっと気がつかないのは不自然な気がする。

・フィニィは題材が「過去」なので古いイメージが強いが、小説技法的には非常にモダンな人だと思う。

・フィニィの短篇が発表された雑誌が男性読者がメインターゲットなので、その当時の男性が喜ぶタイプの話が多い?

・フィニィ作品では、個人の強烈な意思の力が現実を変えてしまう…という話が多い。似たようなテーマの作品では、小松左京「召集令状」がある。

・フィニィのミステリ・サスペンス作品について。大体どれも「ほろ苦さ」がある。超自然現象が起きなくても、フィニィ作品に共通する味わいがある。

・フィニィはいろんなジャンルの作品を書いていて、すごく器用な作家。

・『五人対賭博場』『クイーン・メリー号襲撃』について。どちらも計画を立てていく部分が面白い。『クイーン・メリー号襲撃』では主人公が計画実行の時点で嫌気が差してしまったりと、計画は空想のあいだの方が楽しい…という感が強い。

・レイ・ブラッドベリ「雷のような音」について。ささいなことから歴史が変わってしまうというタイムトラベルもの。

・フィニィは厳密にタイム・パラドックスやパラレルワールドについて書かないが、逆にそれをしてしまうと「個人の物語」ではなくなってしまうからかもしれない。

・タイムトラベルものは、未来に行くより過去に行くものの方が多い気がする。

・時代によって未来の描写も変わってくる。昔は交通機関などの要素が強かったが、現代は電脳空間的な要素が強い。

・フィニィ作品で過去への郷愁を持つ人物が多く登場するが、同じような考え方を持つ仲間を集めたりしようとしないところが気になる。あくまで個人的な話に終始することが多い。

・フィニィ作品が、SF系の人だった福島正実による翻訳が多いせいもあるのだろうが、日本のSF作家たちに与えた影響が大きいのではないか。

・日本SFの理論派だった福島正実が、フィニィ作品やハインライン『夏への扉』など、ロマンティックな作品の紹介者でもあったことは面白い。

・アメリカ人は歴史が浅い分、近い歴史に対する重いが強い? 自分の先祖ではない古い家族写真などを集める人がいると聞くが、それもその例証かもしれない。


■「ゲイルズバーグの春を愛す」
 イリノイ州ゲイルズバーグで起こる不思議な事件を、ドキュメンタリータッチで描いた作品。古き良き街で頻発する不思議な現象の目的は一体何なのか?

・アイディアが面白い。
・「失踪人名簿」(『レベル3』収録)とも印象が似ている。
・一見「過去」を守ろうとするいい話に見えるが、作中で起こる現象がずっと続くのだとするとちょっと怖い話である気もする。内容は違うが『盗まれた街』とも通じるところがある?
・同じアイディアでスティーヴン・キングが書いたら面白そう。
・「過去」と「現在」とのせめぎあいで、抵抗してはいるけれど「過去」は少しづつ負けていく…という話だと思う。


■「悪の魔力」
 街歩きが趣味の「ぼく」はある日、マジック・ショップで入荷したばかりという不思議な眼鏡を手に入れる。それをかけると女性の服が透けて見える。同じく街歩きが趣味の同僚フリーダをその眼鏡で覗いた「ぼく」は驚くが…。

・道具屋に納品をしている男は「悪魔」?
・この手の話では魔法の道具の使用に対する代償を要求されることが多いが、この作品ではそれがない。
・フリーダのキャラクターは、当時の時代を考えると先進的な女性像だと思う。
・男性に都合のいい展開?


■「クルーエット夫妻の家」
 富裕なクルーエット夫妻が過去の家の図面に魅せられたことから、その過去の様式で家を建てるという物語。実業家であり非常に現実的であった夫妻が、家の影響でだんだんと外界との接触をなくしていく。

・結末はホラーチック。
・描かれないが、配管や水周りが気になる。日常生活の描写がないのがポイント。
・雰囲気的には家ごと過去に行ってしまいそうな感じがするが、最後まで明確な超自然現象が起きないのもポイントか。
・家の「幽霊」? クルーエット夫妻の次に住む住人は家に憑かれてしまうのではないか。ジャクスン『丘の屋敷』にも通じるものがある。


■「おい、こっちをむけ!」
 作家マックス・キンジェリーは、才能豊かながら経済的にも恵まれず不遇な日々を送っていた。彼の友人になった「わたし」は妻ともども、彼の面倒をいろいろと見てやっていたが、マックスは流行性感冒であっさりと死んでします。彼の死後半年して「わたし」は、街中でマックスの「幽霊」を見かける。マックスは何のために現れたのか…?

・フィニィの自画像が反映されている?
・結末の解釈の難しさ。幽霊になったマックスが伝えたかったものは? つけを払ってもらえたかっただけ?
・幽霊になったのは、作品を再び書きたいため?
・自分の名前を残したいという欲望が描かれている。
・長篇『マリオンの壁』との共通点。道半ばで死んでしまった芸術家の執念。


■「もう一人の大統領候補」
 語り手の「私」は友人チャーリイを大統領候補になってもおかしくないと男だと断言する。チャーリイの少年時代のエピソードの中でも最大の事件は、脱走した虎に催眠術をかけるというものだった…。

・あんまりフィニィっぽくない作品?
・作中の少年は「ハックルベリー・フィン」を思わせる。ホラ話風?
・連作のはじめっぽい雰囲気がある。いくつものエピソードが続くようなイメージ。
・思い出話と見せかけて「演説原稿」というのがポイント。


■「独房ファンタジア」
 死刑執行が近づいた若いメキシコ人の死刑囚ペレスは、絵を描くための道具と、独房の壁に壁画を描きたいという請願書を典獄に提出していた。ペレスはさっそく壁に絵を描き始めるが、時間が経つにつれ、その絵がドアを描いたものだということが判明する。

・フィニィ作品のイメージから、壁に描かれるドアから脱出する光景を想像してしまう。
・ホラー好きとしては、ドアから逆に何かが出てくると思った。
・壁のドアから見える女性は奥さん?
・現象は一回限りの奇跡なのか、それともペレスが持っていた能力なのか?
・絵を描く行為そのものによって、現実が変容する話。
・もしかしたら、家にいる奥さんの側からもペレスが見えていたのではないか?そうすると、ペレスの行為は自分が見たいというより、相手に見せたいという意思の方が強いという解釈もできる。
・典獄が不安を抱きつつ、絵を描く行為を黙認するのが、雰囲気を高めている。


■「時に境界なし」
 物理学の助教授ウェイガンは警察のイリーン警部に呼び出される。捜査の手伝いをしてほしいというイリーンはいくつかの事件を語り始める。どの事件でも、容疑者は消えたきり行方が杳として知れない。彼らは「過去」へ逃亡したのではないか…。

・警部自身を語り手にしないところが上手い。他の作品でも当事者からずらしたキャラクターを語り手に設定することが多いように思う。警部自身を語り手にすると「感じが悪い」というのもあるかも。
・警部が歴史を変えてしまう…という可能性が高いのだが、そこらへんがぼかされている。
・過去へ行った人が自分の存在を知らせるために、未来に対して報告するところが律儀。


■「大胆不敵な気球乗り」
 チャーリイは妻子が留守の間、ふと空を飛びたいという衝動にかられる。百科事典の気球の項目を読み、さっそく気球を自作し完成にこぎつけたチャーリイは、夜になるのを待って気球で空に上がる。
 飛行している姿を、近所に住むレニダス夫人に目撃されたチャーリイは、次の夜、彼女から一緒に気球に乗せてほしいと懇願される。やがて二人は、気球で夜の冒険に出かけることになるが…。

・ブラッドベリっぽい雰囲気がある。ロマンチックなおとぎ話。
・恋愛に発展しないところがポイント。二人の仲が「同士」に近い。
・作中に使われる歌が良い。You tubeで実際に聞ける。『タイタニック』の甲板で演奏されていたのと同じ曲らしい。
・レニダス夫人のストッキングの色が気になる。フェティッシュな面を感じる。夫人がサーカスの空中ブランコ乗りでも演じているような心境を表わしている?


■「コイン・コレクション」
 結婚して四年になる「私」は、妻マリオンへの態度が原因で彼女を怒らせてしまう。ある日「私」はズボンのポケットに、見たことのない十セント銀貨が紛れ込んでいるのに気がつく。その銀貨で新聞を買った「私」は別世界に来てしまう。その世界の自宅で「私」を出迎えたのは妻である「ヴェラ」だった…。

・コインで別世界に行ける話。ガジェットとしては魅力的。
・男性にとって都合がいい話? 長篇版『夢の10セント銀貨』はさらに都合が良くなっている。
・第二の世界だけでなく、他の世界にも行ける可能性を示唆している。
・ニューススタンドがきっかけなのは、いろんな世界のコインが混ざってくるから?
・リチャード・マシスンの『ある日どこかで』でコインが出てくるのは、この作品の影響?

※長篇『夢の10セント銀貨』
・女性に対する扱いが雑な気がする。
・元妻に執着するようになって以降、現妻がほとんど描かれなくなってしまう。
・パラレルワールドに転移しているということは、別世界の自分も別の世界に移行しているのではないか? そのあたりの設定は厳密でない。
・パラレルワールドの描写は楽しい。商品の名前が違っていたり、実在の俳優が一般人として登場したりする。


■「愛の手紙」
 「ぼく」は、古道具屋で時代ものの机を手に入れる。机は取り壊し中のヴィクトリア朝風の大きな邸から出たもので、三段の小抽斗がついていた。ある夜抽斗を触っていた「ぼく」は、奥に隠し抽斗があることに気付く。
 抽斗に隠されていたのは手紙だった。ヘレンという結婚間近の娘が、空想上の恋人に向かって書いた手紙らしい。ふと手紙に返事を書くことを思いついた「ぼく」は、返事をしたためると、当時の切手を貼り、古い郵便局のポストに投函する。
 その後二番目の隠し抽斗に隠されていた古びた手紙を見て「ぼく」は驚く。自分が出した手紙に対し、1880年代にいるはずのヘレンの返事が入っていたのだ…。

・三通しか手紙をやり取りできないという設定が秀逸。
・一通の手紙で人生を変えられてしまった女性は幸福だったのか?
・当時の女性として、ヘレンに対する結婚への圧力があったのではないか?
・ヘレンの家は、兄が跡継ぎ、家もそれなりの資産家らしいという描写があるので、独身でも生きることができた?
・ヘレンは、若死にではなく長生きしている。その時間の経過を考えると、切なさを感じる。若死しているという話であれば美しい話になったろうが、そうしないところが名作たる所以。
・ヘレンは結婚相手がよっぽと嫌だったのか? もしかしたら語り手の手紙が結婚したくないという意志を後押ししてくれたのかもしれない。
・手紙の相手は語り手でなくても良かった?
・福島正実訳では重要なところで訳に問題がある部分がある。


●第2部「参加者が選ぶ!自分だけのベスト10」

 内容を全て取り上げると膨大になってしまうので、当日挙げられた、参加者それぞれのリストを紹介する形で代えさせてもらいたいと思います。

■ユーモア幻想小説ベスト10
ジョン・コリア「恋人たちの夜」
クロード・クロッツ『パリ吸血鬼
アルベルト・モラヴィア「夢に生きる島」
マイクル・Z・リューイン『神さまがぼやく夜』
アルジャーノン・ブラックウッド『人間和声』
トニー・デュヴェール『小鳥の園芸師』
H・F・セイント『透明人間の告白』
マルセル・エーメ「サビーヌたち」
アンリ・トロワイヤ「恋のカメレオン」
ジョン・ケンドリック・バングズ「ハロウビー館のぬれごと」

■海外SF・幻想文学短編集ベスト
ヒュー・ウォルポール「銀の仮面」
イタロ・カルヴィーノ「レ・コスミコミケ」
トルーマン・カポーティ「夜の樹」
レオ・ぺルッツ「アンチクリストの誕生」
ホルヘ・ルイス・ボルヘス「伝奇集」
トマス・M・ディッシュ「アジアの岸辺」
サミュエル・R・ディレイニー「ドリフトグラス」
ジーン・ウルフ「デス博士の島その他の物語」
バリントン・J・ベイリー「シティ5 からの脱出」
コードウェイナー・スミス「シェイヨルという名の星」

■日本SF・幻想系短編集ベスト
山尾悠子「夢の棲む街」
荒巻義雄「柔らかい時計」
石川宗生「半分世界」
津原泰水「11 eleven」
水見稜「マインド・イーター」
山野浩一「鳥はいまどこを飛ぶか」
飛浩隆「自生の夢」
伊藤計劃「The Indiff erence Engine」
瀬名秀明「希望」
宮内悠介「盤上の夜」

■超絶SF短編(よくわからないところがあるけどとにかく凄いと思わせる作品)
デイヴィッド・I・マッスン「旅人の憩い」
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「愛はさだめ、さだめは死」
テッド・チャン「息吹」
グレッグ・イーガン「ルミナス」
スタニスワフ・レム「仮面」
ハーラン・エリスン「世界の中心で愛を叫んだけもの」
シオドア・スタージョン「海を失った男」
荒巻義雄「大いなる正午」
石原藤夫「宇宙船オロモルフ号の冒険」
酉島伝法「皆勤の徒」

■びっくりした小説(主にミステリ中心)
T・S・ストリブリング「カリブ諸島の手がかり」
ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ「嘲笑う闇夜」
ダニー・Z・ダニエレブスキー「紙葉の家」
フェルディナント・フォン・シーラッハ「犯罪」
マイクル・ビショップ「誰がスティーヴ・クライを造ったか」
殊能将之「ハサミ男」
島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
円城塔「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」(年刊日本SF 傑作選『虚構機関』収録)
麻耶雄嵩「神様ゲーム」
法月綸太郎「ノックス・マシン」

■家に関する短篇ベスト10
1.ブライアン・エヴンソン「ウインドアイ」
2.スティーヴン・ミルハウザー「屋根裏部屋」
3.カリール・ジブラン「柘榴」
4.トーマス・マン「衣裳戸棚」
5.リサ・タトル「クローゼットの夢」
6.マグナス・ミルズ「からっぽの家」
7.トーマス・オーウェン「売り別荘」
8.アルベルト・モラヴィア「二重生活」
9.ウォルター・デ・ラ・メア「謎」
10.フィッツ= ジェイムズ・オブライエン「なくした部屋」

■繰り返し読みたい短編小説(or シリーズ) ベスト10
1.ピーター・トレメイン『アイルランド幻想』 or こちらは光文社文庫からですが、光文社古典新訳文庫の数冊を含む(ブラックウッドやマッケン、コッパード、ブッツァーティ、コルタサルなどの短編集)
2.ロバート・ブロック『血は冷たく流れる』 or 異色作家短編集all
3.デヴィット・イーリイ『ヨットクラブ』 or 晶文社ミステリの中の数冊
4.ロバート・トゥーイ『物しか書けなかった物書き』 or KAWADE MYSTERY 3 長編を除く10 冊
5.リチャード・ミドルトン『幽霊船』 or 魔法の本棚 all
6.オーガスト・ダーレス『ジョージおじさん~十七人の奇怪な人々』 or ナイトランド叢書 10冊程
7.ウイリアム・トレヴァー『聖母の贈り物』 or 短編小説の快楽all
8.ヒュー・ウォルポール『銀の仮面』 or ミステリーの本棚 の中の2冊
9.エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』 or 奇想コレクションall
10.C・L ムーア『シャンブロウ』 or ダークファンタジー・コレクション の中の6冊程

■読んでみたら期待以上に面白かった長編小説ベスト10
1.アルベール・サンチェス・ビニョル『冷たい肌』
2.ジョゼ・サラマーゴ『白の闇』
3.ロバート・ブロック『ザ・スカーフ』
4.ニコール・クラウス『ヒストリー・オブ・ラブ』
5.スーザン・ヴリーランド『ヒヤシンスブルーの少女』
6.ドナルド・タイスン『アルハザード(上下2冊)』
7.ロード・ダンセイニ『エルフランドの王女』
8.J・R・R・トールキン『ホビットの冒険~指輪物語(全10冊)』
9.C・S・ルイス『ナルニア国物語(全7 冊)』
10.アーシュラ・K・ル・グウィン『ゲド戦記(全6冊)』

■特にファンという意識なく集まってしまった女性探偵シリーズものベスト
スー・グラフトン《キンジー・ミルホーン》『アリバイのA』~『ロマンスのR』までの中の10冊ちょっと 
サラ・パレッキー《V・I ウォーショースキー》『サマータイムブルーズ』~『ハードタイム』まで中の6冊
パトリシア・コーンウェル《ケイ・スカーペッタ》『検視官』~初期のシリーズで6冊
アレグザンダー・マコーレ・スミス《マ・ラモツエ》『№ 1 レディーズ探偵社』の計4 冊
ジャネット・イヴァノビッチ《ステファニー・ミルズ》『私が愛したリボルバー』~の4 冊
ローラ・ダラム《アナベル》『ウエディングプランナーは眠れない』計3冊
アリス・キンバリ《ペネロピー》『幽霊探偵からのメッセージ』計3冊
C・C・ベニスン《ジェインビー》『バッキンガム宮殿の殺人』計3冊
ジル・チャーチル《ジェーン》『ゴミと罰』と『死の拙文』の2冊
P・D・ジェイムズ《コーネリア・グレイ》『女には向かない職業』計2冊

■ハヤカワ文庫SFの10冊(順不同)
コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』
グレッグ・イーガン『ディアスポラ』
ジョン・ヴァーリィ『残像』
シオドア・スタージョン『人間以上』
アルカジイ・ストルガツキ ー/ボリス・ストルガツキー『ストーカー』
テッド・チャン『あなたの人生の物語』
J・ティプトリー・ジュニア『星々の荒野から』
チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』
アーシュラ・K・ル=グウィン『闇の左手』
アレクセイ・パンシン『成長の儀式』

■好きなSF小説ベスト10
バリントン・J・ベイリー『ゴッドガン』
グレッグ・イーガン『ディアスポラ』
アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』
ピーター・トライアス『メカ・サムライ・エンパイア』
アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』
ロバート・L・フォワード『竜の卵』
H・G・ウェルズ『タイムマシン』
ケン・リュウ『母の記憶に』
ジェイムズ・ティプトリー・Jr『愛はさだめ、さだめは死』
ウラジーミル・ソローキン『テルリア』
番外:ハーラン・エリスン『火の鳥』

■ジャック・ケッチャム ベスト10
1.『オフシーズン』グロ度★★★
2.『オンリーチャイルド』グロ度★★
3.「川を渡って」(中編集『閉店時間』収録)グロ度★★★
4.『老人と犬』グロ度★
5.『森の惨劇』グロ度★★★
6.「閉店時間」(中編集『閉店時間』収録)グロ度★
7.『隣の家の少女』グロ度★★
8.「ヒッチハイク」(中編集『閉店時間』収録)グロ度★★
9.『黒い夏』グロ度★★
10.『ザ・ウーマン』グロ度★★★

■ゴシック叢書プラス
海外篇 全10巻13冊
トルーマン・カポーティ/ カーソン・マッカラーズ「遠い声遠い部屋/ 悲しき酒場の唄」マルキ・ド・サド「悪徳の栄え」(Ⅰ、Ⅱ)
ジュリアン・グラッグ/ ジョルジュ・ローデンバック「アルゴールの城にて/ 死都ブリュージュ」
シャーリイ・ジャクスン「丘の屋敷」
スティーヴ・エリクソン「彷徨う日々」
ガルシア・マルケス「百年の孤独」
ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」(Ⅰ、Ⅱ)
デュ・モーリア「レベッカ」
マーヴィン・ピーク「タイタス・グローン」
短編集(Ⅰ、Ⅱ)
 シャーロット・パーキンス・ギルマン「黄色い壁紙」
 ウィリアム・フォークナー「エミリーに薔薇を」
 カルロス・フェンテス「アウラ」
 アンナ・カヴァン「母斑」
 コルタサル「占拠された屋敷」
 エッサ・デ・ケイロース「縛り首の丘」
 M・R・ジェイムズ「秦皮の樹」
 マルキ・ド・サド「ロドリグあるいは呪縛の塔」
 デュ・モーリア「モンテ・ヴェリタ」
 ヴァージニア・ウルフ「憑かれた家」
 エリザベス・ボウエン「猫は跳ぶ」
 イサク・ディネセン「ノルデルナイの大洪水」
 アンデルセン「赤い靴」
 アンリ・ボスコ「シルヴィス」

日本篇 全10巻
夢野久作「ドグラ・マグラ」
村上春樹「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
江戸川乱歩「孤島の鬼」
山尾悠子「ラピスラズリ」
澁澤龍彦「高丘親王航海記」
中井英夫「虚無への供物」
桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」
小野不由美「残穢」
野阿梓「凶天使」
短編集
 上田秋成 雨月物語より「浅茅ケ宿」「蛇性の婬」
 筒井康隆「遠い座敷」
 星新一「門のある家」
 野坂昭如「骨餓身峠死人葛」
 平井呈一「真夜中の檻」
 小川未明「赤い蝋燭と人魚」
 小川未明「火を点ず」
 小松左京「くだんのはは」
 半村良「箪笥」
 内田百閒「サラサーテの盤」
 吉村昭「少女架刑」

※「ゴシック叢書プラス」に関しては、shigeyukiさんのブログにも公開されていますので、詳細はそちらもご参照ください。
漂着の浜辺から

■海外文学ベスト10
アンナ・カヴァン『アサイラム・ピース』
マルセル・ブリヨン『砂の都』
ロレンス・ダレル『アレクサンドリア四重奏』
パスカル・キニャール『アマリアの別荘』
クロード・シモン『三枚つづきの絵』
イスマイル・カダレ『砕かれた四月』
ダニロ・キシュ『砂時計』
パオロ・ジョルダーノ『素数たちの孤独』
ウィリアム・ギャディス 『カーペンターズ・ゴシック』
ヴォルフガング・ヒルビヒ『私』

■復刊してうれしかったリスト
「37 の短篇」
「異色作家短編集」
「殺人者と恐喝者」(カーター・ディクスン)
マクロイ「殺す者と殺される者」「暗い鏡の中に」「幽霊の2/3」
デュ・モーリア「レイチェル」(「愛と死の記録」)

■恋愛に主眼を置いたミステリ
クリスティ「パーカー・パインの事件簿」
クリスティ「ナイル殺人事件」
ディクスン・カー「眠れるスフィンクス」
※番外編 ポピー・Z・ブライト「絢爛たる屍」

■ミステリの内容よりも主人公の人生が気になる
ジェーン・デンティンガー「別れのシナリオ」の「ジョスリン」シリーズ(3冊)
デヴィット・ハンドラーの「ホーギー」シリーズ
ドロシー・キャネル「未亡人クラブ」の「エリー」シリーズ(早川)
マーサ・グライムズ「パブ」シリーズ
エリザベス・ジョージの「リンリー」シリーズ
ハイスミス「リプリー」シリーズ

■自分だけのベスト10(2018夏)
1.『レベッカ』(新潮文庫)
2.『モレルの発明』(水声社)
3.『ドン・キホーテ後編(一)』(岩波文庫)
4.『火の書』(国書刊行会)
5.『火刑法廷』(ハヤカワ文庫)
6.『こちらゆかいな窓ふき会社』(評論社)R・ダール
7.『それから』(岩波文庫)
8.『宇宙戦争』(ハヤカワ文庫)
8.『定本 映画術』(晶文社)ヒッチコック、トリュフォー
10.『錯乱のニューヨーク』(ちくま学芸文庫)

■本棚にあった荒俣宏ベスト
1.『決戦下のユートピア』
2.『開化国助っ人奮戦記』(小学館ライブラリー)
3.『パラノイア想像史』(ちくま文庫)
4.『大東亞科學綺譚』(ちくま文庫)
5.『広告図像の伝説』(平凡社ライブラリー)
6.『奇想の二十世紀』(NHKライブラリー)
7.『アラマタ図像館5エジプト』(小学館文庫)
8.『黄金伝説』(集英社)

■思い出に残る怖い話10
「石子詰めの三作」(奈良の昔話)
ゴーゴリ「ヴィイ」
上田秋成「吉備津の釜」(『雨月物語』)
レイ・ブラッドベリ「十月のゲーム」(『とうに夜半を過ぎて』)
シャーリイ・ジャクスン「くじ」
スタンリイ・エリン「特別料理」
ラフカディオ・ハーン「鳥取の布団」
田中貢太郎「竃の中の顔」
「柏槙(びゃくしん)の話」(『グリム童話』)
スティーヴン・キング「ミスト」

■オールタイムベスト海外編
1.ロバート・F・ヤング『時が新しかったころ』
2.アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『星の王子さま』
3.ジョー・ウォルトン『図書室の魔法』
4.ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
5.シャーロット・ブロンテ『ジェーン・エア』
6.フレドリック・ブラウン『天の光はすべて星』
7.アンディ・ウィアー『火星の人』
8.エレノア・ホジマン・ポーター『少女パレアナ』
9.トム・ゴドウィン他『冷たい方程式』
10.ニール・シャスタマン『僕には世界がふたつある』

■「動物」テーマのホラー(極私的)ベスト10
1.スティ-ブ・オルテン「メガロドン」
2.吉村昭「羆嵐(くまあらし)」
3.エドガー・アラン・ポー「黒猫」
4.篠田節子「神鳥 -イビス-」
5.ダフネ・デュ・モーリア「鳥」
6.西村寿行「滅びの笛/滅びの宴」
7.スティーヴン・キング「魔性の猫」
8.ショーン・ハトスン「スラッグス」
9.ジェームズ・ハーバート「鼠」
10.ピーター・ベンチリー「ビースト」

その他、
パトリシア・ハイスミス「すっぽん」
サキ「スレドニ・ヴァシュター」


「第16回読書会」は、8月26日(日)に開催予定です。テーマは、

第一部:スティーヴンスンの怪奇と冒険
課題図書
ロバート・ルイス・スティーヴンスン『新アラビア夜話』(南條竹則/坂本あおい訳 光文社古典新訳文庫)
ロバート・ルイス・スティーヴンスン『マーカイム・壜の小鬼 他五篇』(高松雄一/高松禎子訳 岩波文庫)

第二部:〈奇妙な味〉について考える

詳細は後日あらためて公開したいと思います。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

最近読んだ本
4336062463夢のウラド: F・マクラウド/W・シャープ幻想小説集
フィオナ マクラウド Fiona Macleod
国書刊行会 2018-02-27

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フィオナ・マクラウド/ウィリアム・シャープ『夢のウラド』(中野善夫訳 国書刊行会)

 スコットランドの作家ウィリアム・シャープの本名名義の作品と、彼が女性名フィオナ・マクラウド名義で発表した作品、それぞれの作品を収録した作品集です。
 マクラウド名義の作品は、全体に「死」の香りが強く、形容するなら「昏い」「夢幻的な」ファンタジーでした。知識を持つ賢者も、全能の王も、みな等しく死の世界へ消えてゆく…といった感が強いです。
 ちょっと意外だったのは、シャープ名義の作品。マクラウド作品と同様「昏さ」はあるのですが、マクラウド名義よりも「地上的」で人間味のある作品が多いのです。巻末の「〈澱み〉のマッジ」「ヴェネツィア舟歌」は殊にその要素が強いです。
 「〈澱み〉のマッジ」は、貧困と暴力に囲まれて育った娘が、「宿敵」である男性と恋人になるが…という話。「ヴェネツィア舟歌」は兵役で別れ別れになった恋人たちが引き裂かれそうになる…という作品です。
 「地上的」な題材とはいえ、「〈澱み〉のマッジ」の結末において、やはり「死の世界」が現れるところは、マクラウド的といっていいのでしょうか。
 ちなみに、マクラウド名義の作品では、作中で他の作品が言及されることが多く、ゆるやかに世界観がつながっているようです。



jimboo.jpgジンボー (1979年) (妖精文庫)
アルジャナン・ブラックウッド 北村 太郎
月刊ペン社 1979-10

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アルジャナン・ブラックウッド『ジンボー』(北村太郎訳 月刊ペン社)

 想像力豊かな少年ジンボーは、家庭教師としてやってきたミス・レークの言葉によって、古くから地所の端にあった「空屋」に対する恐怖をうえつけられてしまいます。事故で気を失ったジンボーが気がつくと、たくさんの子供たちと一緒に室内に閉じ込められていました…。

 生と死の狭間の世界を描いた美しいファンタジー小説です。ジンボーが閉じ込められている世界は、明らかにこの世のものでなく、生と死の狭間の世界であることがわかります。そこから脱出できなければ、おそらく永遠に幽閉されてしまうのです。この世界が不気味であると同時に、また魅力を感じさせる部分でもありますね。
 ジンボーの前に現れたのは、解雇されたはずのミス・レークでした。彼女は「つぐない」のために、ジンボーをこの世界から脱出させようとします…。
 後半の脱出行のシーンは得も言われぬ美しさ。童心に満ちた傑作ファンタジーといっていいかと思います。



aoimeikyuu.jpg蒼い迷宮 (角川文庫)
アーナス ボーデルセン 村田 靖子
角川書店 1988-01

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アーナス・ボーデルセン『蒼い迷宮』(村田靖子 角川文庫)

 雑誌編集者ブルーノは、不治の病を宣告されます。現代の医療では治癒は不可能、しかし20年後には確実に治療法があるというのです。実用化されたばかりの冷凍睡眠に入ってみる気はないかと勧められたブルーノは、天涯孤独の身だったこともあり、冷凍睡眠に入ることになります。
 20数年後に目覚めたブルーノは自分の体が治癒していることに気がつきます。すでに不老が実現したその社会では、自然死を受け入れるグループと、不老を選ぶグループとに人は別れていました。ブルーノもどちらを選ぶか選択を迫られます。
 孤独感に囚われたブルーノは、かって短い間恋人だった女性ジェニーの行方を探します。バレリーナとして大成したジェニーはしかし、脊椎の事故に会い、それを復元する技術が開発されるまで、冷凍睡眠に入っているというのですが…。

 冷凍睡眠をテーマにしたSF小説です。目覚めた未来は、様々な技術が進んだ社会なのですが、社会は停滞しており、そこに生きる人間は皆、活気を欠いています。病からは逃れられたものの、主人公は、そもそもそれほど生に執着していたわけではないことに気付くのです。恋人がまだ若いまま冷凍睡眠されていることを知ったブルーノは、彼女に会おうと思い切った手段を取ることになりますが…。
 未来社会がディストピアっぽいというのもありますが、作品全体に動きは少なく、結末まで諦観に満ちた「暗い」作品ではあります。ただ、環境の変化に対する主人公の心の動きが独特で、読んでいてなかなか面白いのですよね。ユニークな「SF心理小説」として、一読の価値はある作品かと思います。



4488014631世界の終わりの天文台 (創元海外SF叢書)
リリー・ブルックス=ダルトン 加藤 直之
東京創元社 2018-01-12

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リリー・ブルックス=ダルトン『世界の終わりの天文台』(佐田千織訳 東京創元社)

 何らかの原因で人類が滅亡を迎えようとしているなか、年老いた学者オーガスティンは、皆と一緒の撤収を拒否して、ひとり北極の天文台に残ります。誰もいなくなったと思った直後に、オーガスティンは一人の少女を発見します。少女の身の上もはっきりしないまま、彼は少女と一緒に共同生活を始めます。
 一方、木星探査から帰還中の宇宙船「アイテル」の乗組員は、地球からの反応が全くなくなったことに不安を隠せません。核戦争なのか、疫病なのか?乗組員たちは必死で調査を進めますが…。

 「破滅SF」作品にあるような、人類や世界が破滅していく様というのはほとんど描かれません。では何が描かれるかというと、そうした災難を迎えた後の、少数の人間たちの行動と心理が丁寧に描かれていくのです。
 具体的には、地球の天文台で暮らすオーガスティンと、宇宙船乗組員の女性サリー、彼ら二人が今までの人生を振り返りつつ、当面どう生きていくのかが描かれていきます。二人はどちらも優秀ではあるものの、人間関係を築くのが下手で、家族とも別れてしまったという後悔の念を持っています。
 「世界の終わり」にあたってオーガスティンとサリーは自分の人生を肯定できるのか?というのが読みどころですね。ハッピーエンドというわけではないにしても、二人にとっての「救い」がほの見えるラストも非常に好感触です。表立った「感動作」とは違いますが、しんみりとした味わいのある佳作です。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

8月の気になる新刊と7月の新刊補遺
7月刊 フアン・ホセ・アレオラ『共謀綺談』(松籟社 予価1944円)
8月7日刊 カート・ヴォネガット『人みな眠りて』(河出文庫 予価920円)
8月7日刊 ジョー・ヒル『ファイアマン 上・下』(小学館文庫 予価各1080円)
8月10日刊 東雅夫編『猫のまぼろし、猫のまどわし』(創元推理文庫 予価994円)
8月10日刊 ミック・ジャクソン『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』(東京創元社 予価1620円)
8月18日刊 ジャン=クリストフ・グランジェ『通過者』(TAC出版 予価3024円)
8月20日刊 マリアーナ・エンリケス『わたしたちが火の中で失くしたもの』(河出書房新社 予価2808円)
8月22日刊 ヘレン・マクロイ『悪意の夜』(創元推理文庫 予価1015円)
8月22日刊 エドワード・ゴーリー『失敬な召喚』(河出書房新社 予価1296円)
8月22日刊 トニー・アイカー『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』(河出書房新社 予価2376円)
8月30日刊 ルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』(竹書房文庫 予価1080円
8月刊 三馬志伸編訳『ヴィクトリア朝怪異譚』(作品社 予価3780円)


 フアン・ホセ・アレオラ『共謀綺談』は、日本では「転轍手」で知られるメキシコ作家の短篇集。これは気になりますね。

 東雅夫編『猫のまぼろし、猫のまどわし』は、東西の猫をテーマにした怪奇幻想小説のアンソロジー。猫アンソロジーはちょくちょくありますが、日本と海外両方の作品を収録したものはあまりないような気がします。

 ミック・ジャクソン『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』は、「熊」をテーマにした8つの作品を集めた作品集だそう。ジャクソンは『10の奇妙な話』が奇妙なテイストの作品集で面白かったので期待大です。

 8月の新刊でいちばん気になるのはこの本ですね。マリアーナ・エンリケス『わたしたちが火の中で失くしたもの』。著者はアルゼンチンの女性作家、「ホラーのプリンセス」と称されているとか。ホラー・幻想小説集のようです。

 ルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』は、同タイトルの有名な短篇を含むシリーズ短篇集だそう。

 三馬志伸編訳『ヴィクトリア朝怪異譚』は、ヴィクトリア朝の怪奇小説のアンソロジー。ウィルキー・コリンズ、ジョージ・エリオット、メアリ・エリザベス・ブラッドン、マーガレット・オリファントの作品などを収録とのことです。

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アメリカン・ゴシックの開祖  チャールズ・ブロックデン・ブラウン作品を読む
 チャールズ・ブロックデン・ブラウン(1771-1810)は、18世紀末から19世紀初頭にかけて活躍した「アメリカ小説の父」と呼ばれる作家です。
 日本では『ウィーランド』『エドガー・ハントリー』、代表作とされる2作が邦訳されています。作風的にはいわゆるゴシック小説の作家といっていいのですが、このジャンルの本場とされるイギリスの同種の作品と比べ、ブラウンの作品にはユニークな点が見られます。
 まず、舞台となる時代が遠い過去ではなく現代であること。巨大な城や館などの建築物がこれといって登場しないこと。登場人物が積極的に事件に対して動くこと。大まかに挙げるとこんなところでしょうか。逆に、これらの特徴を反転させると、イギリスのゴシック小説の特徴になります。
 時代が遠い過去だったり、巨大な建築物が出てきたりと、基本的にはイギリスのゴシック小説はかなり「非現実的」な要素が強い小説です。つまり、イギリスのゴシック小説の特徴を反転させると、逆に「リアル」な物語になるといってもいいかと思います。ブラウンの作品は、その意味でリアリズム要素の強いゴシック小説なのです。

 それでは、具体的に作品を見ていきましょう。


braun001.jpg世界幻想文学大系〈3〉ウィーランド (1976年)
紀田 順一郎 荒俣 宏
国書刊行会 1976

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『ウィーランド』(志村正雄訳 国書刊行会 1798年)
 ドイツ出身の一族の末裔であるセオドア・ウィーランドと妹クララは、アメリカで平穏に暮らしていました。セオドアは友人プレイエルの妹キャサリンと結婚し、何人かの子どもにも恵まれます。
 ある日、カーウィンと名乗る男が現れ、ウィーランド家と友人付き合いを始めます。見た目は粗野ながら異様な魅力を持つカーウィンに対して、クララは不審の念を抱きます
 セオドアは、外出した際に経験した奇妙な出来事を語ります。家の中にいたはずの妻キャサリンの声が聞こえたというのです。「声」を聞いた日を境に、セオドアの様子が変わり始めたのにクララは気付きます。
 そんな折、プレイエルは故郷ドイツの領地の相続権がセオドアにあることを知り、ともにドイツに行くことをセオドアに提案しますが…。

 物語は妹クララの一人称で語られる形式になっています。兄妹の父親が宗教的な情熱に憑かれた人物で、超自然的とも思われる形で謎の焼死を遂げたことが序盤で語られます。兄セオドアもまた父の血を継ぎ、敬虔でありながらも、どこか危うい人物として描かれるのがポイントです。
 前半はウィーランド家の幸福な生活について描かれ、語り手クララも、友人プレイエルに恋心を抱いていることが語られます。謎の人物カーウィンの登場と、セオドアが聞いた「声」の事件を境に、一家の幸福はだんだんと危ういものになっていき、最後には悲劇が起こるのです。
 「悲劇」の犯人はほぼはっきりしているので、その部分に対する驚きはありません。ただその人物像と犯行に至る動機が異様で、その異常心理描写は今読んでも読み応えがあります。
 語り手クララが、多少思い込みの強い女性として設定されているのもポイントです。「信頼できない語り手」というほどではないのですが、事件が本当にクララのとらえている形でいいのだろうか、と考えながら読んでいく過程もなかなかサスペンスフルですね。
 ひたすら暗く、救いがない作品なのですが、そのサスペンスには吸引力があります。



braun002.jpgエドガー・ハントリー (1979年) (ゴシック叢書〈10〉)
C.B.ブラウン 八木 敏雄
国書刊行会 1979-06

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『エドガー・ハントリー』(八木敏雄訳 国書刊行会 1799年)
 語り手の青年エドガー・ハントリーは、友人であるウォルドグレイヴを殺害した犯人を見つけようと、殺害現場を訪れます。そこで目にしたのは、挙動不審な行動をする謎の男の姿でした。男が、友人イングルフィールドの召使クリゼローであることを認めたエドガーは、彼を問い詰めます。
 クリゼローは自らの過去を話し始めます。故郷アイルランドで領主の妻ロリマー夫人に可愛がられ執事まで勤めたクリゼローは、夫人の不肖の弟アーサーをふとしたことから殺してしまいます。事実を知ったロリマー夫人は衝撃から命を落としてしまいます。
 やがてアメリカに渡ってきたクリゼローは、罪の意識から夢遊病にかかっているというのです。事実を話し終えたクリゼローは自らの命を絶とうと失踪してしまいます。クリゼローに同情の念を覚えたエドガーは、彼が隠れているらしい洞窟に出かけますが…。

 プロットが複雑かつ錯綜している作品で、最初は友人殺しの犯人探しが始まるかと思いきや、容疑者クリゼローは犯人ではなく、かれの過去の回想が始まります。そこからはクリゼローを助けようとするエドガーの行動が描かれます。
 その間にウォルドグレイヴが横領を働いていたのではという疑惑が発生し、一方、エドガーは遭難してしまいます。同時に、村をインディアンが襲撃してくる…という激しい動きのある展開です。
 ゴシック小説らしい古城や巨大な邸などは登場せず、その代わりに洞窟や森といった大自然が前景に出てきます。実際、主人公エドガーが戦うのは、大自然そのものといっていいのです。クリゼローを追いかけていったエドガーが遭遇するのは、巨大な豹や集団で攻撃してくるインディアンたちです。
 後半のインディアンとの戦闘はアクション小説そこのけの激しさで、まさかりでインディアンを仕留めたり、銃で複数のインディアンたちと渡り合ったりと、激しいバイオレンス描写が続きます。
 上記のように、動きが非常に激しい作品なので、物語が動き始めると退屈せずに読ませます。ゴシック小説というよりは、アクション小説、冒険小説的な要素が強く、現代の読者が読んでも楽しめる作品ではないかと思います。
 超自然的な要素はほぼなく、謎はほぼ結末までに解き明かされます。ミステリ的な技法も使われており、ミステリやサスペンスのご先祖様といった面もありますね。

 ブラウンの作品では、舞台が現代(作品発表当時)であり、登場人物も自分たち(読者)とそう変わらない人々に設定されています。いわば「自分にも起こり得る」物語であり、その点非常にリアルな物語なのです。当時の読者にとってはかなり「怖い」作品だったのではないでしょうか。

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非情なる運命  モーリス・ルヴェル『ルヴェル新発見傑作集 仮面』
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 モーリス・ルヴェル(1875-1926)は、残酷譚で知られるフランスの短篇作家。20世紀初頭には日本にも短篇が翻訳紹介され、江戸川乱歩を初めとした探偵作家たちにも人気がありました。
 『ルヴェル新発見傑作集 仮面』(中川潤訳 エニグマティカ叢書)は、そんなルヴェルの未紹介短篇を集めた作品集です。

 夫の死後、遺言書の内容を知り、妻の愛人が心変わりするという「足枷」、医者の男が愛人の夫を治療することになるという「視線」、友人の妻が狂気に陥ったことを知るというポオ風の「伴侶」 、列車事故で顔を押しつぶされてしまった瀕死の男を描く「変わり果てた顔」、ギャンブル狂の男が生家で体験する奇談「鏡」、仮面舞踏会で出会った奇怪な仮面の女を描く 「仮面」、徴兵された孫の手紙を読むために文盲の祖母が文字を習うという「最後の授業」、海岸沿いに建てられた古い屋敷で起こる会現象を描いた「誰が呼んでいる?」の8篇を収録しています。

 ルヴェル作品では、人間の「悪意」や「残酷さ」、または「運命の残酷さ」が描かれます。意図的に人間が人間に対して悪意を施すこともあれば、正直に生きる人間が運命の手によって残酷な目に合うこともあります。共通するのは悲劇的な結末なのですが、読後感が意外に悪くないのは不思議です。

 どれも面白く読んだのですが、お気に入りは「足枷」「変わり果てた顔」「仮面」でしょうか。
 「足枷」は妻とその愛人の関係が、夫が残した遺言書によって二転三転するという、上質なミステリ劇になっています。どちらを選んでも不幸になるというリドル・ストーリー的な結末も良いですね。
 「変わり果てた顔」では、列車事故で顔をめちゃくちゃにされ死を待つばかりの男が、結婚直前の婚約者を待ち続けるという掌編。男は、婚約者に会いたいという思いと、どうせ死んでしまう自分の醜い顔を見せたくないという思いに引き裂かれます。短い作品ながら、とてもドラマ性に満ちた作品です。
 「仮面」では、舞踏会上で出会った奇怪な仮面をつけた女性と一夜を共にした男が、女性の正体を知るというショッキングな作品。グロテスクながら鮮やかなイメージの作品です。

 解説にも、いろいろ興味深い新情報が載っています。ルヴェルの短篇は300篇以上あるらしく、未訳の作品がまだまだあるそうです。また、本国フランスでも再評価の機運があることなどが語られています。
 驚いたのは、ルヴェルの母親がマルセル・シュオッブの母親の妹であったということ。つまり、ルヴェルとシュオッブは従兄弟だというのですね。これは知りませんでした。
 今回の作品集は、訳文もこなれており、非常に上質な作品集です。続刊の予定もあるそうで、楽しみに待ちたいと思います。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

日常と空想  イタロ・カルヴィーノ『マルコヴァルドさんの四季』
4001141582マルコヴァルドさんの四季 (岩波少年文庫)
イタロ・カルヴィーノ セルジオ・トーファノ
岩波書店 2009-06-16

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 イタロ・カルヴィーノの『マルコヴァルドさんの四季』(関口英子訳 岩波少年文庫)は、都会に住む男性マルコヴァルドさんの日常の冒険を描いた連作短篇集です。春夏秋冬に属するお話が、それぞれ5話づつ収録されています。

 都会に住むマルコヴァルドさんは、力仕事に従事しています。妻とたくさんの子供がいるため、経済的には楽ではありません。そんな彼が日常において自然や生きものと触れ合う様をしみじみと描く作品…と思いきや、一概にそうも言えないところが作者カルヴィーノのにくいところです。
 このマルコヴァルドさん、大家族であるということもあり、いつもお金に困っています。また、食べ物にも多少意地汚いところがあります。マルコヴァルドさんは、たびたび小狡いところを発揮するのですが、結果はなかなか上手くいきません。通り道に生えたキノコを独り占めしようとしたり、薪にしようと看板を切り落としたりするのです。単純な善人ではないところに味がありますね。

 ちょっとした失敗談というレベルの軽いお話の中に、かなりぶっとんだお話も混じっています。ハチの針がリューマチに効くという話を聞き、ハチをつかまえて医院を開業しようとする「ハチ療法」、黙って連れ帰った病院のウサギが伝染病のウィルス持ちだった…という「毒入りウサギ」、バスの停留所に行くはずが、なぜか飛行機に乗ってしまうという「まちがった停留所」など。
 これらのお話では超自然的な出来事こそ起こらないものの、限りなくファンタジーに近い日常の冒険が描かれるのです。猫の集まる邸を描いた「がんこなネコたちの住む庭」に至っては恐怖小説の趣きさえあります。

 またそれぞれのエピソードには、さらっと植物や生きものなどの自然が登場し、それらは前景には出てこないものの、いい味わいを出しています。おかしなエピソードの中にも時折現れる夜景や星空など、ほんのりと詩情が感じられるのも魅力的ですね。
 魔法がなくても、異世界に行かなくても、都会の日常生活にも「ファンタジー」は現れる…という、なんとも素敵な作品です。児童文学に分類される作品ですが、この味わいは大人が読んでこそ楽しめるものではないでしょうか。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第15回読書会 参加者募集です
4150200262ゲイルズバーグの春を愛す (ハヤカワ文庫 FT 26)
ジャック・フィニイ 福島 正実
早川書房 1980-11-01

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 2018年7月29日(日曜日)に「怪奇幻想読書倶楽部 第15回読書会」を開催いたします。若干名の参加メンバーを募集しますので、参加したい方がおられたら、連絡をいただきたいと思います。
 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp

開催日:2018年7月29日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:1500円(予定)
テーマ
第1部:課題図書 ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』(福島正実訳 ハヤカワ文庫FT)
第2部:参加者が選ぶ!自分だけのベスト10

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。
※基本的には、オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも、安心して参加できると思います。

 第1部のテーマは、課題図書として、ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』(福島正実訳 ハヤカワ文庫FT)を取り上げたいと思います。
 ミステリ、サスペンス、SFなど、多様な作品を残したアメリカの異色作家ジャック・フィニィ。多才なフィニィ作品の中にあってひときわ輝いているのは、やはりノスタルジーに満ちたファンタジーです。そんなフィニィのファンタジー作品を多く収録する短篇集『ゲイルズバーグの春を愛す』を読んでいきたいと思います。

 第2部のテーマは「参加者が選ぶ!自分だけのベスト10」。
 小説好きの方なら、自分だけのベスト作品がきっとあるはず。それぞれのベストのリストを持ち寄って話していこうという企画です。皆さんのベストを事前に挙げていただき、それを紙にまとめる予定です。
 ベストの内容に関しては、オールタイムベストでも構いませんし、自分でテーマを決めてそれに沿って選んだベストでも構いません。特にジャンルは限定しませんので、ミステリやSFなど、怪奇幻想作品でないものが混じっても構いません。
 ジャンルとして世間で認知されてはいないけれど、自分で気になるモチーフやテーマがある場合は、それに沿ったベストというのもありかと思います。

(例)
「オールタイムベスト海外編」
「オールタイムベスト国内編」
「20世紀の作品ベスト10」
「19世紀ヨーロッパのベスト10」
「アメリカ作品ベスト10」
「ドイツ作品ベスト10」
「ゴシック・ロマンス ベスト10」
「怖いホラー小説ベスト10」
「鉄道テーマ作品ベスト10」
「時間をテーマにした作品ベスト10」
「魅力的な異世界が登場する作品ベスト10」
「笑える作品ベスト10」
「感動作品ベスト10」
「メタな仕掛けのある作品ベスト10」
「ハラハラドキドキした作品ベスト10」
「つまらなかった作品で選ぶワースト10」
「表紙が魅力的だった作品ベスト10」

※海外作品だけでなく、国内作品が入っても構いません。
※短篇を取り上げる場合は、短篇単体でも短篇集単位でも構いません。
※ベスト10を挙げるのは難しいという場合は、ベスト8やベスト5でも構いません。
※ベストは複数挙げてもらっても構いません。

2018年7月8日追記 希望参加者が多数になりましたので、締切とさせていただきたいと思います。

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プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。
twitterアカウントは@kimyonasekai



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