2016年を振り返って
 もうすぐ2016年が終わります。今年は、とても変化のある年になりました。
 ブログ開設10周年を迎えたこと、twitterを始めたことなど、いろいろありますが、何といっても、いちばんの変化は、テーマ別のフリートーク読書会「怪奇幻想読書倶楽部」を始めたことですね。11月に第1回、12月に第2回を行いました。
 僕自身、人前で話したり、積極的に企画を考えたりするタイプではない…と自認していたので、何とか開催を終えて、自分で自分にびっくりしているぐらいです。
 フリートークという点で不安を感じつつも、またそれゆえに話が盛り上がることもありました。フリートークで一番いい点は、自分が話したい話題をすぐ出せる、というところですね。他の人があまり興味がなくて続かない場合もありますが、またすぐに別の話題が出てきます。
 参加者同士の相性、テーマとの相性などもあり、毎回どういう方面に話が流れるか、事前には全然わかりませんが、それがまた面白いところでもあります。

 まだ2回ほど開催したのに過ぎませんが、自分でも課題というか、問題点などがいくつか思い浮かんでいて、そのあたりを、これから改善していけたらな、と思っています。


 それでは、2016年度刊行で面白く読んだものをまとめておきたいと思います。


日時計 鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE) 処刑人 (創元推理文庫) くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
 まずは、シャーリイ・ジャクスン。今年は、生誕100周年ということもあり、ジャクスンの邦訳が、改訳・新訳含めて多く刊行されました。
 ブラック・ユーモアに満ちた終末もの『日時計』(渡辺庸子訳 文遊社)、多重人格をめぐるサスペンス『鳥の巣』(北川依子訳 国書刊行会)、青春幻想小説『処刑人』(市田泉訳 創元推理文庫)、いわずと知れた名短篇集の改訳『くじ』(深町眞理子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫)など。
 一気に邦訳が進んだ感じですが、未訳の作品も刊行してもらえると嬉しいですね。


虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ) 人形つくり (ドーキー・アーカイヴ)
 刊行が開始された《ドーキー・アーカイヴ》(国書刊行会)は、風変わりなエンターテインメント作品を収録するシリーズです。どんでん返しの頻発するサスペンス、L・P・デイヴィス『虚構の男』(矢口誠訳 国書刊行会)、官能的な幻想小説集である、サーバン『人形つくり』(館野浩美訳 国書刊行会)は、どちらも魅力的な作品でした。


〈グレン・キャリグ号〉のボート (ナイトランド叢書) 塔の中の部屋 (ナイトランド叢書) ウェンディゴ (ナイトランド叢書)
 《ナイトランド叢書》(アトリエサード)からは、ウィリアム・ホープ・ホジスン『〈グレン・キャリグ号〉のボート』(野村芳夫訳)、E・F・ベンスン『塔の中の部屋』(中野善夫・圷香織・山田蘭・金子浩訳)、アルジャーノン・ブラックウッド『ウェンディゴ』(夏来健次訳)が刊行されました。
 ホジスン作品は、かなりアクション要素の強い怪奇冒険小説、ベンスン、ブラックッドの作品集は安定した作りで、クラシック・ホラー好きには格好の贈り物となりました。


狂気の巡礼 奥の部屋: ロバート・エイクマン短篇集 (ちくま文庫) 南十字星共和国 (白水Uブックス) むずかしい年ごろ ロルドの恐怖劇場 (ちくま文庫) 10の奇妙な話
 怪奇幻想分野の作品集としては、ステファン・グラビンスキ『狂気の巡礼』(芝田文乃訳 国書刊行会)、ロバート・エイクマン『奥の部屋』(今本渉訳 ちくま文庫)、ワレリイ・ブリューソフ『南十字星共和国』(草鹿外吉訳 白水Uブックス)、アンナ・スタロビネツ『むずかしい年ごろ』(沼野恭子、北川和美訳)、アンドレ・ド・ロルド『ロルドの恐怖劇場』(平岡敦編訳 ちくま文庫)、ミック・ジャクソン『10の奇妙な話』(田内志文訳 東京創元社)などが良かったですね。


ロシア幻想短編集 名前のない街: ロシア幻想短編集Ⅱ 灰色の自動車: A・グリーン短編集 鼠捕り業者 他2篇: アレクサンドル・グリーン短編集Ⅱ (アルトアーツ) ロシアSF短編集
 アルトアーツから刊行された、ロシアの幻想小説ものも未訳のものばかりで、貴重な収穫でした。西周成編訳『ロシア幻想短編集』と続編の『名前のない街 ロシア幻想短編集Ⅱ』、アレクサンドル・グリーン短編集『灰色の自動車』『鼠捕り業者』『ロシアSF短編集』も珍しいラインナップでした。

 ほかに短篇集で面白かったものとしては、

あまたの星、宝冠のごとく (ハヤカワ文庫SF) ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫) ゴッド・ガン (ハヤカワ文庫SF) 死の鳥 (ハヤカワ文庫SF) 伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ (ハヤカワ文庫SF) 楽しい夜 30の神品 ショートショート傑作選 (扶桑社文庫)
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『あまたの星、宝冠のごとく』(伊藤典夫、小野田和子訳 ハヤカワ文庫SF)
カミ『ルーフォック・オルメスの冒険』(高野優訳 創元推理文庫)
バリントン・J・ベイリー『ゴッド・ガン』(大森望、中村融訳 ハヤカワ文庫SF)
ハーラン・エリスン『死の鳥』(伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫SF)
『伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ』(伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫SF)
岸本佐知子編訳 『楽しい夜』 (講談社)
江坂遊選『30の神品 ショートショート傑作選』(扶桑社文庫)


 長編作品では、

ラスト・ウェイ・アウト (ハヤカワ・ミステリ文庫) ハリー・オーガスト、15回目の人生 (角川文庫) ジグソーマン (扶桑社ミステリー) カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) 奇妙という名の五人兄妹
フェデリコ・アシャット『ラスト・ウェイ・アウト』(村岡直子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫)
クレア・ノース『ハリー・オーガスト、15回目の人生』(雨海弘美訳 角川文庫)
ゴード・ロロ『ジグソーマン』(高里ひろ訳 扶桑社ミステリー)
バリントン・J・ベイリー『カエアンの聖衣 新訳版』(大森望訳 ハヤカワ文庫SF)
アンドリュー・カウフマン『奇妙という名の五人兄妹』(田内志文訳 東京創元社)

 日本作家の作品では、

三丁目の地獄工場 (角川ホラー文庫) ずうのめ人形 怪談のテープ起こし QJKJQ やみ窓
岩城裕明『三丁目の地獄工場』(角川ホラー文庫)
澤村伊智『ずうのめ人形』(角川書店)
三津田信三『怪談のテープ起こし』(集英社)
佐藤究『QJKJQ』(講談社)
篠たまき『やみ窓』(KADOKAWA)

 コミック作品では、

カナリアたちの舟 (アフタヌーンKC) 異世界の色彩 ラヴクラフト傑作集<ラヴクラフト傑作集> (ビームコミックス) 闇に這う者 ラヴクラフト傑作集<ラヴクラフト傑作集> (ビームコミックス) ぐらんば (バーズコミックス) 盆の国 (torch comics) 宇宙のプロフィル (ヤンマガKCスペシャル)
高松美咲『カナリアたちの舟』(講談社アフタヌーンKC)
田辺剛『異世界の色彩 ラヴクラフト傑作集』(エンターブレイン)
田辺剛『闇に這う者 ラヴクラフト傑作集』(エンターブレイン)
押切蓮介『ぐらんば』(バーズコミックス)
スケラッコ『盆の国』(リイド社torch comics)
こがたくう『宇宙のプロフィル』(ヤンマガKCスペシャル)

などを面白く読みました。


 それでは、2017年もよろしくお願いいたします。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

異界との取引  篠たまき『やみ窓』
4041050774やみ窓
篠 たまき
KADOKAWA 2016-12-23

by G-Tools

 短い結婚生活を経て、夫と死別した柚子。しかし義母は、柚子のせいで息子は死んだと信じ込み、罵倒を繰り返します。柚子は、義母から隠れるように団地に移り住みます。
 柚子の住む部屋には秘密がありました。夜になると時折、窓を通して、あるはずのない場所につながるのです。そこからやってくるのは、異界の住人たち。彼らは、柚子を神とあがめ、物々交換を求めます。何の変哲もないペットボトルと交換に彼らが差し出すのは、植物であったり、織物であったりと、様々な品物でした。彼らはやがて、とんでもない品物を運んできますが…。

 篠たまき『やみ窓』(KADOKAWA)は、どこか見知らぬ場所とつながる窓を入口に、そこから来る人々との物々交換を描いた、ユニークなテーマの連作短篇集です。
 作品のプロローグともいうべき最初の一篇『やみ窓』を読むと、窓から訪れる人々は、この世の存在ではないかのように思わされますが、やがて彼らもまた人間であり、過去に住む人々らしい、ということがわかってきます。しかし貧しい生活を送る人々にとっては、柚子の容姿や部屋の内部は現実離れしており、それゆえに、柚子を神とみなし、あがめ始めるのです。
 柚子がペットボトルと交換に手に入れた品物はインターネットで高く売りさばくことができ、彼女はそれを生業にするようになります。しかし住人たちの要求はエスカレートし、それを拒んだ結果、住民たちは悲劇に直面することになるのです。

 異世界の存在と物々交換をするというテーマでは、クリフォード・D・シマックの短篇『埃まみれのゼブラ』(小尾芙佐訳 仁賀克雄編『幻想と怪奇2 宇宙怪獣現わる』ハヤカワ文庫NV収録)という作品を思い出します。
 シマックの作品では、相手側は完全に異世界の存在で、交換で手に入った品物は使用方法もよくわからない変梃な品物ばかり、という設定でした。
 『やみ窓』では、取引相手の人々は、獣じみてはいるものの、普通の人間であることがわかってきます。品物は現実的な物質であり、その意味で、取引される品物の珍しさが、物語の主眼になっているわけではありません。メインで描かれるのは、ヒロインの柚子と取引相手の人々との人間模様です。
 取引に欲を出す人間。口をすべらし、領主にひどい目に遭わされてしまう人間。柚子を殺そうとする人間。従来から過酷で貧しい生活を送っていた人々に、柚子が関与することによって、更なる悲劇を引き起こしてしまうのです。まさに、この世の地獄のような生活が描写されますが、柚子自身の精神もまた、地獄のような領域に踏み入りつつある…というのが読みどころでしょうか。

 団地の窓は、一種のタイムマシンといえるのですが、ふとしたことから、自分が与えた影響により、過去の村や人々がどうなったのかを柚子は知ることになります。同時に耳にした伝説はまた、柚子自身の将来をも暗示するかのようなのです…。
 主人公を含め、誰も幸せにはなりません。運命を変えることもできず、悲劇に向かっていくしかない…という、諦観とほの暗さにあふれた作品ながら、リーダビリティは非常に高く、読み応えのある作品です。

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1月の気になる新刊
1月7日刊 アルフレッド・ベスター『破壊された男』(ハヤカワ文庫SF 予価864円)
1月11日刊 オスカー・ワイルド『幸福な王子/柘榴の家』(光文社古典新訳文庫 予価950円)
1月12日刊 ウォルター・テヴィス『地球に落ちて来た男』(二見書房 予価2700円)
1月12日刊 ダフネ・デュ・モーリア『人形 デュ・モーリア傑作集』(創元推理文庫 予価1080円)
1月12日刊 G・K・チェスタトン『ブラウン神父の童心』(創元推理文庫 予価799円)
1月12日刊 ムア・ラファティ『魔物のためのニューヨーク案内』(創元推理文庫 予価1404円)
1月12日刊 ジュール・ヴェルヌ『地球から月へ 月をまわって 上を下への』(インスクリプト 予価6264円)
1月18日刊 高原英理『ゴシックハート』(立東舎文庫 予価972円)
1月18日刊 イジー・クラトフヴィル『約束』(河出書房新社 予価2592円)
1月18日刊 澤村伊智『恐怖小説 キリカ』(講談社 予価1620円)
1月19日刊 近藤ようこ『夢十夜』(岩波書店 1404円)
1月21日刊 J・S・レ・ファニュ『ドラゴン・ヴォランの部屋』(創元推理文庫 予価1080円)
1月21日刊 イヴァン・レピラ『深い穴に落ちてしまった』(東京創元社 予価1620円)
1月28日刊 『J・G・バラード短編全集2 歌う彫刻』(東京創元社 予価3888円)
1月28日刊 カーター・ディクスン『かくして殺人へ』(創元推理文庫 予価929円)


 1月の注目本は、創元推理文庫の2冊、デュ・モーリアの短篇集『人形 デュ・モーリア傑作集』と、レ・ファニュの傑作集『ドラゴン・ヴォランの部屋』でしょうか。

 『人形 デュ・モーリア傑作集』は、デュ・モーリアの初期短篇14編を収録とのこと。
 東京創元社のHPより、紹介文を引用しておきましょう。
 島から一歩も出ることなく、判で押したような平穏な毎日を送る人々を突然襲った狂乱の嵐「東風」。海辺で発見された謎の手記に記された、異常な愛の物語「人形」。上流階級の人々が通う教会の牧師の徹底した俗物ぶりを描いた「いざ、父なる神に」「天使ら、大天使らとともに」。独善的で被害妄想の女の半生を独自形式で綴る「笠貝」など、短編14編を収録。
 収録作品は以下の通り。

『東風』
『人形』
『いざ、父なる神に』
『性格の不一致』
『満たされぬ欲求』
『ピカデリー』
『飼い猫』
『メイジー』
『痛みはいつか消える』
『天使ら、大天使らとともに』
『ウィークエンド』
『幸福の谷』
『そして手紙は冷たくなった』
『笠貝』

 19世紀最大の怪奇作家のひとり、J・S・レ・ファニュは、すでに創元推理文庫に、長年のロングセラー『吸血鬼カーミラ』がありますが、久方ぶりの短篇紹介になりますね。『ロバート・アーダ卿の運命』『ティローン州のある名家の物語』『ウルトー・ド・レイシー』『ローラ・シルヴァー・ベル』『ドラゴン・ヴォランの部屋』の5篇を収録しています。
 『ティローン州のある名家の物語』は、シャーロット・ブロンテの長編『ジェイン・エア』に影響を与えているということでも有名な作品ですね。
 レ・ファニュといえば、長編作品も全て絶版状態です。『墓地に建つ館』『ワイルダーの手』は、長大すぎて少々きついですが、『アンクル・サイラス』『ゴールデン・フライヤーズ奇談』は、今読んでもなかなか面白いと思うので、ぜひ復刊してほしいところです。

 数年前から刊行予告が出たり消えたりを繰り返していた、インスクリプトの《ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション》は、ようやく始動のようです。全巻の構成は以下の通り。

第I巻(第4回配本)ハテラス船長の航海と冒険 荒原邦博・荒原由紀子訳(18年春刊) 予価:5,500円+税[完訳]
第II巻(第1回配本)地球から月へ 月を回って 上も下もなく 石橋正孝訳(17年1月刊)特大巻:5,800円+税[完訳]
第III巻(第5回配本)エクトール・セルヴァダック 石橋正孝訳(18年秋刊)予価:5,000円+税[本邦初訳]
第IV巻(第2回配本)蒸気で動く家 荒原邦博・三枝大修訳(17年5月刊)予価:5,500円+税[本邦初訳]
第V巻(第3回配本)カルパチアの城 ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密 新島進訳(17年11月刊)予価4,200円+税 [本邦初訳]

本邦初訳も多く、ヴェルヌファンは入手しておいた方がよさそうですね。

イヴァン・レピラは、初紹介の作家のようですが、『深い穴に落ちてしまった』の紹介文はなかなか魅力的です。「名も年もわからない兄弟が穴に落ちて出られなくなってしまった。素数で構成された章番号や文章に隠された暗号の意味とは。読後に驚愕と強い感動をもたらす大人のための寓話。」

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〈奇妙な味〉と〈異色作家〉の不思議な関係
江戸川乱歩全集 第26巻 幻影城 (光文社文庫) 血は冷たく流れる (異色作家短篇集) キス・キス リュシエンヌに薔薇を ブラック・ユーモア選集〈6〉外国篇 (1976年)
 〈奇妙な味〉とは、作家の江戸川乱歩が提唱した概念。乱歩は『英米短篇ベスト集と「奇妙な味」』『幻影城』収録)という評論で、「奇妙な味」について説明していますが、文中でも明確な定義は下していません。
 具体的な作品のあらすじを紹介し、それをもって、読者にその味わいを伝えようとしています。具体的には、ロバート・バー『健忘症連盟』、ロード・ダンセイニ『二瓶の調味剤』、ヒュー・ウォルポール『銀仮面』、コナン・ドイル『赤髪連盟』、トマス・バーク『オッタモール氏の手』などが挙げられています。
 『銀仮面』の無邪気な残酷さ、『健忘症連盟』『赤髪連盟』の人を喰ったようなユーモアなど、実際に作品を読んでみると、乱歩のいいたい味わいは何となく分かるのですが、それらの作品から共通要素として抽出されるような特性は何だと聞かれると、答えに窮してしまうというのも事実なのです。
 その意味で、〈奇妙な味〉というのは、当時のミステリ(探偵小説)における分類からはみ出た特徴を持つ作品、という捉え方もありなのかもしれません。
 ちなみに、乱歩の「奇妙な味に重きを置く場合」の短篇ベストを挙げておきましょう。

ポー「盗まれた手紙」
バー「健忘症連盟」
ドイル「赤髪連盟」
チェスタートン「変てこな足音」
ダンセニー「二瓶の調味剤」
ジェプソン、ユーステース合作「土耳古風呂で」
ノックス「密室の行者」
ウォルポール「銀仮面」
バーク「オッタモール氏の手」
クリスティー「夜鶯の家」
バークリー「偶然は裁く」
ウールリッチ「爪」

 これらの短篇のほか、長編でも、フランシス・アイルズ『ビフォア・ザ・ファクト』『犯行以前』、別題『レディに捧げる殺人物語』)、リチャード・ハル『伯母殺し』『伯母殺人事件』)、エラリイ・クイーン『Yの悲劇』などに「奇妙な味」が濃厚だとしています。

こう考えて来ると、近年の傑作と云われる長編の多くに「奇妙な味」が含まれていることを悟るのである。

…この「奇妙な味」の要素は謎と論理の要素と殆ど肩を並べるほどに、探偵小説の重大な特徴となりつつあるのではないかとすら思われるのである。
 かかる「奇妙な味」が探偵小説界に於て特別に歓迎せられる理由は何かと考えて見ると、すぐ思い浮かぶのは、本来の探偵小説の重大な条件である「意外性」の一つの変形ではないかということである。


『英米短篇ベスト集と「奇妙な味」』『幻影城』収録)より

 乱歩が〈奇妙な味〉が濃厚だとした長編作品、フランシス・アイルズやリチャード・ハルの作品などを見る限り、異常心理を扱った作品が多く取り上げられています。とくに犯人が道徳性に欠ける人物だったり、精神異常者だったりと、心理的に独自性があるものが多いようですね。
 それまで、ミステリにおける最重要要素だった「謎と論理」に変わり、新たに〈奇妙な味〉がクローズアップされるようになってきた。乱歩はそう言っていますが、これは、ミステリにおける「動機」や「心理」が重要な要素になり、「フーダニット(誰がやったのか)」や「ハウダニット(どうやってやったのか)」から「ホワイダニット(どうしてやったのか)」への変化という時代的な流れとも重なります。
 その意味で、乱歩が考えていた狭義の〈奇妙な味〉に近い作品は何だと考えてみると、異常心理を扱ったサスペンス風味の作品、短篇で言えば、パトリシア・ハイスミスやルース・レンデルあたりの作品がいちばん近いのではないか? というのは、僕の感覚ではあります。
 ただ、現代における〈奇妙な味〉は、乱歩が言い出した当時から、かなりの拡大解釈がされているのも事実です。
 例えば、以下に見るような解釈もそのひとつです。

〈奇妙な味〉というのは、江戸川乱歩の造語で、本来は英米ミステリの一傾向をさす言葉だったが、拡大解釈が進み、いまでは「読後に論理では割り切れない余韻を残す、ミステリともSFとも幻想怪奇小説ともつかない作品」くらいの意味で使われることが多い。下手に定義を試みるよりは、サキ、ギルバート・K・チェスタトン、ジョン・コリア、ロアルド・ダール、チャールズ・ボーモントといった代表的作家の名前をあげるほうが手っとり早い。たしかに、ジャンルの枠にはおさまりきらない作風だといえる。

中村融『街角の書店 18の奇妙な物語』(創元推理文庫)編者あとがきより

 現代では、乱歩が想定していたミステリだけでなく、SF、怪奇小説、ファンタジーなどでも、その概念が使われることが多いようです。〈奇妙な味〉の捉え方や定義は一定しておらず、人によって異なっているのです。

 〈奇妙な味〉と似た概念として、〈異色作家〉というものがあります。早川書房のシリーズ《異色作家短篇集》の収録作品は、まさに〈奇妙な味〉としかいいようのないものなのですが、〈異色作家〉と〈奇妙な味〉は、イコールと考えていいのでしょうか?

一応、ミステリーふうではある。でも、ファンタジーや怪奇小説、はたまたSF的な要素もふくまれている不可思議な小説。1950年代に、そんな雰囲気の短編を発表していた作家を“異色作家”と命名し、叢書〈異色作家短篇集〉を刊行した早川書房とその編集部のセンスの良さと先見性について、いまさら説明する必要はないだろう。

尾之上浩司『奇妙な味の作品群』『幻想文学55』アトリエOCTA掲載)より

 上記のような意見を見る限り、《異色作家短篇集》と〈奇妙な味〉は、ほぼイコールと捉えても問題ないような気がします。
 ただ、《異色作家短篇集》収録作家では、ロアルド・ダールやスタンリイ・エリンあたりは、乱歩の〈奇妙な味〉の概念に当てはまるように思いますが、シリーズには、ジャック・フィニィのようなファンタジー、ロバート・シェクリイのようなSF作品までも含んでいます。
 この《異色作家短篇集》において、乱歩の〈奇妙な味〉の概念はすでに拡大されているといってもいいのかもしれません。

 《異色作家短篇集》が日本に受け入れられていく過程で、〈異色作家〉〈異色短篇〉というネーミングもまた市民権を得ていきます。実はこの時期、版元の早川書房では、いくつか、別の概念を提唱していました。
 早川書房のミステリ誌『ミステリマガジン』には、創刊から現在に至るまで〈異色作家〉の作品がよく掲載されていますが、1960~1970年代には、その種の作品の紹介文には〈異色短篇〉〈恐怖小説〉〈幻想と怪奇〉〈ブラックユーモア〉〈フィーリング小説〉など、様々なコピーがつけられていました。
 とくに注目したいのは〈フィーリング小説〉という概念。早川書房から1970年代に出されたシリーズに、《世界の短篇(フィーリング小説集)》というものがあります。これは、ほとんど《異色作家短篇集》の姉妹編といっていいシリーズです。実際、収録作家には、ジャック・フィニィ、シャーリイ・ジャクスン、ジョン・コリア(これは未刊ですが)などが含まれています。
 他の収録作も、ブルース・ジェイ・フリードマン、ローラン・トポール、ナイジェル・ニールなど、《異色作家短篇集》に含まれていてもおかしくない味わいの作品集です。
 また、一部の作品に《異色作家短篇集》的な要素を含む、《ブラック・ユーモア選集》というシリーズもありました。こちらは、ブラック・ユーモアの要素が突出した作品が集められていましたが、味わいとしては《異色作家短篇集》にも近いものがあります。
 〈フィーリング小説〉というネーミングは根付きませんでしたが、これもまた〈奇妙な味〉の類似概念といっていいかもしれません。〈ブラック・ユーモア〉に関しては、ジャンル小説名というよりは、作品を形容する言葉として残った感じでしょうか。

 〈異色短篇〉や〈奇妙な味〉の概念は、非常に曖昧ですが、それだけに広い範囲の作品を取り込める懐の深さがあります。
 逆に、定義があいまいなら、何でもありなんじゃないか? と考えてしまいますが、やはりこういう要素がないと〈異色短篇〉や〈奇妙な味〉とは呼べない、という部分はあると思います。

「幻想、ユーモア、恐怖を豊かに織りこみ短篇小説に新しい息吹きを与える画期的シリーズ」

刊行時の《異色作家短篇集》のコピーより

 コンパクトにまとまったコピーだと思います。それぞれ、ある作品が〈幻想小説〉であったり、〈ユーモア小説〉であったり、〈恐怖小説〉であったとしても、必ずしも〈異色短篇〉とは呼べないと思いますが、これらの要素が複数あった場合は、〈異色短篇〉に近づいた感じはします。このあたり、いろいろ考えてみるのも、面白いかもしれません。
 1950年代に活躍した作家の短篇集を多く含む《ソノラマ文庫海外シリーズ》(朝日ソノラマ文庫)と、その後継的シリーズである《ダーク・ファンタジー・コレクション》(論創社)、主にミステリ畑から、デイヴィッド・イーリイやジャック・リッチーなど、埋もれた短編の名手たちを発掘した《晶文社ミステリ》(晶文社)および《KAWADE MYSTERY》(河出書房新社)、SF・ファンタジー系の作家を集めた《奇想コレクション》(河出書房新社)、現在進行中のシリーズ《予期せぬ結末》(扶桑社ミステリー)などは、《異色作家短篇集》の影響を感じさせますね。

 現代でも、ちょっと不思議な味わいの短篇集が出ると、〈奇妙な味〉や〈異色作家〉と形容されたりすることがあります。例えば、イタリアの作家ディーノ・ブッツァーティや、セルビアの作家ゾラン・ジヴコヴィッチなどの作品を分類するとすると、やはり〈奇妙な味〉や〈異色作家〉がしっくりきます。
 定義は曖昧だけれども、読書人にその作風を伝えるのには非常に便利な概念。現代ではそんな感じの使われ方をされているようですね。

※今回の記事は「怪奇幻想読書倶楽部 第2回読書会」第2部テーマ用に作成したレジュメをもとに作成しています。

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怪奇幻想読書倶楽部 第2回読書会 開催しました
 12月11日の日曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第2回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め11名でした。
 前回は2時間ほどの開催でしたが、ちょっと物足りなかった感があり、今回は初めから4時間の設定で行いました。
 テーマは第1部として「怪奇幻想小説のアンソロジーをめぐって」、第2部として、「《異色作家短篇集》と〈奇妙な味〉の作家たち」、余った時間はテーマ不定のおしゃべりの予定です。
 それでは、当日の会の詳細について、ご報告したいと思います。

 前回同様、あらかじめメールにて、参加者の皆さんにアンケートをお願いしていました。そこから名前(ハンドルネーム)と好きな作家・作品・ジャンルを抜き出して、参加者全員のプロフィールをまとめたチラシを作りました。チラシは、PDFにして1週間ほど前にメールで配信しています。

 当日、参加者が揃ったところで、全員の紹介を行います。その際、事前に配信していたチラシの紙プリント版と、参加者の名前(ハンドルネーム)の入ったネームプレートを渡します。
 前回は、肩からかける名札を使ったのですが、遠くから見えにくくて、あまり役に立たなかったので、今回は、机に立てるタイプのプラスチック製ネームプレートを用意しました。
 チラシを見ながら、主催者が簡単に参加者を紹介していきます。前回は名前を呼び、点呼だけ行う形だったのですが、今回は簡単に紹介を添える形で行いました。

 前回作った「主要怪奇小説アンソロジーリスト」と、今回第2部テーマ用に作った「《異色作家短篇集》と〈奇妙な味〉の作家たち 参考資料」と、資料(リスト)は2種類用意しました。これらを話のとっかかりとして使いました。

 前回も多彩な話題が出たのですが、今回はそれにも増して、密度の濃い時間になったように思います。某社の現役編集者の方に参加していただけたこともあり、出版の裏事情や、刊行作品の選定などの話題についても、聞くことができました。

 ちょうど話題になった本を、参加者の方がたまたまその場に持っていて…という楽しい偶然(というか、ナイジェル・ニール『トマト・ケイン』『ザ・ベスト・オブ・ジョン・コリア』、ロバート・ブロック『トワイライトゾーン』を「ちょうど」持っているという時点で、すごい面々です。)が何度もあり、終始、和やかで、かつ楽しい雰囲気の中、進行することができました。

 4時間ほどの会もあっという間に終わってしまい、さらに、有志で二次会も行いました。本会、二次会含めて、おつきあいいただいた方、ありがとうございました。
 それでは、順不同で話題になったトピックの一部を並べてみましょう。前回と同じく、話題の数が多すぎるので、記憶に残っているものだけですが。


●第一部
『怪奇小説傑作集』1巻の作品の並べ順について。ネームバリュー順?
・ブルワー=リットン作品は今読んでも面白いのか?
・同一作品の訳題名について。『猿の手』『猿の足』は別作品?
・東京創元社《クライム・クラブ》の収集・読破の難しさ。
・ドイツとロシアの怪奇小説紹介の少なさについて。
・ドイツ語翻訳者とロシア語翻訳者の現状について。ドイツ語の人材はそれなりに多い。《ペリー・ローダン》など。
・北欧や南欧に未訳の傑作は埋もれているのか?
・英米の怪奇小説の傑作はだいたい邦訳されている。残っているのはB級作品やC級作品。
・英米ではアンソロジーや傑作集が昔から盛んで、当時の状況を概観できる資料が多い。
・ゴーゴリ『ヴィイ』とその映画化作品について。
・20世紀に近づくにつれて、怪奇小説は洗練されて、スプラッター的な作品が減ってくる。
・視覚的な表現を多用するホラー作家たち。スティーヴン・キング、クライヴ・バーカーなど。
・フランスの怪奇小説について。
・SFの祖としてのモーリス・ルナール。
《フランス幻想文学傑作選》の面白さ。
・レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『南半球の発見』の紹介とその面白さ。
・翻訳作品の翻訳権について。古い作品の方が刊行しやすい?
・H・R・ウェイクフィールドの活動時期について。最初期の〈異色作家〉?
・ウェイクフィールド作品は、誤読の余地が少ない? 誰が訳しても、割合同じようなテイストで訳せる。
・未紹介の1960~1970年代の欧米の怪奇幻想小説はどうなっていたのか?
『ヴィクトリア朝幽霊物語』(アティーナ・プレス)について。入手困難?
・ラヴクラフトを寓話として読む。『異次元の色彩』など。
・怪奇小説と怪談実話の関係。実話テイストは邪道?
・デ・ラ・メア作品の難しさ。短篇集一冊を読んでも理解が難しい。翻訳者泣かせ?
・山口年子『かぐや變生』について。偶然の傑作? 同時期の短編『誕生』との作品レベルの差についてなど。
・怪奇幻想小説の雑誌媒体の難しさ。雑誌『幻想と怪奇』など。
・突然「落とす」作風の作品について。内田百閒、現代作家では津原泰水など。
・幽霊は本当にいるのか? 参加者の体験談など。


●第二部
・〈奇妙な味〉とは何か? 乱歩が挙げた具体的な作例から考える。
・乱歩の〈奇妙な味〉はサイコ・スリラーが近い? パトリシア・ハイスミスやルース・レンデルの短篇作品など。
・〈奇妙な味〉と《異色作家短篇集》はイコールなのか?
・早川書房《フィーリング小説集》《ブラック・ユーモア選集》について。ナイジェル・ニール、ローラン・トポールなど。
《異色作家短篇集》の影響を受けたシリーズたち。《晶文社ミステリ》《ダーク・ファンタジー・コレクション》《奇想コレクション》など。
・〈異色作家〉は「変な作家」という若島正説について。
・新版で唯一復刊されなかったタイトル『壜づめの女房』について。タイトルと作家名がわかりにくい。ネームバリューがあまりない作品がけっこう入っている。当時のネームバリュー的にはゴア・ヴィダルなどが売り? ダールの名前は客寄せ?
・アンソロジー『街角の書店』(中村融編)について。アンソロジー誕生の経緯など。
・ロアルド・ダールについて。いちばん〈奇妙な味〉に近い作家? 世間的には児童文学作家。筋がわかっていても面白さが衰えない。『牧師のたのしみ』『ビクスビイ夫人と大佐のコート』
・フレドリック・ブラウンについて。短篇集ならどれがベスト? ミステリは凡作が多いが、SF作品は傑作が多い。『沈黙と叫び』のすごさ。星新一訳のサンリオSF文庫版短篇集について。
・リチャード・マシスンについて。短篇作品の素晴らしさ、『陰謀者の群れ』『種子まく男』など。映画『激突』『ヘルハウス』《ミステリーゾーン》など。トリビュートアンソロジー『ヒー・イズ・レジェンド』も傑作揃い。
・ジョルジュ・ランジュランについて。邦訳はほぼ『蠅』のみ。『彼方のどこにもいない女』など、SF味が強くて、意外に面白い。映画『ザ・フライ』のおかげで生き残った?
・シャーリイ・ジャクスンは、才能というよりは感性で書いた作家? 何気ない日常描写の方に本領がある。『魔性の恋人』の解釈について。長編『たたり』、短篇『くじ』の凄さとは。短篇集『こちらへいらっしゃい』など。
・ジョン・コリアの魅力とは? 悪魔と天使のキャラクターが楽しい。訳文はコミカルにした方が楽しい作家。翻訳はちくま文庫版(サンリオSF文庫版)がベスト。
・ロバート・ブロックについて。短篇はコンスタントに面白い。『血は冷たく流れる』は傑作揃い。『サイコ』など。切り裂きジャック好き?
・映画版『トワイライトゾーン』について。《ミステリーゾーン》→映画版『トワイライトゾーン』→ロバート・ブロックのノベライズ。ジェローム・ビクスビイ作品はやはり傑作。
・ロバート・シェクリイについて。『人間の手がまだ触れない』は日本SF黎明期に絶大な影響を与えたが、それが広く取り込まれたため、今では読んでも衝撃は少ない。後期の作品は変わったものが多く、それなりに楽しめる。
・ダフネ・デュ・モーリアについて。作家のレベルとしては、この叢書内では一、二を争う作家。
・スタンリイ・エリンについて。短篇は完璧主義。結末から考えるというその作品には隙がなさすぎて、アンソロジーなどには取りにくい。『特別料理』は世評ほど傑作なのか? 最高傑作は『伜の質問』? 長編は意外にストレートなものが多い。短篇集『九時から五時までの男』など。
・チャールズ・ボーモントについて。多彩な才能を持つ作家。普通小説でも味わい深いものが多い。『叫ぶ男』『淑女のための唄』など。
・ジャック・フィニィについて。フィニィを嫌いな読者はいない? サスペンス、ミステリ、冒険小説など長編はバラエティ豊かなのに対して、短篇はノスタルジーを中心にしたものが多い。現代の日本の読者が読んでも、フィニィには「なつかしさ」を感じる。フィニィ独特のタイムトラベル方法は非常にユニーク。
・ジェイムズ・サーバーについて。文章技術としてはトップクラス? 意外とシュールな作品が多い。『人間のはいる箱』など。犬好きで、犬関連のエッセイは絶品。
・レイ・ブラッドベリについて。原文はけっこう難しい。小笠原豊樹の翻訳は詩人らしさの出た名訳。名作はやはり初期に集中している。後期は、普通小説に近づくにつれ、いい作品が減ってくる。作家自身が素朴で純粋。歌のテーマになったりと、現代アメリカでもまだ影響力が強い?
・レイ・ラッセルについて。翻訳は少ないが、短篇は悪くない作家。長編『インキュバス』は意外に傑作。
マルセル・エイメについて。最近はあんまり読まれていない? 『壁抜け男』が飛び抜けて有名。長編『第二の顔』は、乱歩も褒めていた〈奇妙な味〉の作品。


●テーマ不定
・未紹介の異色作家たちについて。ロナルド・ファーバンク『オデット』、クリスティン・ブルック=ローズなど。
・皆川博子作品のオススメは?
・文庫の新版・新訳について。
・第3回以降の読書会で扱ってほしいテーマについて。ベスト短編企画、ヴィジュアル関連の話題についてなど。


●二次会
・ブラックウッドの最高傑作は? 『ウェンディゴ』『柳』『いにしえの魔術』など。
・ラヴクラフト作品の面白さ。創元版全集では4巻がベスト?
・ラヴクラフトのフォロワーたちの作品について。いちばん大成したのはロバート・ブロック。次にオーガスト・ダーレス。
・ロバート・ブロックの面白さについて。『サイコ2』は傑作。
・ラヴクラフトのダンセイニ風掌編について。
《世界幻想文学大系》について。
・イーディス・ウォートン『幽霊』の面白さ。
・H・H・エーヴェルス『アルラウネ』について。
・江戸川乱歩作品の面白さ。
・乱歩における『赤毛のレドメイン』の影響。
・乱歩が関わったジャンルの広さについて。
・水木しげるの翻案作品について。マシスン、エーヴェルス、ラヴクラフトなど。
・マルケス『百年の孤独』、アジェンデ『精霊たちの家』について。
・アイラ・レヴィン作品について。初期作品と後期作品とのレベルの差が激しい。『死の接吻』『硝子の塔』など。
・地方の本屋の文庫事情。ハヤカワ文庫より創元推理文庫の方が品揃えが良かった。
・論創社の刊行物について。
・アルトアーツ社のロシア幻想小説作品について。アレクサンドル・グリーン短篇集など。
《魔法の本棚》シリーズの素晴らしさ。コッパード、ヨナス・リー、ミドルトン、エイクマン、アレクサンドル・グリーンなど。
・カトリーヌ・アルレー作品について。『わらの女』ほか。
・ニコラス・ブレイク『野獣死すべし』について。
・メイ・シンクレア作品の人情味。
『ロアルド・ダールの幽霊物語』の面白さ。ローズマリー・ティンパリー作品など。
・ファンタジーの名作作品について。《ゲド戦記》《指輪物語》《ナルニア国物語》など。
・ジーン・ウルフ作品の難しさと面白さ。『ケルベロス第五の首』など。
・電子書籍でマンガを読むことについて。
・読書時間の作り方。

 第3回目の読書会は、2017年1月後半あたりに予定しています。会の詳細やテーマなど決まりましたら、また告知したいと思います。

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最近読んだ本

4883752437ウェンディゴ (ナイトランド叢書)
アルジャーノン・ブラックウッド 夏来 健次
書苑新社 2016-10-20

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アルジャーノン・ブラックウッド『ウェンディゴ』(夏来健次訳 アトリエサード)
 イギリスの怪奇小説の巨匠ブラックウッドの中篇3作を集めた作品集です。
 表題作『ウェンディゴ』は、カナダに伝わる精霊ウェンディゴを扱った作品。調査のため森林地帯に入り込んだ男たちの一人が、突然失踪し、行方が分からなくなります。ようやく見つけた男は、別人のようになり、なぜか自らの足を隠そうとしますが…。
 大自然の中、人間もほとんどいない場所で出会った怪異を描いていて、その迫力はただ事ではありません。描かれる怪異の得体の知れなさがまた素晴らしい。すでに邦訳のある作品ですが、ブラックウッド作品の中でも一、二を争う傑作だと思います。
 『砂』は、エジプトの秘儀を扱った神秘小説、『アーニィ卿の再生』もまた秘儀を扱っていますが、何事にも覇気の足りない青年に生命力をもたらそうと、家庭教師がその秘儀を利用しようとするという、変わったシチュエーションの物語で面白いですね。



4150121044ゴッド・ガン (ハヤカワ文庫 SF ヘ)
バリントン・J・ベイリー 大森 望
早川書房 2016-11-22

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バリントン・J・ベイリー『ゴッド・ガン』(大森望、中村融訳 ハヤカワ文庫SF)
 奇想で知られるイギリスのSF作家ベイリーの短篇集です。どれも突拍子もないアイディアと、それを固める物語のディテールが見事です。
 表題作の『ゴッド・ガン』は、神を殺す兵器を開発する男の話。結末も脱力系で、SFホラ話といった感じの作品ですね。
 宇宙でいちばん大きな音を追求する男を描いた『大きな音』、地底を掘り進む船を描いた『地底潜艦』、特殊な性的嗜好を研究する博士を描く『ロモー博士の島』、文字通り「脳の競争」を描いた『ブレイン・レース』、蟹の生殖活動を青春小説風に描いた『蟹は試してみなきゃいけない』など、奇想のオンパレードです。
 特に、『ブレイン・レース』の突拍子のなさがすごいです。主人公の男たちは、事故で死んでしまった仲間を助けるため、外科技術に優れているという異星人に手術を頼みますが、仲間が施されたのはとんでもない手術でした…。グロテスクかつ悪夢のような、ホラーSFの傑作です。
 『邪悪の種子』は、この作品集の中では、いちばんSFらしいSFでしょうか。不死とされる種族が地球に亡命を求め、それを地球は受け入れます。周りの人々が平和的に彼を受け入れるのとは異なり、外科医のジュリアンは彼の身体を調べて不死の秘密を探ろうと考えます。場合によっては彼を殺してでもと考えるジュリアンでしたが…。
 強烈な欲望を持つ男と不死人との攻防が、膨大な時間の経過を経て描かれる、スケールの大きな作品です。



4488010644奇妙という名の五人兄妹
アンドリュー・カウフマン 田内 志文
東京創元社 2016-11-11

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アンドリュー・カウフマン『奇妙という名の五人兄妹』(田内志文訳 東京創元社)
 ウィアード家の三女アンジーは、祖母に病院に呼ばれます。祖母は、自分は十三日後の誕生日に死ぬことになると予言するとともに、不思議なことを言い出します。
 祖母は五人の孫の誕生時に、それぞれ〈力〉を与えたというのです。それらは、危機を回避する力、道に迷わない力、希望を失わない力、許しの力、戦う力。しかしその能力によって、孫たちの人生は台無しになってしまった。死ぬ前に、それらの力を消すために、兄妹全員を祖母の元に連れてくる必要があるのだと。
 祖母の言葉を信じたアンジーは、兄妹を集める旅に出ますが…。

 以前に邦訳の出た『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』同様、ファンタジーがかった設定が魅力的な作品です。
 この作品で真っ先に目に付くのは、兄妹に与えられた不思議な力の数々です。面白いのは、それらの力が、特殊能力というより「性質」に近いものだということ。例えば「許しの力」は、どんなにひどいことをされても、相手を「許し」てしまうというもので、そのために他の人々から利用されてしまうこともあるというのです。
 それぞれ力を持ちながら、またそれを持つがゆえに、兄妹たちは人生において躓いています。一番役立ちそうな「戦う力」でさえ、それを持っていてもほとんど何の役にも立たないのです。
 兄妹がそれぞれ抱える問題を描きながら、予告された祖母の死までに兄妹を集めることができるのか? というタイムリミットサスペンスにもなっていますが、ヒロインを含め、兄妹たちの旅の行程にそれほどの切迫感はありません。人生におけるしがらみが、回想シーンを含め描かれていく感じでしょうか。
 旅の途中においても、それほどの困難があるわけではありません。また、トラブルがあるとしても、兄妹たちの力がそれほど活用されるわけでもないところに拍子抜けしてしまうのですが、そもそも作者の狙いが「能力を使って危機を乗り越える」といった方面にないようなので、そういう趣向を期待すると、あまり面白くないかもしれません。個人的には、これはこれで面白いと思います。
 兄妹だけではなく、圧倒的な支配力を持つ祖母、行方をくらまして死んだとされる父親、精神の壊れてしまった母親など、家族の面々が色彩豊かに描かれます。寓意に満ちたファンタスティックな家族小説として、一読の価値はある作品でしょう。



4756245536KOMA―魂睡
ピエール・ワゼム フレデリック・ペータース
パイインターナショナル 2014-10-12

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ピエール・ワゼム、フレデリック・ペータース『KOMA―魂睡』(鈴木賢三訳 パイインターナショナル)
 父親と共に煙突掃除の仕事をしている少女アディダスには、突然気絶してしまうという持病がありました。ある日、アディダスは、煙突の奥深くで、巨大な怪物と出会います。実は、地中では、地上の人間の感情や体調を管理する機械が存在し、怪物はそれらの仕事に従事していたというのです。やがて、機械の存在を知り、利用しようとする勢力が現れますが…。

 スイス作家によるバンドデシネ(コミック)作品。世界はあるシステムによって支配されており、その支配を覆そうとするヒロインを描くファンタジー作品です。
 「機械」によって管理されているということから、固定されたシステムなのかと思いきや、世界は精神的な力によって作られているということが判明します。後半から登場する、その精神的な世界の描写が何とも魅力的です。
 世界は「作られている」というフィリップ・K・ディック的な序盤から、世界創造に至る後半まで、スケールの大きなファンタジーといえます。



4336058962ぼくのミステリ・クロニクル
戸川安宣 空犬太郎
国書刊行会 2016-11-17

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戸川安宣著、空犬太郎編『ぼくのミステリ・クロニクル』(国書刊行会)
 東京創元社の名物編集者として知られた著者の回想記です。大きく「読み手」「編み手」「売り手」としての面から、自らの人生を語っています。
 「読み手」としては、子供の頃から青年時代に至る読書について語り、「編み手」としては、東京創元社の編集者として編集実務を語り、「売り手」としては、ミステリ専門書店「TRICK+TRAP」の経営と販売について語るという、多彩な面からのアプローチになっており、ミステリだけでなく、本全般について興味のある人には、面白く読める回想記になっています。
 ジャンル小説のファンや東京創元社のファンとしては、やはり編集者時代のパートが、いちばん関心を持って読めるところでしょう。
 《日本探偵小説全集》を企画したときに、普通の文庫2冊分の場所を取ってしまうのだから、2冊分の売上げがなければ駄目だと言われたことや、エーコ『薔薇の名前』が文庫化されない理由など、興味深いエピソードがたくさん出てきます。
 個人的になるほどと思ったのは、もともと翻訳もの専門だった東京創元社が日本作家の作品を出すようになったというところ。翻訳ものがあまり売れなくなった現代において、日本作家の作品を取り扱うようになったことは、社にとって必要なことだった、という認識のようですね。

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悪意のデパート  シャーリイ・ジャクスン作品を読む
 シャーリイ・ジャクスンは、代表作『くじ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)や『丘の屋敷』(創元推理文庫)など、独自の作風で日本の読者にも長く読まれてきた作家です。ただ邦訳が少ないこともあり、その全体像は見えずにいました。
 ただ、2015年に短篇集『なんでもない一日』(創元推理文庫)が出版されたのを皮切りに、今年は何冊もジャクスン作品が邦訳されるという、記念すべき年になりました。
 ジャクスンは、1916年生まれなので、今年は生誕100周年に当たるのですね。それもあり、まとめてジャクスン作品を読んでみよう!という機運が自分の中に生まれました。そんなわけで、それらのジャクスン作品についてレビューしていきたいと思います。



4336060592鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE)
シャーリイ・ジャクスン 北川依子
国書刊行会 2016-11-24

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シャーリイ・ジャクスン『鳥の巣』(北川依子訳 国書刊行会)
 博物館勤めで、頭痛持ちの内気な20代前半の女性エリザベス・リッチモンド。彼女は両親を亡くし、叔母とともに静かに暮らしていました。博物館の工事の最中、自らの勤務場所のすぐそばに穴が開けられたのと時を同じくして、エリザベスの行動がおかしくなりはじめます。
 不審に思った叔母が、精神科医ライト医師に相談したところ、エリザベスには従来の人格に加え、いくつかの多重人格が生まれているというのです。精神科医は、おとなしく魅力的な人格にベス、天衣無縫で悪巧みの得意な人格にベッツィと名前を付け、彼女らの人格を統合しようとカウンセリングを開始しますが…。

 多重人格を扱った作品です。最初は突飛な行動がたまに起きる程度だったのが、やがて人格の交代が頻繁に起き、今誰が体を支配しているのかがわからなくなるほどになります。
 ややこしいのは、ある人格が別の人格の行動を把握しているということ。しかもすべての人格が互いに把握しているのではなく、人格によっては他の人格の行動がわからないのです。それを利用して、別の人格にいたずらをしたりする人格もいるのです。
 主治医となったライト医師も、すぐに激昂するなど精神のバランスの悪い人物で、これが混乱に拍車をかけます。人格の一人ベスに魅力を感じたライト医師は、本来の人格ではなく、ベスを中心に統合が図れないかとさえ考えるのです。
 ベスに弱い医師をだますために、人格の一人ベッツィはベスのふりをするなど、医師を翻弄します。それぞれの人格と対話を続け、光明が見え始めた矢先、さらに新しい人格が発生し、医師を困惑させるのです。
 登場人物は、ヒロインの人格を除けば、メインで登場するのは、ほぼ3人で、物語の舞台もほぼ密室で起きます。人格同士の関係、そしてそれぞれの人格と叔母、医師との関係性の変化を丹念に追っていく構成になっています。最初は消滅すべき人格と考えていたベッツィと医師が、新たな人格を共通の敵として、共犯関係になっていくところなど、じつにスリリングです。
 行き詰るような対決シーンがあるかと思えば、ブラック・ユーモアに満ちたやり取りもあり、狂気に満ちた部分もありと、ジャクスン作品の中でも一、二を争う傑作ではないでしょうか。



4488583059処刑人 (創元推理文庫)
シャーリイ・ジャクスン 市田 泉
東京創元社 2016-11-30

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シャーリイ・ジャクスン『処刑人』(市田泉訳 創元推理文庫)
 17歳の少女ナタリーは、大学入学を機に、女子寮に入ることになります。決まった友人もできないナタリーは、学内での生活を、皮肉屋で専制的な作家の父親に書き送りますが…。

 思春期の少女の大学生活が地道に描写される普通小説、に見えるのですが、やはり「普通」ではありません。まずヒロインのナタリーにしてからが、人との会話の最中に、刑事に詰問される妄想をするなど、異様な創造力を持つ少女として描かれています。
 両親もまた「普通」ではなく、結婚生活を悔やみ続ける母親はともかく、父親の性格を描写させた文章を娘に書かせるなど、尊大かつひねくれた性格の父親との関係など、ナタリーは、家庭生活に息苦しいものを感じています。
 大学に開放感を求めるものの、そこでも特に救いはもたらされません。友人は少ないものの、穏便な学校生活が、やがて幻想と入り混じりはじめて…。
 物語の開始時点から、ヒロインの妄想と現実の区別がつきにくく、その意味で「信頼できない語り手」なのですが、後半になるにしがたって、その程度は激しくなっていきます。唯一無二の友人に出会えたと思いきや、その友人も、一緒にした行動も、現実なのかがわからなくなっていくのです。
 夢幻的な雰囲気に満ちた幻想小説と言えます。



4488583032丘の屋敷 (創元推理文庫 F シ 5-1)
シャーリイ・ジャクスン 渡辺 庸子
東京創元社 2008-09

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シャーリイ・ジャクスン『丘の屋敷』(渡辺庸子訳 創元推理文庫)
 心霊現象を調査する科学者モンタギュー博士の呼びかけにより、丘の屋敷に集まった3人の男女。中でもポルターガイストの経験者であるエレーナは、感応しやすい体質を持っていました。
 屋敷で暮らしているうちに、精神のバランスをくずしてゆくエレーナ。それと同時に不思議な現象が起こり始めますが…。

 屋敷の霊的現象よりも、ヒロインのバランスを失った心理のあやが読みどころです。帰るところなどない…というヒロインの絶望感が何より強烈です。彼女にとっては、例え、お化け屋敷だとしても、家よりも居心地がいい場所なのです、
 20年以上前に旧訳『山荘綺談』(ハヤカワ文庫NV)で読んでいたのですが、再読してみました。以前は《モダンホラー・セレクション》の枠で出ていたこともあり、「お化け屋敷ホラー」として読んでいたのですが、今回は違った読み方ができた気がします。「お化け屋敷ホラー」ではなく、むしろニューロティックなサスペンスとして読むべき作品ではないでしょうか。



4151823018くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
シャーリイ・ジャクスン 深町 眞理子
早川書房 2016-10-21

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シャーリイ・ジャクスン『くじ』(深町眞理子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫)
 問題作『くじ』を含む《異色作家短篇集》収録短篇集の文庫化作品。
 どれをとっても悪意に満ちた登場人物や展開のオンパレードです。
 突如、恋人が行方不明になった女性が、恋人を探し回るという『魔性の恋人』、女友達を食事に招いた男性が、その振る舞いに不快にされるという『おふくろの味』、家政婦の一方的な言動を止めることのできない主婦を描く『大きな靴の男たち』など。勉強熱心な少年に買うべき本を教えてもらった成り上がりの男性を描く『曖昧の七つの型』では、ジャクスンらしからぬ「いい話」かと思った先のひっくり返しが、また悪意に満ちています。
 ただ後味の悪い作品、というわけではなく、そのブラック・ユーモアも読みどころです。
 家具を買いに訪れた部屋で、そこの住人のふりをすることになる『ヴィレッジの住人』や、盗みに入られた女性が犯人を問い詰めようとするが果たせないという『決闘裁判』などに見られる奇妙なユーモアは、ブラックながら、決して不快ではないのです。そこがまたジャクスンの魅力というべきでしょうか。
 ところどころで、ジェームズ・ハリスという名の人物が名前を変え、悪魔的な人物として登場するのも面白いところですね。
 そして、村に長年伝わる「くじ」の風習を描いた、表題作の『くじ』は、恐怖小説の古典とされていますが、やはり再読・三読に耐える名作。何の気のない地の文章に、深読みさせるような描写がひそんでいます。



0809066505Shirley Jackson's "the Lottery": The Authorized Graphic Adaptation
Miles Hyman
Hill & Wang Pub 2016-10-25

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Miles Hyman "Shirley Jackson's "the Lottery""
 『くじ』文庫化とちょうど同時期に、本国では、ジャクスンの実の孫マイルズ・ハイマン(Miles Hyman)による、『くじ』のグラフィックノヴェル(コミック)化作品も刊行されました。こちらも原書を手に入れて、読んでみました。原作を読んでいれば、細かい英語がわからなくても、大体の物語は読み取れました。
 派手さのないリアルな画風が、『くじ』に合っていますね。邦訳を期待したいところです。
Lottery1.jpgLottery2.jpg

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



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