最近読んだ本

4336058938スウェーデンの騎士
レオ ペルッツ Leo Perutz
国書刊行会 2015-05-15

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レオ・ペルッツ『スウェーデンの騎士』(垂野創一郎訳 国書刊行会)
 軍を脱走した青年貴族と泥棒の男は、追っ手をまくために身分を交換します。貴族の婚約者である無垢な娘に一目惚れをした泥棒は、やがて盗賊団を乗っ取り金を荒稼ぎし始めます。蓄えた財産を持って娘の窮状を救おうと考えますが…。
 序盤から波乱万丈の展開で飽きさせません。リーダビリティという点では、ペルッツ作品の中でも一番ではないでしょうか。短めの作品の中で、多彩な登場人物が動き、人生が交錯します。主人公の成り上がり一代記かと思いきや、一筋縄ではいかない複雑さ。結末も単純なハッピーエンドにはならず、かといってアンハッピーエンドにもならない余韻の深さ。素晴らしい傑作だと思います。



489219400X失われた時
グザヴィエ・フォルヌレ 辻村永樹
風濤社 2015-07-17

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グザヴィエ・フォルヌレ『失われた時』(辻村永樹訳 風濤社)
 19世紀フランス、小ロマン派のマイナー・ポエット、フォルヌレの短篇集の邦訳です。
 名作『草叢の金剛石(ダイヤモンド)』は素晴らしいのですが、他の収録作品が微妙な出来で、悲しいかな、生前評価されなかったのも仕方がない、という感じがします。
 幻想的なイメージに満ちた『夢』、互いに不幸な境遇の男女が出会う『パリにて、九時に』などには、時折はっとするような美しい部分があるのですが、全体に冗長なのは否めません。『草叢の金剛石(ダイヤモンド)』が飛びぬけた作品、と考えた方がいいようですね。



4488010407禁忌
フェルディナント・フォン・シーラッハ 酒寄 進一
東京創元社 2015-01-10

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フェルディナント・フォン・シーラッハ『禁忌』(酒寄進一訳 東京創元社)
 共感覚の持ち主で芸術家肌のゼバスティアンは、写真家として成功を収めますが、ある日、女性の誘拐容疑で逮捕されてしまいます。彼を弁護することになったやり手の弁護士ビーグラーは、調査を始めますが…。
 異色の芸術家小説、といっていいのでしょうか。ゼバスティアンの半生を語ってゆくくだりは、そこの部分だけ切り取っても十分魅力的。結局犯罪はあったのか、なかったのか、ゼバスティアンの意図とは何だったのか? ミステリとして見ると、割り切れない部分が多数残りますが、個人的には楽しめました。



4062990539誰かの家 (講談社ノベルス)
三津田 信三
講談社 2015-07-07

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三津田信三『誰かの家』(講談社ノベルス)
 全6篇を収録した怪奇小説集です。どれも水準以上の面白さですが、奇怪なドールハウスと現実の死がリンクするという『ドールハウスの怪』、湯治場で出会った女性には夫の霊が取り憑いていた…という『湯治場の客』、忍び込んだ家で少年が出会う怪奇現象を描く『誰かの家』などが面白いです。
 他の作品でもそうなのですが、都市伝説風の語りといい、ホラー小説やホラー映画への言及といい、ホラー・怪奇小説好きにはたまらない要素が多く、楽しませてくれます。既刊の短篇集『赫眼』 (光文社文庫)、『ついてくるもの』 (講談社ノベルス)もオススメしておきましょう。



4781613411超日常の少女群 ユエミチタカ作品集
ユエミチタカ
イースト・プレス 2015-07-17

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ユエミチタカ『超日常の少女群 ユエミチタカ作品集』(イースト・プレス)
 新人漫画家のデビュー作品集。少女を主人公に、主にSF的なテーマを扱った短篇を集めています。正直、玉石混交なのですが、いくつかの作品には光るものがあります。
 日常で感じたイライラ感が、目に見える黒いあざ「シュリケン」となって体に現れてしまうという『げきおこシュリケン』、短期間で人格が次々と入れ替わるヒロインを描く『マルチヒロイン』が秀作です。
 とくに『マルチヒロイン』が素晴らしいです。「無限多重人格」である少女は、幼い頃から、次々と人格が生まれては入れ替わっています。人格はいくつあるのかわからず、今までに同じ人格が現れたことはないのです。短くて数日、長くて数ヶ月しか人格は継続しないにもかかわらず、何年間も彼女を慕う少年の恋心に対し、彼女は自分への愛を信じられないと話しますが…。
 記憶や人格の継続しない相手に対して、愛を抱くことは可能なのか? 考えさせるテーマを持った作品です。



4062194449殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow
殊能 将之
講談社 2015-06-25

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殊能将之『殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow』(講談社)
 2013年に亡くなったミステリ作家、殊能将之が自身のホームページ上に書いていた読書日記をまとめたものです。実はこの方の作品、一冊も読んだことがないのですが、生前に連載していた読書日記は、ずっと読ませてもらっていました。
 主に、海外の未訳作品を紹介、論評するスタイルの読書日記です。取り上げられる作家が、マイナーとは言わないまでも、一癖ある作家ばかりなのが特徴。ジーン・ウルフ、ブライアン・W・オールディス、グラディス・ミッチェル、マイクル・イネス、トマス・M・ディッシュ、フリッツ・ライバー、アルジス・バドリス、ポール・アルテ、アヴラム・デイヴィッドスンなど。
 アヴラム・デイヴィッドスンに関しては、この読書日記から邦訳短篇集『どんがらがん』が生まれています。他にも、フリッツ・ライバーやアルジス・バドリスの未訳作品なども多数紹介されており、これらの作家に興味のある人には楽しく読めるかと思います。バドリスの有名作『無頼の月』に関しても詳しく触れられており、参考になります。



4756245978パラレルワールド御土産帳
穂村弘 パンタグラフ
パイインターナショナル 2015-06-11

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パンタグラフ、穂村弘『パラレルワールド御土産帳』(パイインターナショナル)
 パンタグラフは、広告美術を制作するアーティスト集団。彼らが製作した架空の商品を紹介するという趣旨の写真集です。
 現代のデジタル機器にアナログ風味を加えたらどうなるか? といった感じの品物がメインなのですが、品物の完成度が半端ではありません。本当にこういう商品が売られているんじゃないかと思わせるほどのクオリティと、品物としての美しさが両立しているところがすごいです。
 ルーターに真空管を採用したという『真空管無線ルーター』、「0」と「1」のみ打てるデジタルデータ専用タイプライター『ゼロイチ・タイプライター』など、遊び心にあふれた品物が盛りだくさんです。
 紹介ページはこちら

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8月の気になる新刊と7月の新刊補遺
発売中 グザヴィエ・フォルヌレ『失われた時』(風濤社 予価3240円)
7月25日刊 『ミステリマガジン 9月号 幻想と怪奇 乱歩輪舞ふたたび/追悼:ルース・レンデル』(早川書房 1296円)
7月27日刊 ウィリアム・ホープ・ホジスン『幽霊海賊』(アトリエサード 予価2376円)
8月2日刊 シェリー・ディクスン・カー『ザ・リッパー 切り裂きジャックの秘密 上・下』(扶桑社ミステリー 予価各1026円)
8月7日刊 ブレイク・クラウチ『ラスト・タウン 神の怒り』(ハヤカワ文庫NV 予価1058円)
8月12日刊 ケヴィン・ウィルソン『地球の中心までトンネルを掘る』(東京創元社 予価1944円)
8月21日刊 ロバート・チャールズ・ウィルスン『楽園炎上』(創元SF文庫 予価1490円)
8月21日刊 エラリイ・クイーン『九尾の猫 新訳版』(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1296円)
8月21日刊 早川書房編集部編『海外ミステリ・ハンドブック』(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価907円)
8月21日刊 早川書房編集部編『海外SFハンドブック』 (ハヤカワ文庫SF 予価1080円)
8月21日刊 トーマス・スウェターリッチ『明日と明日』(ハヤカワ文庫SF 予価1123円)
8月21日刊 クリストファー・プリースト『双生児 上・下』(ハヤカワ文庫FT 予価各972円)
8月21日刊 サラ・ロッツ『黙示 上・下』(ハヤカワ文庫NV 予価各907円)
8月28日刊 サマセット・モーム『ジゴロとジゴレット モーム傑作選Ⅰ』(新潮社 予価637円)
8月28日刊 『江戸川乱歩妖美劇画館 3巻 白髪鬼/闇の顔』(少年画報社 予価864円)
8月29日刊 マーガレット・ミラー『まるで天使のような』(創元推理文庫 予価1296円)

 突然の刊行予告でびっくりしたのは、グザヴィエ・フォルヌレ『失われた時』とウィリアム・ホープ・ホジスン『幽霊海賊』の2冊です。

 グザヴィエ・フォルヌレ(1809-1884)はフランスの作家。資産家の息子として生まれ、詩や戯曲、小説などを発表しますが、生前は全く評価されませんでした。アンドレ・ブルトンを始めとするシュルレアリストたちによって、死後の再評価が進みました。我が国では、澁澤龍彦がほれ込んだことで有名ですね。澁澤の著書『悪魔のいる文学史』でも、一章がフォルヌレに割かれています。
 邦訳は『草叢のダイヤモンド』『幻燈だよ! 摩訶不思議!』『白痴と《彼の》竪琴』など、数篇しかないと思いますが、黒いユーモアに満ちた、奇想天外な幻想短篇の書き手です。

 一方、ウィリアム・ホープ・ホジスン『幽霊海賊』は、刊行が予告されていた〈ナイトランド叢書〉の第一弾。
 『幽霊海賊』は、<ボーダーランド三部作>と呼ばれる三作のうちの一作。ホジスンお得意の海洋綺譚のようなので、期待が膨らみます。〈ナイトランド叢書〉は、続刊も楽しみな作品が続いているので、応援していきたいと思います。

 『ミステリマガジン』の最新号は、<幻想と怪奇>特集です。隔月刊化して、<幻想と怪奇>はどうなるんだろうと心配していましたが、続けていくようなので安心しました。内容は前年度に続き、乱歩絡みのようです。

 ケヴィン・ウィルソン『地球の中心までトンネルを掘る』は、シャーリイ・ジャクスン賞受賞作の短篇集だそうで、何やら異色短篇の香りがしますね。楽しみです。

 早川書房からは、『海外ミステリ・ハンドブック』『海外SFハンドブック』が同時に刊行です。90年代初頭に出ていた『ミステリ・ハンドブック』『SFハンドブック』の新版ということになるのでしょうか。

2015年8月1日追記

4883752097失われた者たちの谷〜ハワード怪奇傑作集 (ナイトランド叢書)
ロバート・E・ハワード 中村 融
書苑新社 2015-08-07

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8月7日刊 ロバート・E・ハワード『失われた者たちの谷 ハワード怪奇傑作集』(アトリエサード 予価2484円)

 ホジスン『幽霊海賊』が発売されたばかりなのですが、時間を置かず、〈ナイトランド叢書〉 第2弾が登場です。ハワード傑作集『失われた者たちの谷 ハワード怪奇傑作集』です。収録作品は以下のようなもの。

『鳩は地獄から来る』
『トム・モリノーの霊魂』
『失われた者たちの谷』
『黒い海岸の住民』
『墓所の怪事件』
『暗黒の男』
『バーバラ・アレンへの愛ゆえに』
『影の王国』

紹介ページはこちらになります。
このペースだと、ホジスン三部作も意外と早く刊行されそうですね。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇小説の副読本  欧米の怪奇小説ブックガイド案内
 前回の怪奇小説ベストの記事を書くに当たって、いろいろ参考文献を読み直しました。とはいっても、欧米怪奇小説がメインのガイド本って、かなり少ないんですよね。
 ずいぶん昔に、幻想文学のガイドブックの案内記事を書いたこともありますが、今回は、怪奇小説メインのガイド本を紹介していこうかと思います。



4043665016ホラー小説大全[増補版] (角川ホラー文庫)
風間 賢二
角川書店 2002-07

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 風間賢二『ホラー小説大全』(角川ホラー文庫、双葉文庫)
 怪奇小説の原型とされる<ゴシック小説>から現代の<モダンホラー>まで、ホラー・怪奇小説の幅広い分野を扱っています。
 「吸血鬼」「フランケンシュタイン」「狼男」を扱った章や、著者オススメのブックガイドコーナーもあり、盛りだくさんです。アンソロジー&短篇紹介のコーナーは、非常に参考になります。この分野の基本図書として一番にオススメしたい本です。



4840127514怪談文芸ハンドブック (幽BOOKS)
東雅夫
メディアファクトリー 2009-03-25

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 東雅夫『怪談文芸ハンドブック』(メディアファクトリー 幽BOOKS)
 日本・海外を含めた<怪談>のブックガイドです。最初に「怪談をめぐる七つのQ&A」が置かれていたりと、全体に初心者向けの概説書といっていいでしょうか。
 ギリシャ、中国、欧米、日本と、世界の<怪談>を広く紹介しています。メインは日本の部分に置かれてはいますが、欧米の怪奇小説に関してもコンパクトにまとまっています。



4043680015ホラー・ガイドブック (角川ホラー文庫)
尾之上 浩司
角川書店 2003-01

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 尾之上浩二編『ホラー・ガイドブック』(角川ホラー文庫)
 総合的な怪奇小説・ホラーのガイドブックです。日本編と海外編に分かれており、それぞれ複数の著者による通史やガイドが収録されています。
 どちらかと言うと、現代よりの怪奇小説・ホラー作品が多く紹介されています。
 小説だけではなく、テレビドラマや映画など、映像作品も一緒に紹介されているのが特徴ですね。編者の尾之上浩二さんの得意分野である、海外ホラー・SFオムニバスの紹介が詳細で、読み応えがあります。読んでいて愉しいガイド本です。



ファンタジーファンタジー―幻想文学館 (1979年)
F.ロッテンシュタイナー 村田 薫
創林社 1979-10

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 フランツ・ロッテンシュタイナー『ファンタジー(幻想文学館)』(村田薫訳 創林社)
 世界の怪奇小説・幻想文学のブックガイドですが、著者のロッテンシュタイナーがオーストリアの人のため、英米系に偏らない紹介がなされています。英米に加え、フランス、ロシア、ドイツ、オーストリア、ベルギー、ポーランド、ラテンアメリカ、日本など、世界各国の怪奇小説が紹介されます。
 全体に範囲が広いため、各国の主だった作家と代表作に触れる程度の簡単な紹介にとどまっています。ただ、E・T・A・ホフマン、エドガー・アラン・ポオ、ゴーゴリに関しては、三大巨匠として位置づけており、多少、記述が詳細になっています。
 ブックガイドとしては弱いのですが、作家の肖像画、作品集の挿絵など、毎ページと言っていいほどヴィジュアル面が充実しており、弱点を補っている印象です。



4048835718ホラー小説講義
荒俣 宏
角川書店 1999-07

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 荒俣宏『ホラー小説講義』(角川書店)
 タイトル通り<ホラー小説>のレクチャーガイドです。著者独自の史観・考え方が反映されているため、とても刺激的なのですが、逆に初心者には勧めにくいかもしれません。ある程度、このジャンルに馴染んでから読んだ方が、楽しめるように思います。



4875022468空想文学千一夜―いつか魔法のとけるまで
荒俣 宏
工作舎 1995-02

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 荒俣宏『空想文学千一夜』(作品社)
 著者の怪奇幻想やファンタジーに関するエッセイや評論をまとめた本です。1章の「幻想の見取図」が、怪奇幻想小説の通史になっており、未訳の作品も多く取り上げられています。
 他にも<ヒロイック・ファンタジー><ダンセイニ><ク・リトル・リトル神話>に関する章もあり、怪奇小説ファンには、末永く愉しめる本です。



sekaigensou.jpg世界幻想作家事典
荒俣宏
国書刊行会 1987-12

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 荒俣宏『世界幻想作家事典』(国書刊行会)
 著者一人で書き上げているという驚異的な事典です。怪奇小説に限らず、ファンタジーや幻想文学に分類される作家も収録されています。著者独自の見解によって書かれているのが特徴ですね。資料性という点では少々物足りないのですが、その代わり「通読が可能な」読む事典として使うことができます。



4336041083幻想文学大事典
高山 宏 風間 賢二 ジャック サリヴァン
国書刊行会 1999-02

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 ジャック・サリヴァン編『幻想文学大事典』(高山宏、風間賢二監修 国書刊行会)
 日本語で読める怪奇幻想小説のガイドとしては最強の一冊です。古典の時代から、現代作家まで、幅広く取り上げられています。
 記述が詳細なのが特徴で、資料性も非常に高いです。マイナー作家でさえ、突っ込んだ紹介がなされるというマニアックさです。映画・音楽・美術といった関連分野の紹介、「悪魔」「アーカム・ハウス」「吸血鬼」「幽霊」などの54項目のテーマ・エッセイなどが読み応えがありますね。
 原著にあった書誌に加え、邦訳書誌まで完備、巻末付録として、「本邦怪奇幻想文学アンソロジー・リスト」と「戦後怪奇幻想文学全集・叢書リスト」が付いており、怪奇小説ファンなら、一家に一冊備えておきたい本です。



4488585019真夜中の檻 (創元推理文庫)
平井 呈一
東京創元社 2000-09

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 平井呈一『真夜中の檻』(創元推理文庫)
 我が国の怪奇小説紹介の第一人者だった著者による、創作とエッセイをまとめた本です。 ブラックウッド、J・S・レ・ファニュ、デ・ラ・メア、ラヴクラフト、アーサー・マッケン、デニス・ホイートリ、M・R・ジェイムズなどに触れています。
 書かれた時代が古いこともあり、資料性という点では弱いです。ただ、どれも著者の怪奇小説愛が感じられる滋味のあるエッセイになっています。



477803760X怪奇三昧 英国恐怖小説の世界
南條 竹則 荒木飛呂彦(カバーイラスト)
小学館 2013-05-24

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 南條竹則『怪奇三昧 英国恐怖小説の世界』(集英社新書→小学館(増補版))
 英国の古典怪奇小説に絞ったガイドです。範囲を絞っただけあって、それぞれの作家の紹介は詳細になっており、参考になります。ブラックウッド、マッケン、M・R・ジェイムズ、ダンセイニ、ラヴクラフト、メイ・シンクレア、M・P・シール、ジョン・ゴーズワース、H・R・ウェイクフィールドなどの作家が取り上げられています。
 古典的な怪奇小説に関しては、最高のガイドでしょう。



makai.jpg菊地秀行の魔界シネマ館 (ソノラマ文庫)
菊地 秀行
朝日ソノラマ 1994-06

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 菊地秀行『菊地秀行の魔界シネマ館』(朝日ソノラマ文庫)
 ガイド本とはちょっと趣が異なるのですが、ホラー映画のファンである著者が映像作品について書いた本です。子供時代に影響を受けた怪奇小説や、原作と映像化作品についての違いなどについて書かれた部分など、興味深く読むことができます。映画のスチール写真がたくさん使われているのも愉しいですね。



huransugensou.jpgフランス幻想文学史 (クラテール叢書)
マルセル・シュネデール 渡辺明正
国書刊行会 1987-09

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 マルセル・シュネデール『フランス幻想文学史』(渡辺明正訳 国書刊行会)
 自身も幻想小説家であるシュネデールがフランスの幻想文学についてまとめた通史です。フランス作品に特化しているのが特徴ですが、ポオやホフマンなどの、フランスに強い影響を与えた外国作家、フランス語で作品を書いたベックフォード(『ヴァセック』の著者)やポトツキ(『サラゴサ手稿』の著者)にも多少筆が割かれています。
 近代小説以前の作品から、現代まで、マイナーな作家にもかなりのページが割かれています。フランスの怪奇小説についてのガイドとしては、この本が一番でしょう。


 季刊『幻想文学』(アトリエOCTA)は、たびたび怪奇小説の特集を組んでいました。主に欧米の怪奇小説を取り上げた号としては、次のようなものが挙げられます。

 『4号 特集◎アーサー・マッケン』
 『6号 特集◎ラヴクラフト症候群』
 『14号 特集◎モダンホラー』
 『23号 特集◎ホラー読本』
 『28号 特集◎吸血鬼文学館』
 『37号 特集◎英国幽霊物語』
 『63号 特集◎M・R・ジェイムズと英国怪談の伝統』
 『別冊幻想文学 クトゥルー倶楽部』
 『別冊幻想文学 ドラキュラ文学館』
 『別冊幻想文学 ラヴクラフト・シンドローム』
 『別冊幻想文学 モダンホラー・スペシャル』

 『別冊幻想文学 クトゥルー倶楽部』と 『別冊幻想文学 ラヴクラフト・シンドローム』は 『6号 特集◎ラヴクラフト症候群』の増補版、 『別冊幻想文学 ドラキュラ文学館』『28号 特集◎吸血鬼文学館』の増補版、 『別冊 モダンホラー・スペシャル』は 『14号 特集◎モダンホラー』の増補版になっています。
 怪奇小説ファンにオススメしたいのは、 『14号 特集◎モダンホラー』『別冊幻想文学 モダンホラー・スペシャル』)、 『37号 特集◎英国幽霊物語』、 『63号 特集◎M・R・ジェイムズと英国怪談の伝統』でしょうか。



modernhorror.jpgモダンホラー・スペシャル (別冊幻想文学 (12))
幻想文学企画室
アトリエOCTA 1998-08

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 『14号 特集◎モダンホラー』『別冊幻想文学 モダンホラー・スペシャル』
 10年以上後に刊行された『別冊幻想文学 モダンホラー・スペシャル』の方が、内容は充実しているので、こちらの方の内容を紹介しておきます。
 モダンホラー作品についての評論、エッセイ、ブックガイドをまとめたものです。
 矢野浩三郎、風間賢二、尾之上浩司らのインタビュー、仁賀克雄、都筑道夫、菊地秀行らのエッセイ、中島晶也、東雅夫らの評論のほか、「モダンホラー必携」として、「幽霊屋敷」「安らがぬ死者たち」「呪術と魔術」など、テーマ別に分類したホラー作品のブックガイドが掲載されています。
 ガイドの方は、1970~1990年代に翻訳された作品について紹介されています。今改めて見ると、ほとんどの作品が手に入りにくくなっているのに驚きますね。



gensou37.jpg
 『37号 特集◎英国幽霊物語』
 英国のゴースト・ストーリー、怪奇小説についての特集になっています。マージョリー・ボウエン、L・T・C・ロルトの小説作品や、紀田順一郎、大瀧啓裕、仁賀克雄、風間賢二などのエッセイや評論が掲載されています。
 オカルトやスピリチュアリズムなどのアカデミックな評論が多いので、気軽に読めないものも多いのですが、D・スカブラー「近代小説における超自然」やJ・ブリッグス「幽霊たちの帰還」といった、欧米の評者による怪奇小説論は貴重です。
 何といっても愉しいのは、南條竹則&倉阪鬼一郎&西崎憲による座談会「ゴースト・ストーリーに憑かれて」でしょう。三氏が好きな怪奇小説について語りまくるという、ファンにとってはたまらない内容。それぞれのベスト3なども挙げられています。



gensou63.jpg幻想文学 (63)
幻想文学企画室
アトリエOCTA 2002-04

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  『63号 特集◎M・R・ジェイムズと英国怪談の伝統』
 創元推理文庫『M・R・ジェイムズ怪談全集』(紀田順一郎訳)の刊行に合わせての特集ですね。M・R・ジェイムズの未完の断章作品の翻訳、ジェイムズのレ・ファニュについてのエッセイなどがメインです。
 紀田順一郎、桂千穂、南條竹則、西崎憲、稲生平太郎などの怪奇小説に関するインタビュー、長山靖生、中島晶也らによる評論、梅田正彦、三津田信三らによるエッセイなど。中野善夫による「英国怪談愛好家のためのインターネット・ガイド」は、当時非常に斬新でした。
 怪奇小説を愛する諸氏によるインタビューが、どれも面白く読むことができます。『37号 特集◎英国幽霊物語』と特集内容が似ているのですが、エッセイ・評論含め『63号 特集◎M・R・ジェイムズと英国怪談の伝統』の方がエンタテインメントとして愉しく読めますね。

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マイ・ベスト・怪奇小説
 6月29日に神田で開催されたという読書イベント「豊﨑由美アワー 第39回読んでいいとも!ガイブンの輪」。ぜひ行ってみたかったのですが、都合がつかず行けませんでした。なぜ行きたかったかというと、ゲストは翻訳家の西崎憲さんで、テーマが怪奇小説だったからです。怪奇小説ファンとしては、興味津々ですよね。
 盛況だったようで、ネット上に内容やレポートなどが挙がっており、僕もいくつか読ませていただきました。当日発表されたという「西崎憲が選ぶ怪奇小説ベスト10+4」が実に興味深いです。

「6月29日『豊崎由美アワー 第39回読んでいいとも!ガイブンの輪』西崎憲さんの怪奇小説ベスト10のまとめ (Togetterまとめ)

『豊﨑由美アワー 第39回読んでいいとも!ガイブンの輪』( ゲスト西崎憲)に参加してきた(異色もん。)

ベスト10(+4)の内容は以下のようなもの。

1 W・W・ジェイコブズ『猿の手』(平井呈一訳『怪奇小説傑作集1』創元推理文庫収録)
2 チャールズ・ディケンズ『信号手』(小池滋訳『ディケンズ短篇集』岩波文庫収録)
3 M・R・ジェイムズ『笛吹かば現れん』(紀田順一郎訳『M・R・ジェイムズ怪談全集1』収録)
4 A・ブラックウッド『柳』(早川書房編集部『幻想と怪奇1 英米怪談集』ハヤカワ・ミステリ収録)
5 H・R・ウェイクフィールド『ゴースト・ハント』(鈴木克昌訳『ゴースト・ハント』創元推理文庫収録)
6 W・F・ハーヴィー『炎天』(平井呈一訳『怪奇小説傑作集1』創元推理文庫収録)
7 ジョン・マーティン・リーイ『アムンゼンの天幕』(小尾芙佐訳 仁賀克雄編『幻想と怪奇 ポオ蒐集家』収録)
8 H・P・ラヴクラフト『ダンウィッチの怪』(大瀧啓裕訳『ラヴクラフト全集5』創元推理文庫収録)
9 J・D・ベリズフォード『喉切り農場』(吉村満美子訳『怪奇礼賛』創元推理文庫収録)
10 アンナ・カヴァン『輝く草地』(西崎憲訳『英国短篇小説の愉しみ3』筑摩書房収録)
11 E・F・ベンスン『いも虫』(平井呈一訳『怪奇小説傑作集1』創元推理文庫収録)
12 ジェイムズ・スティーヴンズ『月光に刻まれて』(未訳 東京創元社アンソロジー収録予定)
13 J・S・レ・ファニュ『ゴールデン・フライヤーズ奇談』(室谷洋三訳『ゴールデン・フライヤーズ奇談』福武文庫)
14 アーサー・マッケン『白い粉薬のはなし』(平井呈一訳『怪奇クラブ』創元推理文庫収録)

 例えばミステリでは、ベスト作品を集計すると、クリスティとかクイーンなど、定番作品が必ず出てくると思うのですが、怪奇小説でそれをやると、ものすごく好みがばらけるような気がします。
 というのも、何をもって怪奇小説の美質とするか、人によって千差万別だからです。例えばウォルター・デ・ラ・メアの作品。デ・ラ・メアみたいに、朦朧法を駆使した作品なんか、何が面白いかわからない人もいると思います。現代作家で言うと、ラムジー・キャンベルなんかもそうですね。
 また、古典的な怪奇小説ファンからは、現代のスプラッタ作品は認めない、という立場もあると思います。実際、クライヴ・バーカーが翻訳され始めたとき、批判していた方もいますし。
 というわけで、好きな怪奇小説を公にするということは、ミステリやSFなどのジャンル以上に、自らの審美感を試される…ような気がします。

 さて、西崎さんのベストは、大御所の定番作品がメインですが、逆に奇を衒わないところがいいですね。それでいて、マイナーかもしれないけれど自分は好きだ!という作品をはさんでいるところが、実ににくい。
 こういうのを見ると、自分でもベストを選んでみたくなってきます。というわけで、僕の偏愛する怪奇小説10作を選んでみました。順位を決めるというのは難しいので、順不同で。リストアップしていたら、あっという間に10作以上になってしまったので、国別に挙げてみたいと思います。イギリスとアメリカに関しては、候補作が非常に多いので、西崎さんに倣って+4作としました。

●イギリス
コナン・ドイル『寄生体』(北原尚彦、西崎憲編『ドイル傑作集2』創元推理文庫収録)
ブラム・ストーカー『判事の家』(桂千穂訳『ドラキュラの客』国書刊行会収録)
ヒュー・ウォルポール『ターンヘルム』(西崎憲訳 西崎憲編『怪奇小説の世紀3』収録)
E・F・ベンスン『アルフレッド・ワダムの絞首刑』(今本渉訳 西崎憲編『怪奇小説の世紀1』収録)
A・E・コッパード『消えちゃった』(南條竹則『天来の美酒/消えちゃった』光文社古典新訳文庫収録)
ロバート・ルイス・スティーヴンスン『びんの小鬼』(河田智雄訳『スティーヴンソン怪奇短篇集』福武文庫収録)
バーナード・ケイペス『月に撃たれて』(橋本槙矩訳『猫は跳ぶ イギリス怪奇傑作集』福武文庫収録)
マイクル・アレン『アメリカから来た紳士』(宇野利泰訳 別冊宝石108収録)
W・F・ハーヴィー『五本指の怪物』(大西尹明訳『消えた心臓』東京創元社収録)
H・R・ウェイクフィールド『赤い館』(鈴木克昌訳『ゴースト・ハント』創元推理文庫収録)
L・P・ハートリー『動く棺桶』(今本渉訳『ポドロ島』河出書房新社収録)
メイ・シンクレア『希望荘』(南條竹則訳『胸の火は消えず』創元推理文庫収録)
ローズマリー・ティンパリイ『ハリー』(乾信一郎訳 ロアルド・ダール編『ロアルド・ダールの幽霊物語』ハヤカワ・ミステリ文庫収録)
クライヴ・バーカー『ミッドナイト・ミートトレイン』(宮脇孝雄訳『ミッドナイト・ミートトレイン』集英社文庫収録)

●アメリカ
フィッツ=ジェイムズ・オブライエン『手から口へ』(大瀧啓裕訳『金剛石のレンズ』創元推理文庫収録)
イーディス・ウォートン『万霊節』(薗田美和子、山田晴子訳『幽霊』作品社収録)
ジョン・ケンドリック・バングズ『ハロウビー館のぬれごと』(早川書房編集部『幻想と怪奇2 英米怪談集』ハヤカワ・ミステリ収録)
ジェローム・K・ジェローム『ダンシング・パートナー』(風間賢二訳『フランケンシュタインの子供』角川ホラー文庫収録)
H・P・ラヴクラフト『時間からの影』(大瀧啓裕訳『ラヴクラフト全集3』創元推理文庫収録)
カール・ジャコビ『水槽』(中村能三訳 仁賀克雄編『幻想と怪奇 ポオ蒐集家』収録
デイヴィッド・H・ケラー『地下室の怪異』(仁賀克雄訳『アンダーウッドの怪』国書刊行会収録)
H・S・ホワイトヘッド『わな』(大瀧啓裕訳『ラヴクラフト全集 別巻1』創元推理文庫収録)
ロバート・ブロック『切り裂きジャックはあなたの友』(仁賀克雄訳『切り裂きジャックはあなたの友』ハヤカワ文庫NV収録)
フリッツ・ライバー『指人形の魔力』(竹生淑子訳『闇の世界』ソノラマ文庫海外シリーズ)
シオドア・スタージョン『監房ともだち』(小笠原豊樹訳『一角獣・多角獣』早川書房収録)
レイ・ブラッドベリ『骨』(宇野利泰訳『十月はたそがれの国』創元SF文庫収録)
レイ・ラッセル『サルドニクス』(永井淳訳『嘲笑う男』早川書房収録)
ルイス・シャイナー『輪廻』(仁賀克雄訳 アイザック・アシモフ、マーティン・H・グリーンバーグ編『恐怖のハロウィーン』徳間文庫収録)

●フランス・ベルギー
マルセル・シュオッブ『木乃伊をつくる女』(日影丈吉訳『フランス怪談集』河出文庫収録)
シャルル・ラブー『トビアス・グワルネリウス』(川口顕弘訳『19世紀フランス幻想短篇集』国書刊行会収録)
エルクマン-シャトリアン『人殺しのヴァイオリン』(南條竹則訳『イギリス恐怖小説傑作選』ちくま文庫収録)
アンリ・トロワイヤ『自転車の怪』(澁澤龍彦訳『怪奇小説傑作集4』収録収録)
トーマス・オーウェン『黒い玉』(加藤尚宏訳『黒い玉 十四の不気味な物語』創元推理文庫収録)
ジャン・レイ『闇の路地』(森茂太郎訳 東雅夫編『世界幻想文学大全 怪奇小説精華』ちくま文庫収録)
マルセル・エイメ『死んでいる時間』(江口清訳『マルタン君物語』ちくま文庫収録)
マルセル・ベアリュ『宝の島』(高野優訳『奇想遍歴』パロル舎収録)
モーリス・ルナール『歌姫』(秋山和夫訳 窪田般彌、滝田文彦編『フランス幻想文学傑作選3』白水社収録)
J・H・ロニー兄『吸血美女』(小林茂訳 窪田般彌、滝田文彦編『フランス幻想文学傑作選3』白水社収録)

●ドイツ
E・T・A・ホフマン『砂男』(池内紀訳『ホフマン短篇集』岩波文庫収録)
ハインリヒ・フォン・クライスト『聖ツェチーリエ』(種村季弘訳『チリの地震 -クライスト短篇集』河出文庫収録)
イエレミーアス・ゴットヘルフ『黒い蜘蛛』(山崎章甫訳 岩波文庫)
ハンス・ハインツ・エーヴェルス『蜘蛛』(植田敏郎訳『怪奇小説傑作集5』収録)
カール・ハンス・シュトローブル『死の舞踏』(種村季弘編『ドイツ怪談集』河出文庫収録)
ゲアハルト・ハウプトマン『海魔』(桂千穂訳 荒俣宏、紀田順一郎編『怪奇幻想の文学5 怪物の時代』新人物往来社収録)
レオ・ペルッツ『月は笑う』(前川道介訳『独逸怪奇小説集成』国書刊行会収録)
アルフレート・クービン『吸血鬼狩り』(前川道介訳『独逸怪奇小説集成』国書刊行会収録)
クルト・クーゼンベルク『休まない弾丸』(前川道介訳『壜の中の世界』国書刊行会収録)
ミュノーナ『不思議な卵』(鈴木芳子訳『スフィンクス・ステーキ』未知谷収録)

●ロシア
ニコライ・ゴーゴリ『妖女 (ヴィイ)』(原卓也訳『怪奇小説傑作集5』創元推理文庫収録)
アレクセイ・レーミゾフ『犠牲』(原卓也訳『怪奇小説傑作集5』創元推理文庫収録)
アントン・チェーホフ『黒衣の僧』(原卓也訳『怪奇小説傑作集5』創元推理文庫収録)
アレクセイ・トルストイ『吸血鬼の家族』(粟原成郎訳 川端香男里編『ロシア神秘小説集』国書刊行会収録)
ウラジーミル・フョードロヴィチ・オドエフスキー『シルフィッド ある分別家の手記より』(望月哲男訳 川端香男里編『ロシア神秘小説集』国書刊行会収録)
ミハイール・ニコラエヴィチ・ザゴスキン『思いがけない客』(西中村浩訳 川端香男里編『ロシア神秘小説集』国書刊行会収録)
フョードル・クジミッチ・ソログープ『光と影』(貝沢哉訳 沼野充義編『ロシア怪談集』河出文庫収録)
アレクセイ・ニコライヴィッチ・トルストイ『牧神(ファヌス)』(佐々木彰訳 川端香男里編『現代ロシア幻想小説』白水社収録)
アレクサンドル・グリーン『魔のレコード』(沼野充義訳 沼野充義編『ロシア怪談集』河出文庫収録)
リュドミラ・ペトルシェフスカヤ『新しい魂』(沼野恭子編訳『私のいた場所』河出書房新社収録)

●東欧
スワヴォミール・ムロージェック『小さな友』(長谷見一雄訳『象』国書刊行会収録)
レシェク・コワコフスキ『こぶ』(沼野充義訳 沼野充義編『東欧怪談集』河出文庫収録)
ステファン・グラビンスキ『シャモタ氏の恋人(発見された日記より)』(沼野充義訳 沼野充義編『東欧怪談集』河出文庫収録)
ガラ・ガラクティオン『カリファールの水車小屋』(直野敦訳 吉上昭三ほか編『現代東欧幻想小説』収録)
イヴォ・アンドリッチ『象牙の女』(栗原成郎訳 吉上昭三ほか編『現代東欧幻想小説』収録)
ゾラン・ジフコヴィッチ『ティーショップ』(山田順子訳『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』黒田藩プレス収録)
カレル・チャペック『最後の審判』(栗栖継訳『ひとつのポケットから出た話』晶文社収録)
イヴァン・ヴィスコチル『ズビンダおじさんの<冬外套>』(千野栄一訳『そうはいっても飛ぶのはやさしい』国書刊行会収録)
ヨゼフ・ネズヴァードバ『吸血鬼株式会社』(深見弾訳 ダルコ・スーヴィン編『遥かな世界 果てしなき海』早川書房収録)
ヤン・ポトツキ『サラゴサ手稿』のエピソード(どれでも可)(工藤幸雄訳『サラゴサ手稿』国書刊行会収録)

●南欧
ジョヴァンニ・パピーニ『返済されなかった一日』(河島英昭訳 ボルヘス編『逃げてゆく鏡』国書刊行会収録)
ディーノ・ブッツァーティ『七階』(脇功訳『七人の使者・神を見た犬 他十三篇』岩波文庫収録)
プリーモ・レーヴィ『ケンタウロス論』(関口英子訳『天使の蝶』光文社古典新訳文庫収録)
トマソ・ランドルフィ『ゴーゴリの妻』(米川良夫訳『カフカの父親』国書刊行会収録)
マッシモ・ボンテンペルリ『便利な治療』(坪井章訳『わが夢の女』ちくま文庫収録)
アルベルト・モラヴィア『夢に生きる島』(関口英子訳『薔薇とハナムグリ』光文社古典新訳文庫収録)
ホセ・デ・エスプロンセダ『義足』(東谷穎人訳『スペイン幻想小説傑作集』白水Uブックス収録)
ベンセスラオ・フェルナンデス=フローレス『暗闇』(東谷穎人訳『スペイン幻想小説傑作集』白水Uブックス収録)
ペドロ・アントニオ・デ・アラルコン『死神の友達』(桑名一博訳 ボルヘス編『死神の友達』国書刊行会収録)
エッサ・デ・ケイロース『大官を殺せ』(彌永史郎訳『縛り首の丘』白水Uブックス収録)

●ラテンアメリカ
ホルヘ・ルイス・ボルヘス『円環の廃墟』(鼓直訳『伝奇集』岩波文庫ほか収録)
マヌエル・ムヒカ=ライネス『吸血鬼』(木村榮一訳 鼓直編『ラテンアメリカ怪談集』河出文庫収録)
オクタビオ・パス『波と暮らして』(井上義一訳 鼓直編『ラテンアメリカ怪談集』河出文庫収録)
アルフォンソ・レイエス『アランダ司令官の手』(井尻香代子訳 木村榮一編『美しい水死人』福武文庫収録)
マヌエル・ローハス『薔薇の男』(坂田幸子訳 木村榮一編『美しい水死人』福武文庫収録)
フリオ・ラモン・リベイロ『分身』(入谷芳孝訳 木村榮一編『遠い女』国書刊行会収録)
カルロス・フエンテス『チャック・モール』(木村榮一訳『フエンテス短篇集 アウラ・純な魂 他四篇』収録)
アドルフォ・ビオイ=カサーレス『パウリーナの思い出に』(高岡麻衣、野村竜仁訳『パウリーナの思い出に』国書刊行会収録)
エンリケ・アンデルソン=インベル『魔法の書』(鼓直訳『魔法の書』国書刊行会収録)
ガブリエル・ガルシア=マルケス『大きな翼のある、ひどく年老いた男』(鼓直、木村榮一訳『エレンディラ』ちくま文庫収録)


 好みを優先させたら、ブラックウッド、M・R・ジェイムズ、マッケンの3巨匠が外れてしまいました。英米作品は、翻訳量が圧倒的なこともあって、候補作が山のように挙がってきます。絞るのが難しいですね。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



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