12月の気になる新刊と11月の新刊補遺
11月29日刊 諸星大二郎『諸星大二郎特選集 第2集 子供の情景』(ビッグコミックススペシャル 予価1500円)
12月5日刊 ベン・H・ウィンタース『地上最後の刑事』(ハヤカワ・ミステリ 予価1890円)
12月6日刊 諸星大二郎『瓜子姫の夜・シンデレラの朝』(朝日新聞出版 予価800円)
12月16日発売 《幽vol.20》(特集=怪談文芸アメリカン)(メディアファクトリー 1850円)
12月18日刊 桂千穂『カルトムービー 本当に面白い日本映画 1945→1980』(メディアックス 1575円
12月20日刊 リチャード・マシスン『予期せぬ結末 Ⅲ』(仮題)(扶桑社ミステリー)
12月27日刊 諸星大二郎『諸星大二郎特選集 3 遠い世界』(ビッグコミックススペシャル 予価1500円)
12月刊 P・G・ウッドハウス『よりぬきウッドハウス1』(国書刊行会 予価2310円)
12月刊 安井泰平『ジャッロ映画の世界』(仮題)(彩流社 予価4725円)

 
 見逃していましたが、11月より小学館から≪諸星大二郎特選集≫全3巻の刊行が始まっていました。すでに1巻『男たちの風景』が刊行されています。諸星大二郎の名作短編を集成する作品集なので、わりと一般向けの編集だと思います。
 諸星大二郎に興味はあるけど、手を出しにくいなあ、と思っているような方には手に取りやすい本なのではないでしょうか。
 ベン・H・ウィンタース『地上最後の刑事』は、「小惑星衝突が迫り社会が崩壊した世界で、ある新人刑事は保険会社社員の自殺事件に疑問を持ち、地道な捜査を開始する」という話だそうで、気になる作品です。
 《幽》は、たまに立ち読みする程度なのですが、今回の特集は、アメリカ怪談ということで購入予定です。紀田順一郎×荒俣宏の対談が載るそうで、要注目ですね。
 扶桑社の≪予期せぬ結末≫シリーズの最新刊は、リチャード・マシスン。今年中に刊行されるかはちょっと怪しいですが、期待して待ちましょう。
ミステリーゾーンのこと
隔週刊 ミステリー・ゾーンDVDコレクション 2013年 9/18号 [分冊百科] 隔週刊 ミステリー・ゾーンDVDコレクション 2013年 10/2号 [分冊百科] 隔週刊 ミステリー・ゾーンDVDコレクション 2013年 10/16号 [分冊百科] 隔週刊 ミステリー・ゾーンDVDコレクション 2013年 10/30号 [分冊百科] 隔週刊 ミステリー・ゾーンDVDコレクション 2013年 11/13号 [分冊百科]
 オムニバスドラマの傑作シリーズとして名高い『ミステリーゾーン』(原題はトワイライトゾーン)。1950~1960年代にかけて放映されたこのシリーズ、日本でも、今までDVD化の企画が何度かありましたが、全て完結に至らずに途絶しています。
 ここにきて、アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社から、『ミステリーゾーン』のDVDマガジンの発売が始まりました。(http://www.mysterydvd.jp/home.html
 いわゆるDVD付きマガジンの形式なのですが、隔週発売ということと、値段がほどほど(1巻あたり1790円)ということで、集めやすくなっています。
 とはいえ、シリーズ全部を揃えると、全巻84巻ということで、全て揃えるのは、けっこう大変そうですね。
 リアルタイムで放映に接した世代ではない人間にとっては、まさに伝説の番組です。ビデオ時代に出ていた傑作選で数話を鑑賞しましたが、その当時でも面白さは薄れていませんでした(鑑賞したのは1990年代後半です)。
 異色作家好きとしては、ぜひ揃えておきたいシリーズです。現在扶桑社から刊行されている、≪予期せぬ出来事≫も、その意味で実に時宜を得た企画だと思います。ちなみに、≪予期せぬ出来事≫の最新刊は、リチャード・マシスンだそうですが、これもファンにとっては嬉しい限り。
 『ミステリーゾーン』が終わった後、『新トワイライトゾーン』も収録される可能性があるということです。日本でビデオ化されなかった『新』の第2、第3シーズンには、シオドア・スタージョン『孤独の円盤』や、トム・ゴドウィン『冷たい方程式』といった名作の映像化も含まれています。
、ぜひ最後まで刊行してほしいものです。
カニのための進化論  アルチュール・ド・パンス『カニカニレボリューション』
4864102856カニカニレボリューション (EURO MANGA COLLECTION)
アルチュール・ド・パンス 原正人
飛鳥新社 2013-10-09

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 近年、フランスの漫画「バンド・デシネ」の邦訳もずいぶん多くなりました。日本漫画に慣れた目には、斬新な形の作品が多く、読むたびに驚かされることも稀ではありません。
 そんなバンド・デシネの中でも、アルチュール・ド・パンス『カニカニレボリューション』(原正人訳 飛鳥新社)は、更にユニークな作品といえるでしょう。
 これ、なんとカニを主人公にした物語なのです。そう聞くと、動物を擬人化した子供向けの作品なのでは? と思い勝ちですが、なかなかどうして深いテーマを持った作品なのです。
 フランス南西部に生息する、何の変哲もないカニ。その名も「タダノドコニデモイルガニ」。彼らは食用にも適さず、横方向にしか移動できません。同じ種族内でさえ、互いに関心を持たず、名前という概念さえ持ち合わせていませんでした。
 他の動物たちからも哀れみの視線を向けられるカニたちですが、ある日、初めて名前をつけたカニたち、ソレイユ、バトー、ギターは、現状を打倒しようと立ち上がります。生命の危機に陥ったソレイユは、方向転換の技術を身につけ、それはカニたちの進化を引き起こしていきます…。
 一方向にしか動けないカニたちと、それを嘲笑する周りの動物たち。そこから寓意を読み取ることも可能なのでしょうが、そうした深読みをしなくとも、十分魅力的な物語になっています。
 カニたちはビジュアル的にはほとんど同じキャラクターたちなのですが、しっかりと個性を持って描かれているのは見事です。基本的に海が舞台なので、他に登場するキャラクターたちも、海の動物が多いのですが、色鮮やかなカラーリングも見ていて飽きません。
 コンピュータで描いているという絵は非常にチャーミングで、コマ割も洗練されています。動きを重視している日本漫画と違い、バンド・デシネは、じっくりと読まないといけない作品が多いのですが、この作品は、日本漫画のように、スピーディに読み進めていけるのも爽快ですね。
 もともと、アニメーションも手がける作家らしく、大コマの演出も凝っています。というか、この『カニカニレボリューション』自体が、短編アニメーション作品をふくらませて出来た作品だそうです。
 現在、アニメ作品の方も翻訳付きでYou Tubeで見ることができます。(http://www.youtube.com/watch?v=fHnekg3JNU8
 アニメ作品と比べてみると、バンド・デシネ作品の方はもう完全に別物ですね。物語の膨らませ方といい、見事なイマジネーションです。
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テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
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