1月の気になる新刊
1月4日刊 スティーヴン・キング『1922 星もなく深い闇』(文春文庫 予価720円)
1月16日刊 テッド・ムーニイ『ほかの惑星への気楽な旅』(河出書房新社 予価1995円)
1月25日刊 デイカー・ストーカー/イアン・ホルト『新ドラキュラ 上・下』(MF文庫ダ・ヴィンチ 予価各650円)
1月28日発売 『ユリイカ 特集ゾンビ』(青土社 1300円)
1月29日刊 ヘレン・マクロイ『小鬼の市』(創元推理文庫 予価1008円)
1月29日刊 日下三蔵編『大坪砂男全集1 立春大吉』(創元推理文庫 予価1365円)
1月29日刊 キャサリン・M・ヴァレンテ『孤児の物語1 夜の庭園にて』(東京創元社 予価5775円)
1月下旬刊 アンナ・カヴァン『アサイラム・ピース』(国書刊行会 2310円)

 特に気になるのは、『ドラキュラ』の続編というふれこみの『新ドラキュラ』、あとは『孤児の物語』でしょうか。
幻影の恋  アドルフォ・ビオイ=カサレス『モレルの発明』
4891766964モレルの発明 (フィクションの楽しみ)
アドルフォ ビオイ=カサーレス Adolfo Bioy Casares
水声社 2008-10

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4796871322闇の国々II (ShoPro Books)
ブノワ・ペータース フランソワ・スクイテン
小学館集英社プロダクション 2012-10-31

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 先日、ブノワ・ペータース/フランソワ・スクイテンによる、バンドデシネ作品『闇の国々2』が発売され、早速眼を通しました。1巻に劣らず、素晴らしい画力です。
 なかでも気に入ったのが、シリーズの第1作である、『サマリスの壁』です。
 足を踏みいれた者が戻ってこないという噂の立つ、謎の都市サマリス。議会から調査を命じられた主人公フランツは、はるか彼方のサマリスへ旅立ちます。ようやく到着したサマリスは、まるで迷宮のような都市でした。都市に対する不審の念を拭えないフランツでしたが…。
 都市の幻影に踊らされる主人公を描く幻想的な作品なのですが、訳者の解説を読むと、アドルフォ・ビオイ=カサレスの『モレルの発明』の影響が見られる、とのこと。
 それならば、と積読していた『モレルの発明』を引っ張り出してきて、読んでみました。確かに通低するものがあります。
 『モレルの発明』は、こんな話です。
 罪を犯し、警察に追われる語り手の≪私≫は、放置された建築物があるという無人島の話を聞きます。その島では、奇妙な病が流行っているといいます。隠れ場所を求める語り手は、あえてその島に上陸し、ひっそりと生活を始めます。
 ある日、無人島であるはずの島で、複数の男女に出会った≪私≫は驚きます。中でもフォスティーヌという名前であるらしい、美しい女性に≪私≫は惹かれます。見つかる危険を顧みず、フォスティーヌの前に姿を現す≪私≫でしたが、彼女は≪私≫がまるでいないかのように振舞うのです…。
 なんとも魅力的な作品です。中心となる謎はSF的なものなのですが、全体にミステリのかたちで話は進みます。かなり早い時点で、謎の正体はわかってしまうのですが、そこからの主人公の行動がまた興味深い。
 恋とは何なのか? 他者とは何なのか? ≪私≫のとった行動の意味とは? 再読、三読に耐える、哲学的な深みを持った作品です。 

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



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