怪奇幻想読書倶楽部 第4回読書会 参加者募集です
 「怪奇幻想読書倶楽部 第4回読書会」を、下記の日程で開催します。若干名の参加メンバーを募集しますので、参加したい方がおられたら、連絡をいただきたいと思います。 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp


開催日:2017年2月26日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:1200円(予定)
テーマ
第1部:夢と眠りの物語
第2部:テーマなしフリートーク

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。メインは「怪奇幻想」ですが、ミステリ・SF・ファンタジー・文学・コミックなど、関連分野についても話しています。
※個人の発表やプレゼンなどはありません。話したい人が話してもらい、聴きたいだけの人は聴いているだけでも構いません。
※基本的には、オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも、安心して参加できると思います。

第1部のテーマは「夢と眠りの物語」。
 古来より神秘的とされてきた「夢」と「眠り」。古典の時代から現代まで、物語においても、様々に取り上げられてきました。
 例えば、ホルヘ・ルイヘ・ボルヘス『円環の廃墟』、ジョン・コリア『夢判断』、夏目漱石『夢十夜』、エドモンド・ハミルトン『眠れる人の島』、筒井康隆『パプリカ』、キャサリン・ストー『マリアンヌの夢』、内田善美『星の時計のLiddell』、ロバート・R・マキャモン『夜襲部隊』、アーシュラ・K・ル・グィン『天のろくろ』、澁澤龍彦『夢ちがえ』など。魅力的な「夢」と「眠り」にまつわる物語について話したいと思います。

第2部は、テーマを限定しないフリートークとして、最近読んだ面白い本や映画の話、紹介したいオススメ本の話、参加者に聞いてみたい疑問など、興の向くままにおしゃべりしたいと思います。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第3回読書会 開催しました
 1月29日の日曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第3回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め10名でした。
 テーマは、第1部「奇想小説ワンダーランド!」、第2部「私の読書法」です。本会は4時間、二次会は3時間ほどの長丁場でしたが、話がつきることなく、楽しく終えることができました。参加してくださった方には、お礼を申し上げたいと思います。
 それでは、当日の会の詳細について、ご報告したいと思います。

 今回も、参加者全員のプロフィールをまとめた紹介チラシを作りました。チラシをPDFにしたものを、メールにて事前に配信しています。
 テーマが「奇想小説」ということで、同時にオススメの「奇想小説」があればタイトルを挙げてくださいとお願いしていました。主催者含め、参加者のオススメ「奇想小説」をまとめたリストを作成し、当日資料として配付しました。

 前回同様、あらかじめ作っておいたプラスチック製ネームプレートを、参加者それぞれの前に立てたうえで、参加者を紹介しておきます。今回は、新規の方のみ主催者から紹介し、2回目以降の参加者には、軽く自己紹介をしてもらいました。
 自己紹介のあとに、主催者や他の参加者から、ちょっとした質問などもはさみながら進んだので、紹介だけで30分以上かかってしまいました。ただ、この時点で話がはずんだ部分もあり、緊張をほぐすのには良かったかなと思います。

 以下、順不同で話題になったトピックの一部を並べてみましょう。例によって、記憶に残っているものだけですが。

第1部
・クライヴ・バーカー作品について。純粋なホラー作品は初期に集中していて、ある時期を境にファンタジーの方向に行ってしまった。面白いのは、やはり初期作品。『血の本』は、スプラッター色が強烈なので避けられがちだが、ブラック・ユーモア作品も入っていたりとバラエティに富んでいる。巻頭の『ミッドナイト・ミートトレイン』に馴れてしまえば、後は普通に読める? 『丘に、町が』は、奇想にあふれた傑作作品。
・サキの作品について。白水Uブックスから刊行されている新訳本は、原著の短篇集単位だが、それ以前のものは、ほぼ全て選集。ちくま文庫から刊行されていた『ザ・ベスト・オブ・サキ』の翻訳は素晴らしい。
・W・H・ホジスンの作品について。《ボーダーランド三部作》の邦訳が揃うとは思わなかった。雑誌『ナイトランド』の編集部にホジスンファンがいる?
・ホジスン『ナイトランド』の面白さ。前半は恋愛もの要素が非常に強いが、後半からは冒険小説的な色彩が強くなる。世界観の独創性は素晴らしい。
・月刊ペン社《妖精文庫》について。まりの・るうにいのカバーと挿絵の素晴らしさ。刊行当時の《妖精文庫》の思い出など。
・ポール・ボウルズ作品について。『優雅な獲物』など。
・多岐川恭作品の面白さについて。変わった作品がたくさんある作家。創元推理文庫から選集も出ている。『異郷の帆』『おやじに捧げる葬送曲』など。
・エドワード・ケアリー『堆塵館』は面白かった。
・シオドア・スタージョン作品の「奇想性」について。「奇を衒って」いるのではなく、感性そのものが相当変わっている。ただ「普通」のユーモアSF(例えば『昨日は月曜日だった』)も書ける器用さも持った作家である。『考え方』『孤独の円盤』『ビアンカの手』『墓読み』『人間以上』『きみの血を』など。
・エドモンド・ハミルトン作品の面白さ。長篇が典型的な娯楽SFなのに対して、短篇ではけっこう先鋭的な作品がある。『フェッセンデンの宇宙』『反対進化』など。ハヤカワSFシリーズ版の作品集『フェッセンデンの宇宙』は、同名の河出文庫版作品集と収録作品が異なるが、ハヤカワ版も傑作揃い。
・バリントン・J・ベイリー作品の面白さ。アイディアの臆面のなさが凄い。馬鹿らしいネタでもそれらしい理屈や哲学がくっついてくるのが楽しい。『ゴッド・ガン』『ブレイン・レース』『大きな音』『ドミヌスの惑星』『禅銃』『カエアンの聖衣』など。長篇よりも短篇の方が面白い。最近出た作品集『ゴッド・ガン』も面白いが、過去に出た作品集『シティ5からの脱出』も面白い。
・ドイツの作家、クルト・クーゼンベルク作品の面白さについて。短篇『ニヒリート』は、接着剤についてだけで一つの短篇になっているというユーモア作品。
・グレッグ・イーガンは、理系でなくても充分読める。短篇のリーダビリティは高い。
・R・A・ラファティの奇想作品について。『九百人のお祖母さん』『スロー・チューズデー・ナイト』『せまい谷』など。
・リチャード・マグワイアのグラフィック・ノヴェル『HERE ヒア』の独創性。複数の時代を一つの場所に詰め込むというアイディアが素晴らしい。
・架空の博物誌について。ハラルト・シュテュンプケ『鼻行類』、レオ・レオーニ『平行植物』など。
・マルク=アントワーヌ・マチューのバンド・デシネ(フランスのコミック)作品について。3秒間の出来事をいろんなアングルから描いていく『3秒』、神が光臨した世界を風刺的に描く『神様降臨』など。
・ディーノ・ブッツァーティについて。不条理な作風だが、物語性や娯楽性が強いので楽しんで読める。あらすじを紹介すると、意外に何も起こっていないことが多いのに気付いて驚く。大まかにまとめると「不安」がテーマの作家。イラストレーターとしても魅力的。『七階』『バリヴェルナ荘の崩壊』『タタール人の砂漠』『シチリアを征服したクマ王国の物語』など。
・江戸川乱歩『鏡地獄』の独創性。乱歩には『屋根裏の散歩者』『人間椅子』などフェティシズムを扱った作品が多い。『鏡地獄』の鏡は実際に作れるのか?
・西澤保彦のSFミステリについて。「どうしてそうなっているのかはわからないが」、なぜか特殊な設定の世界観で展開されるミステリ。アイディアは面白い。『七回死んだ男』『人格転移の殺人』『複製症候群』『ナイフが町に降ってくる』など。
・諸星大二郎のマンガ作品について。『感情のある風景』のように、哲学的なセンスさえ感じさせる作品のある一方で、『鯖イバル』など、馬鹿らしいアイディアのユーモア作品もある。オススメは『妖怪ハンター』シリーズ。
・伊藤潤二のマンガ作品の面白さについて。どの作品もアイディアの奇想性はすごい。描線も非常に魅力的。自分と同じ顔の気球が首を吊ろうと襲ってくる『首つり気球』、どんどん夢が長くなっていくという『長い夢』、地球を平らげようと悪魔のような星がやってくるという『地獄星レミナ』など。とくに『レミナ』の後半、地球の環境が激変する部分でのヴィジュアル描写はものすごい。
・映画作品『主人公は僕だった』の紹介。小説の登場人物になってしまった主人公が、小説家を探し出し自分の運命を変えようとする話。本来メタな視点であるはずの「作家」が創作物である「主人公」と同じ階層にいるという、ユニークな設定の作品。
・映画作品『フリーズ・フレーム』の紹介。過去に濡れ衣をきせられノイローゼになった主人公が、家中にカメラをしかけて自分の行動を記録に撮るという物語。最後まで主人公が悲惨なので、あまりオススメできない作品。
・澤田知子の写真集『ID400』の紹介。写真家自身がメイクや仮装をして、別の人物になりきるというパフォーマンスを400パターンの証明写真の形でやってしまったという実験的な作品。他の澤田知子作品の紹介も。
・トーベ・ヤンソン『ムーミン』シリーズの面白さについて。原作小説は、アニメと違ってかなり「暗い」。ムーミンパパはやたらと居なくなる。最初の巻は、退屈な部分もあるが、後半の巻は大人の鑑賞に耐える出来映え。
・A・E・コッパード『ジプシー・チーズの呪い』は、コッパード作品の中でも「暗く」、かなり怪奇小説方面に寄った作品。
・半村良『箪笥』は奇想小説? 能登の方言で書かれた作品。作者は地元出身ではないが、方言はかなり正確(らしい)。
・エリック・マコーマックは作風上、係累のいない突然変異的な作家だと感じる。短篇集『隠し部屋を査察して』、長篇『パラダイス・モーテル』など。
・フリオ・コルタサル『占拠された屋敷』は、コルタサルとしては、かなり怪奇方面に寄った作品。他に『続いている公園』など。
・ポピー・Z・ブライト作品について。セクシュアル・マイノリティに親近性を持つ作家。『絢爛たる屍』は、どぎつい設定ではあるものの、中身は意外にも純粋な恋愛小説。
・筒井康隆作品は奇想小説の宝庫。『驚愕の曠野』『虚航船団』『残像に口紅を』など。
・木原善彦による実験小説のブックガイド『実験する小説たち 物語るとは別の仕方で』の面白さ。内容紹介など。
・泡坂妻夫の『しあわせの書』『生者と死者』の超絶技巧。『生者と死者』の袋とじの趣向はすごい。
・レシェク・コワコフスキ『ライロニア国物語』の面白さ。哲学的な寓話集とはいいながら、ユーモラスかつナンセンスな話も多く楽しめる。集中の一篇『こぶ』は『東欧怪談集』にも収録されている。
・国書刊行会の本は、数十年経っても在庫があるものがある。
・エドワード・ゴーリーの絵本について。徹底的にブラックな作品が多い中にあって、エドワード・リア作品のために描いた『ジャンブリーズ』は非常に楽しい作品。
・エドゥワルド・メンドサ『グルブ消息不明』の作品紹介とその魅力。宇宙人が地球にまぎれこむコメディ。そのギャップが面白い。
・東宣出版の《はじめて出逢う世界のおはなし》シリーズは、精力的に面白い作品を紹介していて楽しみ。
・映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』と『コーンヘッズ』の面白さ。
・昔の名画座など、中小映画館の思い出と魅力について。解説者が解説したり、オーナーがお菓子を配ったりなんてこともあったそう。
・ミロラド・パヴィチ『ハザール事典』について。発想はすごいが、個々のエピソードはそれほど面白くない? 通読するより拾い読みする方が楽しい。男性版と女性版の違いは? パヴィチは他にも『風の裏側』など、前衛的な手法の作品を書いている。
・ジュール・シュペルヴィエル作品について。『火山を運ぶ男』のオリジナリティ。『ひとさらい』『海に住む少女』など、発想はぶっ飛んでいても、物語は詩的。
・ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』の魅力について。病のイメージの美しさ。ヴィアンは書き飛ばしたような作品も多いが、魅力的な作品も多い。
・芸術がテーマと結びついている作品だと、その芸術に興味がないと、味わいが半減してしまう。フレッド・ホイル『10月1日では遅すぎる』など。
・『居心地の悪い部屋』は、ちょっと期待はずれだった。
・角川のホラー作品は、翻訳が読みにくいものが多い。ただ、古くからホラー系統の作品を紹介してくれている出版社ではある。角川ホラー文庫の海外ラインナップは微妙だった。
・ダフネ・デュ・モーリアの短篇について。デュ・モーリアの作品には「嫌な」登場人物がよく登場するが、同じ「嫌らしさ」でも、例えばシャーリイ・ジャクスンの登場人物が理解しがたい人物像が多いのに比べて、デュ・モーリアの場合、現実にありそうな「嫌らしさ」がある。近刊の短篇集『人形』も面白い作品揃い。

第2部
・本棚の並べ方について。出版社別、作者別、文庫の種類別など。テーマ別の分類は難しい?
・図書館の利用について。近い場所にないと使いにくい。本を買うのと併行していると、借りても読み切れない。
・文庫本の値上がりについて。最近の文庫本の値はかなり上がっている? 相対的に以前は割高感のあったちくま文庫が安く思えるようになった。
・本の帯はとっておく派? 捨てる派? デザインの一部になっているものや、情報が書いてあるものは捨てにくい。
・お風呂で本を読む? 駄目になるのを前提で読むこともある。風呂で読む用のプラスチック本もある。
・自分で買った本の方が、ちゃんと読む気になる。が、100円均一の本は例外。
・新しい分野や作家の本を開拓しようとする場合、どういう風にすべきか? アンソロジーで気になった名前を片っ端から芋づる式に読んでみる。
・北欧ミステリは社会問題を扱ったりと、全般的に重い作品が多い。
・読んだ本の記録をつける? ノートに感想をつける。ブログで感想を書く、など。データベースに著作リストを作っている人も。
・蔵書リストの登録について。同じ本を二度買ってしまうことがある。

二次会
・ジュール・ヴェルヌ作品について。ヴェルヌは科学的に正確に書く作家なので、作中の現象が正確かどうか計算が可能。インスクリプト刊の新シリーズについても。
・理系のSFファンは、ハードSFについて、科学的に正確か計算する?
・SFファンは、サイバーパンクでついていけなくなった人も多い? ただ、今読むとそこそこ読めるものも多い。
・かっての福島正実編のアンソロジーのような、入門編的な作品集は今ではなくなってしまった? 福島正実のテーマ別の編集は非常にわかりやすかった。
・SF作品は時間が経つと古びるものだが、フレドリック・ブラウンは今でも古びていない。発想も独特で、フィリップ・K・ディックの先駆者的な面があるのでは?
・アニメ『バーナード嬢曰く』の面白さ。おそらく馴染みのないだろう小説に関する話でも、饒舌に話せる声優のプロ技術に脱帽した。
・ジェイムズ・ホッグ『悪の誘惑』のすごさ。語り手の狂信が強烈。手記や編者が多重になっていて、メタな作りになっている。書かれた時代を考えると、非常に先駆的。
・コードウェイナー・スミス作品の視覚的効果について。『人びとが降った日』など。
・ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア作品について。タイトルの付け方が素晴らしい。SFというよりはファンタジー寄りの作風? 『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』など。
・電車や乗り物を扱った作品について。ピーター・へイニング編『死のドライブ』、ブッツァーティの鉄道が舞台の作品、フリードリッヒ・デュレンマット『トンネル』など。
・アンソロジー『妖魔の宴』(竹書房文庫)について。中身はけっこうオーソドックス。今では手に入りにくい?
・蔵書数について。手狭な部屋で本を増やさないためには。
・雑誌の魅力。時間が経つと、中身の情報だけでなく、雑誌自体の時代感が出てくるのが魅力。なので、単行本より雑誌の方が捨てにくくなる。
・電子書籍では買いたくない本のジャンルは? 絵本・画集など。
・怪奇小説アンソロジー(特に翻訳もの)は、絶版になりやすいので、集めるのが大変。
・職場で本の話ができる人がいる? ほとんどいないという人が大半。
・短篇集と長編はどちらが読みやすい? 短篇集やアンソロジーの方が、一篇ごとに頭を切り替えないといけないので、時間がかかる。
・ヤン・ポトツキ『サラゴサ手稿』の面白さ。構成上の工夫も魅力的。完全版の邦訳はいつ出るのか? 映画版の方は、入れ子形式の展開がとんでもない。
・音楽を扱った作品について。ルイス・シャイナー『グリンプス』、ジェフ・ゲルブ編『ショック・ロック』など。
・最近面白かった映画について。『ロブスター』など。結婚相手を見つけないと、政府に動物にされてしまうという話。設定はへんてこだが、テーマは意外と真摯にできている。
・最近面白かった本。イヴァン・レピラ『深い穴に落ちてしまった』について。穴に落ち込んだ兄弟が脱出しようとする話。脱出方法が力業でびっくりする。
・ライトノベルで面白い作品は? 西尾維新《物語》シリーズ、長月達平『Re:ゼロから始める異世界生活』など。
・クラシック音楽を聴くなら何がいい? 名曲集で自分のお気に入りを見つけるのが良し。バロック音楽、サティ、ドビュッシーなど。
・枠物語について。井上雅彦編『物語の魔の物語 異形ミュージアム2 メタ怪談傑作選』は、メタフィクショナルな作品を集めた好アンソロジー。
・ハーラン・エリスン『死の鳥』(原書版)は面白かった。オリジナル版の邦訳はもう出ないのだろうか?
・ホラー小説好きでも、ホラー映画を見るとは限らない。逆もしかり。むしろ小説を読まないホラー映画ファンは多い。
・小説ファンと映画ファンは意外に重ならない?
・ジェシー・ダグラス・ケルーシュ『不死の怪物』について。ロマンス部分が多い。古典的な名作は、読んでみるとがっかりすることも。
・文春文庫のホラー作品は打ち切り?
・パウル・シェーアバルトは難しい。
・翻訳者で作品の雰囲気はずいぶん違う。シャーロット・パーキンス・ギルマン『黄色い壁紙』の読み比べ。
・大瀧啓裕の訳文は、当たり外れが大きい。ラヴクラフトは微妙だが、C・A・スミスはかなり合っている。すでに普及している作家名や作品名の表記を、わざわざ変えるのはどうかと思う。
・欧米怪奇小説ファンの少なさについて。
・レーモン・ルーセル作品について。創作方法が独特なので、楽しんで読むのは難しい?

 二次会は、お店の都合上、テーブルが分かれてしまったのですが、途中で一部の人の場所を変えて、なるべくいろんな人と話せるようにしました。とはいえ、僕自身が聞けなかった部分もあるので、二次会のトピックについては、書けなかったものもあるかと思いますが、悪しからず。

 今回は、第1回・第2回と比べても、わりと親密な雰囲気の会になりました。発言の多寡はありますが、ほぼ全ての参加者が、何らかの形で話に参加できたのではないかと思います。もともと、聞いているだけでもいいという方針なので、無理に話す必要はないのですが、やはり話の合いの手を入れてくれるだけでも、流れは違ってきますね。
  『ムーミン』の意外な読みどころや、写真集にも面白そうな作品があるなど、僕個人にとっても得るところの多い会になりました。

 第4回読書会は、2月の後半を予定しています。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第3回読書会 参加者募集です
 「怪奇幻想読書倶楽部 第3回読書会」を、下記の日程で開催します。若干名の参加メンバーを募集しますので、参加したい方がおられたら、連絡をいただきたいと思います。 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp

開催日:2017年1月29日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:1200円(予定)
テーマ
第1部:奇想小説ワンダーランド!
第2部:私の読書法

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。
※個人の発表やプレゼンなどはありません。話したい人が話してもらい、聴きたいだけの人は聴いているだけでも構いません。
※基本的には、オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも、安心して参加できると思います。

第1部のテーマは「奇想小説ワンダーランド!」。
奇抜なアイディアや、おかしな設定、突拍子もない発想で書かれた作品について、文学・エンターテインメント、古今東西とりまぜて、語り合いたいと思います。
例えば、イタロ・カルヴィーノ『まっぷたつの子爵』、パトリック・ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』、マルセル・エイメ『壁抜け男』、ジュール・シュペルヴィエル『海に住む少女』、フリオ・コルタサル『続いている公園』、江戸川乱歩『鏡地獄』、A・ブラックウッド『人間和声』、エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』、レイ・ブラッドベリ『霜と炎』、シオドア・スタージョン『昨日は月曜日だった』、フレドリック・ブラウン『ミミズ天使』、H・F・セイント『透明人間の告白』など。
「こんなこと誰も思いつかなかった!」「作者はどういう思考回路をしてるんだ!」そんな感じの作品について、あなたのお気に入り作品があれば、ぜひ紹介してください。

第2部は「私の読書法」と題して、本の読み方や、読書時間の作り方、本棚の並べ方、蔵書の整理法、図書館の利用法、行きつけの書店についてなど、読書全般に関する疑問や意見について、おしゃべりしたいと思います。

1月19日追記

第3回読書会のメンバー募集ですが、締め切りとしたいと思います。お問い合わせくださった方、ありがとうございました。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第2回読書会 開催しました
 12月11日の日曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第2回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め11名でした。
 前回は2時間ほどの開催でしたが、ちょっと物足りなかった感があり、今回は初めから4時間の設定で行いました。
 テーマは第1部として「怪奇幻想小説のアンソロジーをめぐって」、第2部として、「《異色作家短篇集》と〈奇妙な味〉の作家たち」、余った時間はテーマ不定のおしゃべりの予定です。
 それでは、当日の会の詳細について、ご報告したいと思います。

 前回同様、あらかじめメールにて、参加者の皆さんにアンケートをお願いしていました。そこから名前(ハンドルネーム)と好きな作家・作品・ジャンルを抜き出して、参加者全員のプロフィールをまとめたチラシを作りました。チラシは、PDFにして1週間ほど前にメールで配信しています。

 当日、参加者が揃ったところで、全員の紹介を行います。その際、事前に配信していたチラシの紙プリント版と、参加者の名前(ハンドルネーム)の入ったネームプレートを渡します。
 前回は、肩からかける名札を使ったのですが、遠くから見えにくくて、あまり役に立たなかったので、今回は、机に立てるタイプのプラスチック製ネームプレートを用意しました。
 チラシを見ながら、主催者が簡単に参加者を紹介していきます。前回は名前を呼び、点呼だけ行う形だったのですが、今回は簡単に紹介を添える形で行いました。

 前回作った「主要怪奇小説アンソロジーリスト」と、今回第2部テーマ用に作った「《異色作家短篇集》と〈奇妙な味〉の作家たち 参考資料」と、資料(リスト)は2種類用意しました。これらを話のとっかかりとして使いました。

 前回も多彩な話題が出たのですが、今回はそれにも増して、密度の濃い時間になったように思います。某社の現役編集者の方に参加していただけたこともあり、出版の裏事情や、刊行作品の選定などの話題についても、聞くことができました。

 ちょうど話題になった本を、参加者の方がたまたまその場に持っていて…という楽しい偶然(というか、ナイジェル・ニール『トマト・ケイン』『ザ・ベスト・オブ・ジョン・コリア』、ロバート・ブロック『トワイライトゾーン』を「ちょうど」持っているという時点で、すごい面々です。)が何度もあり、終始、和やかで、かつ楽しい雰囲気の中、進行することができました。

 4時間ほどの会もあっという間に終わってしまい、さらに、有志で二次会も行いました。本会、二次会含めて、おつきあいいただいた方、ありがとうございました。
 それでは、順不同で話題になったトピックの一部を並べてみましょう。前回と同じく、話題の数が多すぎるので、記憶に残っているものだけですが。


●第一部
『怪奇小説傑作集』1巻の作品の並べ順について。ネームバリュー順?
・ブルワー=リットン作品は今読んでも面白いのか?
・同一作品の訳題名について。『猿の手』『猿の足』は別作品?
・東京創元社《クライム・クラブ》の収集・読破の難しさ。
・ドイツとロシアの怪奇小説紹介の少なさについて。
・ドイツ語翻訳者とロシア語翻訳者の現状について。ドイツ語の人材はそれなりに多い。《ペリー・ローダン》など。
・北欧や南欧に未訳の傑作は埋もれているのか?
・英米の怪奇小説の傑作はだいたい邦訳されている。残っているのはB級作品やC級作品。
・英米ではアンソロジーや傑作集が昔から盛んで、当時の状況を概観できる資料が多い。
・ゴーゴリ『ヴィイ』とその映画化作品について。
・20世紀に近づくにつれて、怪奇小説は洗練されて、スプラッター的な作品が減ってくる。
・視覚的な表現を多用するホラー作家たち。スティーヴン・キング、クライヴ・バーカーなど。
・フランスの怪奇小説について。
・SFの祖としてのモーリス・ルナール。
《フランス幻想文学傑作選》の面白さ。
・レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『南半球の発見』の紹介とその面白さ。
・翻訳作品の翻訳権について。古い作品の方が刊行しやすい?
・H・R・ウェイクフィールドの活動時期について。最初期の〈異色作家〉?
・ウェイクフィールド作品は、誤読の余地が少ない? 誰が訳しても、割合同じようなテイストで訳せる。
・未紹介の1960~1970年代の欧米の怪奇幻想小説はどうなっていたのか?
『ヴィクトリア朝幽霊物語』(アティーナ・プレス)について。入手困難?
・ラヴクラフトを寓話として読む。『異次元の色彩』など。
・怪奇小説と怪談実話の関係。実話テイストは邪道?
・デ・ラ・メア作品の難しさ。短篇集一冊を読んでも理解が難しい。翻訳者泣かせ?
・山口年子『かぐや變生』について。偶然の傑作? 同時期の短編『誕生』との作品レベルの差についてなど。
・怪奇幻想小説の雑誌媒体の難しさ。雑誌『幻想と怪奇』など。
・突然「落とす」作風の作品について。内田百閒、現代作家では津原泰水など。
・幽霊は本当にいるのか? 参加者の体験談など。


●第二部
・〈奇妙な味〉とは何か? 乱歩が挙げた具体的な作例から考える。
・乱歩の〈奇妙な味〉はサイコ・スリラーが近い? パトリシア・ハイスミスやルース・レンデルの短篇作品など。
・〈奇妙な味〉と《異色作家短篇集》はイコールなのか?
・早川書房《フィーリング小説集》《ブラック・ユーモア選集》について。ナイジェル・ニール、ローラン・トポールなど。
《異色作家短篇集》の影響を受けたシリーズたち。《晶文社ミステリ》《ダーク・ファンタジー・コレクション》《奇想コレクション》など。
・〈異色作家〉は「変な作家」という若島正説について。
・新版で唯一復刊されなかったタイトル『壜づめの女房』について。タイトルと作家名がわかりにくい。ネームバリューがあまりない作品がけっこう入っている。当時のネームバリュー的にはゴア・ヴィダルなどが売り? ダールの名前は客寄せ?
・アンソロジー『街角の書店』(中村融編)について。アンソロジー誕生の経緯など。
・ロアルド・ダールについて。いちばん〈奇妙な味〉に近い作家? 世間的には児童文学作家。筋がわかっていても面白さが衰えない。『牧師のたのしみ』『ビクスビイ夫人と大佐のコート』
・フレドリック・ブラウンについて。短篇集ならどれがベスト? ミステリは凡作が多いが、SF作品は傑作が多い。『沈黙と叫び』のすごさ。星新一訳のサンリオSF文庫版短篇集について。
・リチャード・マシスンについて。短篇作品の素晴らしさ、『陰謀者の群れ』『種子まく男』など。映画『激突』『ヘルハウス』《ミステリーゾーン》など。トリビュートアンソロジー『ヒー・イズ・レジェンド』も傑作揃い。
・ジョルジュ・ランジュランについて。邦訳はほぼ『蠅』のみ。『彼方のどこにもいない女』など、SF味が強くて、意外に面白い。映画『ザ・フライ』のおかげで生き残った?
・シャーリイ・ジャクスンは、才能というよりは感性で書いた作家? 何気ない日常描写の方に本領がある。『魔性の恋人』の解釈について。長編『たたり』、短篇『くじ』の凄さとは。短篇集『こちらへいらっしゃい』など。
・ジョン・コリアの魅力とは? 悪魔と天使のキャラクターが楽しい。訳文はコミカルにした方が楽しい作家。翻訳はちくま文庫版(サンリオSF文庫版)がベスト。
・ロバート・ブロックについて。短篇はコンスタントに面白い。『血は冷たく流れる』は傑作揃い。『サイコ』など。切り裂きジャック好き?
・映画版『トワイライトゾーン』について。《ミステリーゾーン》→映画版『トワイライトゾーン』→ロバート・ブロックのノベライズ。ジェローム・ビクスビイ作品はやはり傑作。
・ロバート・シェクリイについて。『人間の手がまだ触れない』は日本SF黎明期に絶大な影響を与えたが、それが広く取り込まれたため、今では読んでも衝撃は少ない。後期の作品は変わったものが多く、それなりに楽しめる。
・ダフネ・デュ・モーリアについて。作家のレベルとしては、この叢書内では一、二を争う作家。
・スタンリイ・エリンについて。短篇は完璧主義。結末から考えるというその作品には隙がなさすぎて、アンソロジーなどには取りにくい。『特別料理』は世評ほど傑作なのか? 最高傑作は『伜の質問』? 長編は意外にストレートなものが多い。短篇集『九時から五時までの男』など。
・チャールズ・ボーモントについて。多彩な才能を持つ作家。普通小説でも味わい深いものが多い。『叫ぶ男』『淑女のための唄』など。
・ジャック・フィニィについて。フィニィを嫌いな読者はいない? サスペンス、ミステリ、冒険小説など長編はバラエティ豊かなのに対して、短篇はノスタルジーを中心にしたものが多い。現代の日本の読者が読んでも、フィニィには「なつかしさ」を感じる。フィニィ独特のタイムトラベル方法は非常にユニーク。
・ジェイムズ・サーバーについて。文章技術としてはトップクラス? 意外とシュールな作品が多い。『人間のはいる箱』など。犬好きで、犬関連のエッセイは絶品。
・レイ・ブラッドベリについて。原文はけっこう難しい。小笠原豊樹の翻訳は詩人らしさの出た名訳。名作はやはり初期に集中している。後期は、普通小説に近づくにつれ、いい作品が減ってくる。作家自身が素朴で純粋。歌のテーマになったりと、現代アメリカでもまだ影響力が強い?
・レイ・ラッセルについて。翻訳は少ないが、短篇は悪くない作家。長編『インキュバス』は意外に傑作。
マルセル・エイメについて。最近はあんまり読まれていない? 『壁抜け男』が飛び抜けて有名。長編『第二の顔』は、乱歩も褒めていた〈奇妙な味〉の作品。


●テーマ不定
・未紹介の異色作家たちについて。ロナルド・ファーバンク『オデット』、クリスティン・ブルック=ローズなど。
・皆川博子作品のオススメは?
・文庫の新版・新訳について。
・第3回以降の読書会で扱ってほしいテーマについて。ベスト短編企画、ヴィジュアル関連の話題についてなど。


●二次会
・ブラックウッドの最高傑作は? 『ウェンディゴ』『柳』『いにしえの魔術』など。
・ラヴクラフト作品の面白さ。創元版全集では4巻がベスト?
・ラヴクラフトのフォロワーたちの作品について。いちばん大成したのはロバート・ブロック。次にオーガスト・ダーレス。
・ロバート・ブロックの面白さについて。『サイコ2』は傑作。
・ラヴクラフトのダンセイニ風掌編について。
《世界幻想文学大系》について。
・イーディス・ウォートン『幽霊』の面白さ。
・H・H・エーヴェルス『アルラウネ』について。
・江戸川乱歩作品の面白さ。
・乱歩における『赤毛のレドメイン』の影響。
・乱歩が関わったジャンルの広さについて。
・水木しげるの翻案作品について。マシスン、エーヴェルス、ラヴクラフトなど。
・マルケス『百年の孤独』、アジェンデ『精霊たちの家』について。
・アイラ・レヴィン作品について。初期作品と後期作品とのレベルの差が激しい。『死の接吻』『硝子の塔』など。
・地方の本屋の文庫事情。ハヤカワ文庫より創元推理文庫の方が品揃えが良かった。
・論創社の刊行物について。
・アルトアーツ社のロシア幻想小説作品について。アレクサンドル・グリーン短篇集など。
《魔法の本棚》シリーズの素晴らしさ。コッパード、ヨナス・リー、ミドルトン、エイクマン、アレクサンドル・グリーンなど。
・カトリーヌ・アルレー作品について。『わらの女』ほか。
・ニコラス・ブレイク『野獣死すべし』について。
・メイ・シンクレア作品の人情味。
『ロアルド・ダールの幽霊物語』の面白さ。ローズマリー・ティンパリー作品など。
・ファンタジーの名作作品について。《ゲド戦記》《指輪物語》《ナルニア国物語》など。
・ジーン・ウルフ作品の難しさと面白さ。『ケルベロス第五の首』など。
・電子書籍でマンガを読むことについて。
・読書時間の作り方。

 第3回目の読書会は、2017年1月後半あたりに予定しています。会の詳細やテーマなど決まりましたら、また告知したいと思います。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第2回読書会 参加者募集です
 「怪奇幻想読書倶楽部 第2回読書会」を、下記の日程で開催します。若干名の参加メンバーを募集しますので、参加したい方がおられたら、連絡をいただきたいと思います。 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp


開催日:2016年12月11日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:1200円(予定)
テーマ:
第1部 怪奇幻想小説のアンソロジーをめぐって
第2部 《異色作家短篇集》と<奇妙な味>の作家たち

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。
※個人の発表やプレゼンなどはありません。話したい人が話してもらい、聴きたいだけの人は聴いているだけでも構いません。
※事前に紹介チラシを作るので、皆の前で自己紹介をする必要はありません。
※基本的には、オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも、安心して参加できると思います。

 第1部は、第1回読書会から引き続きのテーマで、日本で刊行された海外の怪奇幻想小説アンソロジーをめぐってのトークです。前回からの議論が続いているわけではないので、2回目からの参加でも大丈夫です。
 第2部のテーマは《異色作家短篇集》。ダール、エリン、コリア、マシスン、ブラッドベリ、ジャクスンなど、数十年にわたって、プロアマ問わず、日本のエンタテインメントに影響を与えてきたシリーズです。シリーズに収録された作家はもちろん、その周辺領域の作家たちの作品についても語り合いたいと思います。


11月30日追記

第2回読書会のメンバー募集ですが、締め切りとしたいと思います。お問い合わせくださった方、ありがとうございました。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第1回読書会 開催しました
 11月13日の日曜日、高田馬場駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第1回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め10名でした。
 当初の予定では2時間ほどの会だったのですが、延長し、約3時間半の長丁場となりました。おつきあいいただいた参加者の皆さま、ありがとうございました。
 僕自身、主催者が初めてということもあり、段取り的には、かなりぎこちない面があったかと思います。ただ、第1回目の会を開催してみて、何となく自分のやりたい読書会というものが見えてきたような気がしています。
 それでは、当日の会の詳細について、ご報告したいと思います。

 あらかじめメールにて、参加者の皆さんにアンケートをお願いしていました。そこから名前(ハンドルネーム)と好きな作家・作品・ジャンルを抜き出して、参加者全員のプロフィールをまとめたチラシを作りました。
 チラシは、PDFにして1週間ほど前にメールで配信しています。参加者の方には、自分以外の参加者の人数とプロフィールが、事前にわかる仕組みです。

 当日、参加者が揃ったところで、全員の紹介を行います。その際、事前に配信していたチラシの紙プリント版と、参加者の名前(ハンドルネーム)の入った名札を渡します。
 チラシを見ながら、主催者が名前を呼び、それに返事をしてもらう形で点呼を取ります。特別、自己紹介は行いませんので、これで顔を名前を一致させてもらいます。

 そしてメインのフリートークの時間です。第1回のテーマは「怪奇幻想小説のアンソロジーをめぐって」。とっかかりがないと話しづらいかと思い、日本で刊行された怪奇幻想小説のアンソロジーのリストを作り、配布しました。
 基本的には、話したい人が自由に発言してOKです。別に話さず、聞いているだけでも構いません。
 アンソロジーに関わる話題とはしましたが、厳密にそれにこだわる必要はありません。収録作品や作家の話でも構いませんし、お気に入りの本を持ってきた方は、それを紹介してもらっても構いません。本に関する思い出話でもいいし、入手に苦労した話でも構いません。
 結果として、多彩な話題が出てきたと思います。順不同で話題になったトピックを並べてみましょう。沢山の話題が出たので、記憶にあるものだけですが。

『怪奇小説傑作集』について。どの巻がいちばん面白いか? 4巻フランス篇の独自性について。
・怪奇小説は筋が覚えにくいものが多い? 雰囲気だけで怖い作品、ギルマン『黄色い壁紙』、ウェイクフィールド『赤い館』など。ミステリやSFとの比較。
・怪奇小説は、押さえるべき古典作品の数が少ないので、後発でも網羅が可能?
・怪奇小説は、時代が下るにつれて、物理的な恐怖が心理的な恐怖に変わってくる。ジャクスン『たたり』、ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』など。
・オカルト探偵ものの特徴について。超自然だけでなく、人間の仕業というものも多い。ホジスン《カーナッキ》、ホック《サイモン・アーク》など。
・超常現象を背景としたミステリについて。ストリブリング《ポジオリ教授もの》など
・ジェイコブス『猿の手』について
・「悪魔との契約もの」について。風間賢二編『天使と悪魔の物語』など。
・風間賢二編『クリスマス・ファンタジー』について。シーベリイ・クインの『道』の素晴らしさ。
『ミステリマガジン』の特集について。《幻想と怪奇》特集のこと。
・新人物往来社『怪奇幻想の文学』について。奇跡譚を集めた6巻の紹介。ロバート・リンドナー『宇宙を駆ける男』について。
・鮎川哲也、芦辺拓編『妖異百物語』の面白さ。
・スタニスワフ・レムについて。『ソラリス』のロマンス性。『宇宙創世記ロボットの旅』、レムの自伝について
・フィリップ・K・ディックについて。初期短篇の素晴らしさと後期作品の難しさ。仁賀克雄編の短篇集など。
・仁賀克雄編『幻想と怪奇』について。ロバート・ブロック好き?
『ミステリーゾーン(トワイライトゾーン)』について。
・中田耕治編『恐怖通信』について。
・翻訳について。平井呈一の訳文。村上春樹訳のチャンドラーについて。
・差別表現の表記について。昔の少年小説の例など。
・新しい世代の幻想小説家は出てきているのか? ケヴィン・ブロックマイヤーの作品について。『終わりの街の終わり』『第七階層からの眺め』など。
・スティーヴン・キングとジョー・ヒルの短篇について。『ナイト・フライヤー』など。
・ロード・ダンセイニの作品について。
・江戸川乱歩の映画化作品について。
・幻想文学ファンは『ハリー・ポッター』を読んでいるのか?
・トールキン『指輪物語』、ルイス『ナルニア国物語』、ル・グィン『ゲド戦記』などについて。
・ラヴクラフト作品の特徴。「名状しがたいもの」について。全集を読むのはつらい?
・パルプマガジン作品について。その面白さとは?
《ウィアード・テールズ》について。国書刊行会版『ウィアード・テールズ』についての感想。
・モーリス・ルヴェルとその作品について。ルヴェルの残酷性と叙情性など。
・モーリル・ルナールの作品について。
・ロアルド・ダールについて。
・ロバート・エイクマン作品の面白さ。短篇集『奥の部屋』『鳴りひびく鐘の町』、刊行予定の自伝について。
・国書刊行会《ドーキー・アーカイヴ》について。
・シャーリイ・ジャクスンの魅力。『ずっとお城で暮らしてる』の解釈について。『たたり』『野蛮人との生活』など。
・アンソロジーシリーズ《ナイトヴィジョン》の魅力。『スニーカー』『ハードシェル』について。
・戦前の猟奇的な作品について。
・論創社ミステリについて。収録作品は玉石混淆。
・戦前の探偵作家について。今でも面白く読めるものがある?
・古い翻訳について。当時の外国文化はどう訳されているか?
・短篇集の読み方について。収録順には読まない!
・翻訳作品は今でも読まれているのか?
・翻訳作品の出版部数について。
・各出版社の文庫の書体の読みやすさ。
・個人の蔵書数とその扱いについて。

 課題図書のないフリートークということもあり、間が持つかな、と不安に思っていたのですが、杞憂でした。参加者が全員、怪奇幻想プロパーのファンというわけではなく、また怪奇幻想ジャンルのファンであっても、やはり読んでいる本や好きな作家は異なります。ミステリファン、SFファン、海外文学ファンと、微妙に読書背景の違う人たちが集まったことで、逆に多彩な話題が出てきたのかな、という気はします。

 以前に書いたように、毎回テーマを設定してジャンルを絞るというのは、方針として変わっていません。ただ、そのテーマに引っかかる形で思いついた話題を、主催者だけでなく、参加者の方がどんどん出していく、という形で行うと、フリートークでも、すごく盛り上がるのですよね。
 その時々で出た話題に関して、人によっては絡みにくいものや興味のないものもあるかと思います。ただ、どんどん話題を出すことによって、どんな人でも、何かしらの興味を持ってもらえる話題がいずれ出てきます。話題を出して、あんまり話が広がらなくてもそれはそれでOKで、また違った話題をどんどん出していく…と。
 結果的に、参加した人が、何かしら面白いものや話題を持ち帰れる、おもちゃ箱のような読書会ができたらいいな…と考えています。

 とりあえず、12月中に第2回目の開催を目指して、準備していきたいと思います。第2回目のテーマとして、今考えているのは、「《異色作家短篇集》と<奇妙な味>の作家たち」。ただ、怪奇幻想アンソロジーについては、とても1回でまとめきれる内容ではなかったので、続けてテーマにしてもいいのかなとは思います。もしくは、少し間を空けて、再度取り上げるのもありかもしれません。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主催。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



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