怪奇幻想読書倶楽部 第7回読書会 参加者募集です
 2017年7月30日(日曜日)に「怪奇幻想読書倶楽部 第7回読書会」を開催いたします。若干名の参加メンバーを募集しますので、参加したい方がおられたら、連絡をいただきたいと思います。
 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp


開催日:2017年7月30日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:1500円(予定)
テーマ
第1部:欧米怪奇幻想小説入門(英米編2)
第2部:ラヴクラフトを読む

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。
※個人の発表やプレゼンなどはありません。話したい人が話してもらい、聴きたいだけの人は聴いているだけでも構いません。
※基本的には、オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも、安心して参加できると思います。

 第1部のテーマは「欧米怪奇幻想小説入門(英米編2)」。
 前回に引き続き、英米の怪奇幻想小説全般に関するトークです。
 ゴシック・ロマンス、怪奇スリラー、ゴースト・ストーリー、異色短篇、パルプ小説にモダンホラー。一口に「怪奇幻想小説」と言っても、その種類は様々です。
 欧米の怪奇幻想小説に興味があるけれど、まず何を読んだらいいの? どんな作品があるの? といったところから、お勧めアンソロジーや参考書の紹介まで、欧米の怪奇幻想小説の本場であるイギリス・アメリカ作品を概観していきたいと思います。

 第2部は「ラヴクラフトを読む」。アメリカの怪奇小説家、H・P・ラヴクラフト。彼の作品は、欧米のみならず、現代日本のアニメやコミックにまで影響を及ぼしています。
 ラヴクラフト作品の魅力はどこにあるのか? 伝統的な怪奇小説とのつながりは? 《クトゥルー神話》の創作者としてのラヴクラフトというよりは、怪奇小説家としてのラヴクラフト。彼の作品そのものを、虚心に読み直してみたいと思います。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第6回読書会 開催しました
 6月18日の日曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第6回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め9名でした。
 テーマは、第1部「欧米怪奇幻想小説入門(英米編1)」、第2部「ファンタスティック・マガジン」です。参加してくださった方には、お礼を申し上げたいと思います。
 それでは、当日の会の詳細について、ご報告したいと思います。

 今回も、参加者全員のプロフィールをまとめた紹介チラシを作りました。チラシをPDFにしたものを、メールにて事前に配信しています。

 今回第1部のテーマは「欧米怪奇幻想小説入門(英米編1)」ということで、英米の怪奇小説を古典から現代まで、大まかにたどっていこうという試みです。資料として、代表的な英米怪奇小説の作品名と作者名を年表にしたものを作りました。
 合わせて、第1・2回で使用した「怪奇アンソロジーリスト」を増補した資料も用意しました。

 本当は、時代順に見ていこうという心積もりだったのですが、細かく見ていくと時間がかかってしまうのと、あまり馴染みのない時代の作品(特にゴシック・ロマンスなど)もあるため、時代的に行ったり来たりという感じになってしまいました。
 また、英米編とはいいつつ、フランスやドイツ・ロシア作品の話にもなったりと、少しまとまりに欠けた気はしています(話題が広がるという意味では楽しいのですが)。

 第2部は、「ファンタスティック・マガジン」と称して、怪奇・幻想に関わる雑誌についてのトークでした。『ナイトランド』以外は、基本的に、ほぼ昔の雑誌ばかりになってしまいましたが、珍しい雑誌を持ってきてくださった方もありました。ビジュアル的に見て楽しいものが多かったので、こちらはなかなか盛り上がったかと思います。

 それでは、話題になったトピックを順不同で挙げていきます。

第1部
・ゴシック・ロマンスについて。必ずしも超自然現象が発生せず、人間の仕業であることもある。わりとご都合主義。宗教的な描写が多い。
・ホレス・ウォルポール『オトラント城奇譚』について。怪奇幻想小説の嚆矢とされる作品。かなり荒唐無稽な時代劇だが、それが逆に面白い。
・クレアラ・リーヴ『イギリスの老男爵』について。『オトラント城』に直接的な影響を受けている作品。『オトラント城』の超自然要素を不自然だとして、その部分を自然に描いた、というコンセプトの作品だが、今読むとあまり面白くない。ただ、後半の資産相続をめぐる部分が下世話で、そこのところは面白く読める。
・ウィリアム・ベックフォード『ヴァテック』について。邪悪な魔術に入れ込む母子の地獄墜ちの物語。主人公たちが行う所行は残酷そのものだが、描写のデフォルメが強烈であまり陰惨にならないのが面白い。
・ウィリアム・ゴドウィン『ケイレブ・ウィリアムズ』について。メアリ・シェリーの父親にして、無政府主義者のゴドウィンが、自分の思想をエンタテインメントの形で描いた作品。ミステリの元祖ともいえるサスペンス小説。主人公が罪を暴こうとした領主から迫害される作品。その追い詰め具合が強烈だが、主人公の動機が「好奇心」というのが、ちょっと動機としては弱い気がする。白水Uブックス版には、結末が2パターン収録されている。
・マチューリン『放浪者メルモス』について。魂を手に入れようと時空をめぐる怪人の話。宗教談義の部分が長いが、物語そのものは面白い。語りが入れ子状になっていて複雑。国書から出た合本版は、分厚くて読みにくい。
・メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』について。作者が若くして書いた傑作。哲学的なテーマをはらんでいて、学問的な対象になるのも納得。物語は悲劇的なトーンが濃い。
・海外と日本のロボットや機械に対するイメージの違いについて。海外では、『フランケンシュタイン』やチャペック『ロボット』など、ロボットや機械は人間に敵対するものとしてのイメージが強いが、日本ではロボットや機械を「友人」や「仲間」として考える傾向がある。手塚治虫の『鉄腕アトム』の影響もあるのではないか。
・ジェイムズ・ホッグ『悪の誘惑』について。まっすぐに育った兄と狂信的な環境で育てられた弟の物語。物語が手記という形になっており、超自然的な現象が本当なのかどうかが曖昧になる構成。作者自身までが顔を出し、手記の真実性を曖昧にするなど、技法としては、かなり近代的な傑作。今読んでも面白い。
・ディヴィッド・パンター『恐怖の文学』について。恐怖小説についての通史。ゴシック・ロマンスが主体の本。2巻は出ないのだろうか。
・エドガー・アラン・ポーの作品について。ほとんどが短編作品だが、だいたいの作品において無駄が感じられない。ポーの短編作品を映画化した作品を見て、間延びした感じを受けるのは、原作に無駄がない証拠か。
・ブルワー=リットン『幽霊屋敷』について。最も怖い小説と言われることがあるが、今読むとそれほどではない。後半オカルト科学っぽい展開になったりと、意外に近代的な要素がある作品。
・フィッツ=ジェイムズ・オブライエンについて。ポーとビアスの間をつなぐと言われる作家。ホラーというよりファンタジーに近いが、傑作が多い。『あれは何だったか?』は、乱歩の分類することろの「透明怪談」で、ユニークな発想。光文社古典新訳文庫の選集『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』は訳も読みやすい。
・J・S・レ・ファニュについて。基本的に長篇はゴシック・ロマンスに分類される作家。今読むと長篇は退屈なものが多い。短篇は近代的な作品がある。『吸血鬼カーミラ』や『緑茶』は、今読んでも面白い。最近出た傑作集『ドラゴン・ヴォランの部屋』も面白かった。
・ロバート・ルイス・スティーヴンソンの作品について。『ジキル博士とハイド氏』は、二重人格を扱った傑作。短篇でも面白い怪奇作品が多い。
・怪奇小説を精神分析的な視点で読むという批評があるが、不毛な気がする。
・アーサー・マッケンについて。気色の悪い作品が多い。純粋な怪奇小説とはいえない作品も多いが、『夢の丘』は傑作だと思う。『怪奇クラブ』『白魔』など。
・M・R・ジェイムズについて。伝統的なゴースト・ストーリーを一つの様式にまで高めた作家。主人公は学識豊かな古文書学者とか考古学者で、遺跡や古文書の調査の過程で幽霊や妖怪に遭遇する…というパターンが多い。アンソロジーで読むと安定した感じだが、続けて読むと飽きてしまうことも。
・アルジャーノン・ブラックウッドについて。イギリスでは初?の怪奇プロパー作家。オーソドックスな怪奇作品だけでなく、変わった発想のものも多い。『人間和声』『ケンタウロス』など。
・ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』について。『フランケンシュタイン』などと並び、学問的な対象になることも多いが、そこまで高尚な作品ではないと思う。エンタメとしては非常に優れている作品。
・W・W・ジェイコブズ『猿の手』について。3つの願いをめぐる作品だが、それぞれの願いとその顛末の流れが完璧に近く、大変な傑作だと思う。
・フランシス・バーネット『白い人たち』について。あまり知られていないが、ゴースト・ストーリーの傑作。
・オーガスト・ダーレスの怪奇小説について。少年や子供を題材にしたジェントル・ゴースト・ストーリーに味がある。
・ちくま文庫は、時々怪奇幻想系のいい本が出る。風間賢二編『クリスマス・ファンタジー』『ヴィクトリア朝空想科学小説』は、すごくいいアンソロジー。
・国書刊行会《世界幻想文学大系》には、訳が読みにくいものも結構あった。ペトリュス・ボレル『シャンパヴェール悖徳物語』は、まるでマンガで使うようなルビの使い方がされていて、驚かされた。
・ダイアナ・ウィン・ジョーンズについて。意外にブラックだったり、怖い作品もある。
・アイルランドの怪奇小説について。ケルト文化に通じる作品には、キリスト教圏とは違った味わいがある。
・フィオナ・マクラウドについて。神話的な味わいのある短篇作品を書いた作家。『ケルト民話集』など。
・都筑道夫編『幻想と怪奇』(ハヤカワ・ミステリ)は、日本では先駆的な怪奇アンソロジー。古典的な作品に混じって、スタインベック『蛇』やカポーティ『ミリアム』など、従来は怪奇小説とはされていなかった作品を収録したところが新しい。
・ロバート・ヒチェンズ『魅入られたギルディア教授』について。霊に憑かれる男の物語だが、それが女性らしい霊で肉感的なところが斬新な作品。
・ジョン・ケンドリック・バングズ『ハロウビー館のぬれごと』は、幽霊を凍らせて退治するというユーモア怪談。楽しい作品。
・ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』について。ゴシック的な作品。短篇に比べてロマンティックな要素が濃い。
・アシモフ他編『クリスマス13の戦慄』について。わりと伝統的な怪談の多いアンソロジー。ラムジー・キャンベル『煙突』は、サンタの死をテーマにしたショッキングな作品。
・アンソロジー『バレンタイン14の恐怖』について。ウィリアム・F・ノーランの『ピエロに死を!』がバットマンをモデルにしたユニークな恐怖小説。
・ゾンビもの作品について。ホラー分野では従来マイナーだったゾンビが今や主流派に。日本ではマンガなどにも取り上げられるようになった。
・J・スキップ&C・スペクター編『死霊たちの宴』について。ゾンビをテーマにしたアンソロジー。ブライアン・ホッジ『がっちり食べまショー』は、タイトルからして強烈。後に長篇化するフィリップ・ナットマン『始末屋』は、知性を保ったゾンビを扱った作品。
・《破滅もの》における、イギリス作品とアメリカ作品の違いについて。イギリス作品はリアリズム重視で、暗い世相を描くのに長けているが、アメリカ作品では楽天的で簡単に復興してしまうものなどもある。
・フェリース・ピカーノ『透きとおった部屋』について。1970年代の作品だが、ストーカー的な題材を扱った面白い作品。
・怪奇小説の主流はバッド・エンドにある? アメリカ作品、とくにモダンホラーでは怪物や幽霊は退治されてハッピーエンドになってしまうことが多い。
・スティーヴン・キング『霧』の面白さ。映画化作品はちょっとどうかと思う。
・ジェームズ・ハーバートの『霧』について。霧によって人間が凶暴化する。B級だが面白い。
・怪奇実話について。怪奇小説と怪奇実話のファン層は、意外と重ならない? フィクション好きからすると、怪奇実話はあまり想像力の飛躍が感じられない。
・スティーヴ・ラスニック・テム『深き霧の底より』について。山奥の村を舞台にした静かなホラー。村人たちの間で怪奇現象が頻発する様を細かく描いた作品。雰囲気は素晴らしい。怪奇現象の一環として登場する熊が暴れるのは、ちょっと雰囲気を崩しているような気がする。
・モダンホラー作品とゴシック・ロマンスは意外に共通点があると思う。
・ロバート・コーミア作品について。子供を主人公にしても、かなり心理的にきつい作品を書く作家。『フェイド』は透明になる能力を持った少年を主人公にした超能力悲話的な作品。他に『心やさしく』など。
・サイモン・クラーク『地獄の世紀』について。大人が突如、子供を襲い始めるホラー作品。かなり残酷。後半ちょっと宗教的なトーンになってしまうのが残念。永井豪『ススムちゃん大ショック』にテーマが似ている。
・パトリック・レドモンド『霊応ゲーム』について。怪奇小説的な部分も素晴らしいが、少年小説・青春小説的な部分も素晴らしい。同著者の『復讐の子』も面白い。
・M・R・ケアリー『パンドラの少女』について。ゾンビウィルスが蔓延した世界で、知性を保ったままの少女をめぐるホラー作品。イギリス作品らしいシビアな作品世界が読みどころ。
・東雅夫編のアンソロジー《世界幻想文学大全》は、怪奇幻想のオールタイムベストで、ラインナップ的には初心者にオススメ。ただし、名訳を集めるというコンセプトなので、現代人には多少読みにくいものもあり。
・『怪奇小説傑作集』について。1巻からではなく2巻からの方が読みやすい。4巻フランス編は、怪奇小説というより編者澁澤龍彦の個性が出たアンソロジー。小ロマン派やシュルレアリスム系の作品が面白い。
・シャルル・クロス作品の面白さ。訳されている戯曲もコントのようで面白い。
・グザヴィエ・フォルヌレについて。『草叢のダイヤモンド』が非常に傑作なので、他にも傑作があるのかと思っていたら、近年出た短篇集を読んでがっかりした。一発屋?
・ロシアの怪奇小説について。
・レーミゾフの作品は非常に暗くて陰鬱。『小悪魔』など。
・アレクサンドル・グリーンについて。ロシアには珍しい陽性の作家。アルトアーツから近年刊行された短篇集が面白い。他に『深紅の帆』『黄金の鎖』など。
・仁賀克雄編『幻想と怪奇』について。異色作家系の作品を集めているので、非常にリーダビリティが高く面白い作品が多い。
・E・F・ベンスン作品について。『いも虫』など、一風変わったゴースト・ストーリーが印象的。
・河出文庫から出た《怪談集》シリーズは粒ぞろい。日影丈吉編『フランス怪談集』は、オーソドックスな怪談が多く、『怪奇小説傑作集』の4巻よりも、怪奇味が強い。ただし訳はあまり良くない。
・森英俊・野村宏平編『乱歩の選んだベスト・ホラー』について。『猿の手』の異稿版が収録されており貴重。
・ドイツ・ロマン派のメルヘン作品について。ルートヴィヒ・ティーク『金髪のエックベルト』は強烈な作品。ジョージ・マクドナルドなど、イギリス作品における影響も。
・伝説的な作品『吸血鬼ヴァーニー』はいつか読んでみたい。
・三津田信三『シェルター』について。核シェルターになぜか、マニアックなホラー映画がいっぱいあるという作品。有名無名のホラータイトルが言及されるのが楽しい。
・《異形コレクション》シリーズの『屍者の行進』は傑作揃いのアンソロジーだった。
・ケン・リュウ作品の面白さについて。中国や日本を舞台にした作品もあり、日本人にも馴染みやすい。「奇妙な味」やアイディア・ストーリーもあり、オールドSFファンにも馴染みやすいのではないか。
・中村融編『夜の夢見の川』について。巻頭のクリストファー・ファウラー『麻酔』が強烈なインパクトの怪作。
・ジェフ・ゲルブ編『ショック・ロック』について。収録作のスティーヴン・キング『いかしたバンドのいる街で』が、バカらしいアイディアながら印象が強い。
・岩波少年文庫から出ている3巻本のホラーアンソロジーは粒ぞろい。ただ、リチャード・ミドルトンなどは、子供が読んでも味わいがわかるのだろうかと心配になる。
・キノコをテーマにしたアンソロジー『FUNGI』について。日本の怪奇SF映画『マタンゴ』に影響を受けた作家たちの作品集。メインのトーンはホラーだが、変わった発想の作品も含まれており面白い。続刊は出るのだろうか。

第2部
・雑誌『幻想と怪奇』について。日本における、怪奇幻想系雑誌のさきがけ。創刊からの数号の充実度に比べ、終刊直前の薄さが目立つ。
・雑誌『牧神』について。怪奇幻想系の特集号が多い。執筆陣は非常に充実している。
・『このホラーが怖い!』について。1冊だけ刊行されて終わってしまったムック。ベスト企画の1位がロバート・エイクマン『奥の部屋』なのはビックリ。
・雑誌『奇想天外』1期について。海外作品中心、異色作家中心のラインナップで面白い雑誌だった。付録もついていて楽しい雑誌。
・雑誌『別冊奇想天外』について。主に海外作品とリストなど資料が充実していた雑誌。ファンタジー特集号は、荒俣宏入魂の一冊で、今見ても素晴らしい内容。
・同人誌『NULL』の合本の紹介。
・雑誌『OUT』について。初期はサブカル的な内容だった。
・雑誌『ムー』について。SF特集などもあった。
・雑誌『遊』について。稲垣足穂の追悼特集号のアートディレクションは素晴らしい。ただ内容は難解。
・雑誌『SFマガジン臨時増刊 ホラーマガジン』の紹介。モダンホラーブーム期に一冊だけ出たホラー増刊号。コラムや年表など貴重な企画も。
・雑誌『幻想文学』と『小説幻妖 弐』について。『小説幻妖 弐』の特集は「ベルギー幻想派」、今でも類似企画はほとんどない充実した特集。

二次会
・ブラックウッド『いにしえの魔術』と萩原朔太郎の『猫町』について。
・《世界幻想文学大系》第1期の本は、すき間がきつくて、本が箱から取り出しにくい。
・H・P・ラヴクラフト作品について。創元版全集は、3巻から訳者が変わるが、1~2巻の方が読みやすい。
・ラヴクラフトの最高傑作は?『ピックマンのモデル』『狂気の山脈にて』『宇宙からの色』『時間からの影』など。
・『クトゥルーの呼び声』は結末が印象的で、悪夢のような作品。
・ジョン・フランクリン・バーディン作品について。『悪魔に食われろ青尾蝿』『殺意のシナリオ』『死を呼ぶペルシュロン』の三作は、どれも悪夢のようなサスペンスで、とくに『悪魔に食われろ青尾蝿』はホラーと言ってもいい作品だと思う。
・《小学館ミステリー》では、何がいちばん面白いか。ジョン・フランクリン・バーディン『殺意のシナリオ』、エセル・リナ・ホワイト『バルカン超特急 消えた女』、ジョセフィン・テイ『魔性の馬』など。
・江戸川乱歩作品の面白さ。いちばん傑作だと思う作品は?『孤島の鬼』『陰獣』など。
・乱歩『黄金仮面』について。他人のキャラクターを使ったパスティーシュはなかなか難しい。
・天知茂主演『江戸川乱歩の美女シリーズ』について。突っ込みどころが多いけれど面白い。
・ロバート・ブロック作品の面白さ。『アーカム計画』はクトゥルー系の長編の中では屈指の傑作。
・猟奇事件が起こると、ホラー・バッシングが起こることが多いが、お門違いだと思う。
・国書刊行会《ゴシック叢書》は、厳密にはゴシックではない現代作品が多いのはどうかと思う。
・ジャック・ケルアックについて。『オン・ザ・ロード』『路上』など。
・池澤夏樹の『個人編集 世界文学全集』について。たまにユニークな巻がある。ジーン・リース『サルガッソーの広い海』など。
・国書刊行会の箱入り本は本棚に並んでいると独自の重量感がある。特に『ラヴクラフト全集』の存在感は強烈。
・夢野久作作品の面白さについて。短篇作品も傑作が多い。
・ボルヘス編『バベルの図書館』について。アンソロジー全体の統一感がすごい。

 次回、第7回読書会は、7月末ごろを予定しています。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第6回読書会 参加者募集です(再掲)
 延期していました「怪奇幻想読書倶楽部 第6回読書会」ですが、改めて、下記の日程で開催いたします。若干名の参加メンバーを募集しますので、参加したい方がおられたら、連絡をいただきたいと思います。
 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp


開催日:2017年6月18日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:1300円(予定)
テーマ
第1部:欧米怪奇幻想小説入門(英米編1)
第2部:ファンタスティック・マガジン

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。
※個人の発表やプレゼンなどはありません。話したい人が話してもらい、聴きたいだけの人は聴いているだけでも構いません。
※基本的には、オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも、安心して参加できると思います。

 第1部のテーマは「欧米怪奇幻想小説入門(英米編1)」。
 ゴシック・ロマンス、怪奇スリラー、ゴースト・ストーリー、異色短篇、パルプ小説にモダンホラー。一口に「怪奇幻想小説」と言っても、その種類は様々です。
 欧米の怪奇幻想小説に興味があるけれど、まず何を読んだらいいの? どんな作品があるの? といったところから、お勧めアンソロジーや参考書の紹介まで、欧米の怪奇幻想小説の本場であるイギリス・アメリカ作品を概観していきたいと思います。

 第2部は「ファンタスティック・マガジン」と題して、怪奇幻想や関連領域を扱った雑誌について語りたいと思います。
 古くは『幻想と怪奇』や『牧神』、新しいところでは『ナイトランド』、また『ミステリマガジン』の《幻想と怪奇》特集や『SFマガジン』の幻想小説を扱った特集、『ユリイカ』の作家特集など。
 雑誌そのものでも、雑誌の特定の号や増刊でも構いません。こんな雑誌がこんな特集をやっていた!というものでもOK。「ファンタスティック」な雑誌について話し合いたいと思います。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

「怪奇幻想読書倶楽部 第6回読書会」延期について
4月30日(日)開催予定だった「怪奇幻想読書倶楽部 第6回読書会」ですが、都合により延期させていただきます。代替日は決まり次第、お知らせいたします。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第6回読書会 参加者募集です
4月16日告知

 「怪奇幻想読書倶楽部 第6回読書会」を、下記の日程で開催します。若干名の参加メンバーを募集しますので、参加したい方がおられたら、連絡をいただきたいと思います。 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp


開催日:2017年4月30日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:1300円(予定)
テーマ
第1部:欧米怪奇幻想小説入門(英米編1)
第2部:ファンタスティック・マガジン

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。
※個人の発表やプレゼンなどはありません。話したい人が話してもらい、聴きたいだけの人は聴いているだけでも構いません。
※基本的には、オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも、安心して参加できると思います。

 第1部のテーマは「欧米怪奇幻想小説入門(英米編1)」。
 ゴシック・ロマンス、怪奇スリラー、ゴースト・ストーリー、異色短篇、パルプ小説にモダンホラー。一口に「怪奇幻想小説」と言っても、その種類は様々です。
 欧米の怪奇幻想小説に興味があるけれど、まず何を読んだらいいの? どんな作品があるの? といったところから、お勧めアンソロジーや参考書の紹介まで、欧米の怪奇幻想小説の本場であるイギリス・アメリカ作品を概観していきたいと思います。

 第2部は「ファンタスティック・マガジン」と題して、怪奇幻想や関連領域を扱った雑誌について語りたいと思います。
 古くは『幻想と怪奇』や『牧神』、新しいところでは『ナイトランド』、また『ミステリマガジン』の《幻想と怪奇》特集や『SFマガジン』の幻想小説を扱った特集、『ユリイカ』の作家特集など。
 雑誌そのものでも、雑誌の特定の号や増刊でも構いません。こんな雑誌がこんな特集をやっていた!というものでもOK。「ファンタスティック」な雑誌について話し合いたいと思います。

4月28日追記
 都合により、延期させていただきました。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第5回読書会 開催しました
 3月19日の日曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第5回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め9名でした。
 テーマは、第1部「リドル・ストーリーと結末の定まらない物語」、第2部「ブックガイドの誘惑」です。参加してくださった方には、お礼を申し上げたいと思います。
 それでは、当日の会の詳細について、ご報告したいと思います。

 今回も、参加者全員のプロフィールをまとめた紹介チラシを作りました。チラシをPDFにしたものを、メールにて事前に配信しています。
 第1部、第2部ともに、オススメ作品などがあれば、タイトルを挙げてくださいとお願いしていました。それらの文章をまとめたものと、主催者が独自にまとめたリドル・ストーリー作品ガイドを資料として配布しました。

 プラスチック製ネームプレートを、参加者それぞれの前に立てたうえで、参加者を紹介しておきます。新規の方のみ主催者から紹介し、2回目以降の参加者には、軽く自己紹介をしてもらいました。

 リドル・ストーリーというテーマはちょっと難しいかなと思っていたのですが、意外に意見が出たのはよかったです。脱線話を含みつつ、全体的にはまとまりのある話になったのかなという気はしています。
 ブックガイドに関しては、やはりお好きな方が多く、お気に入りの本をいろいろ紹介してもらいました。個人的にも気になるブックガイドがあったので、探してみたいと思います。

 以下、順不同で話題になったトピックの一部を並べてみます。例によって、記憶に残っているものだけですが。

第1部
・リドル・ストーリーの定義について。
・フランク・R・ストックトン『女か虎か』について。非常によくできた作品だが、結末がわかってしまうと、凡庸な話になってしまうのではないか。結末を削ったからこその作品。
・『女か虎か』の続編について。 ジャック・モフィット『女も虎も』など。やはり解決編になってしまうと、魅力が薄れる。ストックトン自身による続編『三日月刀の督励官』は、謎をさらに謎かけで煙に巻くという作品だが、結末を書かないという点では、上手くできている。
・フェルディナント・フォン・シーラッハ『テロ』について。ハイジャックされた旅客機がスタジアムに突っ込む前に撃墜するという事件の物語。多人数を救うために少人数の犠牲は許されるのか?というテーマ。有罪と無罪の正反対の結末が並置されている。作者が弁護士であることも関係? 作品として作者の主張は出すべきとの意見もあり。ただ、シーラッハの短篇では、結末を明確にしない作品も多い。
・オムニバスドラマシリーズ『if もしも』と、そのノベライズ作品について。毎回、ドラマの途中で分岐点が発生し、2通りの選択肢を選んだ場合を交互に描くという作品。1990年代前半に放映されたシリーズで、趣向は面白いが、ドラマ自体は凡庸なものが多い。
・アーロン・フリッシュ作、ロベルト・インノチェンティ絵『ガール・イン・レッド』について。赤ずきんを現代を舞台に置き換えた絵本。ハッピーエンドとバッドエンドが並置される構成。バッドエンドの方は子供向けとは思えない残酷な結末になっている。
・マーク・トウェイン『恐ろしき、悲惨きわまる中世のロマンス』について。『女か虎か』同様の、二者択一型リドル・ストーリー。『女か虎か』では片方の選択肢は命が助かるが、トウェイン作品では、どちらを選んでも死が待っているという構成。『女か虎か』よりも強烈な作品だと思う。
・ある事情のために主人公が動けなくなる…というモチーフでは、ノエル・カレフ『死刑台のエレベーター』も似たテーマの作品だった。
・トウェインでは、『天国だったか? 地獄だったか?』という短篇もリドル・ストーリー形式の作品だった。死にゆく姪に対して善意の嘘をつき続けた伯母たちに罪はあるのか?という倫理的テーマの作品。この作品が収録された傑作集『百万ポンド紙幣』(理論社)も非常にいい作品集だった。
・クリーヴランド・モフェット『謎のカード』について。〈三大リドル・ストーリー〉のうち、これだけ毛色が違う。この作品をはじめて読んだときの印象は怪奇小説に近い。実際、作者自身による解決編では、オカルト要素の強い怪奇小説になっている。ただ、やはり解決編を読むと、拍子抜けしてしまうのも事実。
・ディーノ・ブッツァーティ『なにかが起こった』は、イメージ喚起力が強く秀逸な作品だと思う。紀田順一郎編『謎の物語』には、この作品がリドル・ストーリーとして入っているが、そうするとブッツァーティの多くの作品がリドル・ストーリーになってしまう?
・ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の映画『CUBE』も、謎が多くてリドル・ストーリーっぽい。続編ではいろいろ後付の種明かしがされてしまうのは残念。
・ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の短篇映画『エレヴェイテッド』は、怪物の姿を見せず、それを見た人々の反応だけで構成された異色の作品。何やらブッツァーティの作品を思わせる。
・ジャン= バティスト・アンドレア&ファブリス・カネパ監督の映画『-less レス』について。全編暗闇でスプラッターシーンもないが、終始サスペンスの途切れない面白い映画作品。謎を残したまま進む展開はリドル・ストーリー的。
・最近出た『別冊映画秘宝 謎の映画』の紹介。リドル・ストーリー的な作品の紹介かと思ったら、忘れられた作家や作品についての紹介記事が主だった。『サスペリア』の謎とか、夢オチ映画についてのエッセイは面白かった。
・ダリオ・アルジェントの映画作品について。ストーリーが破綻していてもやはり好きな人は好き。『インフェルノ』などは破綻しきっている話だが、面白い映画だと思う。
・アルジェント監督『サスペリアPART2』はミステリファンから非常に評価が高い。有名なトリックがあるが、本格ミステリ的な意図があったかは微妙。殺しの趣向なども、けれんに満ちているが、そこが面白い。人形はトラウマになりそう。
・ゾンビについて。ホラーの怪物の中でもマイナーなジャンルだったのに、ここ20年ぐらいで一気にメジャーになった感がある。ホラーアイコン化? オールドホラーファンとしては、走るゾンビは好きではない。最近のゾンビはウィルス感染型が主流? ゾンビのキャラクターを利用したコメディなどもあり。
・バリイ・ペロウン『穴のあいた記憶』について。すごい密室トリックを考え付いた作家がその記憶を失ってしまい、アイディアを話したはずの男を探す話。トリックそのものは示されないという、『謎のカード』型の作品。
・ペロウン作品に似ているのが、ロード・ダンセイニ『書かれざるスリラー』。こちらでも画期的な殺人方法を思いついた男が、それを使って殺人を行う。
・服部まゆみ『この闇と光』について。お伽話的な舞台がひっくり返る物語。チャールズ・ボーモントの『ロバータ』に似た印象。
・多重解決ミステリについて。アントニイ・バークリー『毒入りチョコレート事件』、コリン・デクスター、芦辺拓『異次元の館の殺人』など。推理が次々とひっくり返されるという構成の作品があるが、最終的な推理が魅力的かというとそうでもないことが多い。
・エリック・ブレス/J・マッキー・グラバー監督『バタフライ・エフェクト』について。ループもの作品だが、試行錯誤して事態を改善しても、別の面で事態が悪化していまうという作品。行き詰まり感がすごい。
・日本のミステリは叙述トリックがやたらと多い。日本独自の現象?
・リドル・ストーリーは長編では難しいと思うが、それに近いのが、クレイ・レイノルズ『消えた娘』。娘が行方不明になり数十年間も待ち続ける母親の物語。
・ウイリアム・アイリッシュ『死者との結婚』について。アイリッシュ(ウールリッチ)作品の中ではそんなに有名ではないが、非常にいい作品。
・ウイリアム・アイリッシュ『誰かが電話をかけている』について。事件が解決したと思ったら、結局解決していなかったというバッドエンド。サスペンスホラー映画『暗闇にベルが鳴る』も似たテーマの作品。
・スティーヴン・バーの短篇『目撃』について。
・ジョン・クラッセンの絵本『どこいったん』について。ひねりも効いていて面白い作品。
・アイリッシュ(ウールリッチ)作品の魅力について。サスペンスの原型的な作品を多く書いている。『裏窓』など。映画化作品やその影響下にある作品は多く、知らずに触れている人も多いのではないか。白亜書房から出た『コーネル・ウールリッチ傑作短篇集』(門野集編)は、いい企画だった。
・創元推理文庫の『アイリッシュ短編集』も、品切れの巻があるので、ぜひ復刊してほしい。
・紀田順一郎編『謎の物語』に入っている、ウォルター・デ・ラ・メアの『なぞ』は、魅力的な作品。ただ、この作品をリドル・ストーリーとしていることによって、リドル・ストーリーの適用作品が一気に広がっている感じがある。
・城昌幸『古い長持』は、長持に入った妻が消えてしまうという話だが、デ・ラ・メアの『なぞ』とそっくりな作品。影響関係があるのだろうか?
・ハーヴィー・ジェイコブズ『おもちゃ』は非常にいい作品。
・ホーソーン『牧師の黒のベール』について。黒いベールをかけつづけた牧師の話。宗教的な解釈ができるのだろうが、不気味さは比類がない。
・ホーソーン『ウェイクフィールド』について。妻のそばで隠れ住みつづける男の奇妙な物語。解釈が示されないので、いっそう不気味さが増す。
・スティーヴン・ミルハウザー『夜の姉妹団』について。秘密結社について、いろいろと情報が積み重ねられていくが、それゆえにますますわからなくなるという作品。同じ作品集に収録された『私たちの町の地下室の下』でも、謎めいた雰囲気が強い。
・ジャック・ケッチャム作品について。『隣の家の少女』『オフシーズン』など。精神的に「嫌な」物語。
・アルフレッド・ノイズ『深夜特急』について。子供の頃読むとトラウマになりそうな作品。
・子供のころから気になっているがタイトルが思い出せない作品について。周囲の人間が止まっていて、全く動かない…と思っていたら毎日少しずつ動いているのに気づく…という話は、広瀬正の『化石の街』? 別世界につながる扉の出てくる話は、マレイ・ラインスター作品っぽい。
・石川達三『神坂四郎の犯罪』について。真相は藪の中に終わるという作品。
・有吉佐和子『悪女について』について。主人公の人物像について、いろいろな人間からの印象が描かれるという作品。アンドリュウ・ガーヴ『ヒルダよ眠れ』に近い印象?
・パット・マガー『被害者を探せ』について。被害者を探すという趣向の作品。マガー作品は、どれも趣向が楽しい。
・赤瀬川原平の写真集『正体不明』について。撮った写真の中で、正確に分類できず「あいまいなもの」というグレーゾーン的な観点から集めた作品集。
・高木こずえの写真集『MID』について。作者によると、MIDとは生と死の中間とのこと。
・スワニスワフ・レム『捜査』について。ミステリの分野でも取り上げられる作品。不条理性が強い。
・アゴタ・クリストフ『悪童日記』三部作について。
・ポール・オースター『シティ・オブ・グラス』について。
・ジェイムズ・ホッグ『悪の誘惑』。信頼できない語り手の早い時代の実例。真相がぼやかされる。
・筒井康隆作品『熊ノ木本線』『三丁目が戦争です』などについて。
・『うる星やつら』、映画版『ビューティフル・ドリーマー』と、その原型的作品、テレビシリーズのエピソード『みじめ!愛とさすらいの母』について。テレビエピソードの方は、よく放映できたと思えるほど不条理性の強い作風だった。

第2部
・風間賢二『ホラー小説大全』と尾之上浩司編『ホラー・ガイドブック』は、この分野の定番的ブックガイド。
・荒俣宏『世界幻想作家事典』について。書誌的には足りないところが多いが、著者の評価の入った文章は読んでいて面白い。
・荒俣宏『空想文学千一夜』について。怪奇幻想系の評論を集めた本。この分野の道標的な本。
・ジャック・サリヴァン編『幻想文学大事典』について。狭い意味での怪奇小説だけに絞っている代わり、この分野の情報量はすごい。未訳の作品についての情報も多し。
・「幻想文学」編集部編『幻想文学1500 ブックガイド』について。国別・テーマ別にあらすじが載っていて、自分の興味のあるものを探せる。利便性の高いブックガイド。
・山本弘『トンデモ本? 違う、SF だ!』と、その続編『トンデモ本? 違う、SF だ!RETURNS』について。〈パラノイアSF〉など、ぶっとんだアイディアのSF作品についてまとめた面白い本。
・小鷹信光『〈新パパイラスの舟〉と21 の短篇』について。テーマ別に仮想のアンソロジーを作るという体裁で作られたブックガイド。ミステリのテーマだけでなく、SFやファンタジー的なテーマもあるのが楽しい。
・松村喜雄『怪盗対名探偵』について。フランスミステリのガイドブックだが、マルセル・シュオッブ、モーリル・ルヴェル、カミなど、異色の作家にも筆が割かれていて、面白い本。
・角川文庫のカルチャー探偵団の『○○の快楽シリーズ』について。何十冊も出たが、どれもそれぞれ面白かった。未訳の作品についてもガンガン取り上げる著者もあって意欲的だった。
・佐藤圭『100冊の徹夜本』について。定番作品でないものも含めて紹介してくれているのが貴重。アーヴィング・ウォーレス作品についてなど。
・文藝春秋編『東西ミステリーベスト100』について。オールタイムのミステリが取り上げられており、オーソドックスだがいいガイド。
・『別冊宝島63 ミステリーの友』について。いろいろな著者がエッセイの形で書いた文章を集めたもの。網羅的なものではないが、拾い読みするのが楽しい。
・霜井蒼『アガサ・クリスティー完全攻略』について。個人の作品でこれだけ網羅しているのはすごい。
・ジョン・ラフリー『別名S・S・ヴァン・ダイン ファイロ・ヴァンスを創造した男』について。ヴァン・ダインの伝記作品。
・フランシス・M・ネヴィンズJr.『コーネル・ウールリッチの生涯(上・下)』と『エラリー・クイーン 推理の芸術』について。伝記部分だけでなく、作品論も丁寧にされている労作。
・『映画秘宝EX 最強ミステリ映画決定戦』。選ばれている作品が偏っていたりするが、面白いガイド。
・『戦慄のホラー読本』について。モダンホラー系作品が多く取り上げられている。
・ジョン・カッツェンバック『旅行者』について。女子学生に記録係をさせる殺人鬼の話。
・都築響一『誰も買わない本は、誰かが買わなきゃならないんだ』について。あまり取り上げられない本ばかり取り上げた異色のガイドブック。
・『J'sミステリーズ King and Queen 海外作家編』について。ライターによって出来不出来があるのと、基本的な書誌データの間違いも見受けられるが、全体的に有用なガイドブック。折原一による偏愛作品リストは愉しい。
・吉野朔美の書評エッセイと映画評エッセイについて。必ずしも、取り上げている作品についての情報がはっきり書かれているわけではないが、エッセイとしては魅力的。
・阿刀田高『恐怖コレクション』について。恐怖の原風景に関するエッセイ集。異色作家作品も多く取り上げられており面白い。
・豊崎由美/岡野宏文『百年の誤読 海外文学編』について。10年毎に10冊の、時代を代表する名著について、思うままに語った本。読み逃していた「名作」に手を伸ばすきっかけになりそうな本。
・伊藤典夫編『SFベスト201』について。SFをかなり広義に解釈していて、ホラーやファンタジー方面も取り上げられている。歴史的な意義より、読んで面白い本中心に選ばれている感じがある。
・新しい世代の書評家というのは育っているのか? ホラー分野ではあまり思い当たらない。
・先鋭的な作風の作家も、ベストセラー作家になると、皆作風が変わってしまう。なぜか皆、最終的に時代小説に行ってしまう印象がある。
・クトゥルー神話の大衆化について。コミックやライトノベルには拡散している印象があるが、原典のラヴクラフトは読んでいる人が少ないのではないか。

二次会
・ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』について。カーの怪奇趣味は他作品にも見られるが、これに限ってはミステリ・怪奇小説どちらとも解釈できるようになっている。怪奇小説としても秀作。
・写真集について。森山大道、中平卓馬『決闘写真論』『なぜ、植物図鑑か』、サラ・ムーン、梅佳代など。
・村上春樹の最高傑作は『ノルウェイの森』?
・レイ・ブラッドベリ『すばらしき白服』について。SFではないが味のある作品だと思う。
・レイ・ブラッドベリ『火星年代記』について。年代記風につながれた連作短篇集。滅びゆく美しさがある。結末の情景も感動的。
・ブラッドベリのオススメは? 『火星年代記』『10月はたそがれの国』など。
・SF作品は名作とされていても、古びてしまって、現代ではつまらなくなっているものもある。ハインライン作品はその手の作品が多いように思える。
・SFの古典はアンソロジーなどで、名作短篇を一通り読むほうが良い。河出文庫の『20世紀SF』はその点オススメのアンソロジー。
・SFはサイバーパンクの登場あたりから一気にとっつきにくくなった感がある。1980年代はSF不毛の時代ではないか。
・SFベストに毎回、ハインライン『夏への扉』が出てくるのはどうかと思う。
・W・H・ホジスンは、主だった作品がほぼ訳出されてしまった。
・『怪奇小説傑作集』のうち、フランス編は読みにくい。これに限らず、フランス文学は他の国に比べて、とっつきにくいのは事実。肌に合うか合わないかだと思う。
・マルキ・ド・サド作品はわかりにくい。
・泡坂妻夫『しあわせの書』について。トリックと仕掛けはものすごい。労力はすごいと思うが、物語自体はそんなに面白くないのでは。
・江戸川乱歩作品では何が面白いか? 初期短篇、『陰獣』『孤島の鬼』『猟奇の果』など。
・稲垣足穂作品について。『弥勒』『ヰタマキニカリス』『一千一秒物語』など。ヴァリアントが多いのは、金銭的な目的?
・電子書籍で本を読むことについて。旅行先へ持っていくなどの利便性はともかく、本としての「味わい」が薄い。
・本の物理的側面について。本を読むとき、物理的な手触りや版面の印象も含めて記憶に残る。そうした記憶のインデックス的な側面が電子書籍にはないのではないか。
・本は背表紙が見える形で本棚に置くべき。
・本の「自炊」について。是か非か? 100円均一のベストセラーはともかく、マイナーなジャンルの本を壊すのは気分的に無理。


第6回読書会は、4月下旬に予定しています。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第5回読書会 参加者募集です
 「怪奇幻想読書倶楽部 第5回読書会」を、下記の日程で開催します。若干名の参加メンバーを募集しますので、参加したい方がおられたら、連絡をいただきたいと思います。 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp


開催日:2017年3月19日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:1200円(予定)
テーマ
第1部:リドル・ストーリーと結末の定まらない物語
第2部:ブックガイドの誘惑

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。
※個人の発表やプレゼンなどはありません。話したい人が話してもらい、聴きたいだけの人は聴いているだけでも構いません。
※基本的には、オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも、安心して参加できると思います。

 第1部のテーマは「リドル・ストーリーと結末の定まらない物語」。リドル・ストーリーとは、作品中の謎が解かれないままに終わってしまう物語のこと。代表例としては、フランク・R・ストックトン『女か虎か』、クリーブランド・モフェット『謎のカード』、スタンリイ・エリン『決断の時』、芥川龍之介『藪の中』などがあげられます。
 今回は、狭義の「リドル・ストーリー」だけでなく、「結末の定まらない物語」として、結末が複数あったり、解釈が複数可能な物語についても、語り合いたいと思います。
 例えば、ミステリとも幻想小説とも解釈できる、ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』、あらかじめ2つの結末が用意された、フェルディナント・フォン・シーラッハ『テロ』、3通りの結末が選べるという、ジャンニ・ロダーリ『羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳』など。
 そもそも物語には一つだけの結末が必要なのか? そのあたりも含めて話し合えたらなと思います。

 第2部は「ブックガイドの誘惑」として、本好きなら必ずお世話になる、ブックガイドやリファレンスブックについて話したいと思います。ミステリなら、瀬戸川猛資『夜明けの睡魔』や小鷹信光『パパイラスの舟』、SFなら福島正美『SF入門』や石川喬司『SFの時代』、ホラーなら、風間賢二『ホラー小説大全』や尾之上浩二編『ホラー・ガイドブック』など。
 初心者の手引きとして、または玄人を唸らせるセレクションで、誰にでもお気に入りのブックガイドがあるはず。ミステリ、SF、ホラー、ジャンルは問いませんので、自分の愛読書になっているガイドを紹介してください。

※3月17日追記
第5回読書会の参加は締め切りとさせていただきたいと思います。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第4回読書会 開催しました
 2月26日の日曜日、JR巣鴨駅前のカフェにて「怪奇幻想読書倶楽部 第4回読書会」を開催しました。出席者は、主催者を含め9名でした。
 テーマは、第1部「夢と眠りの物語」、第2部「テーマなしフリートーク」です。今回は、本会のみ4時間。参加してくださった方には、お礼を申し上げたいと思います。
 それでは、当日の会の詳細について、ご報告いたします。

 今回も、参加者全員のプロフィールをまとめた紹介チラシを作りました。チラシをPDFにしたものを、メールにて事前に配信しています。
 前回同様、あらかじめ作っておいたプラスチック製ネームプレートを、参加者それぞれの前に立てたうえで、参加者を紹介しておきます。今回も、新規の方のみ主催者から紹介し、2回目以降の参加者には、軽く自己紹介をしてもらいました。

 今回のテーマは「夢と眠りの物語」。過去3回のテーマは、どちらかと言うと「ジャンル」的なものだったのに対して、今回は「モチーフ」的なものと言っていいんでしょうか。その点、新しい試みではありました。
 主催者が作った〈夢〉テーマ作品リストのほか、参加者のGreenさんの方で独自に挙げていただいたリストも参考にしながら、話を進めていく形になりました。
 ただ、テーマ的にどのような作品が扱われるか、参加者の方にいまいちイメージが伝わらなかった感もあり、進行がスムーズにいかなかったのは、自分への課題として残りました。

 第1部が終わり、第2部の完全フリートークの時間に入っても、〈夢〉テーマの話が結構続いたので、今回はほとんど〈夢〉テーマで終わったといっていいかもしれません。皆さん心に引っかかるものがあったというべきなのか、興味深いテーマではあったと思います。

 それでは、今回のトピックについて順不同で並べてみます(例によって、記憶にあるものだけですが)。

・人間が見る夢について。夢の内容は大体が支離滅裂で、また、個人的にしか意味を持たないことも大部分。それゆえ、他人と夢の話をしても、あまり興味を持ってもらえないことが多い。
・他人と夢の話をすることがあるか? ほとんどない人が大半。夢の中で危険な目に合うなど、特殊な例を除いては、あまり共通の話題にもならないことが多い。
・夢には記憶が反映される? 外国の風景が夢に出てくるとき、イメージとしての風景が出てくるが、実際に行った場所であれば、映像的にも鮮明になるような気がする。
・夢に関する文学は、古代から存在するが、近代以前のものは神託やお告げとしての夢を描いたものが多い。
・夢をそのまま記述した「夢日記」は、部分的に面白い部分はあるが、全体的には退屈なものが多い。
・夢に関する描写を、古典的な名著から抜粋したアンソロジー、スティーヴン・ブルック編『夢のアンソロジー』は、退屈で眠くなってしまう。
・『夢のアンソロジー』と同じようなコンセプトでも、ボルヘス編『夢の本』は、ボルヘス好みの不思議な描写を含む夢が多く取り上げられており、エンタメ度が高い。
・「邯鄲の夢枕」で知られる沈既済『枕の中の世界の話』、「南柯の夢」で知られる李公佐『南柯郡太守の物語』など、古い中国の夢物語には、現代の夢テーマのSFやファンタジー作品の原型が見られる。
・白行簡『三つの夢の話』は、相手の夢が現実に現れた話、自分の夢を相手に見られた話、同時に同じ夢を見た話、3つの夢のパターンを並べるという構成の夢物語ショート・ショートで楽しい。
・蒲松齢『聊斎志異』の1エピソード『宰相の夢のあと』は、上記『枕の中の世界の話』を元にした話。人間の生のはかなさを描くために、人生2回分以上の時間が夢だった…とするすさまじい物語。
・蒲松齢『聊斎志異』の面白さ。エピソードは数百篇と膨大。妖怪変化や精霊などが出てきたり、色恋を扱ったものが多い。
・都築道夫『有毒夢』の紹介。未来を舞台にした作品だが、あっさり人が殺されてしまう。
・都筑道夫の怪談作品について。怪奇小説としての理想は岡本綺堂と内田百閒だったらしく、実際に後期の作品はこの2人の作風に近くなってくる。後期の短篇集『目撃者は月』では、夢をテーマにした怪奇作品が多かった。
・フィリップ・K・ディック『凍った旅』は、ディック後期の短篇。冷凍睡眠から目覚めた男がコンピュータに強制的に良い夢を見させられるが、男の罪悪感から全て悪夢になってしまうという物語。結構が整っているのと、ディックらしからぬ哀愁感が感じられて、味わい深い作品。
・SF作品だと、タイトルに「夢」とつく作品がよくあるが、内容的には夢と関係なかったりする。
・マーガニータ・ラスキ『ヴィクトリア朝の寝椅子』の魅力について。一種のタイムトラベルものだが、妙な心地悪さのある作品。同じくラスキの怪奇小説『塔』も気色悪さの際立つ作品。
・《20世紀イギリス小説個性派セレクション》は、なかなか面白いセレクションだった。シルヴィア・タウンゼンド・ウォーナー『フォーチュン氏の楽園』など
・シルヴィア・タウンゼンド・ウォーナーについて。未訳の作品『猫のゆりかご』『ロリー・ウィローズ』などについても。
・キャサリン・ストー『マリアンヌの夢』の面白さ。画帳に描いたものが夢の中で現実化されるという話。児童文学扱いだがけっこう怖い。映画化作品『ペーパーハウス 霊少女』は完全にホラー映画。
・ボルヘスは夢に関心の強かった作家。『円環の廃墟』について。夢の中で人間を作り出すという幻想小説。「神」のアナロジー?
・ケヴィン・ブロックマイヤー『終わりの街の終わり』について。生者の記憶にある限り、存在を続ける死者の街の物語。何ともいえない魅力のある作品。
・エドモンド・ハミルトン『眠れる人の島』について。
・ロード・ダンセイニ『ぺガーナの神々』について。神々さえも、つかの間の夢に過ぎない…という壮大なファンタジー。〈宿命〉と〈偶然〉が賭をする…というのは、決定論と自由意思の問題を神話に流用したもの? ダンセイニの世界観は、日本人の心性に近い気がする。
・チャールズ・ボーモント『トロイメライ』について。このパターンのオチを知らずに読むと、すごくビックリするのではないか。
・アルベルト・モラヴィア『夢に生きる島』について。ラヴクラフトやクトゥルーのパロディとしての側面も。
・アーシュラ・K・ル・グィン『天のろくろ』について。夢で世界を改変するというファンタジー。世界改変というすごい能力を描きながら、作品の主眼がそこにはないところに作家性を感じる。映像化作品『レイス・オブ・ヘブン』は、特撮などは控えめだが、わりと原作に忠実な良作。
・内田善美『星の時計のLiddell』について。マンガというより絵画に近い。発想元はアンドレ・モーロワ『夢の家』? 類似した発想のイギリス民話『夢の家』も存在。
・内田善美について。そもそも男性か女性かも不明。作品の再刊は拒絶しているそう。
・アンブローズ・ビアス『アウル・クリーク橋の一事件』について。「夢オチ」の元祖? 現代エンタメでは類似の作品が多く見られる。似たテーマの作品として、エイドリアン・ライン監督『ジェイコブズ・ラダー』など。
・ナサニエル・ホーソーン『デーヴィッド・スワン』の独創性について。現実に「夢」が通り過ぎるという作品。「今までの人生は全て夢だった」というテーマを逆転させたユニークな発想。
・シャーリイ・ジャクスンの作品集『こちらへいらっしゃい』について。収録作品『夜のバス』は、夢テーマ作品の傑作。同時収録のエッセイも面白い。ぜひ復刊してほしい作品集。
・怪奇小説で夢が扱われるときは、たいてい「悪夢」として登場する。わりとワンパターンな使い方が多い気がする。
・ウィルキー・コリンズ『夢のなかの女』について。夢の中で殺されそうになる話。それが真実なのか妄想なのかはっきりしない構成も巧み。
・ロバート・R・マキャモン『夜襲部隊』について。映像化作品も面白かった。
・シーリア・フレムリン『特殊才能』の怖さについて。他人を悪夢にひきずりこむ男の物語。悪夢を扱った作品の中でも、かなりの怖さをほこる作品。
・楳図かずお『神の左手悪魔の右手』について。全体に夢に関連する要素が強い作品。とくに第1エピソード『錆びたハサミ』は、全篇悪夢がテーマになっている。主人公の少年をはじめ子供たちの倫理観の描かれ方などが独特。
・SF作品では、ある時期、睡眠をなくしたらどうなるか?という感じの作品があった。バラード『マンホール69』など。現代では、ナンシー・クレス『ベガーズ・イン・スペイン』などが似たようなテーマの作品。
・現代の夢テーマでは、夢に潜り込む…というタイプの作品が多い。筒井康隆『パプリカ』、映画『マトリックス』シリーズ、ターセム・シン監督『ザ・セル』、クリストファー・ノーラン監督『インセプション』など。
・映画『インセプション』について。夢世界が階層構造になっているところが面白い。
・小川未明『金の輪』について。凄味のある作品。未明には他にも面白い作品がある。
・フリオ・コルタサル『夜、あおむけにされて』について。夢と現実が逆転するストーリー。
・シオドア・スタージョン『熊人形』について。何とも言えない不気味さのある作品。『監房ともだち』など、スタージョンには他にも変な作品がある。
・スティーヴン・ミルハウザー『アリスは、落ちながら』について。『アリス』のパスティーシュ作品。『バーナム博物館』収録作品中では目立たないが、いい作品。
・マーガレット・ミラー『鉄の門』について。ミラー作品では、時折、現実が悪夢のような情景に変貌することがある。精神的に問題をかかえた登場人物が多いせいもあるかも。『心憑かれて』など。
・戦後のニューロティックサスペンスでは、悪夢のような、幻想小説に近い作品もある。ジョン・フランクリン・バーディン作品など。
・フロイト以後における、夢テーマ作品への影響について。一時期は、精神分析的な視点を持ち込んだ作品が多く書かれた。ただ、象徴をちりばめられた作品を読んでも、物語として魅力的ではないものも多い。
・現代では、フロイトやユングの思想は、SFやファンタジーのひとつの素養として読まれていくのではないか。
・筒井康隆はフロイトの影響が強く、夢についての著作も多い。『パプリカ』『夢の検閲官』など。
・スティーヴン・キング作品について。近年の作品はどんどん厚くなっている? キングの文体の特徴について。商品名を羅列する、頭の中に流れるCMを描写する、など。リアリティを出すための技術?
・キング『シャイニング』について。映画版と原作は大分違う。キング自身が再映像化した作品についても。
・キング『ランゴリアーズ』の面白さ。サスペンス度は強烈。映像化作品では、最後に怪物が出てくる場面で白けてしまった…という人も。
・ネルヴァル『オーレリア』について。散文詩のような作品。
・映画、ジャック・リヴェット監督『セリーヌとジュリーは舟でゆく』について。女性二人を描いたファンタスティックな作品。他に似ている作品が思い浮かばない、ユニークな映画。
・駕籠真太郎作品について。もともと成人マンガ畑の人だが、近年はわりとメジャーに。奇想がすごい。人体がバラバラになったりと、筒井康隆を思わせるところもある。
・中野京子『新 怖い絵』について。「普通」の絵画だけでなく、殺人鬼ジョン・ウェイン・ゲイシーのピエロの絵なども収録しているところが面白い。
・久世光彦『怖い絵』について。この著者は、日常にさりげなくフィクションを混ぜるのがうまい。
・殺人鬼たちが描いた絵画展について。
・『マリ・クレール』誌は、安原顯が編集に関わるようになって文芸誌のようになった。
・安原顯が絡んだブックガイドシリーズは、どれも魅力的だった。とくに角川文庫から出た『短篇小説の快楽』は、それぞれの専門家がベストを選んだ魅力的な本。風間賢二『ホラー短篇小説ベスト50』、荒俣宏『ファンタジー短篇小説ベスト50』など。中には「ノン・ジャンル」という、よく分からない分類も。
・新刊情報をどこで入手するか? 「悪漢と密偵」さんのtwitterでの新刊情報は非常に便利。
・図書館の利用法について。マイナーな翻訳ものは、リクエストをしないと入れてくれなくなってしまう。ベストセラーばかり入れるのは図書館としていかがなものか。
・最近の図書館はサービスが行き届いている。深夜まで開館していたり、カフェ併設のところも多し。
・ルネ・マグリットの絵画作品の面白さ。現実にありえない組み合わせ、描かれた内容とタイトルの乖離、描かれた空の美しさなど。マグリットには、似たモチーフの作品が多数あり、それぞれタイトルが違うので、タイトル名を覚えるのが大変。
・ダリの作品について。絵画というより宝飾品に近い扱い。
・クリムト作品の素晴らしさについて。実物を見ると圧倒される。
・ヘンリー・ダーガーについて。世界観の設定の細かさがすごい。死後にダーガー作品の価値を認め保管した家主は偉い。
・宮沢賢治『銀河鉄道の夜』は、夢テーマ作品?
・ブラックウッド『ジンボー』について。隠れた名作。
・ブックガイドについて。ミステリやSFなどはたまにガイドが出るが、ホラーに関しては滅多に出ない。風間賢二『ホラー小説大全』の再刊でも、新しい情報はとくに更新されていなかった。現代のホラー事情が最近はわからなくなっている。
・自由国民社『世界のSF文学・総解説』について。「幻想文学」版もそうだが、あらすじを結末までばらしてしまうのはどうかと思う。トールキンの項目に記された、トールキン自身の歌のカセットが気になる。
・書きたいジャンルの需要がないので、別の分野で書く作家は昔からいた。マシスンのように本質はホラー作家だが、主にSFで活躍した作家もいる。日本でも純文学作家がミステリを書いていた例もある。
・《ドーキー・アーカイヴ》について。サーバン『人形つくり』は面白かったが、あまりバリエーションの書けない作家という印象。何冊か出たら飽きてしまうかもしれない。
・坂口尚の〈夢〉をテーマにした短篇マンガについて。
・夢をテーマにした谷内六郎の画集について。
・妄想が現実化する…というのも〈夢〉テーマのバリエーション? 小松左京『召集令状』、オーガスト・ダーレス『淋しい場所』、フレドリック・ブラウン『発狂した宇宙』、フィリップ・K・ディック『虚空の眼』など。
・映画『ビューティフル・マインド』について。
・映画『眠る男』について。
・映画『マイ・プライベート・アイダホ』について。
・怪奇小説における「手」テーマの作品について。W・F・ハーヴィー『五本指の怪物』、ジェラール・ド・ネルヴァル『魔法の手』、ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュ『白い手の怪』、モーパッサン『手』、クライヴ・バーカー『手』、オリバー・ストーン監督の映画『キラー・ハンド』など。
・ジャック・ロンドン『星を駆けるもの』について。精神の力だけで肉体世界を克服する話。『新トワイライトゾーン』のエピソードで、似たようなテーマの作品があったが、そちらでは二重のオチになっていて感心した。
・田中啓文の作品について。ダジャレから発想されていて、その発想力に驚く。『銀河帝国の弘法も筆の誤り』『異形家の食卓』『UMAハンター馬子』など。
・「自動筆記」をはじめ、シュルレアリストたちは夢や無意識の力に関心が強かった。チャンス・イメージなど。
・E・H・ヴィシャック『メデューサ』について。昔から幻想小説の名作と言われていたもの。邦訳がアトリエサードから刊行予定。
・R・L・スティーブンソン『びんの悪魔』について。非常によくできたお話。フリードリヒ・ド・ラ・モット・フーケ『地獄の小鬼の物語』という、そっくりの話がある。


第5回読書会は、3月中旬~下旬に予定しています。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

怪奇幻想読書倶楽部 第4回読書会 参加者募集です
 「怪奇幻想読書倶楽部 第4回読書会」を、下記の日程で開催します。若干名の参加メンバーを募集しますので、参加したい方がおられたら、連絡をいただきたいと思います。 連絡いただきましたら、改めて詳細をメールにてお送りいたします。

お問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
kimyonasekai@amail.plala.or.jp


開催日:2017年2月26日(日曜日)
開 始:午後13:30
終 了:午後17:30
場 所:JR巣鴨駅周辺のカフェ
参加費:1200円(予定)
テーマ
第1部:夢と眠りの物語
第2部:テーマなしフリートーク

※「怪奇幻想読書倶楽部」は、怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)についてのフリートークの読書会です。メインは「怪奇幻想」ですが、ミステリ・SF・ファンタジー・文学・コミックなど、関連分野についても話しています。
※個人の発表やプレゼンなどはありません。話したい人が話してもらい、聴きたいだけの人は聴いているだけでも構いません。
※基本的には、オフ会のような雰囲気の会ですので、人見知りの方でも、安心して参加できると思います。

第1部のテーマは「夢と眠りの物語」。
 古来より神秘的とされてきた「夢」と「眠り」。古典の時代から現代まで、物語においても、様々に取り上げられてきました。
 例えば、ホルヘ・ルイヘ・ボルヘス『円環の廃墟』、ジョン・コリア『夢判断』、夏目漱石『夢十夜』、エドモンド・ハミルトン『眠れる人の島』、筒井康隆『パプリカ』、キャサリン・ストー『マリアンヌの夢』、内田善美『星の時計のLiddell』、ロバート・R・マキャモン『夜襲部隊』、アーシュラ・K・ル・グィン『天のろくろ』、澁澤龍彦『夢ちがえ』など。魅力的な「夢」と「眠り」にまつわる物語について話したいと思います。

第2部は、テーマを限定しないフリートークとして、最近読んだ面白い本や映画の話、紹介したいオススメ本の話、参加者に聞いてみたい疑問など、興の向くままにおしゃべりしたいと思います。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

kazuou

Author:kazuou
男性。本好き。短編好き。異色作家好き。怪奇小説好き。
怪奇幻想小説の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。
主に翻訳小説を紹介していますが、たまに映像作品をとりあげることもあります。
記事の新旧に関わらず、コメント・トラックバックは歓迎しています。



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